JPH06507096A - 除去可能で熱回復可能な組織支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 除去可能で熱回復可能な組織支持装置 本発明は、組織支持装置、好ましくは血管を修理するための雄管ステント（ｖａ ｓｃｕｌａｒ　５ｔｅｎｔｓ）　、より詳しくは血管のような管状器官（中空の 内蔵）の拡張された狭窄症を一時的に、そして所望により永久的に支持する除去 可能な装置に関する。

先行技術の説明 過去において、雄管の開存（ｐａｔｅｎｃｙ）を維持するために身体の通路内に 埋め込むための永久的又は生分解可能な装置が開発された。これらの装置は、典 型的には、このような血管自装置を皮膚を通して挿入した後半径方向に拡大し、 軌道に沿って移送し、そして所望の場所に位置決めしうる、という能力を特徴と している。これらの装置は、その装置の内側に位置決めされた８棒の膨張等によ り機械的に拡張するか、又は身体の中で働いて貯えられていたエネルギを放出し てそれ自体を膨張させることかできる。

編まれたチューブ又はその類似物の中に縫合材料を用いる生分解可能なステント 状部材は、雄管ステントとして用いられてきた。不運にして、このような装置は 、強度と用途が限られており、分解するのに比較的長時間を要する。

米国特許第４．７３９．７６２号、第４．７７６、３３７号及び第４．７３３． ６６５号は、半径方向外方へ膨張して身体の通路と接触する薄壁管状部材の形の 、膨張可能で変形可能な管腔内雄管移植を開示しており、該管状部材は、その弾 性限界を越えて塑性的に変形され、身体の内部で永久的に固定される。これらの 管状部材の製作に適当な材料には、銀、タンタル、ステンレス鋼、金、チタニウ ム又はその他の適当な永久変形させつる塑性材料が含まれる。材料は、管状部材 を作るために利用された材料の弾性限界を越える力を受けたとき、永久変形が達 成される。このような装置の開放メツシュ形状は、間もなく身体の組織によりカ プセルに包まれるので、取り出すことはできない。このような装置に用いられる 材料の弾性限界を越えることは、装置本来の性能を危うくするものと信じられる 。

米国特許第４．９６９．４５８号は、銅合金、チタニウム又は金のような材料で 作られたワイヤ構成要素から形成された雄管ステントを開示しており、この場合 、巻かれた形状は膨張と共に解かれ、上述の先行技術と同様な永久的な補綴ステ ントとなり、従って除去することが不可能である。

米国特許第４．９６９．８９０号は、種々の形状の形状記憶合金部材を開示して いるが、この部材は、予め半径方向に圧縮され、身体の中に位置決めして熱を与 えるとそれ自体で膨張して、身体内で永久的な補綴となる。これに関して、引例 は、米国特許第４．４８５．８１６号に開示された装置と同様な仕方で作用する 装置を教示している。米国特許第４．４８５．８１６号は、加熱されたとき組織 を貫通して互いに堅くしばる形状記憶合金製のステープルを開示している。形状 記憶合金は歴史的に、構成要素が温度活性化の後、強いオーステナイト状態に留 まるような方法で仕事を行うために用いられてきた。即ち、マルテンサイトから オーステナイトへの転移温度以上では、上述の引例が開示しているように、形状 記憶合金は、無能力な血管を拡大させるか又は組織のセグメントを一緒に保持す るかの何れかである。不幸にして、これらの装置は何れも、実際には除去するこ とかてきない。

それ故、寸法的にコンパクトな形状にある間に身体の内部へ挿入可能で、その変 形された形状にある間に機械的にかつ弾性的に適所へ変形させて血栓等との保合 、半径方向支持のような機能を達成することかできる組織支持装置であって、柔 らかい組織の移動に順応するように幾分可撓性のままに留まり、更にあとて取り 外しか可能であるような組織支持装置を提供すれば有利である。本発明は、先行 技術に教示されたものとは異なる本質的に反対の方法で形状記憶合金を用いる組 織支持装置を提供する。

