WO2014171008A1 - スライダー組立機 - Google Patents

Abstract

　スライダーの胴体を直線的に配列して搬送することでスライダーを組み立てる直線搬送式のスライダー組立機のスライダー組み立てを高速化できるようにする。スライダーの胴体(１)を搬送装置(２０)で直線的に配列して搬送し、その胴体(１)にロックピン(３)を供給するロックピン供給装置(６０)を、ロックピン(３)を胴体(１)に仮加締め状態に組み付けるものとし、ロックピン(３)を組み付けた胴体(１)を高速で組付装置(７０)に搬送できるようにし、その組付装置(７０)でロックピン(３)を本加締め状態に組み付けるようにすることで、スライダー組み立てを高速化できるようにする。

Description

スライダー組立機

　本発明は、スライドファスナー用のスライダーを組み立てるスライダー組立機、詳しくは、スライダーの胴体を直線状に配列して搬送し、その胴体に引手、ロックピンを組み付ける直線搬送式のスライダー組立機に関する。

　スライドファスナー用のスライダーを組み立てるスライダー組立機が、特許文献１，２に開示されている。
　特許文献１に開示されたスライダー組立機は、間欠回転する基盤にスライダーの胴体をセットし、その基盤を間欠回転することで胴体を移動し、その胴体に引手、ロックピンを組み付けてスライダーを組み立てる回転搬送式のスライダー組立機である。
　特許文献２に開示されたスライダー組立機は、スライダーの胴体を直線状に配列して搬送し、その胴体に引手を組み付けてスライダーを組み立てる直線搬送式のスライダー組立機である。

特開平４－３００５０１号公報 特開２０００－２７０９１０号公報

　特許文献１には、胴体、引手、ロックピンを備えたスライダーを、基盤を間欠回転運転させて順次組み立てるスライダー組立機が開示されている。特許文献１のスライダー組立機よりもさらに高速化しスライダーを組み立てるスライダー組立機が特許文献２に開示されている。特許文献２に開示された直線搬送式のスライダー組立機のように、胴体を直線状に配列して搬送し、引手、ロックピンを組み付けて組み立てる場合、胴体の搬送時の慣性力により胴体に対する引手、ロックピンの姿勢安定性が低下する可能性があるので、胴体を高速で搬送することが困難であり、スライダーの組み立てを高速化することが難しかった。

　本発明は、前述の課題に鑑みなされたもので、その目的は、胴体を直線状に配列して搬送する直線搬送式のスライダー組立機で、スライダーの組み立てを高速化し、単位時間当りのスライダー組み立て個数を増やすことができるようにしたスライダー組立機とすることである。

　本発明は、スライドファスナー用のスライダーの胴体１を、搬送装置２０で直線状に配列して搬送してスライダーの胴体１、引手２、ロックピン３を組み立てるスライダー組立機であって、
　前記搬送装置２０には、胴体供給装置４０、引手供給装置５０、ロックピン供給装置６０を設け、
　前記ロックピン供給装置６０には、前記搬送装置２０により搬送される前記胴体１に前記ロックピン３を供給し、前記ロックピン３を前記胴体１に仮加締め状態に組み付ける仮加締機構６２を備え、
　前記ロックピン供給装置６０の搬送方向下流側に設けられ、仮加締め状態の前記ロックピン３を本加締め状態に組み付ける組付装置７０を備えていることを特徴とするスライダー組立機である。

　本発明のスライダー組立機は、前記ロックピン供給装置６０は、前記ロックピン３が収容されるロックピン用シュート６１と、このロックピン用シュート６１内のロックピン３を胴体１に仮加締め状態に組み付ける仮加締機構６２を備えているものにできる。

　このようにすれば、ロックピン用シュート６１で供給されるロックピン３を搬送装置２０で搬送される胴体１に供給して仮加締め状態に組み付けできる。

　本発明のスライダー組立機は、前前記仮加締機構６２は、ロックピン３を挟持する保持片６３と、
　挟持されたロックピン３を胴体１の上面に立設された左右一対の柱部１ｇ，１ｈの間に位置決めする保持爪４と、
　前記胴体１の柱部を仮加締め状態に加締めるプッシャパッド６５を有し、
　前記仮加締機構６２は、前記ロックピン用シュート６１内のロックピン３を保持する状態と、胴体１にロックピン３を組み付ける状態とに渡って回転するものにできる。

