JPH0651668A - 画像定着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像の記録前後におけるローラの停止位置を
異ならせて、ローラの永久変形を防止すること。 【構成】 所定時間経過（Ｓ１：ＹＥＳ）毎に加熱ロー
ラを所定量回転させ（Ｓ５）、画像の記録が開始される
と（Ｓ３：ＹＥＳ）記録が終了するまで加圧ローラを回
転させつつ（Ｓ１１）、カウンタにてフォトインタラプ
タのパルス数を計数する（Ｓ１３）。カウンタはＦＦＨ
まで計数するとリセットされ００Ｈから計数が開始され
る。記録が終了した時点（Ｓ１５：ＹＥＳ）でカウンタ
の計数値が００Ｈならば（Ｓ１７：ＹＥＳ）、加圧ロー
ラを所定量余分に回転させた（Ｓ１９）後、加熱ローラ
の回転を停止する（Ｓ２１）。この処理により加圧ロー
ラの停止位置を画像の記録前後で異ならせることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、記録画像に応じて記録
媒体が付着した記録紙を、表裏面から加圧して上記記録
画像を上記記録紙に定着させる画像定着装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、複写機，プリンタなどの画像
記録装置において、記録画像に応じてトナーが付着した
記録紙を表裏面から加圧して、その記録画像を記録紙に
定着させる画像定着装置が使用されている。この種の装
置としては、例えば、ハロゲンランプを内蔵したアルミ
ローラと、適度な弾性を有するスポンジローラとを備
え、その一対のローラで記録紙を加熱・加圧しながら搬
送する画像記録装置が知られている。また、この種の装
置では、画像の記録を開始すると同時に上記一対のロー
ラを回転させ、記録が終了して記録紙を排出すると同時
にローラを停止させている。

【０００３】さらに、この種の装置では、画像の記録が
行われずローラの停止状態が長く続くと、スポンジロー
ラがアルミローラと接触して圧力を受けている部分で永
久変形してしまうことがある。そして、スポンジローラ
が永久変形すると、記録画像を一様な圧力で定着するこ
とができず、印字むら、定着不良などが生じる。そこ
で、画像の記録が行われない場合でも、所定時間毎に上
記一対のローラを少しずつ回転させることが行われてい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、画像記録時
のローラ駆動時間が、記録の開始・終了によって決定さ
れると、画像の記録前と記録後とでスポンジローラの停
止位置が同じになる場合がある。このような動作が繰り
返されると、スポンジローラは画像の記録前後にアルミ
ローラと接触する部分で永久変形して、印字むら、定着
不良などの不都合を生ずることがある。

【０００５】そこで本発明は、画像の記録前後における
ローラの停止位置を異ならせて、ローラの永久変形を防
止することを目的としてなされた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本発明は、図１に例示するように、記録画像
に応じて記録媒体が付着した記録紙を、表裏面から加圧
して上記記録画像を上記記録紙に定着させる画像定着装
置において、少なくとも一方が弾性材料にて構成され、
上記記録紙を表裏面から加圧する一対のローラと、該一
対のローラの少なくとも一方を回転させるローラ駆動手
段と、上記一対のローラの内、弾性材料にて構成される
ローラの回転位置を検出する回転位置検出手段と、該回
転位置検出手段が上記弾性材料にて構成されるローラの
停止時に検出する回転位置を記憶する回転位置記憶手段
と、上記回転位置検出手段の検出結果を参照して、上記
弾性材料にて構成されるローラを上記回転位置記憶手段
に記憶された少なくとも前回停止時の回転位置とは異な
る位置で停止させる停止位置制御手段と、を備えたこと
を特徴としている。

【０００７】

【作用】このように構成された本発明では、回転位置検
出手段は弾性材料にて構成されるローラの回転位置を検
出し、回転位置記憶手段は回転位置検出手段がそのロー
ラの停止時に検出する回転位置を記憶する。そして、停
止位置制御手段は、回転位置検出手段の検出結果を参照
して、弾性材料にて構成されるローラを回転位置記憶手
段に記憶された少なくとも前回停止時の回転位置とは異
なる位置で停止させる。

