WO2014097424A1

WO2014097424A1 - スライダー組立機のロックピン組付装置

Info

Publication number: WO2014097424A1
Application number: PCT/JP2012/082917
Authority: WO
Inventors: 誠司内山; 勉箱井
Original assignee: Ykk株式会社
Priority date: 2012-12-19
Filing date: 2012-12-19
Publication date: 2014-06-26
Also published as: CN104270987B; CN104270987A; TW201436731A; TWI487493B

Abstract

　ロックピンを塑性変形しないように胴体に組み付けできるスライダー組立機のロックピン組立装置とする。　シュート部(１０ｂ)が供給したロックピン(３)をロックピンセット部(１０ａ)のポケット部(３２)で保持し、そのポケット部(３２)を胴体(１)に向けて移動することでロックピン(３)を胴体(１)にセットし、そのセットしたロックピン(３)をロックピン組付部(１１ａ)で胴体(１)に向けて押し込んで組み付け、そのロックピン(３)を押し込む際に、ロックピン(３)が塑性変形しないように胴体(１)に組み付けできるようにする。

Description

スライダー組立機のロックピン組付装置

　本発明は、スライドファスナー用のスライダーを組み立てるスライダー組立機の胴体にロックピンを組み付ける装置に関する。

　スライドファスナー用のスライダーは、胴体と引手とロックピンの３部品から成るスライダーが知られている。
　この３部品から成るスライダーを組み立てるスライダー組立機が特許文献１に開示されている。
　このスライダー組立機は、所定角度ごとに間欠回転するターンテーブルの周囲に胴体供給装置、引手供給装置、ロックピン組付装置等を回転方向に間隔を置いて順次設け、ターンテーブルを間欠回転することで、そのターンテーブルの収納凹部に胴体をセットし、そのセットした胴体に引手をセットし、ロックピンを組み付けてスライダーを組み立てる。

　前述のロックピン組付装置は、先端にポケット部を有した部品取付部と、その部品取付部に設けた第１プッシャパットと第２プッシャパットを備え、そのポケット部にロックピンを収納した状態で部品取付部をターンテーブルに向けて移動することでロックピンを、ターンテーブルの収納凹部にセットされ引手を有した胴体まで移動する。
　この状態で第１プッシャパットでロックピンの下部寄りを押して胴体にセットし、さらに第２プッシャパットでロックピンの上部寄りを押して胴体に組み付ける。

実公平６－５０６６号公報

　前述した従来のロックピン組付装置は、ロックピンの下部寄りを第１プッシャパットで押え、第２プッシャパットでロックピンの上部寄りを押して胴体に係合してロックピンを胴体に組み付けるので、ロックピンに塑性変形が起こり、スライドファスナー用のスライダーに求められるロック機能に不具合が生じる虞れがある。

　本発明の目的は、ロックピンを胴体に、そのロックピンに塑性変形が起こることがないように組み付けできるスライダー組立機のロックピン組付装置とすることである。

　本発明は、胴体１にロックピン３をセットするロックピン供給装置１０と、
　胴体（１）にセットしたロックピン３を胴体１に組み付けるロックピン組付部１１ａを備え、
　前記ロックピン供給装置１０は、ロックピン３を供給するシュート部１０ｂと、ロックピン３を胴体１にセットするロックピンセット部１０ａと、ロックピン３を保持するポケット部３２を有し、
　前記ロックピン組付部１１ａは、ロックピン３を胴体１に押し込むことでロックピン３を胴体１に組み付けることを特徴とするスライダー組立機のロックピン組付装置である。

　本発明のスライダー組立機のロックピン組付装置は、前記ロックピン組付部１１ａは、胴体１にセットしたロックピン３を胴体１に向けて押す可動プッシャ５２を有し、
　この可動プッシャ５２は、ロックピン３を胴体１に向けて押すと共に、可動プッシャ５２の押圧部が、当該ロックピン３を移動することでロックピン３を胴体１に係止して組み付けるようにできる。

　このようにすれば、ロックピン３を胴体１に係止して組み付けできると共に、可動プッシャ５２は、その押圧部がロックピン３を移動しながらロックピン３を胴体１に押しつけるので、ロックピン３を胴体１と組み付ける際に押し力が順次減少し、ロックピン３が塑性変形することがない。

