WO2015004748A1

WO2015004748A1 - スライダー組立機

Info

Publication number: WO2015004748A1
Application number: PCT/JP2013/068864
Authority: WO
Inventors: 中村　優
Original assignee: Ykk株式会社
Priority date: 2013-07-10
Filing date: 2013-07-10
Publication date: 2015-01-15
Also published as: CN104427902B; TWI508681B; TW201517837A; CN104427902A

Abstract

　スライドファスナー用のスライダーの胴体を直線状に配列して搬送しながら、その胴体のエレメント案内路及び爪穴をトリミングできるスライダー組立機とする。　胴体(１)を直線状に配列して搬送する胴体搬送装置(２０)の上流側にトリミング装置(４０)を設け、このトリミング装置(４０)は胴体(１)のエレメント案内路(１ｄ)をトリミングする一対の口径トリミングジョー(４１，４１)と、胴体(１)の上翼板(１ａ)の爪穴(１ｆ)をトリミングする爪穴トリミングパンチ(４２)と、爪穴(１ｆ)の下部開口縁をトリミングする爪穴トリミングサイドジョー(４３)を有し、エレメント案内路(１ｄ)と爪穴(１ｆ)をトリミングした胴体(１)を搬送し、その胴体(１)に引手(２)、ロックピン(３)を組み付けてスライダーを組み立てる。

Description

スライダー組立機

　本発明は、スライドファスナー用のスライダーの胴体をトリミングするトリミング装置を備えたスライダー組立機に関する。

　スライドファスナー用のスライダーを組み立てるスライダー組立機が特許文献１に開示されている。
　このスライダー組立機は、スライダーの胴体を直線状に配列して搬送する搬送部、この搬送部に胴体を供給する胴体供給部、供給された胴体をトリミングするトリミング部、搬送される胴体に引手を供給する引手供給部、胴体を加締めて引手を胴体に組み付ける加締め部を有している。
　そして、供給された胴体をトリミング部でトリミングした後に、その胴体に引手を供給し、胴体を加締めることで引手を胴体に組み付け、スライダーを組み立てる。

特開２０００－２７０９１０号公報

　前述のスライダー組立機のトリミング部は、胴体の上翼板と下翼板との間のファスナーエレメントが挿通するエレメント案内路をトリミングするものである。
　一方、スライドファスナー用のスライダーには、胴体と引手とロックピンを備え、引手を起伏することでロックピンの爪を上翼板の爪穴を通してエレメント案内路に突出したり、抜き出したりする停止機能を有したスライダーがある。
　この停止機能を有したスライダーは、上翼板の爪穴をトリミングする必要があるが、前述のスライダー組立機のトリミング部では爪穴をトリミングすることができない。

　本発明の目的は、スライダーの胴体を直線状に配列して搬送しながら、その胴体のエレメント案内路と上翼板の爪穴をトリミングできるようにしたスライダー組立機とすることである。

　本発明は、スライドファスナー用のスライダーの胴体１を、搬送装置２０で直線状に配列して搬送し、その搬送される胴体１に引手２、ロックピン３を組み付けてスライダーを組み立てると共に、前記搬送装置２０にトリミング装置４０を設けたスライダー組立機であって、
　胴体１は、上翼板１ａと下翼板１ｂを案内柱１ｃで連結し、上翼板１ａと下翼板１ｂの間にエレメント案内路１ｄを有し、上翼板１ａにロックピン３の爪３ｅが挿入される爪穴１ｆを形成し、
　前記トリミング装置４０は、胴体１のエレメント案内路１ｄのトリミングを行う一対の口径トリミングサイドジョー４１，４１と、
　前記胴体１の爪穴１ｆのトリミングを行う爪穴トリミングパンチ４２と、
　前記一対の口径トリミングサイドジョー４１，４１間に差し込まれ、爪穴１ｆの下部開口縁のトリミングを行う爪穴トリミングジョー４３を備え、
　前記爪穴トリミングジョー４３は、搬送装置２０で搬送される胴体１と干渉しない待機位置に移動可能としたことを特徴とするスライダー組立である。