　このようにすれば、ロックピン用シュート６１内のロックピン３を胴体１の左右一対の柱部の間まで移動できると共に、そのロックピン３を胴体１の柱部の間に完全に収容した状態で仮加締めして組み付けできる。

　本発明のスライダー組立機は、前記組付装置７０は、胴体１の上面に立設された左右一対の柱部１ｇ，１ｈを上方から押圧して本加締めする加締めパンチ７２を有し、
　この加締めパンチ７２は、胴体１の上面に立設された柱部１ｇ，１ｈを上方から加締める加締め部と、この加締め部に設けられ加締め時にロックピン３を押さえつけるロックピン押え７４を有しているものにできる。

　このようにすれば、ロックピン３を胴体１に本加締めするときにロックピン３が位置ずれすることがない。

　本発明のスライダー組立機は、前記加締めパンチ７２の加締め部は、胴体１の上面に形成された柱部１ｇ，１ｈに上方から嵌合して前記柱部１ｇ，１ｈの先端部を内側に屈曲させる加締め凹部７３と、この加締め凹部７３に設けられ加締め時にロックピン３を押さえつけるロックピン押え７４を有しているものにできる。

　本発明のスライダー組立機は、前記搬送装置２０の上流側に接続され、前記胴体１のバリを除去するトリミング装置３０と、
　前記トリミング装置３０に前記胴体１を供給する胴体供給装置４０と、
　前記搬送装置２０により搬送される前記胴体１に引手２を供給する引手供給装置５０と、
　前記胴体１への前記ロックピン３の組み付け状態を検査するロックピン検査装置８０を備え、
　前記胴体供給装置２０、前記トリミング装置３０、前記引手供給装置５０、前記ロックピン供給装置６０、前記組付装置７０、前記ロックピン検査装置８０が、前記搬送装置２０に沿って直線状に並べて配置されているものにできる。

　このようにすれば、胴体１のトリミングとスライダーの組み立てを１つの組立機で行うことができ、スライダーの組み立てを高速化することができる。

　本発明によれば、ロックピン３を胴体１に仮加締め状態で仮組み付け、その胴体１を組付装置７０まで搬送するので、ロックピン３を有した胴体１を高速で組付装置７０まで搬送することができるから、胴体を直線状に配列して搬送する直線搬送式のスライダー組立機で、スライダーの組み立てを高速化し、単位時間当りのスライダー組み立て個数を増やすことができる。

本発明のスライダー組立機で組み立てるスライダーの分解説明図である。 組み立てたスライダーの正面図である。 本発明に係るスライダー組立機の実施の形態を示す正面図である。 図１に示す搬送装置の要部拡大正面図である。 図１に示すロックピン供給装置の仮加締め機構の正面図である。 図５に示す仮加締め機構を下方から見た要部拡大斜視図である。 図５に示す仮加締め機構の動作を説明する概略正面図である。 図１に示す組付装置の要部拡大断面図である。 図８に示す組付装置の加締めパンチが下降した状態の要部拡大斜視図である。

　本発明のスライダー組立機で組み立てるスライドファスナー用のスライダーは、図１に示すように胴体１と、引手２と、ロックピン３の３部品を備え、停止機能を有している。
　胴体１は、上翼板１ａと下翼板１ｂが案内柱１ｃで連結され、その上翼板１ａと下翼板１ｂとの間にエレメント案内路１ｄを有し、このエレメント案内路１ｄは胴体１の移動方向に開口していると共に、テープ溝１ｅで胴体１の移動方向と直角方向に開口している。
　上翼板１ａに爪穴１ｆを有している。
　上翼板１ａの上面における胴体移動方向の一側寄りと他側寄りに立設した左右一対の一側柱部１ｇと左右一対の他側柱部１ｈを有している。左右の一側柱部１ｇ間に一側凹部１ｉ、左右の他側柱部１ｈ間に他側凹部１ｊを形成し、その一側凹部１ｉ、他側凹部１ｊに渡ってロックピン３が設けられる。
　一側柱部１ｇと他側柱部１ｈは胴体移動方向に離間している。
　胴体移動方向の一側寄りとは胴体１の案内柱１ｃ側で、その方向にスライダーが移動するとスライドファスナーのエレメントが噛合する。
　胴体移動方向の他側寄りとは胴体１の案内柱１ｃと反対側で、その方向にスライダーが移動するとスライドファスナーのエレメントが分離する。