発明の概要 本発明の目的は、第１形状において容易に挿入可能で、次に第２形状へ弾性的に 変形可能な組織支持装置において、前記装置は、高度の可撓性を示し、所望によ りあとて容易に除去可能であること、を特徴とする組織支持装置を提供すること である。この目的を達成するために、マルテンサイト状態と、オーステナイト状 態と、その間の転移温度とを有するニッケル・チタニウム形状記憶合金製の熱回 復可能な組織支持装置において、前記装置は、そのマルテンサイト状態にある間 に合金のマルテンサイトの割合を増大させながら第１形状から第２形状へ弾性的 に変形可能であり、前記装置は、該装置をあとて除去するため、該装置を転移温 度以上に加熱するとき第１形状へオーステナイト状態へ回復可能であること、を 特徴とする熱回復可能な組織支持装置を提供する。限定ではなく例示として、組 織支持装置は、組織を一緒に保持し又は組織を分離するフィルタ、クランプ、ス テーブル又はその類似物を支持する部材を備えることができる。

本発明の１局面において、ニッケル・チタニウム形状記憶合金製のほぼ管状の回 復可能部材を備えた組織支持装置において、前記合金は、マルテンサイトとオー ステナイトの冶金学的状態とその間の転移温度とを有し、前記回復可能部材は、 前記マルテンサイト状態にある間に患者の内部へ挿入可能であり、前記マルテン サイト状態にある間に合金のマルテンサイトの割合を増大させながら、第１形状 から第２形状へ弾性的に変形可能であり、前記回復可能部材は、前記第２形状に ある間に組織に支持を与え、前記回復可能部材を前記転移温度以上に加熱すると 前記第１形状へ前記オーステナイト状態へ回復し、従って前記回復可能部材を患 者から除去しうろこと、を特徴とする組織支持装置が提供される。

本発明のもう１つの局面において、ニッケル・チタニウム形状記憶合金製の回復 可能部材と、前記回復可能部材に連結された補強部材とを備えた複合組織支持装 置において： 前記合金は、マルテンサイト状態とオーステナイト状態とその間の転移温度とを 有し、前記回復可能部材は、前記マルテンサイト状態にある間に患者の中へ挿入 可能であり且つ前記マルテンサイト状態にある間に合金のマルテンサイトの割合 を増大させながら、第１形状から第２形状へ弾性的に変形可能であり、前記回復 可能部材は、前記第２形状にある間に組織に支持を与えそして前記転移温度以上 に前記オーステナイト状態に加熱すると前記第１形状へ回復可能てあり：前記補 強部材は、該補強部材と前記回復可能部材の両方が第１形状から第２形状へ変形 されるとき、前記回復可能部材を支持し、前記補強部材は前記回復可能部材のは ね返りを防止し、前記補強部材の支持は、前記部材の両方を患者から取り出すた め前記回復可能部材をそのオーステナイト状態へ回復させたときに克服されるこ と：を特徴とする複合組織支持装置が提供される。

本発明のもう１つの局面において、ニッケル・チタニウム形状記憶合金製の回復 可能部材を備えた組織支持装置において、前記回復可能部材は、第１形状と第２ の変形された形状とを有し、前記合金は、マルテンサイト状態とオーステナイト 状態とその間の転移温度とを育し、前記回復可能部材は、合金のマルテンサイト の割合を増大させながら、前記第１形状から前記第２形状へ変形可能であり、前 記回復可能部材は、前記第２形状にある間に組織に支持を与え、そして前記転移 温度以上に前記オーステナイト状態に加熱すると前記第１形状へ回復可能である こと、を特徴とする組織支持装置が提供される。

図面の説明 第１図は、部分的に閉塞された動脈内に配置され、アンギオブラスティ（ａｎｇ ｉｏｐｌａｓｔｙ、脈管形成）バルーンであるとして示され、変形装置の上に位 置決めされたステント（ｓｔｅｎｔ）状部材の形の組織支持装置の部分断面図で ある。

第２図は、ステント状部材の弾性変形を生じさせたアンギオブラスティ　バルー ンの膨張後の、第１図に示すステント状部材の部分断面図である。

第３図は、膨張させた血管を支持するためのステント状部材を残して、アンギオ ブラスティ　バルーンを収縮させて取り出した後の、第１図及び第２図に示すス テント状部材の部分断面図である。

第４図は、第１図〜第３図に示したステント状部材の部分断面図であるが、前記 ステント状部材はその転移温度以上に加熱され、第２図及び第３図に示す変形さ れた形状から第１図に示すもとの形状へ回復されている。

第５Ａ図は、最初の変形されていない形状において複数の長さ方向スロットをす るステント状部材の形の組織支持装置の変形例を示す斜視図である。第５Ｂ図は 、膨張された材料の格子状構造を生じさせる変形（この場合は膨張として示され ている）の後の第５Ａ図のステント部材を示す斜視図である。

