JPH0651874U - 回転速度検出用シール環付転がり軸受ユニット - Google Patents

回転速度検出用シール環付転がり軸受ユニット

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JPH0651874U
JPH0651874U JP9118492U JP9118492U JPH0651874U JP H0651874 U JPH0651874 U JP H0651874U JP 9118492 U JP9118492 U JP 9118492U JP 9118492 U JP9118492 U JP 9118492U JP H0651874 U JPH0651874 U JP H0651874U
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ring
seal ring
raceway
peripheral surface
reinforcing plate
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JP9118492U
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Inventor
裕也 宮崎
修一 石川
洋二 中野
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NSK Ltd
Uchiyama Manufacturing Corp
Original Assignee
NSK Ltd
Uchiyama Manufacturing Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】製作費を高くする事なく、センサによる回転速
度検出を精度良く行なえる様にする。 【構成】磁性材製の補強板22と弾性材製のシール材2
3とにより、受動的パルサーリングである、回転速度検
出用のシール環21を構成する。上記補強板22のフラ
ンジ部31に磁性板27を重ね合わせる。磁性板27に
は、円周方向に亙り等間隔に、透孔17、切り欠き、若
しくは凹凸を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案に係る回転速度検出用シール環付転がり軸受ユニットは、自動車の車 輪を懸架装置に対し回転自在に支持すると共に、この転がり軸受ユニットにより 支持された車輪の回転速度を検出する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、アンチロックブ レーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)を制 御すべく、この車輪の回転速度を検出する為に従来から、例えば特開昭64−2 1219号公報に記載されている様な転がり軸受ユニットが知られている。
【0003】 上記公報に記載された転がり軸受ユニットは、図10に示す様に構成されてい る。ハブ1の外端部(外端部とは、自動車に装着した場合に幅方向外側端部にな る部分を言い、図10の左端部。)には車輪固定用のフランジ2を設け、中間部 外周面には内輪軌道3aを形成している。又、上記ハブ1の内端部(内端部とは 、自動車に装着した場合に幅方向中央側端部になる部分を言い、図10の右端部 。)外周面には、外周面に内輪軌道3bを有する内輪4が外嵌されている。
【0004】 又、外輪5の外周面には、この外輪5を懸架装置に支持する為の取付部6を、 同じく内周面には複列の外輪軌道7a、7bを、それぞれ形成している。この外 輪軌道7a、7bと上記内輪軌道3a、3bとの間には、それぞれ複数個ずつの 転動体8、8を設けて、上記取付部6により懸架装置に支持された外輪5の内側 に、ハブ1を回転自在に支持している。
【0005】 上記外輪5の内外両端開口部にはシール環9、10を内嵌固定すると共に、各 シール環9、10の内周縁を、前記ハブ1或は内輪4の外周面に摺接させる事に より、上記外輪5の内側で、前記転動体8、8設置部分への、雨水や塵芥の進入 防止を図っている。
【0006】 又、上記内外1対のシール環9、10の内、幅方向内側のシール環9は、上記 雨水や塵芥の進入防止を図ると同時に、前記ハブ1の回転速度検出を自在として いる。即ち、上記シール環9は、図11に詳示する様に、車輪と共に回転する内 輪4に外嵌固定する内側シール環11と、固定の外輪5に内嵌固定する外側シー ル環12とを組み合わせる事で構成される。
