JPH065066Y2 - スライドフアスナ−用スライダ−組立機における部品取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、スライドファスナー用スライダー組立機に組
み付けてスライダー胴体に部品を取り付ける部品取付装
置に関する。

従来の技術 第６図で示すように、基盤の周辺に種々の加工ステーシ
ョンを配し、前記基盤を間歇回転させることにより順次
各々の加工ステーションにおいてスライダー胴体の基盤
への収納、引手の取り付け、停止爪の取り付け、弾性手
段の取り付け、カバーの取り付け等を行ってスライダー
を組み立てる機械は従来から知られている。この場合、
各種の部品は、シュートから直接前記基盤に向けて送り
出された後、前記基盤上で必要に応じて加締加工や押付
加工が施されてスライダー胴体に取り付けられている。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、このような従来の組立機においては、加
工ステーションに部品供給装置と供給後の部品取付加工
するための装置とが別々に設けてあるため、スライダー
組立機の構造が複雑となり操作しにくいという問題点が
ある。

また、特に、基盤に収容されているスライダー胴体に対
して、シュートから直接部品を供給する場合、軽量で細
かい部品ではスライダー胴体の所定位置に正確にセット
するのが困難であり、また、弾性を有する部品ではセッ
トした時に一時的な跳ね返りが発生して正確にセットす
ることができない。その結果スライダー組立加工中に、
時々供給ミスが起こっていた。

故に、本考案は、シュートから排出された部品を捕捉し
た後正確にスライダー胴体の所定位置に取り付けること
ができ、構造が簡単でコンパクトであり、且つスライダ
ー組立機に容易に組み付けることのできる部品取付装置
を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案は、上述の目的を達成するため、スライダー胴体
に取り付ける部品を供給するシュートと、基盤と対向し
スライダー胴体側に向け揺動可能に機台に取り付けられ
た部品取付ブロックと、前記部品取付ブロックに固着さ
れシュートからの部品を収納するポケット部を先端に形
成したプッシャーパット及び当該プッシャーパットに連
結されて基盤の反対側に延出する作動杆を摺動自在に内
装した部品取付部と、前記部品取付部のプッシャーパッ
トのポケット部がシュートからの供給部品を収納できる
よう部品取付ブロックをシュートの排出口側に向け付勢
するスプリング手段と、前記機台に摺動自在に取り付け
られ基盤側に向け移動して部品取付部のプッシャーパッ
トがシュートより離れスライダー胴体に対面するよう部
品取付ブロックを揺動させるカム部材と、前記カム部材
に固着され部品取付部のプッシャーパットがスライダー
胴体と対面したとき作動杆を基盤側に向け押し出す作動
ブロックと、前記カム部材を機台に対し往復動させる手
段とを包含する構成とした。

実施例 以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を説明する。

本考案による部品取付装置は、あらかじめ引手を取り付
けたスライダー胴体（Ａ）に停止爪（Ｂ）を取り付ける
のに特に有用である。

第１図で示すように、本考案による部品取付装置は、前
記スライダー胴体（Ａ）を収納した基盤（１）と対向し
た状態で、機台（２）に揺動可能に取り付けられた部品
取付ブロック（３）と、該部品取付ブロック（３）内に
一方向に摺動自在に内装されており前端に部品取付部
（４）を備え後端にローラ（５）を備えた作動杆（６）
と、前記部品取付部（４）がシュート（７）の排出口(7
a)に接したり離れたりするように前記部品取付ブロック
（３）を揺動させるため、前記機台（２）に沿って前後
方向に摺動可能なカム部材（８）とから成る。さらに前
記部品取付装置は、前記カム部材（８）の後端に連結さ
れた作動ブロック（９）と、該作動ブロック（９）を前
方に押すための駆動手段としてのエアシリンダー(10)と
を有する。また、レバー(12)は、回転軸(13)を介して前
記部品取付ブロック（３）に固定連結されており、該レ
バー(12)の後端と機台（２）との間に取り付けられた引
張スプリング(14)は、回転軸(13)を中心として前記部品
取付ブロック（３）を図面における時計回転方向に揺動
するように常時付勢している。このような前記部品取付
ブロック（３）の時計回転方向への揺動は、前記部品取
付部（４）がシュート（７）の排出口(7a)に接するよう
に調整してあるストッパー(15)によって規制される。な
お、(3a)は、部品取付ブロック（３）に一体的に設けた
カムフロアである。

