JPH0650843Y2 - カセット装着装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本考案は、ビデオテープレコーダ（VTR）等のカセット
装着装置に関する。

（ロ） 従来の技術 特開昭59-124059号公報（G11B15/66）には、基台に設置
された支持枠にカセットトレイが開閉可能に支持され、
カセットトレイの閉成状態において、カセットトレイ底
面に設けられた固定ピンが基台に設けられたフックに係
合することにより閉成状態を保持する構造のカセット装
着装置において、前記固定ピンをカセットホルダに装着
されるカセットの供給および巻取リールの中心を結ぶ中
心線上の両側対称の位置に相対向して設けることによ
り、カセットを正しい姿勢で確実に保持する技術が示さ
れている。

また、第４図乃至第６図に示すカセット装着装置では、
カセットトレイが水平に保持された状態で上下動する構
造となつている。

第４図はカセットトレイがダウン位置にある時の平面
図、第５図は第４図におけるＢ−Ｂ′線断面図である。
上側アーム（15）及び下側アーム（３）は、それぞれ一
端を基台（12）に回動可能に軸支されている。カセット
トレイ（14）は上側アーム（15）及び下側アーム（３）
の他端において軸支されており、基台（12）とカセット
トレイ（14）の連結は４節リンク機構となつている。ス
ライド部材（２）は、基台（12）に植立された第１支持
軸（10）及び第２支持軸（11）に長孔（32）、（33）が
嵌合することにより基台（12）にスライド可能に支持さ
れ、一端を基台（12）に支持される第１スプリング（1
3）により（Ｃ）方向に付勢されており、第５図におい
てはロック位置に位置している。（６）はスライド部材
（２）がロック位置にある時に押圧され、ON状態となる
カセットイン検出スイッチである。

カセットトレイ（14）は、上面に設けられた第１スプリ
ング支持片（20）と、上側アーム（15）の一端に設けら
れた第２スプリング支持片（34）との間に掛けられた第
２スプリング（16）の引張り力により、上昇方向に付勢
されている。しかし、ダウン位置においてはカセットト
レイ（14）底面に設けられた係止フック（７）がスライ
ド部材（２）に植立されたローラ（５）に係合すること
により、ダウン位置に保持されている。

（21）は、基台（12）に植立される第３支持軸（23）に
回動可能に軸支されるストッパーアームであり、コイル
スプリング（22）により反時計方向に付勢され、カセッ
トトレイ（14）がダウン位置にある時にはカセットトレ
イ（14）底面により位置規制されている。

スライド部材（２）の係合片（31）に係合するロック解
除レバー（１）により、スライド部材（２）を（Ｄ）方
向に移動せしめると、係止フック（７）とローラ（５）
との係合がはずれ、第２スプリング（16）の引張り力に
よりカセットトレイ（14）は上昇し、ストッパーアーム
（21）は反時計方向に回動する。第６図は、カセットト
レイ（14）がアップ位置にある時の断面図である。カセ
ットトレイ（14）が上昇すると、ロック解除レバー
（１）はカセットテープの装着に備えて通常位置に戻
る。しかしスライド部材（２）は、スライド部材（２）
に形成されたダボ（24）がストッパーアーム（21）に係
合することにより位置規制され、開放位置に保持され
る。スライド部材（２）が開放位置にある時には、カセ
ットイン検出スイッチ（６）は押圧されず、OFF状態と
なつている。

カセットトレイ（14）を再びダウン位置に下降させる場
合に、カセットトレイ（14）を押下げて行くと、ストッ
パーアーム（21）先端部（35）はカセットトレイ（14）
底面により押圧され、ストッパーアーム（21）は時計方
向に回動する。ストッパーアーム（21）の回動により、
ダボ（24）との係合がはずれると、スライド部材（２）
は（Ｃ）方向にスタイドし、カセットトレイ（14）がダ
ウン位置まで来ると、係止フック（７）とローラ（５）
が係合する。この時、スライド部材（２）はロック位置
に位置しており、カセットイン検出スイッチ（６）は再
びON状態となる。

上述する構成のカセット装着装置においてスライド部材
（２）がロック位置に位置するのは、カセットトレイ
（14）がダウン位置にあり、係止フック（７）とローラ
（５）が係合している時に限られる。よつてスライド部
材（２）により押圧されるカセットイン検出スイッチ
（６）の動作が確実となり、カセットトレイ（14）がダ
ウン位置に来る前にカセットイン検出スイッチ（６）が
ON状態となる等の誤動作が発生することがない。

（ハ） 考案が解決しようとする課題 第４図乃至第６図に示すカセット装着装置では、ロック
解除レバー（１）によりスライド部材（２）がスライド
せしめられ、カセットトレイ（14）が上昇した後、ロッ
ク解除レバー（１）が通常位置に戻つた場合に、スライ
ド部材（２）を開放位置に保持するために、コイルバネ
（22）により付勢されるストッパーアーム（21）を設け
ている。このため、部品点数、組立作業工数等において
負担となつている。