【０００８】これによって、ローラ駆動手段の駆動力に
より弾性材料にて構成されるローラが回転すると、その
ローラは前回停止時の回転位置とは異なる位置で停止す
る。このため弾性材料にて構成されるローラの他方のロ
ーラに圧接される位置が画像の記録前後で異なり、その
ローラの永久変形が防止される。

【０００９】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。先ず図２は本発明が適用された実施例のレーザプリ
ンタ１を表す概略構成図である。本実施例のレーザプリ
ンタ１は、外部から入力された画像情報に基づき、レー
ザビームを照射して走査露光を行うレーザスキャナユニ
ット３と、レーザスキャナユニット３より反射板５を経
由して照射されたレーザビームを受光して、それに対応
した画像を単票の記録紙Ｐに記録する画像記録部７と、
記録紙Ｐに記録された画像を定着する定着部９と、を内
蔵している。そして、側面より突設した給紙トレイ１１
に載置された記録紙Ｐを、搬入ローラ１３にて装置内に
搬入し、画像記録部７にて画像を記録した後、定着部９
へ搬送して画像を定着して、レーザプリンタ１の給紙ト
レイ１１とは反対側の側面に突設した排紙トレイ１５に
排出する周知の装置である。

【００１０】ここで画像記録部７は、レーザビームを受
光して表面に静電潜像が記録される感光ドラム１７を備
えており、この感光ドラム１７に、レーザスキャナユニ
ット３から照射されるレーザビームにより走査露光を施
して画像情報に対応する静電潜像を記録し、記録された
静電潜像にトナーを付着させて該静電潜像を現像し、続
いて記録紙Ｐを挟んだ感光ドラム１７の対向位置に設け
られた放電器１９によって、静電潜像に付着したトナー
を記録紙Ｐに転写して画像を記録するものである。さら
に、記録紙搬送路の感光ドラム１７より上流側には、記
録紙Ｐを、感光ドラム１７の回転に同期した所定のタイ
ミングで搬送し、記録紙Ｐの所定の位置に画像を記録さ
せるレジスタローラ２１を配設している。

【００１１】一方定着部９は、アルミローラ２３ａ内に
ハロゲンランプ２３ｂを内蔵した加熱ローラ２３と、加
熱ローラ２３に圧接されるスポンジ製の加圧ローラ２５
とを備え、トナーを転写された記録紙Ｐを、両ローラ２
３，２５の間に挟んで加熱・加圧しながら搬送し、記録
紙Ｐに転写されたトナーを溶着して画像を定着するもの
である。また、給紙トレイ１１および排紙トレイ１５
は、図に示すように折り畳み自在に設けられている。

【００１２】次に、図３に基づいて定着部９の詳細な構
成を説明する。図に示すように、加熱ローラ２３は、モ
ータおよび大小様々なギヤよりなるローラ駆動手段とし
ての駆動部３１に接続され、これによって回転駆動され
る。また、加圧ローラ２５の回転軸には２５６本（１６
² 本）のスリットを有するロータリエンコーダ３３が同
軸状に接続され、さらに、このロータリエンコーダ３３
近傍にはロータリエンコーダ３３のスリットが通過する
毎にパルス信号を出力するフォトインタラプタ３５が設
置されている。このため、フォトインタラプタ３５は加
圧ローラ２５が一回転する毎に２５６個のパルスを発生
して、加圧ローラ２５の回転位置を検出する。すなわち
フォトインタラプタ３５は回転位置検出手段に相当す
る。