第１３図は、後述するように高い回復を与えるコルゲートワイヤばねの形のステ ント状部材のもう１つの実施態様を示している。

第６Ａ図は、変形前の第１形状における細長いワイヤを巻いたばねの形のステン ト状部材の形の組織支持装置の実施態様を示す斜視図である。

第６Ｂ図は、第２形状への変形（この場合、半径方向への膨張による）後の第６ Ａ図のステント状部材を示す斜視図であり、第６Ｂ図の形状は第６Ａ図の第１形 状へ回復可能である。

第７Ａ図は、第１形状である回復可能部材の形の組織支持装置のもう１つの実施 態様を示す斜視図である。第７Ｂ図は、第７Ａ図の回復可能部材が長さ方向に変 形され、血栓症の領域に置かれたときの回復可能部材の斜視図である。第７Ｃ図 は、第７Ａ図及び第７Ｂ図に類似の斜視図であるが、回復可能部材は、第７Ａ図 に示す第１形状へ軸線方向に回復されており、そうする際、血栓症を閉し込める ので、回復可能部材を除去するとき血栓症を除去することができる。

第８図は、回復可能部材（第１図〜第６図に示すものの何れか１つのような）と 、回復可能部材の内側に連結され同心に取り付けられた補強部材と、を有するス テント状部材の形の複合組織支持装置の斜視図であり、回復可能部材と補強部材 との両者は、第８図に示す形状から池の形状へ変形可能であり、この複合組織支 持装置においては、変形可能部材を変形させるための手段（図示せず）を除去す るとき、変形された変形可能部材が経験するかもしれないはね返りに反作用する ため、補強部材は変形された変形可能部材の強度を補うものである。

第９図は、例示の目的で第６Ａ図及び第６Ｂ図に示したものと同様な細長いワイ ヤを巻いたばねとして示したステント状部材の形の組織支持装置の斜視図であり 、更にステント状部材が挿入され、変形され、次に（除去の目的で）そのもとの 形状へ回復された後、除去工具により捕捉しうる回収部分を有する。

第１０Ａ図及び第１０Ｂ図は、細長いワイヤを巻いたばねとして示したステント 状部材の形の組織支持装置の別の実施態様の、第９図に類似の斜視図であり、も との形状にあるステント状部材の全体的形状は、ステント状部材の捕捉と除去を 容易にする。第１０Ａ図は、ステント状部材の中央部分と互いに補足し合う戻り 止めを有する除去工具（図示せず）上へ回復し得る“又骨（ｗｉ　５ｈ−ｂｏｎ ｅ）”形状を示している。第１０Ｂ図は、除去工具（図示せず）の球根状部分の 上へ回復しうる拡大された中央部分を存するステント状部材を示す。

第１１図及び第１２図は、ステント状部材の形の組織支持装置のもう１つの実施 態様の斜視図であり、ステント状部材の第１形状が第１１Ａ図に示してあり、変 形された形状を第１１Ｂ図に示しである。この実施態様は、身体の部分を全体的 に包囲してこれを圧縮することかでき、次にそのもとの形状から膨張すると除去 することができる。

第１２図は、ステント状部材の形の組織支持装置のもう１つの実施態様に示す分 解斜視図である。第１２Ａ図において、ステント状部材はその第１形状にある。

第１２Ｂ図において、該部材は、身体の外側で例えばコイル形に変形されている 。第１２Ｃ図において、変形されたステント状部材は、身体の中の導管（例えば 予め切断されそして変形されたステント状部材の周りて縫い合わされたチューブ ）の内側に挿入され、ステント状部材の一部は、あとて回収するためチューブの 壁を通して延在している。第１２Ｄ図において、除去工具は、変形されたステン ト状部材の端部を捕捉し終わっており、熱い流体を適用する等によりステント状 部材の部分を加熱し、ステント状部材は、第１２Ａ図に示すような第１形状へ回 復する。第１２Ｅ図は、導管及び回復されそして除去されたステント状部材を示 している。

第１３図は、コルゲートワイヤはねの形のステント状部材の形の組織支持装置の もう１つの実施態様を示す斜視図である。

好ましい実施態様の説明 引続き添付図面を参照して説明する。第１図は、脈管形成（ａｕｇｉｏｐｌ−ａ ｓｔｙ）装置により支持され、部分的に又は完全に閉塞された動脈１４又はその 他の中空の内蔵の内部に位置決めされた回復可能部材ＩＯとして示されたステン ト（ｓｔｅｎｔ）状部材の形の組織支持装置を示している。回復可能部材１０は 、互いに角度をなし且つ管状の回復可能部材１０の縦軸線に対し角度をなす複数 のワイヤ部分１６．１８を有し、放射状に変形可能である０ワイヤ部分１６．１ ８は、回復可能部材１０に対し必要な程度の支持を与えるため適当なときは互い に連結されることが理解されよう。