　本発明のスライダー組立機は、前記爪穴トリミングジョー４３は、前記搬送装置２０の上部に配置され、上方の待機位置と下方のトリミング開始位置とに渡って上下方向に移動可能で、かつ下方のトリミング開始位置と一対の口径トリミングサイドジョー４１，４１間に差し込まれるトリミング位置とに渡って胴体１の搬送方向に沿って移動可能とすることができる。

　このようにすれば、爪穴トリミングジョー４３を上下方向及び搬送方向に移動すれば良いから、爪穴トリミングジョー４３を簡単に移動することができる。

　本発明のスライダー組立機は、前記爪穴トリミングジョー４３は、前記胴体１のエレメント案内路１ｄ内に進入すると共に、この爪穴トリミングジョー４３は爪穴トリミングパンチ４２が入り込むパンチ用穴４３ａを有しているものにできる。

　このようにすれば、爪穴トリミングパンチ４２で爪穴１ｆをトリミングした後に、爪穴トリミングジョー４３を胴体１のエレメント案内路１ｄに進入することで爪穴１ｆの下部開口縁に発生したバリを除去できると共に、その状態で再び爪穴トリミングパンチ４２で爪穴１ｆをトリミングした後に、爪穴トリミングジョー４３を胴体１のエレメント案内路１ｄから後退することで爪穴１ｆの下部開口縁に発生したバリを除去できるので、効率良く短時間に爪穴１ｆを２回トリミングできる。

　本発明のスライダー組立機は、前記一対の口径トリミングサイドジョー４１，４１は、前記胴体１のエレメント案内路１ｄが嵌合する口径トリミング片４１ｂ，４１ｂを有し、
　前記搬送装置２０は、胴体供給装置３０から供給された胴体１を、前記一対の口径トリミングサイドジョー４１，４１間に搬送するようにできる。

　このようにすれば、胴体供給装置３０で供給された胴体１を搬送装置２０により口径トリミングサイドジョー４１間に搬送して胴体１のエレメント案内路１ｄをトリミングできる。

　本発明のスライダー組立機は、前記搬送装置２０は、胴体１を、案内柱１ｃと反対側である口径１ｋ側を移動方向前方として搬送し、前記一対の口径トリミングサイドジョー４１，４１間に胴体１が口径１ｋ側を移動方向前方として搬送されるようにできる。

　本発明のスライダー組立機は、前記トリミング装置４０は、一対の口径トリミングサイドジョー４１，４１間に搬送された胴体１を、搬送方向の所定位置に位置決めする位置決め部材４４を備えたものにできる。

　このようにすれば、一対の口径トリミングサイドジョー４１間に胴体１を所定位置に位置決めして搬送できるから、爪穴トリミングパンチ４２と胴体１の爪穴１ｆが合致し、爪穴１ｆを確実にトリミングすることができる。

　本発明のスライダー組立機は前記スライダー組立機は、前記搬送装置２０に胴体１を供給する胴体供給装置３０と、前記搬送装置２０により搬送される胴体１に引手２を供給する引手供給装置５０と、
　前記搬送装置２０により搬送される胴体１にロックピン３を供給するロックピン供給装置６０と、
　そのロックピンを組み付ける組付装置７０を備え、
　前記胴体供給装置３０、トリミング装置４０、引手供給装置５０、ロックピン供給装置６０、組付装置７０が、搬送装置２０に沿って並べて配置することができる。

　このようにすれば、胴体１のトリミングとスライダーの組立を１つの組立機で行うことができ、スライダーの組み立てを高速化することができる。

　本発明によれば、スライダーの胴体１を直線状に配列して搬送しながら、その胴体１のエレメント案内路１ｄ及び爪穴１ｆをトリミングできる。
　しかも、爪穴１ｆをトリミングした際に爪穴１ｆの下部開口縁に発生したバリを除去することができる。
　さらに、爪穴トリミングジョー４３を搬送する胴体１と干渉しない待機位置に移動できるから、胴体１を搬送する際に爪穴トリミングジョー４３の制約を受けることがない。