【００１３】また、フォトインタラプタ３５が発生する
パルスは電子制御回路３７に入力され、後述のローラ駆
動処理で使用される。電子制御回路３７は各種演算処理
を実行するセントラルプロセシングユニット（ＣＰＵ）
３７ａ、プログラムなどを予め記憶したリードオンリメ
モリ（ＲＯＭ）３７ｂ、各種データが随時読み込まれる
ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）３７ｃ、図示しない
駆動回路，Ａ／Ｄ変換器などを介してフォトインタラプ
タ３５などの外部機器と信号の入出力を行なうＩ／Ｏポ
ート３７ｄ、並びにＣＰＵ３７ａ，ＲＯＭ３７ｂ，ＲＡ
Ｍ３７ｃ，およびＩ／Ｏポート３７ｄを電気的に接続す
るコモンバス３７ｅを備えた周知のマイクロコンピュー
タである。そしてＩ／Ｏポート３７ｄにはフォトインタ
ラプタ３５が発生するパルスの他、レーザスキャナユニ
ット３および画像記録部７の駆動状態を表す信号が入力
されると共に、駆動部３１への駆動信号を出力してい
る。

【００１４】次に、この電子制御回路３７が実行するロ
ーラ駆動処理について、図４のフローチャートに基づい
て説明する。なお、この処理はレーザプリンタ１の電源
投入と同時に開始される。先ず、処理を開始すると、Ｓ
１にて処理を開始してから予め設定された所定時間が経
過したか否かを判断する。所定時間が経過していない場
合はＳ３へ移行して、レーザスキャナユニット３および
画像記録部７の駆動状態に基づき、画像の記録が開始さ
れたか否かを判断する。また、所定時間が経過した場合
は、Ｓ５にて駆動部３１に駆動信号を出力し、加熱ロー
ラ２３を所定量回転させた後Ｓ３へ移行する。Ｓ３に
て、画像の記録が開始されたと判断すると続くＳ７へ移
行し、開始されていないと判断するとＳ１へ移行する。
すなわち、Ｓ１〜５の処理によって、加熱ローラ２３を
所定時間おきに所定量回転させながら、画像の記録が開
始されるまで待機する。また、加熱ローラ２３を上記所
定量回転させると、それに伴って加圧ローラ２５も、所
定量（例えばフォトインタラプタ３５の１００パルス
分）回転する。このため、加圧ローラ２５の加熱ローラ
２３に圧接される位置をＳ５実行前とは異らせることが
できる。

【００１５】次に、レーザスキャナユニット３および画
像記録部７が画像の記録を開始し、Ｓ３にて肯定判断す
ると、Ｓ７にて、フォトインタラプタ３５のパルス数を
計数するＲＡＭ３７ｃ内のカウンタＣＮＴを００Ｈ（１
６進法）にリセットする。続くＳ１１では、レーザスキ
ャナユニット３および画像記録部７の駆動状態に応じて
ローラ２３，２５を回転させる。また、続いてＳ１３へ
移行すると、加圧ローラ２５の回転に伴ってフォトイン
タラプタ３５が出力するパルスをカウンタＣＮＴにて計
数する。

【００１６】続くＳ１５では、レーザスキャナユニット
３および画像記録部７の駆動状態に基づき、画像の記録
が終了して記録紙Ｐが定着部９から排出されたか否かを
判断する。画像の記録が終了したと判断すると続くＳ１
７へ移行し、終了していないと判断するとＳ１１へ移行
する。また、Ｓ１１〜Ｓ１５の処理を繰り返す間にカウ
ンタＣＮＴがＦＦＨとなると（すなわち、加圧ローラ２
５が一回転すると）、再びカウンタＣＮＴをリセットし
て計数を続行する。このＳ１１〜１５の処理によって、
記録画像に応じてトナーが付着した記録紙Ｐをローラ２
３，２５間で加熱・加圧しながら搬送し、記録画像を記
録紙Ｐに定着させることができる。そして、この間加圧
ローラ２５の回転位置は、カウンタＣＮＴにより００Ｈ
〜ＦＦＨの値で検出することができる。

