JPS5833938B2 - ジクシ−ル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は改良された孔維持特性を特徴とする改良型リッ
プシールに関する。

又本発明はシール保持を改良するためのシールと孔との
間の組合わせに関する。

軸がごろかり軸受に支承されている如き多くの機械装置
取付に於て、潤渭剤の漏洩を防ぐことが重要であり、又
磨耗性、又は腐蝕性のある異物かころかり軸受の中に入
ることを防止することも極めて重要である。

この様な目的を達成するために単一のリップを有するシ
ールよりも複数のリップを有するシールを設けることが
推奨されることが多い。

この理由は複数シールならより満足に行い得る水、はこ
り、汚れ、腐蝕性異物等を適宜に排除することを可能な
単一のリップシールを提供することは困難であるからで
ある。

然しなから複数リップシールは軸に関してトルクか大き
くなり単−シールに比較して極めてその値が高くなるこ
とか多く、又その様な複数リップシールが孔中に静止状
態に留まらずに軸と一緒に回転してしまう傾向がある。

又その様なシールは軸の回転中に孔から出てしまう様な
付随的傾向もある。

この様なことは、比較的小寸度の孔、軸、シールか使用
される時に特に問題となる。

その理由はその様な場合に、回転軸に関するトルク量が
孔にシールを保持するためのトルクに関して大きくなり
がちであるからである。

本発明の目的は、シールが少くとも一つの半径方向の可
撓性リップを有し、孔にシールを維持し、それを静止状
態に保持するための問題を解決することである。

従って本発明はグリース、又は油潤渭剤を保持するある
環境条件に於ける問題を解決すると共に水、又は他の異
物の侵入を阻止し又シールを所定位置に適正に維持する
ものである。

本発明の軸シールは金属支持部材を有し、これにエラス
トマー素子がモールド又は接着されている。

支持部材はシールが嵌合される孔の円筒部よりも外側直
径が実質的に小さい円筒形部分を有している。

この円筒形部分の一端は半径方向に内方に曲げられた部
分であり、他端、即ち自由端に於ては、本発明の場合、
一連の間隔をあけた角度を以て外方に偏らせた部分を備
え、この偏らせた部分の終端部は孔の円筒部の直径より
も僅かに大きい外側直径となっている。

本発明に於ては、孔にも環状溝があり、この溝の直径は
実質的に孔の円筒部よりも大きく、又この溝の直径は角
度を以て外方に偏らせた部分よりも大きい。

軸シールのエラストマー素子は円筒形部分の半径方向内
側面及び半径方向に内側に折り曲げた部分の軸方向内面
に接着され、半径方向内方に延在して複数の間をあけた
可撓性半径方向のリップ、典型的には三つのワエファー
状リップを与える様になっている。

これらのリップは軸の周囲よりも実質的に小さい内周を
終端部としているからこれらはかなりの軸干渉となる。

この大きい軸干渉度合はリップと軸との間のかなりな量
の相対的トルクを要することとなる。

大きな干渉は潤滑剤の適正な保持と、異物の適正な排除
には重要であるか先に述べた如く、この様な複数リップ
シールか軸と共に回転し、又軸の回転により孔から出て
しまう様な傾向となる問題が生ずる。

然しなから、本発明に於ては外方に偏らせた金属保持部
分（以下外方偏向部分という。

）に加えて、シールが又そのエラストマー素子に円筒抜
孔保合部分を与え、この係合部分は支持部材の円筒形部
分の外周面の約半分の上に延在している。

即ち孔係合部分とは前記外方偏向部分をエラストマー素
子で覆い前記孔に嵌合する部分をいう。

この円筒状エラストマ一部分は孔の円筒部よりも若干大
きい直径を有し、又僅かに覆うだけではあるが角度を以
て外方に偏らせた部分も覆っている。

組付にあたり、この孔係合エラストマ一部分は環状溝内
に変形する様になされると共に、孔の円筒状部分と係止
する様になされる。

シールが取付けられる時に、それは孔の円筒状部を介し
て環状溝の方向に、又溝の端部の壁に対して軸方向に押
込まれる。

角度を以て偏らせた金属部分は孔の円筒状部分よりも外
径が大きいから、孔の円筒状部を通過する際半径方向内
方に撓まされねばならない。

次いで偏らせた部分は環状溝に到達しエラストマ一部分
か歪を受けるから、（成る時間の間に渉り）徐々に弾性
で外方に大きくなる傾向となる。

エラストマー被覆はエラストマー材料か変形すると同様
にこの被覆よりも直径が小さい孔を介してシールの取付
を可能ならしめる様に充分変形し、シールが完全に取付
けられた時に、かなりの量のエラストマー材料か環状溝
にあることになるか残余の余剰量（孔のサイズ以上の余
剰分）は支持部材の円筒壁の部分を覆う様になる。

