JPH0653229A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JPH0653229A
JPH0653229A JP20399092A JP20399092A JPH0653229A JP H0653229 A JPH0653229 A JP H0653229A JP 20399092 A JP20399092 A JP 20399092A JP 20399092 A JP20399092 A JP 20399092A JP H0653229 A JPH0653229 A JP H0653229A
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polysilicon
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Hirokazu Fujimaki
浩和 藤巻
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より高速動作するバイポーラトランジスタの
製造方法を提供する。 【構成】 ドープドポリシリコンで構成されたベース電
極61x,61yが単結晶領域の所定部分69(ベース
形成予定領域やエミッタ形成予定領域になる部分)の近
傍にまで及んでいる構造のバイポーラトランジスタのベ
ースやエミッタを形成する際に、ベース電極61x,6
1yの側壁を側壁絶縁膜73aで自己整合的に覆う。こ
の試料を、ドーピングガスを含む水素雰囲気中に置き、
熱処理し不純物を単結晶領域の所定部分69に導入す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体装置の製造方
法に関するもので特に浅い不純物拡散層を必要とする装
置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高速動作する半導体装置が必要とされる
分野では、ECL(emitter coupledlogic )と称され
るもの及び又はCML(current mode logic)と称され
るもの即ち非飽和形論理回路構成の半導体装置が用いら
れる。この種の半導体装置において論理振幅を一定とし
た場合、これの動作速度は、装置を構成する個別素子
(トランジスタなど)や配線の寄生容量及びトランジス
タのベース抵抗、電流利得帯域幅によって決定される。
これら要因のうちの寄生容量を低減するには、動作速度
への影響が大きいトランジスタのベースコレクタ間接合
容量を低減するのが特に有効である。このため、この種
の装置では、ベース電極をドープドポリシリコンで構成
しこれをベースの真性ベース近傍上まで設けて真性ベー
ス面積を縮小する構造が一般に採用されている(例え
ば、後述の図15(C)の、真性ベース33近傍までド
ープドポリシリコンで構成したベース電極21x,21
yを設けた構造。詳細は後述する。)。
【0003】このような構造の半導体集積回路装置の従
来の製造方法として、例えば、この出願の出願人に係る
特開昭63−261746号公報に開示の方法があっ
た。以下、図12〜図15を参照してこの方法について
説明する。ここで、図12(A)〜(C)及び図13
(A)〜(C)はこの従来方法の主な工程での試料の様
子を概略的な断面図によって示した工程図、図14
(A)〜(C)及び図15(A)〜(C)はこの製造方
法中のいくつかの工程での試料の1つのトランジスタ部
分を拡大して示した断面図である。
【0004】この従来方法では、先ず図12(A)に示
したように、P- 型シリコン基板11にN+ 型埋込拡散
層13が形成され、さらにこれらP- 型シリコン基板1
1上及びN+ 型埋込拡散層13上にN- 型エピタキシャ
ル層(ただし図示では素子間分離用絶縁膜15が形成さ
れた状態で示してある。)が形成され、さらにこのN-
型エピタキシャル層の所定部分に素子間分離用絶縁膜1
5が形成されて半導体基体17が構成される。なお、こ
の図において、19a,19bは、N- 型エピタキシャ
ル層の素子間分離用絶縁膜形成後に残存した島状の単結
晶領域である。このうちの単結晶領域19aはベース・
エミッタ形成領域になり、単結晶領域19bはコレクタ
形成領域の一部になる。次に、同図に示したように、半
導体基体17上にポリシリコン層21が形成され、さら
に、このポリシリコン層21上に、図示しないパッド酸
化膜を介し、この層21の、前記単結晶領域19aの所
定部分に対応する部分を少なくとも露出する開口部23
aを有する耐酸化性かつ絶縁性の膜としてのシリコン窒
化膜23が、形成される。
【0005】次に、このシリコン窒化膜23をマスクと
しポリシリコン層21が選択的に酸化される。これによ
り、ポリシリコン層21の、シリコン窒化膜23下の部
分はそれぞれポリシリコン層21a,21b,21cと
して残存し、残りの部分がポリシリコン酸化膜25a〜
25dになる(図12(B))。
【0006】次に、図12(C)に示すように、コレク
タ電極とされるポリシリコン層21c上のシリコン窒化
膜が選択的に除去されさらにこのポリシリコン層21c
にリン(P)がイオン注入された後この試料が熱処理さ
れる。この熱処理において、ポリシリコン層21c中の
リンが単結晶領域19bに拡散するので、単結晶領域1
9bはコレクタ抵抗低減用N+ 型領域13aになる。次
に、ポリシリコン層21a,21bにシリコン窒化膜2
3を介してホウ素(B)が1〜5×1015原子/cm2
程度注入される。これによりポリシリコン層21a,2
1bがベース電極(ドープドポリシリコン)21x,2
1yになる。さらにこの試料が900℃程度の温度でア
ニールされベース電極21x,21y中のホウ素濃度が
均一化される。次に、単結晶領域19a上のポリシリコ
ン酸化膜25b(図12(B)参照)が選択的に除去さ
れ、その除去跡の内壁が酸化されて膜厚20nm程度の
内壁酸化膜27が形成される。この酸化処理において、
ベース電極21x,21yから単結晶領域19aにホウ
素が拡散するのでこの領域19bの一部にP+ 型の不活
性ベース29が形成される。図14(A)は、図12