本考案は、カセットイン検出スイッチの動作が確実に成
されるカセット装着装置において、部品点数を削減する
ことを目的とする。

（ニ） 課題を解決するための手段 本考案は、アームにより基台に支持されるカセットトレ
イと、カセットトレイの底面に設けられた係止フックに
係合するローラを備え、基台にスライド可能に支持され
るスライド部材と、スライド部材をロック位置に付勢す
るスプリングと、スライド部材により押圧されるカセッ
トイン検出スイッチとより構成されるカセット装着装置
において、カセットトレイがダウン位置にある時は、ス
ライド部材をロック位置に、カセットトレイがダウン位
置以外にある時にはスライド部材を開放位置に位置規制
する様に、ローラを案内するカム溝を形成することを特
徴とする。

（ホ） 作用 よつて本考案によるカセット装着装置では、アームに形
成されたカム溝にスライド部材に植立されたローラが案
内され、スライド部材はカセットトレイがダウン位置に
ある時はロック位置にカセットトレイがダウン位置以外
にある時は開放位置に位置規制される。

（ヘ） 実施例 以下図面に従い本考案の一実施例について説明する。

第１図乃至第３図は、実施例のカセット装着装置に係
り、第４図乃至第６図に示す従来技術と同一部分に同一
符号を付し、説明を省略する。

第１図はカセットトレイがダウン位置にある時の平面
図、第２図は第１図におけるＡ−Ａ′線断面図である。

第１図では、カセットトレイ（14）底面に設けられた係
止フック（７）が、スライド部材（２）に植立されたロ
ーラ（５）に係合することによりカセットトレイ（14）
はダウン位置に保持されている。また、カセットイン検
出スイッチ（６）は、ロック位置に位置するスライド部
材（２）により押圧されON状態となつている。

スライド部材（２）の係合片（31）に係合するロック解
除レバー（１）により、スライド部材（２）を（Ｄ）方
向に移動せしめると、係止フック（７）とローラ（５）
との係合がはずれ、第２スプリング（16）の引張り力に
よりカセットトレイ（14）は上昇する。

第３図は、カセットトレイ（14）がアップ位置にある時
の断面図である。カセットトレイ（14）が上昇すると、
ロック解除レバー（１）はカセットテープの装着に備え
て通常位置に戻る。しかし、スライド部材（２）は、ス
ライド部材（２）に植立されたローラ（５）が下側アー
ム（３）に形成されたカム溝（４）の円弧状部（35）に
案内されているため位置規制され、開放位置に保持され
る。スライド部材（２）が開放位置にある時には、カセ
ットイン検出スイッチ（６）はOFF状態となつている。

カム溝（４）の円弧状部（35）の円弧中心は、下側アー
ム（３）の基台（12）側回動中心と同一であるため、カ
セットトレイ（14）を再びダウン位置に下降させる場合
に下側アーム（３）が回動しても、スライド部材（２）
はロック位置に保持されたままとなる。

カセットトレイ（14）を押し下げ、ダウン位置まで来る
と、スライド部材（２）は（Ｃ）方向にスライドし、係
止フック（７）とローラ（５）が係合する。この時、ロ
ーラ（５）はカム溝（４）の長孔部（36）に案内されて
いるため、スライド部材（２）はロック位置に位置し、
カセットイン検出スイッチ（６）はON状態となつてい
る。

（ト） 考案の効果 以上に述べたように本考案では、カセットトレイがアッ
プ位置にある時に、スライド部材を開放位置に保持する
ためにストッパーアームを設ける必要がなく、部品点数
及び組立作業工数の削減ができ効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の実施例に係り、第１図、第
２図はカセットトレイがダウン位置にある時の平面図及
び断面図をそれぞれ顕わし、第３図はカセットトレイが
アップ位置にある時の断面図を顕わす。第４図乃至第６
図は従来技術に係り、第４図、第５図はカセットトレイ
がダウン位置にある時の平面図及び断面図をそれぞれ顕
わし、第６図は、カセットトレイがアップ位置にある時
の断面図を顕わす。 （２）……スライド部材、（３）……下側アーム（アー
ム）、（４）……カム溝、（５）……ローラ、（６）…
…カセットイン検出スイッチ、（７）……係止フック、
（10）……第１支持軸（支持軸）、（11）……第２支持
軸（支持軸）、（12）……基台、（13）……第１スプリ
ング（スプリング）、（14）……カセットトレイ、（3
2）、（33）……長孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一端を基台に回動可能に軸支されるアーム
   と、該アームの他端に軸支され、アップ位置とダウン位
   置との間を上下動するカセットトレイと、前記基台に植
   立される支持軸に長孔が嵌合することにより、ロック位
   置と開放位置との間をスライド可能に前記基台に支持さ
   れるスライド部材と、該スライド部材をロック位置方向
   に付勢するスプリングと、前記スライド部材がロック位
   置にある時に押圧され、ON状態となるカセットイン検出
   スイッチとより構成され、前記カセットトレイ底面に設
   けられた係止フックと前記スライド部材に植立されるロ
   ーラが係合することにより、前記カセットトレイがダウ
   ン位置に位置規制されるカセット装着装置において、 前記カセットトレイがダウン位置にある時は前記スライ
   ド部材をロック位置に、前記カセットトレイがダウン位
   置以外にある時は前記スライド部材を開放位置に位置規
   制する様に、前記ローラを案内するカム溝を前記アーム
   に形成することを特徴とするカセット装着装置。