【0007】 上記内側、外側両シール環11、12はそれぞれ、金属製の補強板13a、1 3bと、ゴム、合成樹脂等の弾性材製のシール材14a、14bとを組み合わせ る事により構成されている。上記補強板13a、13bはそれぞれ、放射方向に 広がった円輪部15a、15bと、各円輪部15a、15bの周縁から折れ曲が った円筒部16a、16bとを有する。そして、各円筒部16a、16bを、内 輪4に外嵌或は外輪5に内嵌する事で、内輪4或は外輪5に支持固定すると共に 、それぞれの補強板13a、13bにより補強されたシール材14a、14bの 周縁部を、それぞれ相手側の補強板13b、13aの周面に摺接させている。
【0008】 更に、車輪と共に回転する内輪4に外嵌固定された補強板13aの円輪部15 aには、除肉部である多数の透孔17を、円周方向に亙り等間隔で形成して、こ の円輪部15aに(受動的)パルサーリングとしての機能を持たせている。そし て、懸架装置等、非回転部分に支持された回転速度検出用のセンサ18を、上記 透孔17に対向させている。
【0009】 上述した様な転がり軸受ユニットの場合、ハブ1の外端部に設けられたフラン ジ2に固定された車輪を、外輪5を支持した懸架装置に対し、回転自在に支持出 来る。
【0010】 又、車輪の回転に伴なって内輪4に外嵌固定した内側シール環11が回転する と、この内側シール環11と対向したセンサ18の出力が変化する。このセンサ 18の出力が変化する周波数は、車輪の回転速度に比例する為、センサ18の出 力信号を図示しない制御器に入力すれば、上記車輪の回転速度を求め、ABSや TCSを適切に制御出来る。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述の様に構成され作用する従来の転がり軸受ユニットに組み込ま れる回転速度検出用シール環に於いては、次に述べる様な解決すべき問題点が存 在する。即ち、車輪の回転に伴なって上記内側シール環11が回転した場合に於 ける、センサ18の出力変化を大きくし、車輪の回転速度検出の精度向上を図る 為には、上記多数の透孔17を形成した補強板13aの厚さ寸法を大きくする必 要がある。
【0012】 ところが、単に補強板13aの厚さ寸法を大きくしただけの場合、補強板13 aの加工が面倒になり、この補強板13aの製作費が嵩む原因となる。即ち、従 来の回転速度検出用シール環である内側シール環11を構成する補強板13aは 、厚さが0.5mm程度の円輪状金属板にバーリング加工を施す事により、図11 に示す様な断面L字形の補強板13aとしていたが、センサ18の出力変化を大 きくする為に上記金属板の厚さ寸法を大きくした場合、簡易な加工法であるバー リング加工によっては、各部の寸法精度を十分に得られない。この為、加工コス トが嵩む深絞り加工によって、補強板を造らなければならず、回転速度検出用シ ール環付転がり軸受ユニットの製作費が嵩む為、好ましくない。
【0013】 回転速度検出用シール環付転がり軸受ユニットとしては、前記公報の他にも、 米国特許第4161120号明細書、同4850722号明細書、同50022 87号明細書、英国特許第1604861号明細書、特開昭62−242130 号公報、特開平1−140070号公報、実開昭60−112757号公報に記 載されたものが知られているが、何れも同様の不都合を有する。
【0014】 尚、上述の各文献に記載された従来技術は、何れも、パルサーリング自体は磁 気を持たない、受動的パルサーリング(パッシブパルサーリング)を使用してい る。受動的パルサーリングを使用した回転速度検出装置は、図12に示す様に、 センサ18の側にコイル32と永久磁石33とを設け、このコイル32と受動的 パルサーリング34表面との距離が変化するのに伴なって、上記コイル32に惹 起される電圧が変化する様にしている。又、センサとして、ホール素子等の半導 体と永久磁石とを組み込んだ構造のものを使用する事もある。
【0015】 一方、パルサーリング自体に磁気を持たせる、所謂能動的パルサーリング(ア クティブパルサーリング)を使用した回転速度検出装置が、上記特開昭62−2 42130号公報の他、米国特許4688951号明細書、フランス特許公開第 2574501号公報、欧州特許第0375019号公報、同0378939号 公報に記載されている様に、従来から知られている。