(C)のQ部分を拡大して示した断面図である。ただ
し、図14(A)において31は図12において図示を
省略したパッド酸化膜である。なお、以下の説明で用い
る図14(B)〜図15(C)も、工程進度に応じ、図
12(C)のQ部分相当部分の拡大図で示してある。
【0007】次に、この試料にBF2 が1〜5×1013
原子/cm2 程度注入されて単結晶領域19aに活性ベ
ース33が形成される。次に、この試料上に膜厚が10
0nm程度のシリコン酸化膜35、膜厚が200nm程
度のポリシリコン層37が順にCVD法により形成され
る(図13(A)、図14(B))。ただし、図13
(A)ではシリコン酸化膜35の図示を省略してある
(以下の図13(B)及び(C)において同じ。)。
【0008】次に、反応性イオンエッチングにより、ポ
リシリコン層37、シリコン酸化膜35及び内壁酸化膜
27の所定部分が除去されてエミッタ形成用開口部39
(図14(C)参照。)が形成される。この際シリコン
酸化膜35及びポリシリコン層37それぞれの一部は開
口部39の側壁にサイドウオール35a,37aとして
残存するので、このエミッタ形成用開口部39は、シリ
コン窒化膜23によって規定される開口部よりも狭いも
のとなり然もセルフアライン的に形成される。また、こ
の際、コレクタ電極用ポリシリコン21c表面が露出さ
れる。
【0009】次に、図15(A)に示したように、この
試料上に膜厚300nm程度のポリシリコン層39aが
形成され、さらにこのポリシリコン層39a表面に膜厚
20nm程度のシリコン酸化膜41が形成された後、こ
のポリシリコン層39aに砒素が1×1016原子/cm
2 程度注入される。
【0010】次に、図15(B)に示したように、シリ
コン酸化膜41、ポリシリコン層39a及びシリコン窒
化膜23がエミッタ電極形状になるように好適なエッチ
ング手段によってパターニングされる。その後、この試
料が熱処理される。この熱処理においてポリシリコン層
39a中の砒素が真性ベース33に拡散するので真性ベ
ース33の所定部分にエミッタ43が形成される。
【0011】次に、図15(C)に示したように、ベー
ス電極21x,21y上に残存している薄い酸化膜(パ
ッド酸化膜)31が除去された後、この試料上に白金の
薄膜(図示せず)が蒸着法により形成され、その後この
試料が熱処理される。この熱処理において白金薄膜のポ
リシリコン層上に形成された部分はポリシリコンと反応
し白金シリサイド45になる。なお、ポリシリコンを用
いた部分で白金シリサイド化されたくない部分(例えば
ポリシリコン抵抗など)には薄い酸化膜を残存させてお
く。このシリサイド化処理後の不要な白金薄膜が王水に
よって除去される。次に、試料上全面にCVD酸化膜4
7が形成される。
【0012】次に、図13(C)に示したように、この
CVD酸化膜47の所定部分(エミッタ、ベース、コレ
クタへの配線接続部)にコンタクトホールが開口され、
このコンタクトホールを利用し金属配線49が形成され
る。
【0013】この方法によれば、極度の微細化ができベ
ース抵抗及び寄生容量の低減が測れるので、高速動作す
るバイポーラトランジスタが得られた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の半導体装置の製造方法では、トランジスタの高
周波特性をさらに向上させる場合以下の点で困難が伴
う。
【0015】第一の点は、活性ベースの形成をイオン注
入法によって行なっていたためチャネリングが生じるの
で、ベース・コレクタ接合深さを効果的に浅くするにも
限界があるということである。したがって、高速動作の
バイポーラトランジスタの最大遮断周波数を向上させる
に最も有効なベース幅の短縮が困難になるので、装置の
動作の高速化を図るにもおのずと限界が生じてしまう。
【0016】第二の点は、エミッタの形成をドープドポ
リシリコンエミッタ電極からベースへ不純物を拡散させ
ることで行なっていたため、エミッタ・ベース接合のエ
ミッタ側の不純物プロファイルを急峻にするに限界があ
るということである。高速化をねらうトランジスタでは
ベース幅が薄くされるが、反面パンチスルーを低減する
ためにベース不純物濃度は高くされる。しかし、ベース
不純物濃度が高くされると必要な電流増幅率を得ること
が困難になる傾向がある。これを補うには、エミッタ・
ベース接合のエミッタ側の不純物濃度プロファイルをで
きるかぎり急峻にして、エミッタからベースへのキャリ
アの注入効率を増大させて、トランジスタの電流増幅率
を増加させることが重要になるから、上記第二の点を改
善することは重要になる。
【0017】第三の点は、エミッタ電極形成時にホトリ
ソグラフィ技術及びエッチング技術による加工(図15
(B)を用い説明した工程)を実施する必要があるた
め、マスク合わせ余裕が必要となりその分素子サイズ縮
小が図れないということである。これは、寄生容量及び
寄生抵抗を低減する上で不利であり装置の動作の高速化
の支障になる。
【0018】上述の第一及び第二の点を解決できる可能
性を有する方法の一つとして、例えば、文献I(アプラ
イドフィジックス レターズ(Appl.Phys.Lett.Vol.58,
No.16(1991.4.22),pp.1746−1750)、または、文献II
(1992春応用物理学会予稿集,p.712,講演番号30a-
SZK-10)に開示の、ドーピングガスを含んだガス雰囲気
中(各文献ではドーピングガスを含んだ水素ガス雰囲気
中)でこの雰囲気ガス中の不純物を試料に拡散させる方
法(以下、「気相ドーピング法」と略称する。)が考え
られる。この気相ドーピング法によれば、数10nm程
度の浅い接合が得られるからである。しかし、図12〜
図15を参照して説明した従来方法にこの気相ドーピン
グ法を適用し例えばベースを形成する場合を考えると、
図14(A)に示した状態から酸化膜27を除去して単
結晶領域19a表面を露出させこの露出面から気相ドー
ピングを起こさせる必要があるが、単結晶領域19a表
面を露出させようとするとベース電極21x,21y
(ドープドポリシリコン層)の側壁上の酸化膜も共に除