　引手２は、摘み部２ａの長手方向一端寄りにリンク部２ｂ、開口部２ｃを有している。
　ロックピン３は、横向き部３ａと、その一端と連続した円弧状部３ｂと、その円弧状部３ｂと連続した爪部３ｃで横向きＵ字形状で、横向き部３ａの他端に突片３ｄを有し、爪部３ｃは下向き鉤形状で、その先端部分が爪穴１ｆに挿入する爪３ｅである。
　このロックピン３の幅は前述の胴体１の一側凹部１ｉ、他側凹部１ｊの左右寸法よりも小さく、横向き部３ａの中間に幅広部３ｆを有している。

　そして、図２に示すように胴体１に引手２を、その開口部２ｃに他側柱部１ｈが嵌まり込み、リンク部２ｂが一側柱部１ｇと他側柱部１ｈとの間に入り込むようにセットする。
　ロックピン３を胴体１の一側凹部１ｉ、他側凹部１ｊに設け、横向き部３ａの幅広部３ｆを一側柱部１ｇと他側柱部１ｈとの間に嵌めると共に、爪３ｅを胴体１の爪穴１ｆに挿入し、エレメント案内路１ｄに突出する。
　左右一対の一側柱部１ｇ、他側柱部１ｈの上端縁を加締めてロックピン３の横向き部３ａに押しつけ、ロックピン３を取り付け固定することで、スライダーを組み立てる。

　図２に示す状態では、引手２が上翼板１ａと平行な倒伏姿勢で、ロックピン３の爪３ｅが爪穴１ｆからエレメント案内路１ｄに突出しているので、エレメント案内路１ｄに挿通したスライドファスナーのエレメントに爪３ｅが干渉しスライダーが移動しないように停止する。
　図２に示す状態から引手２を仮想線で示すように上翼板１ａと直角な起立姿勢とし、その引手２を上方に引張ってリンク部２ｂでロックピン３の爪部３ｃを上方に変位することにより爪３ｆがエレメント案内路１ｄから抜き出し、エレメントと離れスライダーが移動することができる。
　そして、引手２の引張りをやめることで、爪部３ｃが弾性復元して爪３eがエレメント案内路１ｄに突出する。

　本発明のスライダー組立機の実施の形態を図３以降を参照して説明する。なお、胴体の搬送方向を前後方向とし、搬送方向の下流側を前、搬送方向の上流側を後とし、胴体の搬送方向と直角な方向を左右方向として説明する。

　本発明のスライダー組立機の全体を概略的に図３を参照して説明する。
　スライダー組立機１０の組立機本体１１は、機台１２及び機台１２上に立設されたベースプレート１３を備えている。
　この組立機本体１１に、搬送装置２０、トリミング装置３０、胴体供給装置４０、引手供給装置５０、ロックピン供給装置６０、組付装置７０、ロックピン検査装置８０がそれぞれ取り付けてある。

　前記搬送装置２０は、スライドファスナー用のスライダーの胴体１を直線状に配列して搬送する。
　前記トリミング装置３０は、搬送装置２０の上流側に接続され、胴体１のバリを除去する。金属製の胴体１の鋳造時には、胴体１のエレメント案内路１ｄや爪穴１ｆにバリが生じる。そのバリを前記トリミング装置３０で取り除く。
　前記胴体供給装置４０は、トリミング装置３０に胴体１を供給する。
　前記引手供給装置５０は、搬送装置２０により搬送される胴体１に引手２を供給する。
　前記ロックピン供給装置６０は、搬送装置２０により搬送される胴体１にロックピン３を供給し、ロックピン３を胴体１に仮加締め状態に組み付ける。
　前記組付装置７０は、仮加締め状態のロックピン３を本加締め状態に組み付ける。
　前記ロックピン検査装置８０は、胴体１へのロックピン３の組付状態を検査する。

　そして、この実施の形態では、胴体供給装置４０、トリミング装置３０、引手供給装置５０、ロックピン供給装置６０、組付装置７０、ロックピン検査装置８０は、この順番で搬送装置２０の上流側から下流側に向かって直線状に並べ配置されている。