【0016】 能動的パルサーリングを使用した回転速度検出装置は、図13に示す様に、こ の能動的パルサーリング36に対向させて、ホール素子等の磁気センサ35を設 け、上記能動的パルサーリング36の回転に伴なって変化する、この磁気センサ 35の出力電圧や抵抗を測定する事により、回転速度の検出を自在としている。
【0017】 能動的パルサーリング36を使用した回転速度検出装置の場合、受動的パルサ ーリング34を使用した回転速度検出装置に比べて、回転速度検出の精度を向上 させ易い反面、能動的パルサーリング36自体が高価になり、しかもフェライト 等、着磁可能な反面脆い材料により造られる能動的パルサーリング36を小型化 した場合に、強度を維持しにくくなる。従って、転がり軸受ユニットのシール環 にパルサーリングを組み込む様な構造に能動的パルサーリング36を用いる事は 、現実問題としては難しい。
【0018】 本考案の回転速度検出用シール環付転がり軸受ユニットは、上述の様な事情に 鑑みて考案されたものである。
【0019】
【課題を解決する為の手段】
本考案の回転速度検出用シール環付転がり軸受ユニットは何れも、内周面に外 輪軌道を有する外輪相当部材と、外周面に内輪軌道を有する内輪相当部材と、上 記外輪軌道と内輪軌道との間に設けられた複数の転動体と、上記外輪相当部材の 内周面と上記内輪相当部材の外周面との間に存在する円筒状空間と、この円筒状 空間の少なくとも一端開口を塞ぐシール環とを備えている。このシール環は、円 筒部及びこの円筒部の端縁から直径方向に折れ曲がったフランジ部を有する断面 L字形で、全体を円環状とされた補強板と、上記フランジ部の片側面で、上記円 筒状空間の外側に対向する面に添設された受動的パルサーリングと、上記補強板 により補強された弾性材製のシール材とから構成される。そして、上記補強板は 、上記円筒部を上記内輪と外輪との一方で使用時に回転する部材である回転側軌 道輪の周面に、直接若しくは上記シール材を介して嵌合させる事により、この回 転側軌道輪に支持されている。
【0020】 又、請求項1に記載した回転速度検出用シール環付転がり軸受ユニットでは、 上記受動的パルサーリングは、多数の除肉部と隣り合う除肉部同士を仕切る柱部 とを円周方向に亙って互いに等間隔に形成した、板厚が0.8mm以上の磁性板で ある。
【0021】 更に、請求項3に記載した回転速度検出用シール環付転がり軸受ユニットでは 、上記受動的パルサーリングは、円周方向に亙って段差が0.8mm以上の凹凸を 形成した磁性板である。
【0022】
【作用】
それぞれ上述の様に構成される請求項1、或は請求項3に記載された本考案の 回転速度検出用シール環付転がり軸受ユニットにより、車輪等の回転速度を検出 自在とする際の作用自体は、前述した従来の回転速度検出用シール環付転がり軸 受ユニットと同様である。
【0023】 特に、本考案の回転速度検出用シール環付転がり軸受ユニットの場合、受動的 パルサーリングを、補強板のフランジ部に重ね合わせた、除肉部及び柱部を設け た磁性板(請求項1)、或は凹凸を形成した磁性板(請求項3)により構成して いる為、円周方向に亙る磁気特性を大きく変化させる事が出来、この受動的パル サーリングと対向したセンサの出力変化を十分に大きくして、車輪等の回転速度 検出を精度良く行なえる。しかも、磁性板の厚さ寸法、或は凹凸の段差を大きく すれば、上記円輪部を有する補強板の厚さ寸法を特に大きくする必要がない為、 この補強板の円筒部を形成する為の折り曲げ加工を、製造コストが低廉なバーリ ング加工により行なえる。
【0024】
【実施例】
図1〜2は本考案の第一実施例を示している。外輪相当部材であるハブ1の外 端部(図1の左端部)外周面には、車輪を固定する為のフランジ2を、内周面に は外輪軌道7a、7bを、それぞれ形成している。上記フランジ2には、車輪固 定用のスタッド19、19を支持している。
【0025】 上記ハブ1の内側には、それぞれの外周面に内輪軌道3a、3bを設けた1対 の内輪4、4を設け、この内輪軌道3a、3bと上記外輪軌道7a、7bとの間 に、それぞれ複数個ずつの転動体8、8を設けて、上記内輪4、4の外側でのハ ブ1の回転を自在としている。尚、上記1対の内輪4、4は、車輪支持用のナッ クルスピンドル等に外嵌支持される。
【0026】 又、上記ハブ1の外端部内周面と、外側の内輪4の外端部外周面との間には、 シール環20を、ハブ1の内端部内周面と内側の内輪4の内端部外周面との間に は、回転速度検出用のシール環21を、それぞれ装着して、ハブ1の内周面と内 輪4、4の外周面との間に存在し、上記複数の転動体8、8を設けた空間29の 両端開口部を塞いでいる。
