JPH035010Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、磁気記録再生装置における磁気テー
プカセツトの装着装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来の磁気テープカセツト（以下、単にカセツ
トと称す。）の自動装着装置を有する磁気記録再
生装置においては、カセツトホルダーへのカセツ
ト挿入位置を規制するためにカセツトホルダーに
設けられた二つのカセツト挿入量規制爪から、各
リール台中心までのカセツト挿入方向距離が等し
いため、カセツトの巻取側前面部が、巻取側のカ
セツト挿入量規制爪に当接しないようにカセツト
を傾けて挿入し、さらにカセツトの供給側後部の
みを押し込むと、カセツトホルダーの巻取側側面
に植設されたカセツト蓋解除部材により、前蓋ロ
ツク解除ピンが押圧されないため、カセツト蓋が
開かず、カセツトは正規の状態で、リール台上に
装着されないという欠点を持つていた。

考案の目的 本考案は、上記欠点を解硝するもので、カセツ
トの巻取側前面部が、カセツトホルダーの巻取側
カセツト挿入量規制爪に当接しないようにカセツ
トを傾けて挿入し、さらに、カセツトの供給側後
部のみを押し込む場合においても、前蓋ロツク解
除ピンが、カセツト蓋解除部材によつて、押圧さ
れ、カセツト蓋が開くため、カセツトが正規の状
態でリール台上に装着されうるカセツト装着装置
を提供することを目的とする。

考案の構成 上記目的を達成するため、本考案のカセツト装
着装置は、カセツトホルダーに設けられた二ケ所
のカセツト挿入量規制爪の内、前蓋ロツク解除ピ
ンより遠い方のカセツト挿入量規制爪を、他方の
カセツト挿入量規制爪より、所定寸法だけ、カセ
ツト挿入方向側にずらして設けたものである。

実施例の説明 以下、本考案の一実施例を図面にもとづき説明
する。第１図および第２図において、１はVTR
用磁気テープカセツト（以下、カセツトと称す。）
２を保持するカセツトホルダーで、カセツト挿入
位置とリール台３上のカセツト作動位置との間を
移動手段４により移動自在にされている。即ち、
カセツトホルダー１の両側面には棒状突起５が植
設されると共に、カセツトホルダー１の両側部に
配置された左右一対の側板６に形成されたＬ字状
のガイド溝７に上記突起５が移動可能に係合さ
れ、更に上記一対の側板６の外側部には、軸体８
を介して回動レバー９が矢印Ａ，Ｂで示すように
回動自在に取付けられると共に、この回動レバー
９に形成された長穴１０に上記突起５が移動可能
に係合されている。従つて、図外の駆動装置によ
つて回動レバー９が矢印ＡまたはＢ方向に回転駆
動されると、カセツトホルダー１はカセツト挿入
位置とカセツト作動位置との間で移動される。な
お、ガイド溝７は水平部７ａと垂直部７ｂとから
成り、従つてカセツトホルダー１はカセツト挿入
位置からリール台３上方の位置まで水平に移動
し、その後、リール台３上に降下する。１１は左
右一対の側板６の上面に設けられた取付板であ
る。カセツト２の右側面部には、カセツトの前蓋
２ａのロツクを解除する前蓋ロツク解除ピン２ｂ
が設けられており、カセツト２がカセツトホルダ
ー１に挿入されると、該前蓋ロツク解除ピン２ｂ
は、カセツトホルダー１の右側面部に取り付けら
れている、ロツクピン解除ピース１ｃにより自動
的に押し込まれ、前蓋２ａのロツクは解除され
る。さらに、カセツトホルダー１が、リール台３
に向かつて降下する際、蓋あけレバー１２の傾斜
面１２ａに、カセツト蓋２ａの下端部が当接する
と、カセツトの降下にともなつて第２図に示すよ
うに矢印ｃ方向にカセツト蓋２ａは、開き、リー
ル台３に正規の姿勢で、カセツト２は装着され
る。

第４図に示すように、カセツトホルダー１にカ
セツト２を挿入し、カセツト２の左後端部１ｄの
みをカセツト挿入方向（矢印Ｄ方向）に押し込む
と、カセツト２の右前端部はカセツトホルダー１
に設けられたカセツト挿入量規制爪１ａに当接せ
ず、従つて、前蓋ロツク解除ピン２ｂはロツクピ
ン解除ピース１ｃにより解除されないことにな
り、降下の際、蓋あけレバー１２に蓋２ａが当接
したまま、移動不可能となる。

そこで本考案では、第５図に示すように、カセ
ツトホルダー１に設けられたカセツト挿入量規制
爪１ａを１ｂに対し、所定量だけカセツトが挿入
される方向にずらしておくと、カセツト２の左後
端部１ｄのみを矢印Ｄ方向に押し込んでも、ロツ
クピン解除ピース１ｃは、前蓋ロツク解除ピン２
ｂを押圧するため、蓋は、蓋あけレバー１２によ
り開かれ、正規の状態でカセツト２は、リール台
３に装着される。しかも、カセツト挿入量規制爪
１ａをずらせて位置せしめるだけで蓋を開けてカ
セツトを正規装着できるのでカセツトの正規装着
のために何ら別部材を設ける必要がなく、構成が
非常に簡単であり、コスト面でも有利である。

考案の効果 以上のように本考案によれば、２つのカセツト
挿入量規制爪の内、前蓋ロツク解除ピンより遠い
方のカセツト挿入量規制爪を他のカセツト挿入量
規制爪より所定寸法だけカセツト挿入方向側へず
らしたので、カセツトの左後端部（供給側後端
部）のみをカセツト挿入方向側に押してカセツト
が傾いて挿入されてしまつた場合でも前蓋ロツク
解除ピンがカセツト蓋解除部材で押圧されること
によつて蓋が開き、カセツトを正規の状態でリー
ル台上に装着させることができる。しかも挿入量
規制爪をずらせて位置せしめるだけで蓋を開けて
カセツトを正規装着することが可能となるので、
カセツトの正規装着のために何ら別部材を設ける
必要がなく、構成が非常に簡単であり、コスト面
でも有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のカセツト装着装置の一実施例
の要部構成分解斜視図、第２図は同装置の動作を
示す側面図、第３図および第４図は従来のカセツ
ト装着装置におけるカセツト挿入状態を示す平面
図、第５図は本考案のカセツト装着装置における
カセツト挿入状態を示す平面図である。 １……カセツトホルダー、２……VTR用磁気
テープカセツト（カセツト）、３……リール台、
４……移動手段、５……突起、６……側板、７…
…ガイド溝、１１……取付板、１２……蓋あけレ
バー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右一対の側板に形成されたガイド溝に案内さ
   れて、カセツト挿入位置とリール台上方のカセツ
   ト作動位置との間で移動自在にされたカセツトホ
   ルダーと、前記カセツトホルダーを上記両位置間
   で移動させる移動手段と、前記カセツトホルダー
   に一体的に設けられ、前記カセツトホルダーに挿
   入されたテープカセツトの前面の両端部にそれぞ
   れ当接して前記テープカセツトの挿入位置を規制
   する２つのカセツト挿入量規制爪と、前記カセツ
   ト挿入量規制爪により挿入位置が規制された前記
   テープカセツトの一側面に設けられた前蓋ロツク
   解除ピンに当接するカセツト蓋解除部材とを有
   し、前記２つのカセツト挿入量規制爪の内前記前
   蓋ロツク解除ピンより遠い方のカセツト挿入量規
   制爪を、他方のカセツト挿入量規制爪より、カセ
   ツト挿入方向側にずらせて位置せしめたことを特
   徴とするカセツト装着装置。