回復可能部材１０は、形状記憶合金、好ましくはニッケル・チタニウム形状記憶 合金で作られ、該合金は、マルテンサイトの冶金状態と、オーステナイトの冶金 状態と、その間の転移温度とを有する。ワイヤ１６．１８は、必要に応じて種々 の断面形状をもつことができる。

形状記憶合金即ち記憶金属は、形状記憶効果を明らかに示す合金てある。このよ うな合金は良く知られており、そして合金及び形状記憶効果は、例えばサイエン ティフインクアメリカンＶｏ１．２８１．７４〜８２頁＜　１９７９年１１月） の“シエイブ・メモリ　アロイズ′において論しられている。

形状記憶効果は、実際には２つの別々の現象を構成することができ、その１つは 一般的に熱回復能力（ｈｅａｔ−ｒｅｃｏｖｅｒａｂｉｌｉｔｙ）として言及さ れ、他の減少は一般的に擬弾性（Ｐｓｅｕｄｏｅｌａｓｔｉｓｉｔｙ）として言 及される。実際には、この２つの現象はからみ合っており、本発明はその各々を 利用する。

形状記憶合金は米国特許第３，０１２．８８２号及び第３．１７４．８５１号に 開示されている。これらの特許において明らかにされたように、これらの合金は 成る温度においてオーステナイト状態とマルテンサイト状態との間で転移を経験 する。これらの合金は、マルテンサイト状態にある間に変形されると、このマル テンサイト状態に維持されている限り、この変形を保持するが、然し、転移温度 にまで加熱されると、その元の形状に逆戻りし、そのときオーステナイト状態に 変態する。これらの転移が起こる温度は、合金の性質と材料のコンディショニン グにより影響を受ける。

体温より僅かに高い転移温度をもつニッケル・チタニウムベースの合金が本発明 にとって好ましい。望ましい転移温度は、身体を周囲の温度上昇に露出するとき 転移温度に達しないように十分に高いか、身体の組織に著しい損傷を生しさせる ことなく合金を加熱しつるように十分に低い温度である。

回復可能部材１０の熱回復能力は第１図〜第４図に示されている。これらの図に おいて、回復可能部材ＩＯは、そのマルテンサイト冶金学的状態にある間に変形 され、次にその転移温度を通して回復可能部材ｌＯを加熱することにより、その オーステナイト冶金学的状態に回復される。第１図において、回復可能部材１０ は、管腔部分２０とバルーン部分２２とガイド部分２４とを有するアンギオブラ スティ（ａｎｇｉｏｐｌａｓｔｙ）装置によって挿入されている。回復可能部材 １０は、バルーン部分２２０周りに位置決めされている。

第２図において、バルーン部分２２は膨張され終わっており、従って回復可能部 材１０を閉塞動脈１４に対して放射状に外方へ変形させている。ワイヤ部分１６ ．１８の横断面は、アンギオブラスティ（脈管形成）の手段の助けとなるように 最適化することができる。例えば、鋭い外縁をもつワイヤを用いて組織に予め切 込みを入れ、より均一な膨張を生じさせるのかよい。本発明は、アンギオブラス ティの手順の一部として最初に記載されているけれとも、本発明は、このような 手段に限定されるわけではなく、また動脈内でのステント状部材の使用に限定さ れるのでもないことが理解されよう。本発明は、冠状動脈の他の種々の動脈は勿 論、身体の組織一般、例えば伏在静脈移植片、大静脈、大動脈、腎臓動脈、腸骨 動脈、大腿部の動脈、膝裏動脈、頚動脈、頭蓋動脈、肺動脈等を支持するのに有 用であることは当業者に明らかな筈である。本発明の種々の実施態様は他の管状 器官にも有用である。例えば、前立腺、胆汁管、食道、気管、ファロピオ管（卵 管）、輸精管、尿管、涙腺、唾液分泌、腺等を含むがそれに限定されず、他の管 状器官にも有用である。