本発明のスライダー組立機で組み立てるスライダーの分解した状態の説明図である。スライダーを組み立てた状態の正面図である。本発明に係るスライドファスナー用のスライダー組立機の実施の形態を示す概略正面図である。図３に示す搬送装置を説明するための要部拡大正面図である。図４のＡ－Ａ線断面図である。トリミング装置の要部拡大斜視図である。トリミング装置の平面図である。図７の右側面図である。トリミング動作の説明図である。トリミング動作の説明図である。トリミング動作の説明図である。トリミング動作の説明図である。トリミング動作の説明図である。トリミング動作の説明図である。トリミング動作の説明図である。トリミング動作の説明図である。

　本発明のスライダー組立機で組み立てるスライドファスナー用のスライダーは、図１に示すように胴体１と、引手２と、ロックピン３の３部品を備え、停止機能を有している。
　胴体１は、上翼板１ａと下翼板１ｂが案内柱１ｃで連結され、その上翼板１ａと下翼板１ｂとの間にエレメント案内路１ｄを有し、このエレメント案内路１ｄは胴体１の移動方向に開口していると共に、胴体１の側面のテープ溝１ｅと連通し開口している。
　上翼板１ａに爪穴１ｆを有している。
　上翼板１ａの上面における胴体移動方向の一側寄りと他側寄りに左右一対の一側柱部１ｇと左右一対の他側柱部１ｈを有している。左右の一側柱部１ｇ間に一側凹部１ｉ、左右の他側柱部１ｈ間に他側凹部１ｊを形成し、その一側凹部１ｉ、他側凹部１ｊに渡ってロックピン３が設けられる。
　一側柱部１ｇと他側柱部１ｈは胴体移動方向に離間し、一側柱部１ｇの高さが他側柱部１ｈの高さよりも低い。
　胴体移動方向の一側寄りとは胴体１の案内柱１ｃと反対側（以下、口径１ｋ側という）で、その方向にスライダーが移動するとスライドファスナーのエレメントが分離する。
　胴体移動方向の他側寄りとは胴体１の案内柱１ｃ側で、その方向にスライダーが移動するとスライドファスナーのエレメントが噛合する。

　引手２は、摘み部２ａの長手方向一端寄りにリンク部２ｂと開口部２ｃを有している。
　ロックピン３は、横向き部３ａと、その一端と連続した円弧状部３ｂと、その円弧状部３ｂと連続した爪部３ｃで横向きＵ字形状となり、横向き部３ａの他端に突片３ｄを有し、爪部３ｃは下向き鉤形状で、その先端部分が爪穴１ｆに挿入する爪３ｅである。
　このロックピン３の幅は前述の胴体１の一側凹部１ｉ、他側凹部１ｊの左右寸法よりも小さく、横向き部３ａの中間に幅広部３ｆを有している。

　そして、図２に示すように胴体１に引手２を、その開口部２ｃに他側柱部１ｈが嵌まり込み、リンク部２ｂが一側柱部１ｇと他側柱部１ｈとの間に入り込み、摘み部２ａが他側方向に向かうようにセットする。
　ロックピン３を胴体１の一側凹部１ｉ、他側凹部１ｊに設け、横向き部３ａの幅広部３ｆを一側柱部１ｇと他側柱部１ｈとの間に嵌めると共に、爪３ｅを胴体１の爪穴１ｆに挿入し、エレメント案内路１ｄに突出する。
　左右一対の一側柱部１ｇ、他側柱部１ｈの上端縁を加締めて内側に折り曲げてロックピン３の横向き部３ａに押しつけ、ロックピン３を取り付け固定することで、スライダーを組み立てる。

　図２に示す状態では、引手２が上翼板１ａと平行な倒伏姿勢で、ロックピン３の爪３ｅが爪穴１ｆからエレメント案内路１ｄに突出しているので、エレメント案内路１ｄに挿通したスライドファスナーのエレメントの間に爪３ｅが喰い込みスライダーが移動しないように停止する。
　図２に示す状態から引手２を仮想線で示すように上翼板１ａと直角な起立姿勢とし、その引手２を上方に引張ってリンク部２ｂでロックピン３の爪部３ｃを上方に変位することにより爪３ｆをエレメント案内路１ｄから抜き出し、エレメントと離れスライダーが移動できる。起立姿勢は直角に限ることはない。
　そして、引手２の引張りをやめることで、爪部３ｃが弾性復元して爪３ｆがエレメント案内路１ｄに突出する。