去されドープドポリシリコンが露出されてしまう。この
ようにベース電極21x,21y(ドープドポリシリコ
ン)側壁が露出された状態で気相ドーピング工程を実施
すると、この工程中においてベース電極21x,21y
から不純物が蒸発しこれが単結晶領域19aに再導入さ
れるのでベース領域への不純物のドーピング制御性が悪
化してしまう。このように、単に気相ドーピング法を適
用したのでは、制御性良く浅い接合を形成し超高速な半
導体装置を形成するという本来の目的が達成できないと
いう問題が生じる。
【0019】この発明は、このような点に鑑みなされた
ものであり、従ってこの発明の目的は、不純物拡散層形
成予定領域近傍にn又はp型不純物を含有する層が存在
する半導体装置の当該不純物拡散層を形成する際に、不
純物を含有する層から不純物拡散層形成予定領域への不
純物再導入を効果的に防止できよって高速動作する半導
体装置を提供できる半導体装置の製造方法を提供するこ
とにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、この発明によれば、半導体基体の不純物拡散層形成
予定領域近傍上にn型又はp型不純物を含有する層を具
える半導体装置を製造する方法において、前述の不純物
拡散層の形成は、前述の不純物を含む層の少なくとも当
該不純物拡散層形成予定領域側の部分を自己整合的に絶
縁膜により覆った状態で、該半導体基体をドーピングガ
スを含むガス雰囲気中にて処理することで、行なうこと
を特徴とする。ここで、半導体基体とは、半導体装置の
設計に応じた種々のものを意味し、例えば、半導体基板
そのもの、半導体基板上にエピタキシャル層を具えたも
の、これらのものに他の素子などが作り込まれた中間体
などであることができる。
【0021】この発明の実施に当たり前述の半導体装置
をバイポーラトランジスタとし、前述の不純物を含む層
をドープドポリシリコンで構成されたベース電極とし、
前述の不純物拡散層をベース、エミッタ、及び、コレク
タの真性ベース直下の部分のうちの少なくとも1つとし
た場合、このバイポーラトランジスタの形成は、以下の
(a)〜(f)の各工程を含む工程により行なうのが好
適である。
【0022】(a)一主面に島状に分割された第1導電
型の単結晶領域を有する半導体基体上に、ポリシリコン
層を形成する工程。
【0023】(b)該ポリシリコン層上に、この層の、
前述の単結晶領域の所定部分に対応する部分を露出する
開口部を有する耐酸化性かつ絶縁性の膜を形成する工
程。
【0024】(c)前述のポリシリコン層の所定部分に
不純物を選択的に導入して前述のベース電極形成用の層
を得る工程。
【0025】(d)該開口部により露出されるポリシリ
コン層部分を除去して前述の単結晶領域の所定部分を自
己整合的に露出させる工程。
【0026】(e)前述の単結晶領域の所定部分を自己
整合的に露出させたことにより生じる前述のポリシリコ
ン層の側壁を、絶縁膜により自己整合的に覆う工程。
【0027】(f)該側壁絶縁膜形成済みの半導体基体
を第1導電型のドーピングガスを含むガス雰囲気中にて
処理して前述の所定部分に表面の不純物濃度が増大され
たコレクタ部分を形成するか、または、第2導電型のド
ーピングガスを含むガス雰囲気中にて処理して前述の所
定部分にベースを形成する工程。
【0028】また、上述の(e)の工程における前述の
側壁絶縁膜は、前述の単結晶領域の所定部分を露出させ
た後に該試料上に絶縁膜を形成するかまたは該試料を熱
酸化し該試料表面に酸化膜を形成し、該絶縁膜又は酸化
膜の、前記単結晶領域の所定部分上に当たる部分を、異
方性エッチングにより除去することによって、自己整合
的に形成するのが好適である。
【0029】また、上述のようにバイポーラトランジス
タを形成する際に、 (g)前述の所定部分に表面の不純物濃度が増大された
コレクタ部分を形成した場合は、該コレクタ部分形成済
みの半導体基体を第2導電型のドーピングガスを含むガ
ス雰囲気中にて処理し該コレクタ部分と接するベースを
形成する工程をさらに設けるのが好適である。
【0030】また、上述のようにバイポーラトランジス
タを形成する際に、次の各工程(h)〜(k)をさらに
設けるのが好適である。
【0031】(h)ベース形成済みの試料の側壁絶縁膜
を除去する工程。
【0032】(i)側壁絶縁膜除去済みの該試料上に絶
縁膜を形成するか、または、該試料を熱酸化し該試料表
面に酸化膜を形成し、その上に第2のポリシリコン層を
形成する工程. (j)これら第2のポリシリコン層及び絶縁膜または酸
化膜を順次に異方性エッチングにより除去し、前述のベ
ース形成領域を、前述の側壁酸化膜除去前の露出面積よ
り縮小された面積で自己整合的に露出させる工程。
【0033】(k)該所定ベース部分露出済みの試料を
エミッタ形成用ドーピングガスを含むガス雰囲気中で処
理してエミッタを形成する。
【0034】また、上述のようにバイポーラトランジス
タを形成する際に、 (l)前述のエミッタ上にポリシリコン及びタングステ
ンをこの順で選択成長させてエミッタ電極を形成する工
程をさらに設けるのが好適である。
【0035】
【作用】この発明の構成によれば、気相ドーピングの際
に、n又はp型不純物を含有する層の、少なくとも不純
物拡散層形成予定領域近傍部分から、該層中の不純物が
気相ドーピングガス雰囲気に蒸発することが防止される
ので、n又はp型不純物を含有する層中の不純物が不純
物拡散層形成予定領域に再導入されることがない。した
がって、浅い接合が形成できかつ急峻な不純物プロファ
イルが得られるという気相ドーピング法本来の特性を、
利用できる。これは、ドープドポリシリコンでベース電
極を構成しているバイポーラトランジスタの製造にこの
発明を適用した場合で考えれば、ベース電極から不純物
がベース等の形成予定領域に再導入される心配をするこ
となく、ベース、エミッタ、及び、コレクタの真性ベー
ス直下の部分を気相ドーピングにより形成できることを
意味する。
【0036】また、n又はp型不純物を含有する層(例
えば、ドープドポリシリコンから成るベース電極)の所
定部分を絶縁膜で覆うことを、自己整合的に行なうの