第３図において、アンギオプラスティ装置（図示せず）は、バルーン部分をつぶ すことにより除去されており、回復可能部材ＩＯは、動脈Ｉ４を支持するため適 所に残されている。医師により決定された適当な時間の経過後、（さきに述べた 先行技術と異なり）回復可能部Ｎ’ＩＯを除去することができる。第３図に見る ように、回復可能部材ｌＯの合金は、治癒中の動脈１４を支持するためマルテン サイトの冶金学的状態に留まっている。

回復可能部材１０は、合金のマルテンサイト部分を増大させなから弾性的に変形 された。米国特許第４．７３９．７６２号、第４．７７６、３３７号及び第４． ７３３．６６５号に開示された装置は、変形の過程で薄い壁をもつ管状部材の材 料の弾性限界を越え、従って材料の性質を破壊する。本発明の回復可能部材１０ は永久的には変形されず、それ故治癒過程の間に助けられる柔軟な組織に改善さ れた支持を与える。

第４図において、回復可能部材１０を回復してこれを捕捉するための除去手段２ ６か導入されている。例示の目的で、除去手段２６は、管部分２８と把持部分３ ０と存するものとして示しである。除去手段２６は、把持部分３０が回復可能部 材１０の一部と係合するようなカテーテル又はその類似物によって導入される。

続いて、温かい流体３１が、管部分２８を通して送り込まれて回復可能部材ＩＯ を合金の転移温度以上に加熱し、合金をそのオーステナイト冶金学的状態に上昇 させ、かくして回復可能部材１０を第３図に示す第２形状から第１図に示す第１ 形状に回復させる。第４図には、変形された第２形状から第１図に示す第１形状 に回復された回復可能部材】０が示されている。次に、回復可能部材ｌＯを除去 することができる。

回復可能部材ＩＯ内に変形されたマルテンサイト状態をうるもう１つの方法は、 前述したバルーン部分を有するアンギオブラステイ装置を用いることなく、適当 に“訓練された（ｔｒａｉｎｅｄ’）”回復可能部材ｌＯを身体内でマルテンサ イト変態温度以下に冷却することである。若干の熱回復可能合金は、サイクルを 繰り返した後、“訓練される”ものになる。この手順は当業者に知られており、 身体の外側で回復可能部材ＩＯに実施することができる。膨張させるための外部 機械的手段はもはや必要とされず、°訓練された”回復可能部材は自発的に膨張 する。訓練された回復可能部材は、身体の中へ温かいカテーテル装置で導入され 、このカテーテル装置は、回復可能部材をその回復されたオーステナイト冶金学 的状態に維持する。それから回復可能部材は、冷却して膨張することかできる。

次に、該部材は、前述したように回収することができる。このような現象は、１ ９８１年にＪ、　Ｆ、　ＴｉｅｎおよびＪ、　Ｆ、　Ｅｌｌｉｏｔにより編集さ れたＴｒｅａｔｉｅｓｅｓ　ｉｎ　Ｍｅｔａｌｌｕｒｇｙにいて“マルテンサイ ト反応の基礎”と題する章においてＭ、　Ｃｏｈｅｎ及びＣ，Ｍ、　Ｗａｙｍａ ｎにより論じられている。この章は、引用により本明細書中に組入れられる。材 料のこの挙動は、しばしば、その“２方向の（ｔｗｏ−ｗａｙ）”形状記憶効果 として言及される。　本発明の別の実施態様か、第４図に見るような回復可能部 材ＩＯによっても、示され、この実施態様においては、第１形状にある訓練され た合金から作られた回復可能部材ＩＯが、除去手段２６と同様な工具により身体 の中へ導入され、暖かい流体を受ける。回復可能部材■０か冷却すると、該部材 １０は膨張して、米国特許第４．７３９．７６２号、４．７７６、３３７号及び ４．７３３．６６５号に開示された装置により遂行された仕事と同様な仕事をす る。然しなから、これは膨張部材を使用せずに行われる。そして、第１図〜第４ 図を参照して前述したように、暖かい流体の導入を通じて回復可能部材ｌＯを加 熱して合金の転移温度以上に装置を加熱することにより、（先行技術の装置と異 なり）後で完全に除去される能力を育する。