【0027】 上記シール環21は、図2に詳示する様に、磁性材製で全体を円環状とされた 補強板22と、この補強板22と一体の弾性材製のシール材23とから成る。こ の内の補強板22は、放射方向に広がったフランジ部31と、このフランジ部3 1の内周縁から折れ曲がった円筒部25とを有する。そして、この内のフランジ 部31の片側面に、受動的パルサーリングである、磁性板27を添設している。 この磁性板27は、それぞれが除肉部である多数の透孔17、17を、円周方向 に亙り等間隔で形成している。この磁性板27の板厚は0.8mm以上としている 。
【0028】 この様なシール環21を造る場合、上記補強板22のフランジ部31と磁性板 27とを互いに重ね合わせた状態で、上記補強板22と磁性板27とを、シール 材23の射出成形型の内側にセットする。そして、シール材23の射出成形と同 時に、このシール材23を構成する一部の弾性材により、上記フランジ部31と 磁性板27とを互いに結合する。即ち、射出成形型内に注入された弾性材は、上 記磁性板27に形成された透孔17内にも進入して固化する。又、上記弾性材の 一部は、上記補強板22に形成した円筒部25の外周面を覆うと共に、残りの一 部は、フランジ部31と磁性板27との内周縁部より突出して、二股のシールリ ップ28を構成する。
【0029】 上述の様に構成される回転速度検出用のシール環21は、上記円筒部25の外 周面を覆う一部の弾性材を、ハブ1の内端部内周面に摩擦係合させる事により、 このハブ1に支持固定すると共に、シール材23内周部に形成したシールリップ 28の内周縁を、内輪4の内端部外周面に摺接させる。一方、懸架装置等、非回 転部分に支持された回転速度検出用のセンサ18を、上記透孔17に対向させる 。
【0030】 上述の様に構成されるシール環21を組み込んだ、本考案の回転速度検出用シ ール環付転がり軸受ユニットにより、懸架装置に対して車輪を回転自在に支持す ると共に、ハブ1のフランジ2に固定された車輪の回転速度を検出する際の作用 自体は、前述した従来の転がり軸受ユニットとほぼ同様である。
【0031】 即ち、車輪の回転に伴なってハブ1の内端部に内嵌固定したシール環21が回 転すると、このシール環21を構成する磁性板27に形成した透孔17と対向し たセンサ18の出力が変化する。このセンサ18の出力が変化する周波数は、車 輪の回転速度に比例する。従って、センサ18の出力信号を図示しない制御器に 入力すれば、上記車輪の回転速度を求め、ABSやTCSを適切に制御出来る。 又、本考案のシール環21が、空間29内への雨水や塵芥の進入を防止する際の 作用自体も、前述した回転速度検出用シール環付転がり軸受ユニットの場合と同 様である。
【0032】 特に、本考案の回転速度検出用シール環付転がり軸受ユニットに組み込まれた シール環21の場合、受動的パルサーリングである磁性板27を、補強板22の フランジ部31に重ね合わせている為、補強板22の厚さ寸法を特に大きくする 事なく、磁性板27の厚さ寸法を確保出来る。即ち、上記透孔17を形成した磁 性板27の厚さ寸法を大きくし、補強板22の厚さ寸法を小さく構成出来る。こ の為、この磁性板27と対向したセンサ18の出力変化を十分に大きくして、車 輪の回転速度検出を精度良く行なえ、しかも、上記補強板22の折り曲げ加工を 、製造コストが低廉なプレス加工により行なえる。
【0033】 次に、図3〜4は本考案の第二実施例を示している。本実施例の場合、外輪5 をその外周面に設けた取付部6により、懸架装置に支持すると共に、内輪4、4 を、車輪と共に回転自在としている。そして、内側の内輪4の内端部外周面に外 嵌固定した内側シール環11aと、外輪5の内端部内周面に内嵌固定した外側シ ール環12とにより、転動体8、8を設けた空間29の内端開口部を塞いでいる 。
【0034】 本実施例の場合、上記内側シール環11aが回転速度検出用のシール環である 。即ち、この内側シール環11aは、補強板22aと磁性板27aとシール材2 3とから成る。上記磁性板27aは、前記第一実施例と同様の透孔17を形成す る事により、受動的パルサーリングを構成している。
【0035】 一方、上記外輪5の内端部には、金属板を断面L字形に折り曲げると共に、全 体を円環状に形成されたカバー30を外嵌固定し、このカバー30の内側にセン サ18を支持固定している。