　搬送装置２０は、図４に示すように、機台１２上に胴体１の搬送方向に沿って設置される左右一対の支持部材２１，２１と、左右一対の支持部材２１，２１上に固定される左右一対の胴体案内部材２２、２２と、左右一対の胴体案内部材２２，２２間において矩形状軌道ａを描いて作動される胴体搬送部材２３を備える。

　胴体搬送装置２０で胴体１を次のように搬送する。
　胴体搬送部材２３を上方（矢印ｂ方向）に移動して胴体嵌合凹部２３ａを胴体１の下部に嵌合する。
　胴体搬送部材２３を前方（矢印ｃ方向）に移動して胴体１を胴体案内部材２２に沿って前方に搬送する。
　胴体搬送部材２３を下方（矢印ｄ方向）に移動して胴体１と離隔する。
　胴体搬送部材２３を後方（矢印ｅ方向）に移動して元の位置に復帰する。
　胴体１は図４に示すように、案内柱１ｃ（一側柱部１ｇ）が搬送方向の下流側に向かうように搬送される。

　胴体供給装置４０の胴体用シュート４１から胴体１がトリミング装置３０に供給され、その胴体１をトリミング装置３０でトリミングする。
　トリミングした胴体１は、胴体搬送部材２３を前述のように矩形状軌道ａを描いて作動することで引手供給装置５０に向けて搬送される。

　引手供給装置５０は引手用シュート５１から胴体１に引手２を供給する。
　そして、図２に示すように引手２のリンク部２ｂが胴体１の一側柱部１ｇと他側柱部１ｈとの間となるように胴体１の上翼板１ａに接して取り付ける。

　ロックピン供給装置６０は、図３に示すように、搬送装置２０に対して傾斜して設けられ、複数のロックピン３が一列に収容されるロックピン用シュート６１と、ロックピン用シュート６１内の先頭のロックピン３を保持し、そのロックピン３を胴体１に仮加締め状態に組み付ける仮加締め機構６２を備える。

　仮加締め機構６２は、図５及び図６に示すように、ロックピン３を幅方向に挟持する左右一対の保持片６３，６３と、挟持されたロックピン３を所定の姿勢に位置決めすると共に、胴体１の柱部の間に完全に収容する保持爪６４と、保持爪６４を幅方向に挟み込むように設けられ、胴体１の他側柱部１ｈを上方から押圧して仮加締め状態に加締めるプッシャパッド６５を有する。
　ここで仮加締め状態とは、胴体１の離隔した他側柱部１ｈ，１ｈがプッシャパッド６５により緩く加締められ、スライダー搬送途中でロックピン３が一側凹部１ｉ、他側凹部１ｊから外れることのない状態のことである。
　例えば、胴体１の他側柱部１ｈを上方からプッシャパッド６５で押圧することにより離間した他側柱部１ｈ，１ｈの幅間隔、左右の幅寸法が狭まったり、他側柱部１ｈ，１ｈがそれぞれ内側に湾曲してわずかに幅間隔、左右の幅寸法が狭まったり、他側柱部１ｈ，１ｈの先端部が内側にわずかに曲がったり、他側柱部１ｈ，１ｈの先端部がわずかに押しつぶされてロックピン３が外れない状態となる。

　また、仮加締め機構６２は、保持片６３、保持爪６４、プッシャパッド６５がロックピン用シュート６１内の先頭のロックピン３と対向し、ロックピン３を保持する状態（図５の一点鎖線参照）と、保持片６３、保持爪６４、プッシャパッド６５が胴体１と対向し、胴体１にロックピン３を組み付ける状態（図５の実線参照）との間で往復回転運動するように構成される。

　仮加締め機構６２を詳細に説明する。
　本体６２ａに可動部材６２ｂを移動自在に設け、この可動部材６２ｂに左右一対の保持片６３，６３を、この先端部６３ａが接近してロックピン３を挟持する方向と、離れてロックピン３の挟持を解放する方向に揺動自在に取り付け、スプリング６２ｃで挟持する方向に揺動する。
　可動部材６２ｂに保持爪６４、左右一対のプッシャパット６５を設け、図５に実線で示すように、組付状態で保持片６３、保持爪６４、左右一対のプッシャパット６５が上下方向に向かい、可動部材６２ｂとともに上下方向に移動するようにすると共に、可動部材６２ｂをスプリング６２ｄで上方位置に移動して保持する。
　可動部材６２ｂを上方位置から所定位置まで下降すると左右一対の保持片６３，６３がスプリング６２ｃに抗して挟持を解放する方向に揺動する。