で、素子サイズが増大したり工程が煩雑になることもな
い。
【0037】また、単結晶領域の所定部分即ちベースや
エミッタ等の形成予定領域を自己整合的に露出させた後
にベース電極の側壁を絶縁膜により覆うことを、試料上
に絶縁膜を形成してそれを異方性エッチングによって選
択的に除去する(選択的に側壁に残存させる)方法で行
なう場合は、単結晶領域の気相ドーピングのために露出
させる面積を絶縁膜の膜厚によって容易に調整できる。
また、同ベース電極側壁を熱酸化膜により覆う方法では
工程の簡略化が図れる。
【0038】また、コレクタの真性ベース直下の部分
(以下、この部分を「真性コレクタ部分」と称すること
もある。)の表面不純物濃度を増大させることを、気相
ドーピング法で行なう場合も、真性コレクタ部分へのベ
ース電極中の不純物の再導入の心配はないので、所望の
不純物濃度領域が形成できる。したがって、表面不純物
濃度を増大させたコレクタ部分を有する利点、即ち、後
述の実施例で詳細に説明するが、最終的なベース幅を薄
くできるという利点、残りのコレクタ部分の不純物濃度
は増加しないのでこの部分の空乏層厚は厚くなるからベ
ースコレクタ間耐圧が確保されかつベース・コレクタ間
容量の増加を抑制できるという利点、カーク効果(コレ
クタ電流の増加に従いベースコレクタ間に存在する高電
界領域がコレクタ側にずれること。)を抑止できるとう
いう利点などが確実に得られる。
【0039】また、エミッタ形成の際に上述の(h)〜
(k)の工程を実施する構成では、エミッタ形成予定領
域の露出面積を、絶縁膜や第2のポリシリコン層の膜厚
を調整することにより、自己整合的にかつ所望の大きさ
に縮小できるので(図5(C)参照)、エミッタ・ベー
ス接合容量の低減が図れる。
【0040】また、エミッタ形成の際に、上述の(h)
〜(k)の工程を実施するとエミッタ電極を形成する際
の下地はエミッタ領域(単結晶領域)と第2のポリシリ
コン層で主に構成されるので、ポリシリコンでエミッタ
電極を構成する場合のこのポリシリコンの結晶成長速度
を速めることができる。しかも、エミッタ電極用ポリシ
リコンを選択的に成長できるから、エミッタ電極を自己
整合的に形成でき、かつ、表面平坦性に優れるエミッタ
電極が得られる。
【0041】また、エミッタ電極をポリシリコン及びタ
ングステンを連続成長させて形成する構成では、上述の
ポリシリコンのみでエミッタ電極を形成する場合の作用
に加え、配線抵抗の低減が図れる。また、タングステン
のみを選択成長させた場合にタングステンがトランジス
タ活性領域に侵入する心配があるが、ポリシリコン及び
タングステンを連続成長させて形成する構成では、これ
を防止できる。
【0042】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の半導体装置
の製造方法の実施例について説明する。しかしながら、
説明に用いる各図はこの発明を理解できる程度に各構成
成分の寸法、形状及び配置関係を概略的に示してあるに
すぎない。また、以下の実施例は、ドープドポリシリコ
ンで構成されたベース電極がベース形成予定領域(エミ
ッタ形成予定領域としても同じ。)の近傍にまで及んで
いる構造のバイポーラトランジスタの製造にこの発明を
適用した例である。
【0043】1.第1実施例 図1〜図3は第1実施例の製造方法の主な工程での試料
の様子を概略的な断面図によって示した工程図である。
また、図4及び図5は、図1〜図3中のいくつかの工程
での1つのトランジスタ部分(図2(A)中にQで示し
た部分に相当する部分)を拡大して示した断面図であ
る。なお、図1〜図3では図面が複雑になることを回避
するため、一部の構成成分(例えば、パッド酸化膜な
ど)の図示を省略している。
【0044】先ず、図1(A)に示したように、P-
シリコン基板51にN+ 型埋込拡散層53を形成し、さ
らにこれらP- 型シリコン基板51上及びN+ 型埋込み
拡散層53上にN- 型エピタキシャル層(ただし図示で
は素子間分離用絶縁膜55が形成された状態で示してあ
る。)を形成し、さらにこのN- 型エピタキシャル層の
所定部分に素子間分離用絶縁膜55を形成して半導体基
体57を得る。この図1(A)において、59a,59
bで示したものが、N- 型エピタキシャル層の素子間分
離用絶縁膜形成後に残存した島状の単結晶領域である。
このうちの単結晶領域59aがベース・エミッタ形成領
域になり、単結晶領域59bがコレクタ形成領域の一部
になる。次に、同図に示したように、半導体基体57上
に膜厚が約300nmのポリシリコン層61を形成し、
さらに、このポリシリコン層61表面に膜厚が20nm
程度のパッド酸化膜(図示せず)を形成した後、この層
61上に(詳細にはパッド酸化膜を介して)、この層2
1の、前記単結晶領域59aの所定部分に対応する部分
を少なくとも露出する開口部63aを有するシリコン窒
化膜63を、形成する。
【0045】次に、このシリコン窒化膜63をマスクと
しポリシリコン層61を選択的に酸化する。これによ
り、ポリシリコン層61の、シリコン窒化膜63下の部
分はそれぞれポリシリコン層61a,61b,61cと
して残存し、残りの部分はポリシリコン酸化膜65a〜
65dになる(図1(B))。
【0046】次に、図2(A)に示すように、コレクタ
電極とされるポリシリコン層61c上のシリコン窒化膜
を選択的に除去しさらにこのポリシリコン層61cにリ
ン(P)をイオン注入した後この試料を熱処理する。こ
の熱処理において、ポリシリコン層61c中のリンが単
結晶領域59bに拡散するので、単結晶領域59bはコ
レクタ抵抗低減用N+ 型領域53aになる。次に、ポリ
シリコン層61a,61bにシリコン窒化膜63を介し
てホウ素(B)を例えば1〜5×1015原子/cm2
度イオン注入法により注入する。これによりポリシリコ
ン層61a,61bがベース電極(ドープドポリシリコ
ン)61x,61yになる。さらにこの試料を900℃
程度の温度でアニールしてベース電極61x,61y中
のホウ素濃度を均一化させる。次に、この試料に対し好
適な熱処理を行ないベース電極61x,61yから単結
晶領域59aにホウ素を拡散させてこの領域59bの一