【0036】 その他の構成及び作用は、前述の第一実施例の場合と同様である為、同等部分 には同一符号を付して、重複する説明を省略する。尚、図3〜4に示した様な内 側シール環11aの回転速度を検出する為のセンサ18を、前記図1に示した様 な形状のものとする事は自由である。又、磁性板27、27aに形成する除肉部 は、図5(A)に示す様な透孔17、17としても、或は同図(B)に示す様な 切り欠き17a、17aとしても良い。
【0037】 尚、これら第一〜第二実施例では、補強板22、22aは磁性材製である為、 センサ18の出力を十分なものとすべく、磁性板27、27aの厚さ寸法tを、 0.8mm以上とする。即ち、センサ18としてコイルと永久磁石とを組み込んだ センサを使用する場合、磁性板27、27aの厚さ寸法tと、検出可能な、セン サ18の最大エアギャップ(センサ18の端面と磁性板27、27aの側面との 距離の最大値)との関係は、図6に示す様に変化する。センサ18の価格、シー ル環21、11aの製造コスト及び加工精度、これらセンサ18とシール環21 、11aとの取付精度等を勘案すると、通常の場合、上記エアギャップは最大0 .7mm程度まで許容するのが現実的である。この為、磁性板27、27aの厚さ 寸法tを0.8mm以上として、回転速度の検出を十分なものとしている。この事 は、センサ18としてホール素子等の半導体と永久磁石とを組み込んだセンサを 使用した場合に就いても同様である。即ち、上述の様に、磁性板27、27aの 板厚を0.8mm以上とする事により、センサ18の出力電圧を十分に高くし、回 転速度の検出を十分なものに出来る。
【0038】 又、磁性板27、27aにより円周方向に亙る磁気特性を異ならせる為には、 この磁性板27、27aに透孔17を形成する他、磁性板27、27a自体に凹 凸を形成する事も出来る。この場合、図7(A)に示す様に、磁性板27、27 aにプレス加工を施す事により、この磁性板27、27aを円周方向に亙る波形 に形成したり、或は同図(B)に示す様に、磁性板27、27aを、コイニング 或は燒結等により加工する事で、上記凹凸を形成する。何れの場合も、凹凸の段 差を0.8mm以上とする。
【0039】 又、補強板22、22aをアルミニウム、銅等の非磁性材製とし、円周方向に 亙って多数の透孔17と柱部とを互いに等間隔に形成した磁性板27、27aを 上記補強板22、22aに重ね合わせる事により、当該部分の円周方向に亙る磁 気特性を変化させる事も出来る。この場合、磁性板27、27aの厚さ寸法は、 必ずしも0.8mm以上ある必要はない。
【0040】 尚、図示の実施例の場合は何れも、ゴム等の弾性材製のシール材23が、磁性 板27、27aの内側面(各図の右側面)を覆っているが、これら磁性板27、 27aの内側面をシール材23により覆わず、この内側面を露出させれば、この 内側面とセンサ18との距離の設定が容易となる。即ち、シール材23がない分 、上記内側面とセンサ18との距離を縮めて、センサ18による回転速度検出の 精度向上を図れる。
【0041】 更に、上述した各実施例に於いて、受動的パルサーリングを構成する磁性板2 7、27aは、必ずしもハブ1及び内輪4の端面よりも内側に存在する必要はな く、図8〜9に示す様に、上記端面よりも突出させても良い。
【0042】
【考案の効果】
本考案の回転速度検出用シール環付転がり軸受ユニットは、以上に述べた通り 構成され作用する為、車輪の回転速度検出を精度良く出来、しかも製作費が嵩む 事がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例を、軸受ユニットに組み付
けた状態で示す断面図。
【図2】同じく回転速度検出用シール環のみを取り出し
て示す断面図。
【図3】本考案の第二実施例を示す、図1と同様の図。
【図4】同じく図2と同様の図。
【図5】透孔の形状の2例を示す、図2のA矢視図に相
当する図。
【図6】磁性板の厚さ寸法とパルス検出可能な最大エア
ギャップとの関係を示す線図。
【図7】直接凹凸を形成した2例を示す磁性板の部分斜
視図。
【図8】本考案の第三実施例を示す部分断面図。
【図9】図8のB部拡大図。
【図10】従来の回転速度検出用シール環を組み込んだ
軸受ユニットの断面図。
【図11】図10のC部拡大断面図。
【図12】受動的パルサーリングを使用した回転速度検
出装置の略斜視図。
【図13】能動的パルサーリングを使用した回転速度検
出装置の略斜視図。
【符号の説明】