　可動部材６２ｂが上方位置のときには図６に示すように、保持片６３の下端が最も下方で、プッシャパッド６５の下端が最も上方位置で、保持爪６４の下端は保持片６３の下端とプッシャパッド６５の下端との間に位置する。
　そして、図３に示すように、本体６２ａをベースプレート１３に時計方向、反時計方向に回転可能に取り付け、仮加締め機構６２が前述の保持状態と組付状態とに渡って往復回転運動するようにしてある。

　ロックピン供給装置６０の動作を工程順に説明する。
　（第１工程）図３に実線、図５に一点鎖線で示すように、仮加締め機構６２をロックピン用シュート６１内のロックピン３を保持する状態とし、そのロックピン用シュート６１内の先頭のロックピン３を左右一対の保持片６３の先端部６３ａで挟持する。

　（第２工程）前述の状態の仮加締め機構６２を図５の反時計方向に回転することにより、図５に実線で示すように仮加締め機構６２が組付状態となることで、図７（ａ）に示すように、ロックピン３が搬送装置２０上の胴体１の上面と対向するように移動される。
　つまり、ロックピン３の上部の横向き部３ａが保持片６３の先端部６３ａで挟持され、ロックピン３の横向き部３ａ、突片３ｄが保持爪６４の下面に接すると共に、ロックピン３の下部の爪３ｅが胴体１の爪穴１ｆと対向する姿勢となる。
　このとき、一対のプッシャパッド６５は胴体１の左右の他側柱部１ｈの上に位置する。
　図７（ａ）にはプッシャパッド６５が図示していないが、そのプッシャパッド６５の下面は保持爪６４の下面よりも上方に位置している。

　ロックピン３が図７（ａ）に示すように下方へ移動したときに、図７（ｂ）に示すように、位置決め部材６６が胴体１の前端部と当接することにより、胴体１の位置決めが行われる。
　なお、図７では、図面を理解し易くするために、引手２は省略されている。

　（第３工程）図７（ｂ）に示す状態から保持片６３、保持爪６４、プッシャパッド６５を下降して胴体１に向けて移動し、図７（ｃ）に示すようにロックピン３の爪部３ｃを胴体１の一対の一側柱部１ｇの間（一側凹部１ｉ）に入れ、ロックピン３の爪３ｅの先端部が爪穴１ｆに挿入される。

　（第４工程）左右の保持片６３が図７（ｃ）に示す位置まで下降すると、一対の保持片６３が挟持解除方向に揺動してロックピン３の挟持を解放することで、図7（ｄ）に示すように、ロックピン３が自重で落下して爪３ｅが爪穴１ｆに挿入した仮置き状態となる。

　（第５工程）図７（ｄ）に示す状態から保持爪６４をさらに下降して胴体１に向けて移動し、図７（ｅ）に示すように、その保持片６４の下面をロックピン３の横向き部３ａに接して押し下げることで、ロックピン３を弾性圧縮変形して、その横向き部３ａを一対の他側柱部１ｈの間（他側凹部１ｊ）に押し込み、ロックピン３の横向き部３ａが一側柱部１ｇの上端面、他側柱部１ｈの上端面よりも下方に位置し、ロックピン３を左右の一側柱部１ｇの間及び左右の他側柱部１ｈの間に完全収容する所定の姿勢に位置決めする。

　つまり、図７（ｄ）に示すようにロックピン３を自重で取り付けしたのでは、横向き部３ａが他側柱部１ｈよりも上方に張り出した状態でロックピン３を完全に収容できないので、保持爪６４で横向き部３ａを押し下げて弾性変形することにより他側柱部１ｈの間に押し込むことで、ロックピン３を完全に収容する所定の姿勢に位置決めしている。
　このとき、一対の保持片６３は挟持を解除する方向に揺動しているので、その保持片６３の先端部６３ａは胴体１よりも左右両側方に位置して胴体１の一側柱部１ｇ、他側柱部１ｈと干渉することがない。