　本発明のスライダー組立機の実施の形態を図３以降を参照して説明する。なお、胴体の搬送方向を前後方向とし、搬送方向の下流側を前、搬送方向の上流側を後とし、胴体の搬送方向と直角な方向を左右方向として説明する。

　本発明のスライダー組立機の全体を概略的に図３を参照して説明する。
　スライダー組立機１０の組立機本体１１は、機台１２及び機台１２上に立設されたベースプレート１３を備えている。
　この組立機本体１１に、搬送装置２０、胴体供給装置３０、トリミング装置４０、引手供給装置５０、ロックピン供給装置６０、組付装置７０、ロックピン検査装置８０がそれぞれ取り付けてある。

　搬送装置２０は、スライドファスナー用のスライダーの胴体１を直線状に配列して搬送する。
　胴体供給装置３０は、搬送装置２０に胴体１を供給する。
　トリミング装置４０は、搬送装置２０の上流側に接続され、胴体１のバリを除去する。
　引手供給装置５０は、搬送装置２０により搬送される胴体１に引手２を供給する。
　ロックピン供給装置６０は、搬送装置２０により搬送される胴体１にロックピン３を供給する。
　組付装置７０は、ロックピン１４を加締め状態に組み付ける。
　ロックピン検査装置８０は、胴体１へのロックピン３の組付状態を検査する。

　そして、この実施の形態では、胴体供給装置３０、トリミング装置４０、引手供給装置５０、ロックピン供給装置６０、組付装置７０、ロックピン検査装置８０は、この順番で搬送装置２０の上流側から下流側に向かって直線状に並べ配置されている。
　なお、組付装置７０を設けずに、ロックピン供給装置６０によってロックピン３を加締めして組み付けるようにしても良い。

　搬送装置２０は、図４及び図５に示すように、機台１２上に胴体１の搬送方向（矢印方向）に沿って設置される左右一対の支持部材２１，２１と、左右一対の支持部材２１，２１上に固定される左右一対の胴体案内部材２２、２２と、左右一対の胴体案内部材２２，２２間において矩形状軌道ａを描いて作動される胴体搬送部材２３とを備える。
　胴体１は案内柱１ｃ（他側柱部１ｈ）が後方（搬送方向の上流）で、口径１ｋ（一側柱部１ｇ）が前方（下流側）となるように搬送される。

　支持部材２１は、機台１２上に設置されるベース部２１ａと、ベース部２１ａの上端部に胴体１の搬送方向に沿って形成され、胴体１の下面を案内する胴体載置部２１ｂとを有する。

　胴体案内部材２２は、支持部材２１に設置されるベース部２２ａと、ベース部２２ａの内側面に胴体１の搬送方向に沿って形成され、胴体１のエレメント案内路１ｄ及びテープ溝１ｅに嵌合する断面形状を有する胴体案内片２２ｂを有する。

　胴体搬送部材２３は、胴体案内部材２２と略等しい長さを有する搬送板２３ａと、搬送板２３ａの上端縁に所定の間隔を存して形成され、胴体１の下部が嵌合される複数の胴体嵌合凹部２３ｂとを有する。そして、搬送板２３ａの肉厚は、胴体載置部２１ｂ，２１ｂ間、及び胴体案内片２２ｂ、２２ｂ間よりも僅かに小さい寸法に設定され、これにより搬送板２３ａは、胴体載置部２１ｂ，２１ｂ間、及び胴体案内片２２ｂ，２２ｂ間の鉛直面内において自由に移動が可能である。