部にP+ 型の不活性ベース67を形成する。次に、単結
晶領域59a上のポリシリコン酸化膜65b(図1
(B)参照)を選択的に除去する。これにより、単結晶
領域59aの所定部分69が自己整合的に露出される。
図4(A)は、ここまでの工程で得られた試料の要部
(図2(A)のQ部分)を拡大して示した断面図であ
る。ただし、図4(A)において71は図1において図
示を省略したパッド酸化膜である。なお、以下の説明で
用いる図4(B)〜図5(C)も図2(A)のQ部分相
当部分の拡大図で示してある。
【0047】次に、図2(B)及び図4(B)に示した
ように、この試料上全面にCVD法によりシリコン酸化
膜73を200nm程度の膜厚に形成する。次に、図2
(C)及び図4(C)に示したように、このシリコン酸
化膜73を異方性のエッチング技術例えば反応性のドラ
イエッチング法によりエッチングする。この際、エッチ
ングはシリコン酸化膜73の厚み方向に選択的に進むの
で、シリコン窒化膜63の一部から成るひさし部分下に
シリコン酸化膜73が残存する。したがってベース電極
61x,61yの側壁を縁膜膜(以下、「側壁絶縁膜」
ともいう。)73aによって覆うことができる。なお、
このエッチングにより単結晶領域59aの一部が露出さ
れるがその開口幅(図4(C)にWで示す幅。)は、シ
リコン酸化膜73の膜厚を調整することにより制御でき
るから、この側壁絶縁膜形成法は不純物拡散層形成領域
の面積制御が容易に行なえるという利点を有する。次
に、該側壁絶縁膜73a形成済みの試料を気相ドーピン
グ法により処理し単結晶領域59aの露出部分に所望の
不純物拡散層を形成するため、この実施例では試料をp
型のドーピングガスを含むガス雰囲気中にて処理して前
記露出部分に真性ベース75を形成する(図2(C)、
図5(A))。具体的には、この試料を、酸素フリーの
2 6 を数〜数10ppm程度含んだ水素雰囲気中に
入れ、かつ、約800〜900℃の温度で数分〜数10
分処理する。この処理において、ホウ素が単結晶領域5
9aの露出部分に拡散するので、この部分に真性ベース
75が形成できる。なお、ドープドポリシリコンから成
るベース電極61x,61yはその表面がシリコン窒化
膜53により覆われまたその側壁が側壁絶縁膜73aに
より覆われているので、このベース電極61x,61y
中の不純物(この場合p型不純物)はこの気相ドーピン
グ法のガス雰囲気中に蒸発できないから、ベース電極6
1x,61y中の不純物が単結晶領域59aに導入され
ることはない。したがって、気相ドーピング法の利点が
得られるので、この真性ベース75は、表面ピーク濃度
が1×1018/cm3 〜1×1019/cm3 で接合深さ
が100nm程度の極めて急峻な濃度プロファイルを有
するものとなる。
【0048】次に、側壁絶縁膜75をHF(フッ酸)水
溶液により除去し、その後、この試料に酸化処理をしシ
リコン露出部分(単結晶領域59a部分など)表面に膜
厚10nm程度の酸化膜(図示せず)を形成する。
【0049】次に、図3(A)及び図5(B)に示した
ように、この試料上に膜厚が100nm程度のシリコン
酸化膜77と膜厚が200nm程度のポリシリコン層7
9とをこの順にCVD法によりそれぞれ形成する。
【0050】次に、図3(B)及び図5(C)に示した
ように、反応性イオンエッチングにより、ポリシリコン
層79、シリコン酸化膜77及び図示しないシリコン酸
化膜(上述の膜厚10nm程度のもの)の所定部分を選
択的に除去する。これにより、エミッタ形成用開口部8
1が自己整合的に形成され、また、ベース電極61x,
61yの各側壁は今度はシリコン酸化膜77a及びポリ
シリコン層79aの側壁によって覆われる。なお、エミ
ッタ形成用開口部81の幅(図5(C)中W1)は、シ
リコン酸化膜77及びポリシリコン層79の双方又は一
方の膜厚を制御することにより制御できる。このため、
真性ベース領域の露出面積をこの真性ベース75の面積
より狭い面積にすることを容易に行なえるので、ベース
エミッタ接合容量の低減を容易に行なえる。次に、この
試料の自然酸化膜除去のためこの試料を水素雰囲気中で
事前にベーキングを行なう。これは、例えば、反応炉の
真空度を20Torr以下の減圧状態とし950℃の温
度で3分間処理することにより行なえる。次に、反応炉
の雰囲気を、PH3 若しくはAsH3 を数10ppm程
度含んだ酸素フリーの水素雰囲気とし、そして、反応炉
中の試料を900℃以下の所定の温度で所定時間熱処理
する。この処理において、リン又は砒素が単結晶領域5
9aの露出部分に拡散するので、この部分にエミッタ
(真性エミッタ)83が形成できる。この処理により1
×1020〜1×1021/cm2 程度のピーク濃度をもっ
た極めて急峻なエミッタベース接合が形成できる。
【0051】次に、図3(C)及び図6(A)に示した
ように、800℃以下の所定の成長温度でエミッタ電極
用のポリシリコン膜85をエミッタ83上に選択成長さ
せる。この選択成長は、例えば、ソースガスとしてSi
2 Cl2 を用い、キャリアガスとして水素ガスを用
い、当該ポリシリコンの抵抗を下げるためにPH3 若し
くはAsH3 ガスを反応炉内に導入し、かつ、選択性を
得るためにHClガスをSiH2 Cl2 の1.5倍程度
反応炉内に導入することで行なえる。なお、このポリシ
リコン成長時の成長温度を800℃以下としたのは、こ
のような成長温度にすることにより、真性ベースやエミ
ッタの不純物プロファイルが維持できるからである。ま
た、この実施例では、ポリシリコン膜85の選択成長の
際にベース電極の側壁表面がポリシリコン79aなって
いるので、側壁が絶縁膜のみの場合より、このポリシリ
コン膜の成長が速く行える。
【0052】次に、図6(B)に示したように、ポリシ
リコン膜85の表面に10nm程度の膜厚のシリコン酸
化膜87(図3(C)では図示を省略)が形成されるよ
うに、この試料を酸化処理する。次に、シリコン窒化膜
63を除去する。その後、この試料上にCVD法により
膜厚が200nm程度のシリコン酸化膜89を形成す
る。
【0053】その後、図3(C)に示したように、エミ