　本発明のスライダー組立機のロックピン組付装置は、前記ロックピン３は、スプリング部３ａの両端に爪３ｂと係止片３ｃを有し、そのスプリング部３ａに引掛孔３ｄを有し、その爪３ｂを胴体１の爪穴１ｄに挿入すると共に、引掛孔３ｄを胴体１の突片１ｆに挿入しながら係止片３ｃを胴体１の係止部１ｈに係止することで、ロックピン３が胴体１に組み付けられ、
　前記ロックピン組付部１１ａの前記可動プッシャ５２は、胴体１に向けて移動する移動体５１に揺動自在に取り付け、
　その可動プッシャ５２の先端部５２ａがスプリング部３ａを押すことで前記可動プッシャ５２を揺動するようにできる。

　このようにすれば、可動プッシャ５２の先端部５２ａでスプリング部３ａを押して係止片３ｃを胴体１の係止部１ｈに係止する際に、可動プッシャ５２は揺動して先端部５２ａがスプリング部３ａを移動することで、スプリング部３ａに負荷する押し力を低減することができる。

　本発明のスライダー組立機のロックピン組付装置は、前記ロックピンセット部１０ａは、胴体１に向けて移動する移動体３１の先端部にポケット部３２を備えていると共に、胴体１に向けて移動自在な第１プッシャパット３３と第２プッシャパット３４を有し、
　前記移動体３１を移動することでポケット部３２に保持したロックピン３を胴体１まで移動し、
　前記第１プッシャパット３３でポケット部３２に保持したロックピン３を胴体１に向けて移動し、第２プッシャパット３４でポケット部３２に保持したロックピン３を胴体１に向けて移動することで胴体１にロックピン３をセットするようにできる。

　このようにすれば、ポケット部３２で保持したロックピン３を胴体１に確実にセットすることができる。

　本発明のスライダー組立機のロックピン組付装置は、前記第１プッシャパット３３でロックピン３のスプリング部３ａを押すことで、爪３ｂを胴体１の爪穴１ｄに挿入し、
　前記第２プッシャパット３４でスプリング部３ａを押すことで、ロックピン３の引掛孔３ｄを胴体１の突片１ｆに係合すると共に、ロックピン３の係止片３ｃを胴体１の係止部１ｈに押し込むことでロックピン３を胴体１にセットするようにできる。

　このようにすれば、収納凹部５に縦向き姿勢でセットした胴体１にロックピン３を落下することなくセットできる。

　本発明のスライダー組立機のロックピン組付装置は、前記ポケット部３２は、ロックピン３のスプリング部３ａを挟持する左右の保持部材を上下方向に複数備え、ロックピン３のスプリング部３ａの上下方向複数個所をそれぞれ挟持するようにできる。

　このようにすれば、スプリング部３ａの幅が上下で異なるロックピン３をポケット部３２で保持できる。

　本発明のスライダー組立機のロックピン組付装置は、前記シュート部１０ｂは、案内溝４４を有したシュート本体４０と、このシュート本体４０の出口寄りに設けた送り爪４１、ストッパ４２を有し、
　案内溝４４に一列に収納したロックピン３をストッパ４２で停止し、その停止したロックピン３を送り爪４１で送り出してポケット部３２まで供給するようにできる。

　このようにすれば、ロックピン３を案内溝４４に沿って供給できると共に、ロックピン３を送り出して胴体１に向けて移動できる。

　本発明によれば、シュート部１０ｂで供給したロックピン３をロックピンセット部１０ａで胴体１にセットし、そのセットしたロックピン３をロックピン組付部１１ａで胴体１に押し込んで組み付けるので、ロックピン３を胴体１に、そのロックピン３に塑性変形が起こることがないように組み付けできる。

スライダーを分解した断面図である。スライダーの組立状態の断面図である。スライダー組立機の概略平面図である。ロックピン供給装置取付部分の全体概略正面図である。ロックピン供給装置取付部分の拡大一部破断正面図である。シュート部とポケット部の拡大一部破断左側面図である。ロックピンセット部の一部拡大平面図である。シュート部のロックピン供給動作説明図である。ロックピンセット部のロックピンセット動作説明図である。ロックピン組付部の拡大正面図である。ロックピン組付部のロックピン組付動作説明図である。