前記エアシリンダー(10)のピストンロッド(10a)が伸張
して作動ブロック（９）を押すと、作動ブロック（９）
と連結されたカム部材（８）は前進しながらカム面(8a)
によって部品取付ブロック（３）を前記引張スプリング
(14)の付勢力に抗して時計回転逆方向に揺動運動させる
ようになっている。また、ピストンロッド(10a)がさら
に伸張して作動ブロック（９）をさらに押すと、該作動
ブロック（９）は前記ローラ（５）を押圧して前記作動
杆（６）を摺動させて前方に直進運動させるようになっ
ている。なお、前記作動杆（６）の直進運動は、作動ブ
ロック（９）の下方側に設けられた規制ボルト(16)によ
って、部品取付部（４）が第５図の位置で停止するよう
に調整される。また、前記作動杆（６）の直進後の復帰
は、部品取付ブロック（３）と作動杆（６）との間に設
けた圧縮スプリング(11)によって行なわれるようになっ
ている。

第２図で示すように、前記部品取付部（４）は、下方ガ
イド部(17)と、該下方ガイド部(17)に摺接している第１
プッシャーパット(18)と、該第１プッシャーパット(18)
に摺接している第２プッシャーパット(19)とを有し、前
記第１、第２プッシャーパット(18,19)は、夫々、圧縮
スプリング（図示せず）を介して前記作動杆（６）に連
結されている。前記第１、第２プッシャーパット(18,1
9)は、作動杆（６）の直進運動による摺動ストロークが
夫々異なるよう作動杆（６）の連結端を例えば段状に形
成して、第１プッシャーパット(18)の摺動ストロークを
第２プッシャーパット(19)の摺動ストロークよりも短く
している。１対の側方支持部(20,20)（１つだけ図示）
は、前記下方ガイド部(17)および第１、第２プッシャー
パット(18,19)とともに、シュート（７）から排出され
た停止爪（Ｂ）を収納するためのポケット部(21)を形成
している。該側方支持部(20,20)もまた、圧縮スプリン
グ等の弾性手段（図示せず）によって互いに接近する方
向に付勢されており、前記停止爪（Ｂ）を両側から弾性
的に保持して該停止爪（Ｂ）が部品取付部（４）から脱
落するのを防止できるようになっている。

また、比較的軽量で細かい前記停止爪（Ｂ）を前記ポケ
ット部(21)に安定した状態で収納するため、図示のごと
く、シュートガイド片(7b)の下端部を下方にわずかに延
接させてもよい。前記部品取付部（４）は下方に揺動す
るものであるので、シュートガイド片(7b)がこのような
下方延接部を有していても、後述のように停止爪（Ｂ）
をスライダー胴体（Ａ）に取り付ける時の邪魔になるこ
とはない。

第３図の（イ）および第３図の（ロ）は、本考案による
部品取付装置によって完成した自動停止装置付スライダ
ーを示し、あらかじめ引手取付部(25,25)に引手(26)を
取り付けたスライダー胴体（Ａ）に第３図の（ロ）にお
いて一点鎖線で示した停止爪（Ｂ）を上方より取り付け
たものである。このようにして停止爪（Ｂ）を取り付け
る際、停止爪（Ｂ）の支持部(30)は、スライダー胴体
（Ａ）の支持部挿通口(28)に挿入され、下端段部(30a)
が第３図の（ハ）のように突起部(29,29)に沿って押し
進められて突起部(29,29)の頂端に引っ掛ることによっ
て、弾性的に支持される。他方、停止爪（Ｂ）の爪部(3
1)は、スライダー胴体（Ａ）の上片(27)の開口部(27a)
に突入する。第３図の（ニ）で示すように、前記スライ
ダー胴体（Ａ）に取り付けられた停止爪（Ｂ）は、引手
(26)を上方に回動して引手回転軸(32)のカム部分(32a)
を起立させることによって爪部(31)が引き上げられて、
スライダーを停止状態から解放する。その結果、スライ
ダーが摺動し、スライドファスナーは開離したり閉じた
りすることができる。