第５Ａ図は、複数の縦スロット３４（これは特定の範囲の透孔てあり、はぼ長方 形で、菱形格子の形に一定のパターンに配列されている）有する回復可能部材３ ２の形のステント（ｓｔｅｎｔ）状部材の形の組織支持装置の別の実施態様を示 している。第５Ｂ図は、回復可能部材３２（これは溝付管として引用することが できる）の第１形状（第５Ａ図に示す）から第２形状（第５Ｂ図に示す）・＼の 膨張を示している。菱形格子は、第５Ｂ図に明らかに見えるように、透孔３６の 幾何学的中心の相互連結により作られる。菱形格子は、グリッド状構造の膨張や 収縮を可能にするのは明らかである。回復可能部材３２は、第５Ａ図に示す第１ 形状から第５Ｂ図に示す第２形状に変形され、次に、回復可能部材３２をそれを 構成する形状記憶合金の転移温度以上に加熱すると第１形状に回復することがで きる。第５Ａ図及び第５Ｂ図に開示されている格子状構造は、形状記憶合金に固 有の４％〜９％の熱回復を越えて高い熱回復を与える。米国特許第４．３９０． ５９９号（これは引用により本明細書に組入れられる）は、このような構造の高 い回復を開示している。本発明は、上述の特許に開示されたものに対する改良で あり、その改良は、形状記憶合金の熱回復を用いて、変形された支持要素を除去 するという明らかに有利な目的のために、独特の医学的用途にこの構造を適用す る点にある。

第６Ａ図は、熱回復可能部材３８の形のステント状部材の形の組織支持装置のも う１つの実施態様を示しており、この熱回復部材３８は、蛇行しているコイル（ 図示せず）として説明しうるものを含む細長いワイヤを巻いたばね状部材てあり 、本発明の詳細な説明と同様に、第６Ａ図に第１形状を示し、第６Ｂ図に変形さ れた第２形状を示している。

第７Ａ図は、熱回復可能部材４０の形のステント状部材の形の組織支持装置のも う１つの実施態様の斜視図であり、この熱回復可能部材４０は、形状記憶合金製 の細長い螺旋状に巻かれたワイヤ状部材であり、第７Ｂ図に示すように長さ方向 に変形可能であり、血栓４１に近接して置かれたとき、第７Ｂ図に示す第２位置 から第７Ａ図に示す第１位置に回復し、第７Ｃ図に見るように血栓物質を捕捉す る。

第８図は、形状記憶合金製の回復可能部材４２と該回復可能部材４２の内部に同 心に取付けられた補強部材４４とを備えたステント状部材の形の組織支持装置の もう１つの実施態様を示す。回復可能部材４２と補強部材４４とは何れも、第１ 形状から変形された第２形状へ変形可能であり、ステント状部材を除去するため 上述のように第１形状へ回復可能である。回復可能部材４２は、その構造は第１ 図〜第６図に示す回復可能部材の何れかに類似のものでよく、身体の内部で機械 的手段により膨張させることにより変形させることができ、次に支持装置の温度 を形状記憶合金の転移温度以上に高めることにより第１形状に回復させることが できる。回復可能部材４２の変形、特に膨張のとき、アンギオブラスティ装置（ 図示せず）のバルーン部分のような機械的変形手段を除去するとき、回復可能部 材４２はより小さい形状へ若干のはね返りをすることがある。補強部材４４は、 より可鍜性の材料で作られているので、回復可能部材４２がオーステナイト状態 に変態されているとき回復可能部材４２により膨張されない状態にある間に、ク リンプさせることかてきる。補強部材４４を積層、クラツディング等のような種 々の手段により回復可能部材４２に連結することは本発明の範囲内にある。補強 部材４４として適当な材料は、ステンレス鋼、金、タンタル等である。

形状記憶合金製の回復可能部材を変形させるため種々の機械的手段を用いること は本発明の範囲内にあることが理解されよう。第１ＩＮ及び第２図は、変形可能 部材を膨張させるために用いられているアンギオブラスティ装置のバルーン部分 を示している。直径を機械的に拡げるように働く複数の薄い金属製部材、膨張可 能な編製された部材のような他の機械的手段は、本発明の範囲内にあるものと考 えられる。

第９図は、フック形又は鳩目形部分であるとして示された回収部分４８を有する 回復可能部材４６を示している。回収部分を有するチーチルワイヤ等のような他 の透孔又は延長部を設けることは本発明の範囲内にある。

第１０Ａ図及び第１０Ｂ図は、回復可能部材５０及び５２を夫々示し、その第１ 形状全体は、これらの部材の第１形状への回復に引続いて該部材を回収するため の手段を与えている。回復可能部材５０は、戻り止め又はその類似物を存する除 去工具に堅く縛りつけることのてきる叉管（ｗｉｓｈ−ｂｏｎｅ）形状を有する 巻き線部材として示されている。第１０Ｂ図は、拡大された中心部分を有する回 復可能部材５２を示し、該部材５２は、回復されるとき、除去工具（図示せず） の球根状部分の頂部上に回復することができる。