　本発明のスライダー組立機で組み立てるスライドファスナー用のスライダーは、図１に示すように胴体１と、引手２と、ロックピン３の３部品を有している。
　胴体１は、上翼板１ａと下翼板１ｂが案内柱１ｃで連結され、その上翼板１ａに爪穴１ｄ、穴１ｅ、突片１ｆ、受片１ｇを有し、案内柱１ｃに係止部１ｈを有している。
　引手２は取付用の開口２ａを有し、その開口２ａを突片１ｆに引掛けて胴体１にセットする。
　ロックピン３は、所定の幅で長尺な弾性を有する板材をほぼコ字形状に折り曲げて、スプリング部３ａの両端に爪３ｂ、係止片３ｃを有し、スプリング部３ａの一端寄りに引掛孔３ｄを形成すると共に、スプリング部３ａの中間を打ち抜き加工して係止舌片３ｅを形成してある。

　そして、図２に示すように爪３ｂを爪穴１ｄに挿入すると共に、係止舌片３ｅを穴１ｅに挿入しながら係止片３ｃを係止部１ｈに係止してロックピン３を胴体１に組み付け、引手２を保持する。

　本発明のスライダー組立機は図３に示すように、所定角度ごとに間欠回転する回転盤であるターンテーブル４を有し、このターンテーブル４の外周側に複数の収納凹部５が回転方向に間隔を置いて設けてある。例えば、４５°間隔で８個の収納凹部５が設けてある。
　ターンテーブル４の周囲には、胴体供給装置６、胴体検査装置７、引手供給装置８、引手検査装置９、ロックピン供給装置１０、ロックピン検査装置１１、完成品検査装置１２、排出装置１３が回転方向に等間隔、例えば４５°の間隔で設けてある。

　前述のスライダー組立機で図１、図２に示すスライダーを次のようにして組み立てる。
　ターンテーブル４を、１つの収納凹部５が胴体供給装置６と対向した位置で停止し、その収納凹部５に胴体供給装置６で胴体１を供給してセットする。
　ターンテーブル４を回転して前述の収納凹部５が胴体検査装置７と対向した位置で停止し、その収納凹部５に胴体１が有るか、無いかを胴体検査装置７で感知する。
　ターンテーブル４を回転して前述の収納凹部５が引手供給装置８と対向した位置で停止し、その収納凹部５にセットされた胴体１に引手２を供給してセットする。
　ターンテーブル４を回転して前述の収納凹部５が引手検査装置９と対向する位置で停止し、その収納凹部５にセットされた胴体１に引手２が有るか、無いかを感知する。

　ターンテーブル４を回転して前述の収納凹部５がロックピン供給装置１０と対向した位置で停止し、その収納凹部５にセットされた胴体１にロックピン３を供給してセットする。
　ターンテーブル４を回転して前述の収納凹部５がロックピン検査装置１１と対向した位置で停止し、そのロックピン検査装置１１のロックピン組付部１１ａでロックピン３を胴体１に組み付け、ロックピン検査部１１ｂで、そのロックピン３の組付状態を検査する。
　ターンテーブル４を回転して前述の収納凹部５が完成品検査装置１２と対向した位置で停止し、ロックピン３のへたり（バネ機能）を検査する。
　ターンテーブル４を回転して前述の収納凹部５が排出装置１３と対向した位置で停止し、その収納凹部５にセットされている完成品（スライダー）を排出する。

　本発明のロックピン組付装置は、前述したロックピン供給装置１０とロックピン組付部１１ａで構成している。
　次に、ロックピン組付装置について説明する。
　なお、ターンテーブル４の回転方向に沿う水平な方向を左右方向とし、この左右方向と直角でターンテーブル４の回転中心に向かう水平な方向を前後方向とし、そのターンテーブル４に向かう方向を前方とすると共に、ターンテーブル４と離れる方向を後方として説明する。
　図４に示すように、ターンテーブル４は機台１４に回転自在に取り付けてあり、図示しない電動モータで所定角度ごとに間欠回転する。