　搬送装置２０の胴体搬送動作は次のようである。
　図４に示す状態から胴体搬送部材２３を上方（矢印ｂ方向）に移動し、胴体嵌合凹部２３ｂを胴体１の下部に嵌合する。
　その状態で胴体搬送部材２３を前方、つまり搬送方向の下流側（矢印ｃ方向）に移動し、胴体１を胴体載置部２１ｂに沿って搬送する。
　その後、胴体搬送部材２３を下方（矢印ｄ方向）に移動し、胴体１の下部から胴体嵌合凹部２３ｂを抜き出す。
　その状態で胴体搬送部材２３を後方、つまり搬送方向の上流側（矢印ｅ方向）に移動して図４に示す元の状態とする。
　この動作を繰り返すことで、胴体１を直線状に配列して搬送することができる。

　胴体供給装置３０は、胴体１を搬送ガイドする胴体搬送路と、この胴体搬送路に沿って回転し胴体１を搬送する無端状のベルトコンベアと、そのベルトコンベアを回転駆動する動力源を備えたベルト搬送方式の供給装置で、胴体１を直線状に並べて搬送し、搬送装置２０の入口まで胴体１を供給する。
　この胴体供給装置３０による胴体１の搬送方向は、搬送装置２０による搬送方向と同じく、口径１ｋ側が前方（下流側）となる方向である。

　トリミング装置４０は、図６、図７、図８に示すように、胴体供給装置３０の出口側と搬送装置２０の入口側との間に設けた左右一対の口径トリミングサイドジョー４１を備えている。
　この左右一対の口径トリミングサイドジョー４１，４１は胴体１を搬送装置２０の胴体案内片２２ｂ，２２ｂに案内すると共に、胴体１のエレメント案内路１ｄのトリミングを行う。
　トリミング装置４０はさらに、胴体１の爪穴１ｆのトリミングを行う爪穴トリミングパンチ４２と、左右一対の口径トリミングサイドジョー４１，４１間に差し込まれ、爪穴１ｆのトリミングを行う爪穴トリミングジョー４３と、胴体１を搬送方向の所定位置に位置決めする位置決め部材４４を備えている。

　口径トリミングサイドジョー４１，４１は、支持部材２１上に設置されるベース部４１ａと、ベース部４１ａの内側面に胴体案内部材２２の胴体案内片２２ｂと略同一断面形状に形成され、胴体１のエレメント案内路１ｄのトリミングを行う口径トリミング片４１ｂを有する。
　そして、口径トリミングサイドジョー４１，４１は、その口径トリミング片４１ｂ，４１ｂが搬送装置２０の胴体案内片２２ｂ，２２ｂの搬送方向の上流端と連続するように支持部材２１上に取り付けられる。

　爪穴トリミングジョー４３は、爪穴トリミングパンチ４２が爪穴１ｆをトリミングすることにより発生するバリを除去するものである。爪穴トリミングジョー４３は口径トリミングサイドジョー４１の下流側に配置され、口径トリミング片４１ｂと同一高さの下方のトリミング開始位置及び口径トリミング片４１ｂよりも高い上方の待機位置とに渡って上下方向に移動する。爪穴トリミングジョー４３は、口径トリミング片４１ｂや胴体１、搬送装置２０に接触することなく上方の待機位置と下方のトリミング開始位置にわたって上下方向に往復し移動可能である。さらに、爪穴トリミングジョー４３は下方のトリミング開始位置から左右の口径トリミング片４１ｂ間に差し込まれるトリミング位置に渡って胴体１の搬送方向に沿って搬送装置２０の下流側から上流側に向かって移動する。
　つまり、爪穴トリミングジョー４３はＬ字状軌道を描いて移動する。

　このように、爪穴トリミングジョー４３は上下方向及び胴体の搬送方向に移動すれば良いので、その移動が容易である。なお、爪穴トリミングジョー４３は上下方向に往復し移動するだけではなく、図示しない軸部を介して揺動し、上方の待機位置から下方のトリミング開始位置へ円弧状の軌跡で移動することも可能である。

　爪穴トリミングジョー４３には、爪穴トリミングパンチ４２が入り込むパンチ用穴、例えば上下面に貫通し、爪穴トリミングパンチ４２を貫通させるための貫通穴４３ａが形成されている。