1 ハブ 2 フランジ 3a 内輪軌道 3b 内輪軌道 4 内輪 5 外輪 6 取付部 7a 外輪軌道 7b 外輪軌道 8 転動体 9 シール環 10 シール環 11 内側シール環 11a 内側シール環 12 外側シール環 13a 補強板 13b 補強板 14a シール材 14b シール材 15a 円輪部 15b 円輪部 16a 円筒部 16b 円筒部 17 透孔 17a 切り欠き 18 センサ 19 スタッド 20 シール環 21 シール環 22 補強板 22a 補強板 23 シール材 25 円筒部 27 磁性板 27a 磁性板 28 シールリップ 29 空間 30 カバー 31 フランジ部 32 コイル 33 永久磁石 34 受動的パルサーリング 35 磁気センサ 36 能動的パルサーリング

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に外輪軌道を有する外輪相当部材
    と、外周面に内輪軌道を有する内輪相当部材と、上記外
    輪軌道と内輪軌道との間に設けられた複数の転動体と、
    上記外輪相当部材の内周面と上記内輪相当部材の外周面
    との間に存在する円筒状空間と、この円筒状空間の少な
    くとも一端開口を塞ぐシール環とを備え、このシール環
    は、円筒部及びこの円筒部の端縁から直径方向に折れ曲
    がったフランジ部を有する断面L字形で、全体を円環状
    とされた補強板と、上記フランジ部の片側面で、上記円
    筒状空間の外側に対向する面に添設された受動的パルサ
    ーリングと、上記補強板により補強された弾性材製のシ
    ール材とから成り、上記補強板は、上記円筒部を上記内
    輪と外輪との一方で使用時に回転する部材である回転側
    軌道輪の周面に、直接若しくは上記シール材を介して嵌
    合させる事により、この回転側軌道輪に支持されてお
    り、上記受動的パルサーリングは、多数の除肉部と隣り
    合う除肉部同士を仕切る柱部とを円周方向に亙って互い
    に等間隔に形成した、板厚が0.8mm以上の磁性板であ
    る回転速度検出用シール環付転がり軸受ユニット。
  2. 【請求項2】 フランジ部を非磁性材とする代わりに、
    板厚を0.8mm以上に限定しない、請求項1に記載の回
    転速度検出用シール環付転がり軸受ユニット。
  3. 【請求項3】 内周面に外輪軌道を有する外輪相当部材
    と、外周面に内輪軌道を有する内輪相当部材と、上記外
    輪軌道と内輪軌道との間に設けられた複数の転動体と、
    上記外輪相当部材の内周面と上記内輪相当部材の外周面
    との間に存在する円筒状空間と、この円筒状空間の少な
    くとも一端開口を塞ぐシール環とを備え、このシール環
    は、円筒部及びこの円筒部の端縁から直径方向に折れ曲
    がったフランジ部を有する断面L字形で、全体を円環状
    とされた補強板と、上記フランジ部の片側面で、上記円
    筒状空間の外側に対向する面に添設された受動的パルサ
    ーリングと、上記補強板により補強された弾性材製のシ
    ール材とから成り、上記補強板は、上記円筒部を上記内
    輪と外輪との一方で使用時に回転する部材である回転側
    軌道輪の周面に、直接若しくは上記シール材を介して嵌
    合させる事により、この回転側軌道輪に支持されてお
    り、上記受動的パルサーリングは、円周方向に亙って段
    差が0.8mm以上の凹凸を形成した磁性板である回転速
    度検出用シール環付転がり軸受ユニット。
  4. 【請求項4】 磁性板の側面がシール材に覆われる事な
    く露出している、請求項1〜3の何れかに記載の回転速
    度検出用シール環付転がり軸受ユニット。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000111566A (ja) * 1998-08-07 2000-04-21 Nsk Ltd トーンホイール付転がり軸受ユニット
JP2001143931A (ja) * 1999-11-15 2001-05-25 Uchiyama Mfg Corp 磁性ゴム環の着磁方法

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JP2000111566A (ja) * 1998-08-07 2000-04-21 Nsk Ltd トーンホイール付転がり軸受ユニット
JP2001143931A (ja) * 1999-11-15 2001-05-25 Uchiyama Mfg Corp 磁性ゴム環の着磁方法

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