　ロックピン供給装置１０は、ロックピン３を収納凹部５に向けて前後方向に移動し、ターンテーブル４の収納凹部５にセットした胴体１にロックピン３をセットするロックピンセット部１０ａと、そのロックピンセット部１０ａのターンテーブル４と対向した先端部にロックピン３を供給するシュート部１０ｂを備えている。
　ロックピンセット部１０ａは、機台１４に取り付けた本体３０を有し、その本体３０に前後方向に往復し移動自在に取り付けた移動体３１を有し、その移動体３１のターンテーブル４と対向した先端部にシュート部１０ｂで供給されたロックピンを保持するポケット部３２が設けてある。
　シュート部１０ｂは、シュート本体４０と、送り爪４１と、ストッパ４２と、バックカム４３を有している。

　図５に示すように、ターンテーブル４の収納凹部５は、そのターンテーブル４の上面４ａ、外周面４ｂにそれぞれ開口し、胴体１を案内柱１ｃが上で、上翼板１ａがターンテーブル４の外周面４ｂに向かう縦向き姿勢でセットされる。
　この収納凹部５にセットされた胴体１の突片１ｆに引手２の開口２ａを引掛けるようにしてセットする。

　ターンテーブル４に、その収納凹部５の下部と連続した縦溝２０を形成し、この縦溝２０に胴体保持用の杆体２１を上下動自在に設け、その杆体２１を上方に移動することで、上部２１ａが収納凹部５内に突出し、胴体１の上翼板１ａと下翼板１ｂが杆体２１の上部２１ａに嵌まり合うようにして縦向き姿勢の胴体１を保持し、胴体１がターンテーブル４の回転時の振動などで脱落しないようにしている。
　胴体１を収納凹部５から取り出すときには、杆体２１を下方に移動して上部２１ａを胴体１の上翼板１ａと下翼板１ｂの間から抜き出す。
　また、ターンテーブル４には胴体１にセットした引手２を保持する左右の引手押え２２が取り付けてある。

　図５に示すように、ロックピンセット部１０ａの移動体３１は、その先端部が後端部よりも上になるように水平に対して上向き斜めの方向に移動自在で、その下方ガイド部３１ａの先端部が収納凹部５に向けて移動するようにしてある。

　図５に示すように、ロックピンセット部１０ａの移動体３１の下方ガイド部３１ａに沿って第１プッシャパット３３が前後方向にスライド可能に設けてある。
　この第１プッシャパット３３の上面に沿って第２プッシャパット３４が前後方向にスライド可能に設けてある。
　第１プッシャパット３３と第２プッシャパット３４は移動体３１とともにターンテーブル４の収納凹部５に向けて移動し、移動体３１が停止した後に第１・第２プッシャパット３３，３４がさらに収納凹部５に向けて移動する。

　ポケット部３２は、図５、図６、図７に示すように、ロックピン３の下部寄りを左右方向から挟持して保持する左右の下保持部材３５と、ロックピン３の上部寄りを左右方向から挟持して保持する左右の上保持部材３６を有している。
　このように、ポケット部３２はロックピン３の下部寄りと上部寄りを挟持して所定の姿勢で保持するので、ロックピン３の左右方向の寸法（幅）が上部と下部で異なるロックピン３や、左右端面が斜めのロックピン３を所定の姿勢で確実に保持することができる。

　下方ガイド部３１ａの上面で左右の下保持部材３５を左右方向に回動自在に取り付けると共に、その左右方向に対向した端面３５ａが接近する方向にスプリング等で支持されて回動し、その対向した端面３５ａでロックピン３のスプリング部３ａの左右端面の下部寄りを挟持するようにして下保持部３２ａを形成している。
　この左右の下保持部材３５の上面に沿って左右方向に回動自在な上保持部材３６を取り付けると共に、その左右の上保持部材３６で左右方向に対向した端面３６ａが接近する方向にスプリング等で支持されて回動し、その対向した端面３６ａでロックピン３のスプリング部３ａの左右端面の上部寄りを挟持するようにして上保持部３２ｂを形成している。

　前述した下保持部材３５、上保持部材３６の端面３５ａ，３６ａは鉤形状で、下保持部３２ａ、上保持部３２ｂのターンテーブル４に向かう前部の左右方向の寸法Ｈ１が後部の左右方向の寸法Ｈ２よりも大きく、下・上保持部３２ａ，３２ｂはターンテーブル４に向けて開口した平面ほぼコ字形状である。