　そして、胴体１をトリミングするときには爪穴トリミングジョー４３を下方のトリミング位置に移動し、搬送方向の上流側に移動して左右の口径トリミング片４１ｂ間に差し込み、抜き出しする、
　トリミング装置４０でトリミングした胴体１をスライダー組立機１０の下流側へ搬送装置２０で搬送するときには爪穴トリミングジョー４３をトリミング位置から下流側のトリミング開始位置に移動した後に上方の待機位置に移動し、搬送する胴体１が爪穴トリミングジョー４３と干渉しないようにする。

　口径トリミングサイドジョー４１の口径トリミング片４１ｂは、胴体１のテープ溝１ｅが嵌合する横向片４１ｂ－１と、この横向片４１ｂ－１の内側端に設けた胴体１のエレメント案内路１ｄが嵌合する縦向片４１ｂ－２でほぼＬ字形状である。
　左右の口径トリミング片４１ｂは、その縦向片４１ｂ－２が左右に離隔し、その左右の縦向片４１ｂ－２の間に搬送方向の下流側から爪穴トリミングジョー４３が差し込まれる。

　位置決め部材４４は一方の口径トリミングサイドジョー４１のベース部４１ａに口径トリミング片４１ｂに向かう方向に移動自在に設けた位置決めプレート４４ａを有し、この位置決めプレート４４ａに胴体嵌合凹部４４ｂが形成してある。
　位置決めプレート４４ａは口径トリミング片４１ｂと離れた非位置決め位置と口径トリミング片４１ｂの上に重なり合う位置決め位置とに渡って移動し、図示しないスプリングで非位置決め位置に保持してある。
　そして、位置決めプレート４４ａが位置決め位置に移動すると、胴体嵌合部４４ｂに胴体１が嵌合して搬送方向に位置決めされると共に、搬送方向に動かなくなる。
　つまり、位置決めプレート４４ａの胴体嵌合凹部４４ｂの搬送方向の開口寸法Ｈ１が胴体１の搬送方向の長さＨ２と略同一で、位置決めプレート４４ａを位置決め位置に向けて移動すると、その胴体嵌合凹部４４ｂに胴体１が嵌合する。

　トリミング装置４０によるトリミング動作を説明する。
　胴体供給装置３０で直線状に並べて搬送された最前の胴体１を、搬送装置２０の胴体搬送部材２３を矩形状軌道ａを描いて作動することで、その胴体搬送部材２３の胴体嵌合凹部２３ｂで保持して搬送する。これにより、図９に示すように、胴体１を口径１ｋ側から左右一対の口径トリミングサイドジョー４１，４１の口径トリミング片４１ｂ，４１ｂ間に押し込み、胴体１のエレメント案内路１ｄのトリミングが行われる。
　つまり、図８に示すように、胴体１の左右のテープ溝１ｅが左右一対の口径トリミング片４１ｂの横向片４１ｂ－１に嵌合して移動すると共に、胴体１のエレメント案内路１ｄの左右両側部が左右の縦向片４１ｂ－２に嵌合し移動するから、上翼板１ａの下面と下翼板１ｂの上面のバリが除去され、胴体１のエレメント案内路１ｄ、テープ溝１ｅがトリミングされる。
　このとき、爪穴トリミングジョー４３は上方の待機位置で、位置決め部材４４は口径トリミング片４１ｂと離れた非位置決め位置である。

　図１０に示すように、位置決めプレート４４ａを位置決め位置に移動して胴体嵌合凹部４４ｂに胴体１を嵌合することで胴体１を搬送方向の所定位置に位置決めし、胴体１の爪穴１ｆを爪穴トリミングパンチ４２と合致させる。
　胴体１の位置決め完了後に、爪穴トリミングパンチ４２を下降すると共に、爪穴トリミングジョー４３を下降して下方のトリミング開始位置とする。

　図１１に示すように、爪穴トリミングジョー４３をトリミング開始位置とした状態で爪穴トリミングパンチ４２を胴体１の爪穴１ｆに挿入して１回目の爪穴トリミングを実施し、その後に図１２に示すように爪穴トリミングパンチ４２を上昇して胴体１の爪穴１ｆから抜き出しする。