回復可能部材の種々の実施態様の熱回復は、当業者によ（知られた種々の手段に より行うことができる。第４図は、装置の温度を合金の転移温度以上に上昇させ る暖かい流体を導入するための手段を示している。

磁気誘導、電気抵抗等のような局部的に熱を加える他の手段は、本発明の範囲内 にあるものと考えられる。

第１１Ａ図及び第１１Ｂ図は、第１１Ａ図に示すような第１形状を有する回復可 能部材５４を第１１Ｂ図に示すような第２形状（これは内側てな（外側で構成要 素を支持するため半径方向により小さい）に変形させるという考え方を示してい る。

第１２図は、ステント状部材の形の組織支持装置のもう１つの実施態様を示し、 回復可能部材５８は、第１２Ａ図においては第１形状においてほぼ垂直であるも のと示されており、第１２Ｂ図においては回収部分６２を育するコイル巻きされ た第２形状へ身体の外側で変形されたように示されている。第１２Ｃ図において 、身体の予め切断されたチューブの接合部、例えば精管切除術において予め切断 された輸精管の両結合部等において、コイル巻きされた第２形状６０が身体の中 へ導入され、回収部分６２は、治療期間の間チューブ又は輸精管６４の壁を通し て延在することを許される。第１２Ｄ図において、回復可能部材５８は、除去工 具６６（チューブとして示される）の補助で除去されているのか示されており、 この除去工具６６の中へ回収部分６２が引入れられており、その間に暖かい流体 ６７がチューブを通して供給される。その結果、回復可能部材５８は、第１２Ｂ 図に示すコイル巻きされた第２形状６０から第１２Ａ図に示す第１形状へ徐々に 回復し、その間、身体の管状部分の中に残存している小さい開口部を通して除去 工具６６の中へ引入れられる。第１２Ｅ図は、身体の治療された管状部分を示し 、回復可能部材５８は除去工具６６の中に完全に収容されている。

第１３図は、コイルに巻かれたコルゲートワイヤである回復可能部材６８の形の もう１つのステント状部材を示し、ワイヤの波形により、膨張によってそれ自体 変形されたコイルの全体的回復点を越えて真っ直ぐにすることによりワイヤを変 形したとき、高い回復が得られる。

上述の組織支持装置は、薬剤レリース材料で回復可能部材を被覆するか又は薬剤 し・リース材料の別の層を設けることにより、薬剤又は他の物理的もしくは化学 的剤（例えば、電荷放射性物質等）を供給するためにも用いることができる。こ れらの材料は、接触、分解、圧力等によってレリースされる。

第５Ａ図及び第５Ｂ図に仮想線で示した任意的な被覆又は層７０参照。

上述の組織支持装置はすべて、所望により、生物学的な相性（和合性、親和性） を改善するために、生物学的に不活性な被覆剤で被覆してもよい。

本発明は、その好ましい実施態様に関して特に図示し説明したけれども、形状及 び細部における前述及び他の変更は、本発明の精神及び範囲から離脱することな 〈実施しうるものであり、請求の範囲の解釈によってのみ限定されるべきことは 当業者に理解されよう。

ＦＩＧ、　４ ＦＩＧ、　６Ｂ ＦＩＧ、　９

Claims (19)