　第１プッシャパット３３の先端面３３ａは下方ガイド部３１ａの上面とほぼ直角で、第２プッシャパット３４の先端面３４ａは上部が下部よりも前方寄りに傾斜し斜めとなっている。
　そして、第１プッシャパット３３の先端部分、第２プッシャパット３４の先端部分が前述の下保持部３２ａ、上保持部３２ｂを通してターンテーブル４側に突出できるようにしてある。

　シュート部１０ｂのシュート本体４０は図５に示すように案内溝４４を有し、この案内溝４４はスリット状の開口４４ａをシュート本体４０の前面に開口している。
　この案内溝４４に供給されたロックピン３はスプリング部３ａが上下方向に向かい、爪３ｂ、係止片３ｃがターンテーブル４に向かうと共に、爪３ｂが下で係止片３ｃが上で、そのスプリング部３ａの上部寄りが案内溝４４の底面４４ｂに接して爪３ｂが上向きとなる倒伏した供給姿勢で一列に収容され、ロックピン３はその自重により前述の供給姿勢で案内溝４４に沿って滑落し、ストッパ４２に接して停止する。
　つまり、スプリング部３ａは上下方向にくの字形状に折曲し、案内溝４４は垂直に対して斜めとなっているので、ロックピン３は前述の供給姿勢で案内溝４４に沿ってストッパ４２に接するまで供給される。

　ロックピン供給装置１０のシュート本体４０には送り爪４１が設けられている。
　送り爪４１は上下揺動しながら上方で先頭のロックピン３の送り出し開始する待機位置と下方で先頭のロックピン３をポケット部３２まで移動する供給位置とに渡って上下方向に往復移動し、その先端部（下端部）はスリット状の開口４４ａから案内溝４４内に突出している。
　この送り爪４１の案内溝４４内に突出した先端部にはロックピン３を送り出しする突部４１ａと、この突部４１ａよりも下方寄りに設けられロックピン３の爪３ｂの先端が接する第１当接面４１ｂと、突部４１ａよりも上方寄りに設けられ係止片３ｃの先端が接する第２当接面４１ｃを有している。

　そして、送り爪４１が待機位置のときにはストッパ４２に接して停止している先頭のロックピン３の爪３ｂと係止舌片３ｅとの間に突部４１ａが位置している。
　送り爪４１が待機位置から供給位置に移動するときに第１・第２当接面４１ｂ，４１ｃでロックピン３を収納凹部５に向けて移動する送り出し姿勢に保持する。

　ストッパ４２は、図５、図６に示すように案内溝４４の左右両側に設けた左右のストッパ片４２ａと、このストッパ片４２ａを先頭のロックピン３（爪３ｂ）が接するストップ位置に移動して保持する板ばね４２ｂを備えている。
　そして、案内溝４４に沿って滑落する先頭のロックピン３の爪３ｂがストップ位置の左右のストッパ片４２ａに接して落下しないように停止して保持する。
　前述の送り爪４１の突部４１ａがストッパ片４２ａを押すことで板ばね４２ｂに抗して先頭のロックピン３（爪３ｂ）と離れるストップ解除位置に移動し、先頭のロックピン３が案内溝４４に沿って落下する。

　バックカム４３はシュート本体４０の下部寄りに取り付けてあり、送り爪４１が供給位置から待機位置に向けて上方に移動するときに送り爪４１がバックカム４３に接触することで、送り爪４１が上方に揺動して突部４１ａがロックカム３と離れ、送り爪４１が待機位置まで移動するとバックカム４３と離れることで、送り爪４１が下方に揺動して突部４１ａが停止している先頭のロックピン３の爪３ｂと係止舌片３ｅとの間に入り込む。

　次に、シュート部１０ｂでロックピン３をポケット部３２に供給する動作を説明する。
　図８（ａ）は送り爪４１が待機位置の状態を示している。
　案内溝４４に収容された先頭のロックピン３は、爪３ｂがストッパ片４２ａに接し、スプリング部３ａの上部が案内溝４４の底面４４ｂに接した前述の供給姿勢で停止している。
　送り爪４１の突部４１ａはロックピン３の爪３ｂと係止舌片３ｅとの間に位置している。
　この状態では、移動体３１がターンテーブル４と離れた位置で、ポケット部３２は案内溝４４と連続している。