この様な構造のために、エラストマーＭ覆は孔に沿って
の漏洩を封止するばかりでなく複数リップと軸との間に
存在するよりも大きなトルクを与える。

従って、この構造は軸か回転する時に孔内でシールか回
転することを防止し、又シールか孔から抜は出すことを
防止する。

同時に金属の外方への偏らせた部分はシールか孔からの
抜は出し防止の補助をする。

本発明の他の目的、利点は以下の実施例の記載から明ら
かにされる。

図面に示す複数リップ軸シール１０は本発明の原理の好
ましい適用例である。

シール１０は二つの基本的な素子を含んでいる。

即ち金属の支持部材１１とエラストマー素子１２である
。

支持部材１１は円筒形部分１３を有し、これの外周１４
は図示の如く、これが取付けられる孔に関して寸法を小
さくしである。

シール１０か取付けられる時に外周１４と孔との間に間
隙がある。

円筒形部分１３は又内側面１５を有する。

円筒形部分１３の一端に於て支持部材（即ちケース）１
１は内方に曲げた半径方向部分１６があり、これは支持
部材を剛性化し、エラストマー素子１２の支持を改善す
る様に作用する。

円筒形部分１３の自由端１７に於て、本発明のシールに
は複数の間隔をあけた外方に偏らせた部分（外方偏向部
分）１８が設けられている。

これらの部分１８はディンキングの如き作業（但し半径
方向内側へでなく外方への動き）に於て自由端１７の間
隔をあけた部分を外方に強制することにより作ることが
出来る。

外側縁１９に終るこれらの部分１８は第２，３図に示さ
れているか、第２゜３．４図はすべて、支持部材１１か
連続的であり又部分１８か自由端１７で終る偏向の影響
を受けていない外方偏向部分１８より寸法の大きい円筒
形部分２０により互いに隔てられていることを示してい
る。

外方への偏りはシールの直径に比して僅かであり、第４
図は若干誇張されている。

然しなからこれらの外方偏向部分１８は本発明に於て極
めて重要性かある。

エラストマー素子１２はボデ一部２１を有し、これは支
持部材１１の内側面１５と、半径方向部分１６の内側面
２２とに接着されている。

ボデ一部２１にはその半径方向内側リムに複数のシーリ
ングリップ、この場合には三つのワエファー状リップ２
３，２４．２５がある。

これらのリップ２３．２４．２５の各々は断面が実質的
に矩形で平坦な内方縁２６（第４図）を有している。

図面は拡大しであるが、前記リップ２３，２４，２５は
可撓性である薄いワエファーに似ているものである。

三つのリップ２３，２４．２５は軸に取付けられると第
５図に示す如く外方に撓む。

この撓みは単一のリップシールにより、特にそのリップ
が鋭い縁を持っている場合に比較してかなりのトルクを
生ずるのに充分な程度であるか、このタイプの本発明の
シール１０は異物を排除すると共にグリース及び他の潤
滑剤を保持するのに極めて有効である。

エラストマー素子１２は支持部材１１の自由端１７の囲
りに、又角度をつけた外方偏向部分１８の末端部１９の
上に重なり円筒形部分１３の約半分に渉り延在し、円筒
状周面２８を有する円筒状被覆２７を与え、これはシー
ル１０が嵌入される孔よりも大きい。

この円筒形被覆部分２７はエラストマー材料が流れて入
ることが出来る空所を与えるために自由端１７から半径
方向内方に折曲げられた部分１６に向けて中途までしか
延在していない。

角度をつけた外方偏向部分１８は被覆されているがほん
の僅か覆はれて居り、以下説明する様に二つの部分即ち
、外方偏向部分１８と円筒形被覆部分２７との間の協働
作用が極めて重要である０ 第５図は三つのリップ２３，２４．２５がすべて撓めら
れて軸３０にシール１０が取付けられている典型的な取
付状態を示している。

取付か行なわれる機械の部分、即ちハウジング３１には
環状溝３３に達する孔円筒状部３２を有する孔があり、
これに続いて別の円筒状部３５に連なる肩部、即ち半径
方向内方に延在する部分３４がある。

ころがり軸受か孔の円筒状部３５に配置されている。

この軸受は軸３０と孔円筒状部３５との間に位置決めさ
れたボールベアリング３６とすることも出来これは適宜
なケージ３７が設けられている。

本発明の作用並びに効果を第６〜９図に関して説明する
。

これらの拡大図面はシールを孔に取付ける状況と、それ
が最終位置で保持される状況を説明するものである。

第６図に於て、角度付外方偏向部分１８は孔の円筒状部
分３２よりも直径か大きく、又エラストマー円筒状部分
、即ち円筒形被覆部分２７は同様に円筒状部分３２より
も大きいことが示されている。

又こ０図は支持部材、即ちケース１１の外周円筒形部分
（即ち壁部）１３か孔の部分３２よりも小さい外周１４
を有し、その間に間隙がある様になることを示している
。

シール１０の取付並びに維持を論する場合に、シール１
０は環状部材であって、第８図に示す様な形態に単純に
押し込み得るものではないことに留意しておかねばなら
ない。