作用 次に、本考案による部品取付装置の作用を説明する。

第１図において、前記エアシリンダー(10)のピストンロ
ッド(10a)は収縮しており、前記カム部材（８）は後退
位置にある。この時、前記部品取付ブロック（３）は、
前記レバー(12)における引張スプリング(14)の付勢力に
およびストッパー(15)の規制により、前記部品取付部
（４）がシュート（７）の排出口(7a)に接している。こ
の状態において、シュート（７）から排出された１個の
停止爪（Ｂ）が部品取付部（４）のポケット部(21)に弾
性的に収納保持される。

前述のように停止爪（Ｂ）がポケット部(21)に収納され
た後、エアシリンダー(10)を駆動してピストンロッド(1
0a)を伸張させると、作動ブロック（９）を介してカム
手段（８）が前進し、前記カム部材（８）のカム面(8a)
が部品取付ブロック（３）のカムフロア(3a)と接するこ
とにより、第４図のように、前記部品取付ブロック
（３）が引張スプリング(14)の付勢力に抗して回転軸(1
3)を中心として時計回転逆方向に揺動する。かくして、
部品取付部（４）は基盤（１）に収納してあるスライダ
ー胴体（Ａ）方向に向けられる。

次に、ピストンロッド(10a)がさらに伸張して、作動ブ
ロック（９）をさらに押すと、作動ブロック（９）が作
動杆（６）のローラ（５）に当接し且つこれを押圧す
る。このようにして、前記作動杆（６）が前記スライダ
ー胴体（Ａ）に向かって前方に直進し、部品取付部
（４）がスライダー胴体（Ａ）に接することにより、第
５図で示すように停止爪（Ｂ）がスライダー胴体（Ａ）
の所定位置に取り付けられる。

第３図を参照しながら第５図を更に説明すると、部品取
付部（４）の側方支持部(20,20)はスライダー胴体
（Ａ）の引手取付部(25,25)の各々に接した状態で停止
し、下方ガイド部(17)は引手(26)の孔部(26a)を通って
スライダー胴体（Ａ）の上片(27)の外面に接した状態で
停止する。この時、下方ガイド部(17)は、上片(27)の開
口部(27a)の下縁部に位置する。この状態において、停
止爪（Ｂ）は、下方ガイド部(17)上に載置されており、
第１、第２プッシャーパット(18,19)によって後方から
押圧されることにより、スライダー胴体（Ａ）の上片(2
7)に当接する。次に、スライダー胴体（Ａ）の引手回転
軸(32)が停止爪（Ｂ）の引手回転軸収納部(33)に当接す
るまで、第１、第２プッシャーパット(18,19)が前進す
る。第１プッシャーパット(18)はこの時停止する。最後
に、第２プッシャーパット(19)により、停止爪（Ｂ）の
支持部(30)が第３図の（ハ）のように支持部挿通口(28)
に挿入され突起部(29,29)に沿って摺動させられて、支
持部(30)の下端段部(30a)が突起部(29,29)の頂端に弾性
的に引っ掛った時に、第２プッシャーパット(19)が停止
する。

第６図は基盤（１）の周囲で機台（２）上に配された各
種加工ステーションの１つに本考案の装置を組み付けた
スライダー組立機を示し、基盤（１）の周辺部には一定
間隔でスライダー収納部(40)が設けてあり、基盤（１）
を間歇回転する毎にスライダー胴体組入装置(42)により
各収納部(40)に順次にスライダー胴体（Ａ）を収納す
る。次いで、引手組入装置(43)において前記スライダー
胴体（Ａ）に引手を取り付ける。また、停止爪組入装置
（例えば本考案による部品取付装置）(44)において、停
止爪（Ｂ）を組入れて自動停止装置付スライダーが完成
する。製品排出装置(45)においては、完成した正常なス
ライダーを基盤（１）から順次に排出する。なお、検査
装置Ｃ(46)において、完成したスライダーを順次に検査
した結果不良製品が見つかった場合、電気的に信号を発
して、該不良製品を前記製品排出装置(45)によって排出
しないようにし、不良製品排出装置(48)において排出す
るようにする。検査装置Ａ(47)は、スライダー胴体
（Ａ）がスライダー収納部(40)に収納されているかどう
か、あるいはスライダー胴体（Ａ）が正常な製品である
かどうかを検出する。検査装置Ｂ(49)は、スライダー胴
体（Ａ）に引手が正確に組み入れられているかどうかを
検出する。なお、検査装置Ａ、Ｂ(47,49)において不良
製品が見つかった場合においても、電気信号を発して不
良製品排出装置(48)から排出するようになっている。