　待機位置の送り爪４１を下方に揺動しながら供給位置に向けて移動することで、突部４１ａがストッパ片４２ａを押し、ストッパ片４２ａは板ばね４２ｂに抗して先頭のロックピン３（爪３ｂ）と離れるストップ解除位置に移動し、図８（ｂ）に示すようにロックピン３が滑落して係止舌片３ｅが突部４１ａの上面に接するので、ロックピン３を送り爪４１で滑落しないように保持して、ロックピン３が送り爪４１よりも先にポケット部３２に向けて供給されることがない。
　また、送り爪４１が下方に揺動することで案内溝４４の底面４４ｂに接近し、第１当接面４１ｂが爪３ｂの先端を押してロックピン３に反時計方向の回転力を付与し、係止片３ｃの先端が第２当接面４１ｃに当接して、ロックピン３はスプリング部３ａの下部寄りを案内溝４４の底面４４ｂに接して爪３ｂが横向きとなる起立した送り込み姿勢に姿勢変更される。

　送り爪４１をさらに下方に移動すると突部４１ａがロックピン３の爪３ｂを押し、送り込み姿勢のロックピン３を、その姿勢を維持しながらポケット部３２の左右の上保持部材３６間、下保持部材３５間に送り込み、送り爪４１が供給位置まで移動すると図８（ｃ）に示すようにロックピン３の爪３ｂが下方ガイド部３１ａの上面に接して前述の送り込み姿勢としてポケット部３２に供給して保持する。

　この後に、送り爪４１は先端部が上方に揺動しながら待機位置に向けて上方に移動するので、ポケット部３２に保持しているロックピン３と干渉することがない。

　このように、供給姿勢で停止しているロックピン３を送り爪４１で送り込み姿勢に姿勢変更してポケット部３２まで供給して保持するので、後述するようにロックピン３を胴体１に確実にセットできる。
　つまり、ロックピン３が倒伏した供給姿勢であると爪３ｂが上向きで、その爪３ｂを胴体１の爪穴１ｄに挿入することが困難であるから、ロックピン３を起立した送り込み姿勢として爪３ｂを爪穴１ｄに向かう横向きとして爪３ｂを爪穴１ｄに挿入し易くしている。

　次に、ロックピン３を胴体１にセットする動作を説明する。
　図８（ｃ）に示すようにポケット部３２にロックピン３を保持した状態で移動体３１を収納凹部５に向けて移動し、図９（ａ）に示すように下方ガイド部３１ａの先端面を、収納凹部５にセットされた胴体１の上翼板１ａに接し、ロックピン３の爪３ｂを胴体１の爪穴１ｄに挿入する。

　第１プッシャパット３３を収納凹部５に向けて移動し、その先端面３３ａでロックピン３のスプリング部３ａの下部寄りを胴体１に向けて押し、ロックピン３をポケット部３２から押し出してロックピン３を反時計方向に回転変位しながら胴体１に向けて移動し、図９（ｂ）に示すように係止舌片３ｅを穴１ｅに挿入する。

　第１プッシャパット３３を移動しないようにして第２プッシャパット３４を収納凹部５に向けて移動し、その先端面３４ａでロックピン３のスプリング部３ａの上部を押してロックピン３を反時計方向に回転変位するように胴体１に向けて移動し、図９（ｃ）に示すように爪３ｂを爪穴１ｄに押し込んで引掛け孔３ｄを突片１ｆに係合すると共に、係止片３ｃを係止部１ｈに、完全に係合する手前まで押し込んでロックピン３を胴体１に落下しないように保持する。

　この後に、移動体３１をターンテーブル４と離れる方向に移動し、順次、第１プッシャパット３３と第２プッシャパット３４をターンテーブル４と離れる方向に移動し、ターンテーブル４を回転してロックピン３をセットした胴体１がロックピン検査装置１１のロックピン組付部１１ａと対向した位置で停止し、ロックピン組付部１１ａでロックピン３を胴体１に組み付ける。