【００１７】画像の記録が終了してＳ１７へ移行する
と、カウンタＣＮＴの値が００Ｈ（画像の記録開始前の
停止位置に対応）となっているか否かを判断する。００
Ｈとなっているときは、Ｓ１９にてローラ２３，２５を
所定量回転させた後Ｓ２１へ移行し、００Ｈとなってい
ないときはＳ２３にてそのままローラ２３，２５を停止
した後Ｓ２１へ移行する。この処理によって、加圧ロー
ラ２５の停止位置を画像の記録前後で異ならせることが
できる。

【００１８】Ｓ２１では、カウンタＣＮＴをリセットす
るなど種々のデータを初期化して一旦処理を終了する。
なお、上記処理において、Ｓ７の処理が回転位置記憶手
段に相当し、Ｓ１７および１９の処理が停止位置制御手
段に相当する。このように、本実施例のレーザプリンタ
１では、画像の記録を行う前後で加圧ローラ２５の停止
位置を異ならせることができる。このため、加圧ローラ
２５の加熱ローラ２３に圧接される位置が、画像の記録
を行なう毎に少なくとも前回の位置とは異なる位置とな
る。従って、スポンジ製の加圧ローラ２５が永久変形し
て、印字むら、定着むらなどが生じるのを未然に防止す
ることができる。また、本実施例では、レーザプリンタ
１が所定時間画像の記録を行わず停止し続けた場合も、
加圧ローラ２５の停止位置を変化させる。従って、一層
良好に加圧ローラ２５の永久変形を防止することができ
る。

【００１９】なお、上記実施例では、加熱ローラ２３と
加圧ローラ２５との間で記録紙Ｐを加熱・加圧しながら
搬送して、記録画像を定着しているが、ハロゲンランプ
２３ｂを設けず、単に加圧しながら搬送することによっ
て記録画像を定着するようにしてもよい。この場合、ア
ルミニウム製の加熱ローラ２３に替えて、加圧ローラ２
５と同様のスポンジローラを使用することもできる。

【００２０】また、本発明はレーザプリンタ以外にも、
複写機，プリンタなど種々の画像記録装置に適用するこ
とができ、インクジェットプリンタなどに適用して記録
紙Ｐに付着したインクを定着することもできる。

【００２１】

【発明の効果】以上詳述したように本発明では、ローラ
駆動手段の駆動力によって弾性材料にて構成されるロー
ラが回転したとき、そのローラを前回停止時の回転位置
とは異なる位置で停止させることができる。このため、
弾性材料にて構成されるローラの他方のローラに圧接さ
れる位置を画像の記録前後で異ならせて、そのローラが
永久変形するのを良好に防止することができる。従っ
て、弾性材料にて構成されるローラが永久変形して、印
字むら、定着むらなどが生じるのを未然に防止すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の構成例示図である。

【図２】実施例のレーザプリンタを表す概略構成図であ
る。

【図３】そのレーザプリンタの定着部を表す側面図であ
る。

【図４】実施例のローラ駆動処理を表すフローチャート
である。

【符号の説明】

１…レーザプリンタ ９…定着部 ２３…
加熱ローラ ２５…加圧ローラ ３１…駆動部 ３３
…ロータリエンコーダ ３５…フォトインタラプタ ３７…電子制御回路 Ｐ
…記録紙

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録画像に応じて記録媒体が付着した記
   録紙を、表裏面から加圧して上記記録画像を上記記録紙
   に定着させる画像定着装置において、 少なくとも一方が弾性材料にて構成され、上記記録紙を
   表裏面から加圧する一対のローラと、 該一対のローラの少なくとも一方を回転させるローラ駆
   動手段と、 上記一対のローラの内、弾性材料にて構成されるローラ
   の回転位置を検出する回転位置検出手段と、 該回転位置検出手段が上記弾性材料にて構成されるロー
   ラの停止時に検出する回転位置を記憶する回転位置記憶
   手段と、 上記回転位置検出手段の検出結果を参照して、上記弾性
   材料にて構成されるローラを上記回転位置記憶手段に記
   憶された少なくとも前回停止時の回転位置とは異なる位
   置で停止させる停止位置制御手段と、 を備えたことを特徴とする画像定着装置。