考案の効果 以上、説明したように、本考案の部品取付装置は、一方
において、部品取付ブロックの揺動運動により部品取付
部のプッシャーパットがシュートの排出口に接して部品
をポケット部に収納保持した後にシュートの排出口から
離れる。又、他方において、シュートの排出口から離れ
た部品取付部のプッシャーパットが作動杆の直進運動に
より基盤に接近してスライダー胴体に部品を取り付ける
ものであるので、比較的軽量で細かい部品や弾性を有す
る部品をスライダー胴体に正確、かつ確実に取り付ける
ことができる。

その上、機台に摺動自在に取り付けられたカム部材を一
つの駆動手段により基盤側に移動させることで、部品取
付ブロックの揺動運動と部品取付部の作動杆の直進運動
をその順に行うものであるので、装置が小型化する上、
構造も簡単なものとなり、したがって、基盤を間歇回転
させスライダーを完成させるスライダー組立機に容易に
組み付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による部品取付装置の正面図、 第２図は、第１図の部品取付装置における部品取付部の
拡大断面図、 第３図は、本考案による部品取付装置によって完成した
自動停止装置付スライダーを示し、（イ）は該スライダ
ーの斜視図、（ロ）は断面図、（ハ）は要部斜視図、
（ニ）は該スライダーの動作を示す断面図、 第４図は、前記部品取付装置が揺動運動と直進運動とを
行なった状態を示す正面図、 第５図は、第４図の部品取付装置における部品取付部の
拡大断面図であって、停止爪をスライダー胴体に取り付
ける動作を示し、 第６図は、本考案による部品取付装置を組み付けたスラ
イダー組立機を示す。 （１）：基盤、（２）：機台 （３）：部品取付ブロック、 （４）：部品取付部、（６）：作動杆、 （７）：シュート、（８）：カム部材、 （９）：作動ブロック、 （Ａ）：スライダー胴体、 （Ｂ）：停止爪、(7a)：排出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】予めスライダー胴体(A)を収納した基盤(1)
   を間歇回転させ、この基盤(1)の周囲において機台(2)上
   に配された各加工ステーションでスライダー胴体(A)に
   部品を順次取り付けるスライドファスナー用スライダー
   組立機における部品取付装置であって、 前記スライダー胴体(A)に取り付ける部品を供給するシ
   ュート(7)と、前記基盤(1)と対向しスライダー胴体(A)
   側に向け揺動可能に機台(2)に取り付けられた部品取付
   ブロック(3)と、前記部品取付ブロック(3)に固着されシ
   ュート(7)からの部品を収納するポケット部(21)を先端
   に形成したプッシャーパット(18,19)及び当該プッシャ
   ーパット(18,19)に連結されて基盤(1)の反対側に延出す
   る作動杆(6)を摺動自在に内装した部品取付部(4)と、前
   記部品取付部(4)のプッシャーパット(18,19)のポケット
   部(21)がシュート(7)からの供給部品を収納できるよう
   部品取付ブロック(3)をシュート(7)の排出口(7a)側に向
   け付勢するスプリング手段(14)と、前記機台(2)に摺動
   自在に取り付けられ基盤(1)側に向け移動して部品取付
   部(4)のプッシャーパット(18,19)がシュート(7)より離
   れスライダー胴体(A)に対面するよう部品取付ブロック
   (3)を揺動させるカム部材(8)と、前記カム部材(8)に固
   着され部品取付部(4)のプッシャーパット(18,19)がスラ
   イダー胴体(A)と対面したとき作動杆(6)を基盤(1)側に
   向け押し出す作動ブロック(9)と、前記カム部材(8)を機
   台(2)に対し往復動させる手段(10,11)とを備えて成るス
   ライドファスナー用スライダー組立機における部品取付
   装置。