ッタ電極85の一部を露出するためシリコン酸化膜89
の一部を除去し、また、ベース電極61x,61y,コ
レクタ用ポリシリコン61c上の薄い酸化膜をそれぞれ
除去する。次に、この試料上に白金の薄膜(図示せず)
を蒸着法により形成し、その後この試料を熱処理し所定
部分に白金シリサイド91を形成する。さらに、公知の
方法によりこの白金シリサイド91に接続される金属配
線93を形成する。これにより、所望のバイポーラトラ
ンジスタが得られる。
【0054】この第1実施例によれば、ベース、エミッ
タそれぞれを、気相ドーピング法により形成できるので
真性ベース幅が従来より狭いバイポーラトランジスタが
得られる。また、ベース、エミッタ、エミッタ電極それ
ぞれを自己整合的に作製するので素子サイズの低減がし
易いから寄生容量の低減が図れる。このため、従来より
高速動作が可能なバイポーラトランジスタが得られる。
【0055】2.第2実施例 上述の第1実施例ではベース電極61x,61yの側壁
を絶縁膜で覆うことを、CVD酸化膜及び反応性イオン
エッチング法を用いて行なっていた。しかし、工程の簡
略化を図る場合はベース電極側壁を熱酸化膜により覆っ
ても良い。この第2実施例はその例である。図7(A)
〜(C)はその説明に供する要部工程図である。いずれ
の図も、第1実施例の説明で用いた図4〜6の表記方法
と同じく要部の拡大図で示した工程図である。また、こ
れらの図において、第1実施例の説明で用いた各図中の
構成成分と同様なものは同一の番号を付して示してあ
り、また、第1実施例にて説明した構成成分についての
説明は省略する(以下の第3及び第4実施例の説明図に
おいても同じ。)。
【0056】先ず、図1(A)及び(B)と図2(A)
を参照して説明した手順により、半導体基体の形成、ベ
ース電極61x,61yの形成、ポリシリコン酸化膜を
除去して単結晶領域59aの露出、P+ 型不活性ベース
67の形成までを行う(図7(A))。
【0057】次に、この試料を熱酸化させ単結晶領域5
9a表面及びドープドポリシリコンベース電極61x,
61y側壁それぞれに膜厚10〜20nm程度のシリコ
ン酸化膜を形成し、その後、異方性エッチングによって
このシリコン酸化膜の、単結晶領域59a上の部分を、
選択的に除去して、ベース電極61x,61yの側壁の
みにシリコン酸化膜101を残存させる。次に、単結晶
領域59aにベースを形成するために、この試料を第1
実施例と同様な条件の気相ドーピング法により処理す
る。これにより真性ベース75が形成できる(図7
(B))。
【0058】その後、第1実施例の図3(A)及び
(B)を用いて説明した手順と同様な手順でエミッタ形
成のための側壁絶縁膜としてのシリコン酸化膜77a及
びポリシリコン層79aをそれそれ形成し、エミッタ8
3を形成し(図7(B))、さらに、図3(C)を用い
て説明した手順によりエミッタの形成、金属配線93の
形成などを行い目的のバイポーラトランジスタを得る。
【0059】この第2実施例の方法では、第1実施例同
様に高速動作するバイポーラトランジスタが得られ、然
も、第1実施例よりベース電極側壁の絶縁膜による被覆
が容易であるという利点が得られる。
【0060】3.第3実施例 上述の第1及び第2実施例ではエミッタ電極の形成を、
ポリシリコンの選択成長によって行っていた。しかし、
エミッタ抵抗をより低減させてトランジスタ動作をより
高速化させるため、エミッタ電極をエミッタ側からポリ
シリコンとタングステンとを順に選択成長させて形成し
ても良い。この第3実施例はその例である。図8(A)
〜(C)はその説明に供する要部工程図である。
【0061】先ず、第1実施例または第2実施例におい
て説明した手順によりエミッタ83まで形成する(図8
(A))。
【0062】次に、図8(B)に示したように、先ず、
膜厚が100nm程度で、かつ、リン若しくは砒素を1
20/cm2 以上の好適な濃度で含んだポリシリコン膜
111を、エミッタ83上に、例えば、第1実施例のエ
ミッタ電極形成時に説明した条件で選択的に成長させ
る。次に、ソースガスとしてWF6 ガスを用いたCVD
法により次の(1)式及び(2)式のような反応を起こ
させることにより、このポリシリコン膜111上にタン
グステン膜113を選択的に成長させる。
【0063】 WF6 +3H2 →W+6HF (1) 2WF6 +3Si→2W+3SiF4 (2) これにより、ポリシリコン膜111及びタングステン膜
113をこの順に積層して構成されたエミッタ電極11
5が得られる。このようなエミッタ電極115によれ
ば、ポリシリコンのみでエミッタ電極を構成する場合に
比べエミッタ電極の抵抗低減が図れるので素子の動作速
度のさらなる向上が図れる。さらに、エミッタ電極をタ
ングステンのみで構成した場合に懸念されるタングステ
ン原子の後工程での熱処理による真性トランジスタ領域
への拡散を阻止でき、さらに応力の悪影響を緩和でき
る。
【0064】このようにエミッタ電極115を形成した
後は、図6(A)及び(B)を用いて説明したと同様な
手順で、シリコン窒化膜53の一部除去、シリコン酸化
膜89の形成をそれぞれ行い(図8(C))、その後、
図3(C)を用いて説明した手順に従い金属配線93な
どを形成すれば良い。
【0065】4.第4実施例 上述の第1〜第3実施例ではベースとエミッタとを本発
明の方法により形成する例であった。しかし、この発明
の方法は真性コレクタ部分を形成する場合にも適用でき
る。この第4実施例はその例である。図9〜11はその
説明に供する要部工程図である。
【0066】先ず、図1(A)及び(B)と図2(A)
を参照して説明した手順により、半導体基体の形成、ベ
ース電極61x,61yの形成、ポリシリコン酸化膜を
除去して単結晶領域59aの露出、P+ 型不活性ベース
67の形成までを行う(図9(A))。
【0067】次に、図9(B)に示したように、この試
料上にCVD法によりシリコン酸化膜121を形成す
る。このシリコン酸化膜121の膜厚は第1実施例で形
成したシリコン酸化膜73(図2(B)参照)よりも厚
い膜厚この場合400nmとしている。
【0068】次に、このシリコン酸化膜121を異方性