　前述のロックピン組付部１１ａは図１０に示すように、本体５０に移動体５１をターンテーブル４の収納凹部５に向けて往復移動自在に設け、その移動体５１に可動プッシャ５２を設けてある。
　この可動プッシャ５２のターンテーブル４の収納凹部５に向かう先端部５２ａは上下方向に向けて湾曲した円弧面で、基端部５２ｂがピン５３で上下方向に揺動自在に移動体５１に連結してある。
　可動プッシャ５２は図示しないスプリング等で水平姿勢に保持され、先端部５２ａに上向きの外力が負荷するとスプリング等に抗してピン５３を中心として可動プッシャ５２が上方に向かって回動するようにしてある。

　前述の可動プッシャ５２の先端部５２ａが、胴体１にセットされたロックピン３のスプリング部３ａの上部寄り、つまり、スプリング部３ａと係止片３ｃを連続する円弧状に湾曲した部分と対向している。

　次に、ロックピン３を胴体１にセットする動作を説明する。
　移動体５１を収納凹部５に向けて移動することで、可動プッシャ５２の先端部５２ａを図１１（ａ）に示すようにスプリング部３ａの上部寄りに接点Ｐ１で接してスプリング部３ａの上部寄りと係止片３ｃを胴体１に向けて押す。この接点Ｐ１が可動プッシャ５２がスプリング３ａを押す押圧部である。
　さらに移動体５１を収容凹部５に向けて移動することで、可動プッシャ５２は上方に揺動し、前述の接点Ｐ１がロックピン３に沿って移動しながらロックピン３を胴体１に向けて押すから、ロックピン３のスプリング３ａに負荷する押し力は順次減少する。
　つまり、可動プッシャ５２の押圧部がスプリング部３ａに沿って移動しながら胴体１に向けて押すので、そのロックピン３を胴体１に押しこむ押し力は順次減少する。
　そして、図１１（ｂ）に示すように可動プッシャ５２の先端部５２ａとロックピン３のスプリング部３ａが接触する点が接点Ｐ２となったときにその係止片３ｃを胴体１の係止部１ｈに係合してロックピン３を胴体１に組み付ける。
　を移動しながらロックピン３のスプリング部３ａの上部と係止片３ｃを胴体１に向けて押し込み、

　このようであるから、ロックピン３を胴体１に組み付ける際に、ロックピン３のスプリング部３ａが塑性変形することがない。
　つまり、可動プッシャ５２の円弧面がロックピン３の円弧面となった部分を押すので、可動プッシャ５２には上向の力が負荷し、可動プッシャ５２はピン５３を中心として上方に揺動しながらロックピン３のスプリング部３ａを押すので、前述の接点（つまり押圧部）がＰ１からＰ２に移動し、ロックピン３のスプリング部３ａに負荷する押し力が順次減少するから、スプリング部３ａが塑性変形することがない。

　前述のロックピン組付部１１ａはロックピン検査装置１１以外に設けても良い。
　例えば、ロックピン供給装置１０とロックピン組付部１１ａを左右方向に並設し、そのロックピン供給装置１０とロックピン組付部１１ａを左右方向に移動してターンテーブル４の収納凹部５と対向した位置に交互に移動できるようにする。
　または、ロックピン供給装置１０のターンテーブル回転方向下流側にロックピン組付部１１ａを設ける。

　１…胴体、１ｈ…係止部、２…引手、３…ロックピン、３ａ…スプリング部、３ｂ…爪、３ｃ…係止片、３ｅ…係止舌片、４…ターンテーブル、５…収納凹部、１０…ロックピン供給装置、１０ａ…ロックピンセット部、１０ｂ…シュート部、１１ａ…ロックピン組付部、３１…移動体、３１ａ…下方ガイド部、３２…ポケット部、３３…第１プッシャパット、３４…第２プッシャパット、３５…下保持部材、３６…上保持部材、４０…シュート本体、４１…送り爪、４１ａ…突部、４１ｂ…第１当接面、４１ｃ…第２当接面、４４…案内溝、４４ｂ…底面、５２…可動プッシャ、５２ａ…先端面。