【特許請求の範囲】
1. １．ニッケル・チタニウム形状記憶合金製のほぼ管状の回復可能部材を備えた組 織支持装置において、前記合金は、マルテンサイトとオーステナイトの冶金学的 状態とその間の転移温度とを有し、前記回復可能部材は、前記マルチンサイト状 態にある間に患者の内部へ挿入可能であり、前記マルテンサイト状態にある間に 合金のマルテンサイトの割合を増大させながら、第１形状から第２形状へ弾性的 に変形可能であり、前記回復可能部材は、前記第２形状にある間に組織に支持を 与え、前記回復可能部材を前記転移温度以上に加熱すると前記第１形状へ前記オ ーステナイト状態へ回復し、従って前記回復可能部材を患者から除去しうること 、を特徴とする組織支持装置。
2. ２．前記回復可能部材は、支持を与えるため、半径方向外側へ変形可能であるこ とを特徴とする請求の範囲第１項記載の組織支持装置。
3. ３．前記回復可能部材は、細長いワイヤを巻いたばね状部材であることを、を特 徴とする請求の範囲第２項に記載の組織支持装置。
4. ４．前記回復可能部材はスロット付きの管であること、を特徴とする請求の範囲 第２項に記載の組織支持装置。
5. ５．前記回復可能部材は、その外周に長さ方向のスロットを有する円筒形部材で あること、を特徴とする請求の範囲第２項に記載の組織支持装置。
6. ６．前記回復可能部材はコルゲートワイヤのばねであること、特徴とする請求の 範囲第２項に記載の組織支持装置。
7. ７．前記回復可能部材は、前記第１形状から前記第２形状へ軸線方向及び半径方 向に変形可能であること、を特徴とする請求の範囲第１項に記載の組織支持装置 。
8. ８．前記回復可能部材は、細長い螺旋状に巻かれたワイヤであり、該ワイヤは、 患者の中で長さ方向に膨張することにより変形可能であり、前記部材のコイルの 間に血栓のような物質を捕捉するように回復可能であること、を特徴とする請求 の範囲第７項に記載の組織支持装置。
9. ９．前記形状記憶合金は、“二方向の（ｔｗｏ−ｗａｙ）”形状記憶を示し、前 記装置は、合金のマルテンサイト相において展開可能であり、合金のオーステナ イト相において回復可能であること、を特徴とする請求の範囲第１項に記載の組 織支持装置。
10. １０．前記装置は、前記第２形状にある間に患者に付加的材料を与えるための供 給手段をその上に位置決めさせていること、を特徴とする請求の範囲第１項に記 載の組織支持装置。
11. １１．前記回復可能部材上に位置決めされた被覆剤を更に有すること、を特徴と する請求の範囲第１項に記載の組織支持装置。
12. １２．ニッケル・チタニウム形状記憶合金製の回復可能部材と、前記回復可能部 材に連結された補強部材とを備えた複合組織支持装置において； 前記合金は、マルチンサイト状態とオーステナイト状態とその間の転移温度とを 有し、前記回復可能部材は、前記マルテンサイト状態にある間に患者の中へ挿入 可能であり且つ前記マルチンサイト状態にある間に合金のマルテンサイトの割合 を増大させながら、第１形状から第２形状へ弾性的に変形可能であり、前記回復 可能部材は、前記第２形状にある間に組織に支持を与えそして前記転移温度以上 に前記オーステナイト状態に加熱するとき前記第１形状へ回復可能であり；前記 補強部材は、該補強部材と前記回復可能部材の両方が第１形状から第２形状へ変 形されるとき、前記回復可能部材を支持し、前記補強部材は前記回復可能部材の はね返りを防止し、前記補強部材の支持は、前記部材の両方を患者から取り出す ため前記回復可能部材をそのオーステナイト状態へ回復させたときに克服される こと；を特徴とする複合組織支持装置。
13. １３．前記第２形状にある間に患者へ付加的材料を与えるためにその上に位置決 めされた供給手段を更に有することを特徴とする請求の範囲第１２項に記載の複 合組織支持装置。
14. １４．前記回復可能部材と前記補強部材とが互いに積層されていること、を特徴 とする請求の範囲第１２項に記載の複合組織支持装置。
15. １５．前記補強部材は、前記回復可能部材の内側に被覆されていること、を特徴 とする請求の範囲第１２項に記載の複合組織支持装置。
16. １６．前記回復可能部材上に位置決めされた被覆剤を更に有すること、を特徴と する請求の範囲第１２項に記載の複合組織支持装置。
17. １７．ニッケル・チタニウム形状記憶合金製の回復可能部材を備えた組織支持装 置において、前記回復可能部材は、第１形状と第２の変形された形状とを有し、 前記合金は、マルテンサイト状態とオーステナイト状態とその間の転移温度とを 有し、前記回復可能部材は、合金のマルテンサイトの割合を増大させながら、前 記第１形状から前記第２形状へ変形可能であり、前記回復可能部材は、前記第２ 形状にある間に組織に支持を与え、そして前記転移温度以上に前記オーステナイ ト状態に加熱すると前記第１形状へ回復可能であること、を特徴とする組織支持 装置。
18. １８．前記第２形状にある間に患者に付加的材料を与えるためその上に位置決め された供給手段を更に有すること、を特徴とする請求の範囲第１７項に記載の組 織支持装置。
19. １９．前記回復可能部材に位置決めされた被覆剤を更に有すること、を特徴とす る請求の範囲第１７項に記載の組織支持装置。