　図１３に示すように、爪穴トリミングジョー４３を搬送方向上流側に移動してトリミング位置とすることで、爪穴トリミングジョー４３が胴体１のエレメント案内路１ｄに進入することにより爪穴１ｆの１回目のトリミングにより爪穴１ｆの下部開口縁に下向きに発生したバリが除去される。
　つまり、爪穴トリミングジョー４３が胴体１の上翼板１ａの下面に沿って移動することで、爪穴１ｆの下部開口縁に下向きに発生したバリ、つまり上翼板１ａの下面の爪穴１ｅの周囲に発生したバリを除去する。
　そして、爪穴トリミングジョー４３は、貫通穴４３ａが爪穴１ｆと一致した位置で停止する。
　この貫通穴４３ａは爪穴１ｆよりも大きい。

　図１４に示すように、爪穴トリミングパンチ４２が再び下降することにより胴体１の爪穴１ｆの２回目のトリミングが行われると共に、爪穴トリミングパンチ４２が爪穴トリミングジョー４３の貫通穴４３ａに入り込む。

　図１５に示すように、爪穴トリミングパンチ４２が上昇して貫通穴４３ａから抜け出た後に、図１６に示すように爪穴トリミングジョー４３が後退（搬送方向下流側に移動）してトリミング開始位置とすることにより爪穴１ｆの２回目のトリミングにより発生したバリが除去される。
　つまり、爪穴トリミングパンチ４２が貫通穴４３ａから抜け出た状態で、爪穴トリミングジョー４３が後退することで、貫通穴４３ａの上部開口縁が上翼板１ａの下面に沿って移動し、２回目のトリミングにより爪穴１ｆの下部開口縁に発生したバリを除去する。
　爪穴トリミングジョー４３が胴体１のエレメント案内路１ｄから抜け出すことで、貫通穴４３ａ内の除去したバリが落下して排出される。

　トリミング装置４０によるトリミングが完了した胴体１は、搬送装置２０の胴体搬送部材２３を搬送方向の矩形状軌道ａを描いて作動することで、胴体嵌合凹部２３ｂに挿入された胴体１が搬送装置２０の胴体案内片２２ｂを移動し搬送される。

　このように、この実施の形態のトリミング装置４０では、胴体１を移動させることなく、胴体１のエレメント案内路１ｄと爪穴１ｆのトリミングを行うことができる。さらに、トリミングを行った胴体１を順次搬送することにより搬送装置２０の搬送とトリミングを並行して行うことができ、スライダーの組み立てを高速化することができる。
　また、位置決め部材４４で胴体１を搬送方向の所定位置に位置決めしているから、胴体１の爪穴１ｆと爪穴トリミングパンチ４２が合致し、爪穴１ｆを確実にトリミングできる。
　また、胴体１の爪穴１ｆを２回トリミングすることで、ロックピン３の爪３ｅをスムーズに挿入、抜き出しできる。
　また、爪穴トリミングジョー４３を胴体１のエレメント案内路１ｄに進入、後退することで爪穴１ｆのトリミングで発生したバリを除去できる。

　爪穴トリミングジョー４３は搬送する胴体１と干渉しない上方の待機位置と、トリミングする下方の位置とに渡って上下動可能であるから、胴体１の搬送は爪穴トリミングジョー４３の制約を受けることがない。
　また、爪穴トリミングジョー４３の前進、後退の可動ストローク（トリミング開始位置とトリミング位置との間のストローク）を小さくすることができるため、トリミング動作の高速化が可能となる。

　また胴体１を、その口径１ｋ側を前として搬送し、爪穴トリミングジョー４３をトリミング装置４０の口径トリミングサイドジョー４１の前方（下流側）に設けたので、ベルト搬送方式の胴体供給装置３０を用いて搬送装置２０の入口まで胴体１を供給し、その胴体１を搬送装置２０によりトリミング装置４０の口径トリミングサイドジョー４１間に搬送して胴体１のエレメント案内路１ｄをトリミングすることができる。