Claims

　胴体（１）にロックピン（３）をセットするロックピン供給装置（１０）と、
　胴体（１）にセットしたロックピン（３）を胴体（１）に組み付けるロックピン組付部（１１ａ）を備え、
　前記ロックピン供給装置（１０）は、ロックピン（３）を供給するシュート部（１０ｂ）と、ロックピン（３）を胴体（１）にセットするロックピンセット部（１０ａ）と、ロックピン（３）を保持するポケット部（３２）を有し、
　前記ロックピン組付部（１１ａ）は、ロックピン（３）を胴体（１）に押し込むことでロックピン（３）を胴体（１）に組み付けることを特徴とするスライダー組立機のロックピン組付装置。
　前記ロックピン組付部（１１ａ）は、胴体（１）にセットしたロックピン（３）を胴体（１）に向けて押す可動プッシャ（５２）を有し、
　この可動プッシャ（５２）は、ロックピン（３）を胴体（１）に向けて押すと共に、可動プッシャ（５２）の押圧部が、当該ロックピン（３）を移動することでロックピン（３）を胴体（１）に係止して組み付けるようにした請求項１記載のスライダー組立機のロックピン組付装置。
　前記ロックピン（３）は、スプリング部（３ａ）の両端に爪（３ｂ）と係止片（３ｃ）を有し、そのスプリング部（３ａ）に引掛孔（３ｄ）を有し、その爪（３ｂ）を胴体（１）の爪穴（１ｄ）に挿入すると共に、引掛孔（３ｄ）を胴体（１）の突片（１ｆ）に挿入しながら係止片（３ｃ）を胴体（１）の係止部（１ｈ）に係止することで、ロックピン（３）が胴体（１）に組み付けられ、
　前記ロックピン組付部（１１ａ）の前記可動プッシャ（５２）は、胴体（１）に向けて移動する移動体（５１）に揺動自在に取り付け、
　その可動プッシャ（５２）の先端部（５２ａ）がスプリング部（３ａ）を押すことで前記可動プッシャ（５２）を揺動するようにした請求項２記載のスライダー組立機のロックピン組付装置。
　前記ロックピンセット部（１０ａ）は、胴体（１）に向けて移動する移動体（３１）の先端部にポケット部（３２）を備えていると共に、胴体（１）に向けて移動自在な第１プッシャパット（３３）と第２プッシャパット（３４）を有し、
　前記移動体（３１）を移動することでポケット部（３２）に保持したロックピン（３）を胴体（１）まで移動し、
　前記第１プッシャパット（３３）でポケット部（３２）に保持したロックピン（３）を胴体（１）に向けて移動し、第２プッシャパット（３４）でポケット部（３２）に保持したロックピン（３）を胴体（１）に向けて移動することで胴体（１）にロックピン（３）をセットするようにした請求項１～３いずれか１項記載のスライダー組立機のロックピン組付装置。
　前記第１プッシャパット（３３）でロックピン（３）のスプリング部（３ａ）を押すことで、爪（３ｂ）を胴体（１）の爪穴（１ｄ）に挿入し、
　前記第２プッシャパット（３４）でスプリング部（３ａ）を押すことで、ロックピン（３）の引掛孔（３ｄ）を胴体（１）の突片（１ｆ）に係合すると共に、ロックピン（３）の係止片（３ｃ）を胴体（１）の係止部（１ｈ）に押し込むことでロックピン（３）を胴体（１）にセットするようにした請求項４項記載のスライダー組立機のロックピン組付装置。
　前記ポケット部（３２）は、ロックピン（３）のスプリング部（３ａ）を挟持する左右の保持部材を上下方向に複数備え、ロックピン（３）のスプリング部（３ａ）の上下方向複数個所をそれぞれ挟持するようにした請求項１～５いずれか１項記載のスライダー組立機のロックピン組付装置。
　前記シュート部（１０ｂ）は、案内溝（４４）を有したシュート本体（４０）と、このシュート本体（４０）の出口寄りに設けた送り爪（４１）、ストッパ（４２）を有し、
　案内溝（４４）に一列に収納したロックピン（３）をストッパ（４２）で停止し、その停止したロックピン（３）を送り爪（４１）で送り出してポケット部（３２）まで供給できるようにした請求項１～６いずれか１項記載のスライダー組立機のロックピン組付装置。