孔円筒伏部３２より大きいエラストマ一部分及び金属部
分が組付の間に何処かに動く必要がある。

次に第７図は組付作業の中間位置を示し、角度付外方偏
向部分１８は組付を可能ならしめる様に平坦になされて
いる。

即ち偏向部分は内向きの撓みを与えられている。

又この図に於て、エラストマー材料が円筒形被覆部分２
７から初期直径の外周面２８の部分よりも大きい隆起部
３８へ流れることにより移動したことが示されている。

これは勿論、極めて緊密な嵌合となる。

然しなから余剰材料のための場所がなければならない。

第８図はシールか完全に組込まれた状況を示している。

外方偏向部分１８は再び弾性で拡がり抽出作用に対して
シール１０を維持する補助を行う。

又円筒状部分２７からのエラストマー材料のかなりの部
分３９か溝３３内にあってこの溝を充たさうとして居り
、一方他の部分４０が円筒状部分１３に沿って流動して
外周１４と孔内筒状部３２との間にある。

従って、エラストマー材料が流動してゆく場所が存在す
る。

第９図は角度を以て外方に偏向された外方偏向部分１８
か存在しない場所の支持部材１１の部分を示している。

この場所でのシール保持は若干有効性か少くなるが、こ
の様なものも重要である。

何故ならば、一連の外方偏向部分１８の間の中断円筒形
部分２０がなければ、シールを組込むことか不可能とな
ろうし、又第７図に於て得られる種類の撓みを得ること
、又第８図の如き状態に基く弾性作用を得ることか不可
能となるであろうからである。

従って、角度付外方偏向部分１８の間の無偏向円筒形部
分２０も又重要である。

上述の如く、孔の種々の部分と、シール１０のサイズ、
形状、材料との間の協働作用によりシールの保持か与え
られる。

一旦組付けられると、シール１０は所定場所に留まり、
軸３０の回転中孔の円筒状部３２に関して静止状態に留
まる。

本発明の関連する分野の技術者にとっては、横取に於け
る多くの変化や広汎に異なる実施例、又多くの適用は本
発明の趣旨と範囲を逸脱することなく可能であり、上記
に説明したものは例示であり、本発明を伺ら制限するも
のではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の原理を具体化する複数リップ軸シール
の端面図、第２図はエラストマーを付加する前のシール
に対する金属支持部材に関する第１図と同様な図面、第
３図は第２図の線３−３に沿った断面図、第４図は第１
図の線４−４に沿っての、外方に偏倚された偏向部分の
内の一つを通過する断面の拡大図、第５図は孔、軸、ボ
ールベアリング、第１図、第４図のシールを含む据付の
部分を示す部分的な断面図、第６図はシールが据付られ
る場合の据付は開始時期に於ける孔と、シールの外周と
を示す第５図の据付部分の拡大図、第７図は第６図と同
様であるがシールかほぼ中途迄入れられた図面、第８図
は第６，７図と同様であるが据付完了の図、第９図は第
８図に示すものと直径上反対側の部分の断面図である。 尚図面に於て、１０：軸シール、１１：支持部材、１２
：エラストマー素子、１３：円筒形部分、１８：外方偏
向部分、２３，２４，２５：ウエファー状リップ、２７
：円筒形被覆部分。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 放射型の軸シールに於て、 金属の支持部材と、この支持部材にモールドさし接着さ
   れたエラストマー素子を含み、 前記支持部材は一端に半径方向内側に曲げられた部分と
   、他端に一連の間隔をあけた角度を以て外方に偏らせた
   偏向部分と、を有する円周方向に連続的な円筒形部分を
   有し、 前記エラストマー素子は前記支持部材の前記円筒形部分
   の半径方向内側面と、前記半径方向内側に曲げられた部
   分の軸方向内面とに接着され、又半径方向内方に延在し
   て少くとも一つの可撓性リップを提供し、 前記エラストマー素子は又前記支持部材の前記円筒形部
   分の半径方向外周面に前記角度をつけて外側に偏向した
   部分を覆い、又前記角度をつけて外側に偏向した部分か
   ら軸方向で前記偏向した部分から離れる方向に前記支持
   部材よりも軸方向に短い円筒形部分を与える如く孔係合
   部分を提供し、これにより、組付に際し、前記エラスト
   マー素子の前記孔係合部分か孔の環状溝内に変形される
   様になされると共に、孔の円筒部に係止する様になされ
   、前記金属の角度をつけて外方に偏向させた部分は前記
   溝に向けて軸方向に動くに当って半径方向内方に撓む様
   になされ次いで前記溝に於ける係止を補助し、又前記シ
   ールが孔の概ね放射状に延在する壁に対しての最終的に
   当接している位置から抜は出ることを防止するために、
   弾力で外方に拡がり、又前記シールと、前記孔の円筒部
   との間の相対的回転を防止する様になっている軸シール
   。