１…胴体、１ａ…上翼板、１ｄ…エレメント案内路、１ｆ…爪穴、２…引手、３…ロックピン、３ｅ…爪、２０…搬送装置、３０…胴体供給装置、４０…トリミング装置、４１…口径トリミングサイドジョー、４１ｂ…口径トリミング片、４２…爪穴トリミングパンチ、４３…爪穴トリミングジョー、４４…位置決め部材、５０…引手供給装置、６０…ロックピン供給装置、７０…本組立装置、８０…検査装置。

Claims

　スライドファスナー用のスライダーの胴体（１）を、搬送装置（２０）で直線状に配列して搬送し、その搬送される胴体（１）に引手（２）、ロックピン（３）を組み付けてスライダーを組み立てると共に、前記搬送装置（２０）にトリミング装置（４０）を設けたスライダー組立機であって、
　胴体（１）は、上翼板（１ａ）と下翼板（１ｂ）を案内柱（１ｃ）で連結し、上翼板（１ａ）と下翼板（１ｂ）の間にエレメント案内路（１ｄ）を有し、上翼板（１ａ）にロックピン（３）の爪（３ｅ）が挿入される爪穴（１ｆ）を形成し、
　前記トリミング装置（４０）は、胴体（１）のエレメント案内路（１ｄ）のトリミングを行う一対の口径トリミングサイドジョー（４１），（４１）と、
　前記胴体（１）の爪穴（１ｆ）のトリミングを行う爪穴トリミングパンチ（４２）と、
　前記一対の口径トリミングサイドジョー（４１），（４１）間に差し込まれ、爪穴（１ｆ）の下部開口縁のトリミングを行う爪穴トリミングジョー（４３）を備え、
　前記爪穴トリミングジョー（４３）は、搬送装置（２０）で搬送される胴体（１）と干渉しない待機位置に移動可能としたことを特徴とするスライダー組立機。
　前記爪穴トリミングジョー（４３）は、前記搬送装置（２０）の上部に配置され、上方の待機位置と下方のトリミング開始位置とに渡って上下方向に移動可能で、かつ下方のトリミング開始位置と一対の口径トリミングサイドジョー（４１），（４１）間に差し込まれるトリミング位置とに渡って胴体（１）の搬送方向に沿って移動可能である請求項１記載のスライダー組立機。
　前記爪穴トリミングジョー（４３）は、前記胴体（１）のエレメント案内路（１ｄ）内に進入すると共に、この爪穴トリミングジョー（４３）は爪穴トリミングパンチ（４２）が入り込むパンチ用穴（４３ａ）を有している請求項１又は２記載のスライダー組立機。
　前記一対の口径トリミングサイドジョー（４１），（４１）は、前記胴体（１）のエレメント案内路（１ｄ）が嵌合する口径トリミング片（４１ｂ），（４１ｂ）を有し、
　前記搬送装置（２０）は、胴体供給装置（３０）から供給された胴体（１）を、前記一対の口径トリミングサイドジョー（４１），（４１）間に搬送する請求項１～３いずれか１項記載のスライダー組立機。
　前記搬送装置（２０）は、胴体（１）を、案内柱（１ｃ）と反対側である口径（１ｋ）側を移動方向前方として搬送し、前記一対の口径トリミングサイドジョー（４１），（４１）間に胴体（１）が口径（１ｋ）側を移動方向前方として搬送されるようにした請求項４記載のスライダー組立機。
　前記トリミング装置（４０）は、一対の口径トリミングサイドジョー（４１），（４１）間に搬送された胴体（１）を、搬送方向の所定位置に位置決めする位置決め部材（４４）を備えている請求項１～４いずれか１項記載のスライダー組立機。
　前記スライダー組立機は、前記搬送装置（２０）に胴体（１）を供給する胴体供給装置（３０）と、前記搬送装置（２０）により搬送される胴体（１）に引手（２）を供給する引手供給装置（５０）と、
　前記搬送装置（２０）により搬送される胴体（１）にロックピン（３）を供給するロックピン供給装置（６０）と、
　そのロックピンを組み付ける組付装置（７０）を備え、
　前記胴体供給装置（３０）、トリミング装置（４０）、引手供給装置（５０）、ロックピン供給装置（６０）、組付装置（７０）が、搬送装置（２０）に沿って並べて配置されている請求項１～６いずれか１項記載のスライダー組立機。