のドライエッチング技術により選択的に除去し開口部1
23を形成する(図9(C)参照)。この開口部123
の幅W2 は、シリコン酸化膜121の膜厚を400nm
と厚くした分、第1実施例の場合より狭くなる。
【0069】次に、この試料をn型ドーピングガスを含
む水素雰囲気中での気相ドーピング法により処理して、
真性コレクタ部分59xの表面不純物濃度を増大させ
る。具体的には、PH3 又はAsH3 ガスを数ppm含
む水素ガス中に試料をおき、第1実施例での気相ドーピ
ング時と同様な温度で所定時間処理する。この場合も、
ベース電極61x,61yはその表面がシリコン窒化膜
53によりまた、その側壁がシリコン酸化膜121によ
りそれぞれ覆われているので、ベース電極61x,61
y中の不純物が真性コレクタ部分に悪影響することはな
い。これにより、真性コレクタ部分59xとして、ピー
ク濃度が1017/cm3 程度のN型領域が得られる。
【0070】次に、シリコン酸化膜121をHF水溶液
により除去した後、この試料上全面に今度はシリコン酸
化膜121より薄い膜厚この場合第1実施例と同様に膜
厚が200nm程度のシリコン酸化膜73を形成する
(図10(A))。
【0071】次に、このシリコン酸化膜73を第1実施
例同様に異方性エッチングにより選択的に除去しベース
形成予定領域を露出させると共にベース電極61x,6
1yの側壁に側壁絶縁膜73aを得る(図10
(B))。なお、ベース形成予定領域の露出幅(図10
(B)中Wで示す寸法。)は、第1実施例同様にシリコ
ン酸化膜73の膜厚により制御できる。したがって、こ
の幅を変えることで真性ベースのサイド部分の長さが変
わるので真性ベースのサイド部分の抵抗値をコントロー
ルすることもできる。
【0072】次に、第1実施例において説明した手順に
より気相ドーピング法によりベース75を形成する。こ
の際、真性コレクタ部分59xが存在している部分はベ
ース75の縁部分よりも浅い接合が形成される。
【0073】次に、側壁絶縁膜79aをHF水溶液によ
り除去し、その後、この試料上に第1実施例において図
5(B)及び(C)を用いて説明した手順に従いシリコ
ン酸化膜77及び第2のポリシリコン79をそれぞれ形
成する(図11(A))。
【0074】次に、第1実施例において図6(A)及び
(B)を用いて説明した手順に従い、エミッタ電極85
の形成、その表面への酸化膜87の形成、シリコン窒化
膜63の一部除去、シリコン酸化膜89の形成をそれぞ
れ行う(図11(B))。ただし、エミッタ電極は、第
3実施例の技術即ちポリシリコン及びタングステンの連
続による方法で形成しても良い。
【0075】その後、図3(C)を用いて説明した手順
に従い金属配線93などを形成すれば良い。
【0076】上述においては、この発明を、ドープドポ
リシリコンで構成されたベース電極がベース形成予定領
域(エミッタ形成予定領域としても同じ。)の近傍にま
で及んでいる構造のバイポーラトランジスタの製造に適
用した例を説明したが、この発明は半導体基体の不純物
拡散層形成予定領域近傍上にn型又はp型不純物を含有
する層を具える半導体装置の製造に広く適用できる。
【0077】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の半導体装置の製造方法によれば、不純物拡散層
形成予定領域近傍にn又はp型不純物を含有する層を具
える半導体装置の当該不純物拡散層を気相ドーピング法
で形成する際、n又はp型不純物を含有する層中の不純
物の、不純物拡散層形成予定領域への影響を、抑えるこ
とができる。したがって、浅い接合が形成できかつ急峻
な不純物プロファイルが得られるという気相ドーピング
法本来の特性を、利用できる。また、n又はp型不純物
を含有する層(例えば、ドープドポリシリコンから成る
ベース電極)の所定部分を絶縁膜で覆うことを、自己整
合的に行なうので、素子サイズが増大したり工程が煩雑
になることもない。これらのことから、高速動作する例
えばバイポーラトランジスタの製造が簡易かつ容易に行
える。
【0078】また、コレクタの真性ベース直下の部分
(以下、この部分を「真性コレクタ部分」と称すること
もある。)の表面不純物濃度を増大させることも制御性
良く行なえるので、表面不純物濃度を増大させたコレク
タ部分を有する利点が確実に得られる。
【0079】また、エミッタ形成の際に上述の(h)〜
(k)の工程を実施する構成では、エミッタ形成予定領
域の露出面積を、絶縁膜や第2のポリシリコン層の膜厚
を調整することにより、自己整合的にかつ所望の大きさ
に縮小できるので、エミッタ・ベース接合容量の低減が
図れる。
【0080】また、エミッタ形成の際に、上述の(h)
〜(k)の工程を実施するとエミッタ電極を形成する際
の下地はエミッタ領域(単結晶領域)と第2のポリシリ
コン層で主に構成されるので、ポリシリコンでエミッタ
電極を構成する場合のこのポリシリコンの結晶成長速度
を促進できる。しかも、エミッタ電極用ポリシリコンを
選択的に成長できるから、エミッタ電極を自己整合的に
形成でき、かつ、表面平坦性に優れるエミッタ電極が得
られる。
【0081】また、エミッタ電極をポリシリコン及びタ
ングステンを連続成長させて形成する構成では、上述の
ポリシリコンのみでエミッタ電極を形成する場合の作用
に加え、配線抵抗の低減が図れ、さらに、タングステン
がトランジスタ活性領域に侵入することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の説明に供する工程図である。
【図2】第1実施例の説明に供する図1に続く工程図で
ある。
【図3】第1実施例の説明に供する図2に続く工程図で
ある。
【図4】第1実施例の説明に供する工程図であり要部拡
大図により示した工程図である。
【図5】第1実施例の説明に供する工程図であり要部拡
大図により示した図4に続く工程図である。
【図6】第1実施例の説明に供する工程図であり要部拡
大図により示した図5に続く工程図である。
【図7】第2実施例の説明に供する要部工程図である。
【図8】第3実施例の説明に供する要部工程図である。
【図9】第4実施例の説明に供する要部工程図である。
【図10】第4実施例の説明に供する図9に続く要部工
程図である。
【図11】第4実施例の説明に供する図10に続く要部
工程図である。
【図12】従来技術の説明に供する工程図である。
【図13】従来技術の説明に供する図12に続く工程図
である。
【図14】従来技術の説明に供する工程図であり要部拡
大図により示した工程図である。
【図15】従来技術の説明に供する工程図であり要部拡
大図により示した図14に続く工程図である。
【符号の説明】 51:P- 型シリコン基板 53:N+ 型埋込拡散層 55:素子間分離領域 57:半導体基体 59a:島状の単結晶領域(ベースエミッタ形成予定領
域) 59b:島状の単結晶領域(コレクタ形成予定領域の一
部) 59x:真性コレクタ部分 61:ポリシリコン層 61a〜61c:ポリシリコン層 61x,61y:ベース電極(ドープドポリシリコン) 63:耐酸化性かつ絶縁性の膜(シリコン窒化膜) 63a:開口部 65a〜65d:ポリシリコン酸化膜 67:P+ 型不活性ベース 69:単結晶領域の所定部分 71:パッド酸化膜 73:CVDによるシリコン酸化膜 73a:側壁絶縁膜 75:真性ベース 77:シリコン酸化膜 79:第2のポリシリコン層 81:エミッタ形成用開口部 83:エミッタ 85:エミッタ電極 91:白金シリサイド 93:金属配線 101:熱酸化による側壁絶縁膜 111:ポリシリコン 113:タングステン 115:エミッタ電極 121:シリコン酸化膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基体の不純物拡散層形成予定領域
    近傍上にn型又はp型不純物を含有する層を具える半導
    体装置を製造する方法において、 前記不純物拡散層の形成は、 前記不純物を含む層の少なくとも当該不純物拡散層形成
    予定領域側の部分を自己整合的に絶縁膜により覆った状
    態で、該半導体基体をドーピングガスを含むガス雰囲気
    中にて処理することで、行なうことを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体装置の製造方法
    において、 前記半導体装置をバイポーラトランジスタとし、 前記不純物を含む層をドープドポリシリコンで構成され
    たベース電極とし、 前記不純物拡散層をベース、エミッタ、及び、コレクタ
    の真性ベース直下の部分のうちの少なくとも1つとした
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の半導体装置の製造方法
    において、 前記バイポーラトランジスタの形成は、 一主面に島状に分割された第1導電型の単結晶領域を有
    する半導体基体上に、ポリシリコン層を形成する工程
    と、 該ポリシリコン層上に、この層の、前記単結晶領域の所
    定部分に対応する部分を露出する開口部を有する耐酸化
    性かつ絶縁性の膜を形成する工程と、 前記ポリシリコン層の所定部分に不純物を選択的に導入
    して前記ベース電極形成用の層を得る工程と、 該開口部により露出されるポリシリコン層部分を除去し
    て前記単結晶領域の所定部分を自己整合的に露出させる
    工程と、 前記単結晶領域の所定部分を自己整合的に露出させたこ
    とにより生じる前記ポリシリコン層の側壁を、自己整合
    的に絶縁膜により覆う工程と、 該側壁絶縁膜形成済みの半導体基体を第1導電型のドー
    ピングガスを含むガス雰囲気中にて処理して前記所定部
    分に表面の不純物濃度が増大されたコレクタ部分を形成
    するか、または、第2導電型のドーピングガスを含むガ
    ス雰囲気中にて処理して前記所定部分にベースを形成す
    る工程と、 を含む工程により行なうことを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の半導体装置の製造方法
    において、 前記側壁絶縁膜は、 前記単結晶領域の所定部分を露出させた後に該試料上に
    絶縁膜を形成するかまたは該試料を熱酸化し該試料表面
    に酸化膜を形成し、該絶縁膜又は酸化膜の、前記単結晶
    領域の所定部分上に当たる部分を、異方性エッチングに
    より除去することによって、自己整合的に形成すること
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の半導体装置の製造方法
    において、 前記所定部分に表面の不純物濃度が増大されたコレクタ
    部分を形成した場合は、該コレクタ部分形成済みの半導
    体基体を第2導電型のドーピングガスを含むガス雰囲気
    中にて処理し該コレクタ部分と接するベースを形成する
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3または5に記載の半導体装置の
    製造方法において、 ベース形成済みの試料の側壁絶縁膜を除去する工程と、 側壁絶縁膜除去済みの該試料上に絶縁膜を形成するか、
    または、該試料を熱酸化し該試料表面に酸化膜を形成
    し、その上に第2のポリシリコン層を形成する工程と、 これら第2のポリシリコン層及び絶縁膜または酸化膜を
    順次に異方性エッチングにより除去し、前記ベース形成
    領域を、前記側壁酸化膜除去前の露出面積より縮小され
    た面積で自己整合的に露出させる工程と、 該所定ベース部分露出済みの試料をエミッタ形成用ドー
    ピングガスを含むガス雰囲気中で処理してエミッタを形
    成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項2または6に記載の半導体装置の
    製造方法において、 前記エミッタ上にポリシリコン及びタングステンをこの
    順で選択成長させてエミッタ電極を形成することを特徴
    とする半導体装置の製造方法。
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