　（第６工程）図７（ｅ）に示す状態から、さらに下降して胴体１に向けて移動することで図７（ｆ）に示すように、一対のプッシャパッド６５が胴体１の左右の他側柱部１ｈの上部に接し、その他側柱部１ｈがプッシャパッド６５により上方から押圧され緩く加締められて、ロックピン３が胴体１に仮加締め状態に組み付けられる。

　このように、この実施の形態のロックピン供給装置６０では、ロックピン３を仮加締め状態に組み付けることにより、搬送時の慣性力によりロックピン３が胴体１から外れてしまうのを防止することができるので、搬送装置２０の搬送速度を増加させることができ、スライダーの組み立てを高速化できる。

　組付装置７０は、図３及び図８に示すように、ベースプレート１３に取り付けられるシリンダ装置７１と、シリンダ装置７１により上下に進退し、ロックピン３が仮加締め状態に組み付けられた胴体１の一側・他側柱部１ｇ，１ｈを上方から押圧して本加締め状態に加締める加締めパンチ７２とを備える。

　加締めパンチ７２は、図８に示すように、その下面の幅方向中央部に形成され、胴体１の柱部１ｇ，１ｈに上方から嵌合させ、柱部１ｇ，１ｈの先端部を内側に屈曲するように加締める加締め部、例えば断面略逆Ｕ字状の加締め凹部７３と、加締め凹部７３の幅方向中央部に設けられ、加締め時にロックピン３の位置がずれないようにロックピン３を上方から押さえつけるロックピン押え７４を有する。

　組付装置７０の動作について説明する。
　図８に示すようにロックピン３を仮加締め状態に組み付けた胴体１が、搬送装置２０により組付装置７０の加締めパンチ７２の真下に搬送される。
　この状態で加締めパンチ７２が下降することにより、図９に示すように、加締めパンチ７２の加締め凹部７３が胴体１２の柱部１ｇ，１ｈに上方から嵌合され、柱部１ｇ、１ｈの先端部が内側に加締められて、ロックピン３が胴体１に本加締め状態に組み付けられる。
　また、このときロックピン３は、加締めパンチ７２のロックピン押え７４により押さえつけられているので、その位置がずれることはない。

　つまり、胴体１の一側柱部１ｇ、他側柱部１ｈの内側面はロックピン３の横向き部３ａが載置する段差を有した形状で、その段差に横向き部３ａがロックピン押え７４で押しつけられる。
　なお、ロックピン３の爪部３ｃは幅が狭く、一対の一側柱部１ｇの間、他側柱部１ｈの間に入り込むようにしてある。

　図８において、搬送装置２０の左右一対の胴体案内部材２２は、胴体１のエレメント案内路１ｄが摺動自在に嵌合する胴体案内片２２ａを有している。

　１…胴体、１ｄ…エレメント案内路、１ｆ…爪穴、１ｇ…一側柱部、１ｈ…他側柱部、２…引手、３…ロックピン、３ｅ…爪、２０…搬送装置、３０…トリミング装置、４０…胴体供給装置、５０…引手供給装置、６０…ロックピン供給装置、６１…ロックピン用シュート、６２…仮加締め機構、６３…保持片、６４…保持爪、６５…プッシャパッド、７０…組付装置、７２…加締めパンチ、７３…加締め凹部、７４…ロックピン押え。

Claims (6)

1. 　スライドファスナー用のスライダーの胴体（１）を、搬送装置（２０）で直線状に配列して搬送してスライダーの胴体（１）、引手（２）、ロックピン（３）を組み立てるスライダー組立機であって、
   　前記搬送装置（２０）には、胴体供給装置（４０）、引手供給装置（５０）、ロックピン供給装置（６０）を設け、
   　前記ロックピン供給装置（６０）には、前記搬送装置（２０）により搬送される前記胴体（１）に前記ロックピン（３）を供給し、前記ロックピン（３）を前記胴体（１）に仮加締め状態に組み付ける仮加締機構（６２）を備え、
   　前記ロックピン供給装置（６０）の搬送方向下流側に設けられ、仮加締め状態の前記ロックピン（３）を本加締め状態に組み付ける組付装置（７０）を備えていることを特徴とするスライダー組立機。
2. 　前記ロックピン供給装置（６０）は、前記ロックピン（３）が収容されるロックピン用シュート（６１）と、このロックピン用シュート（６１）内のロックピン（３）を胴体（１）に仮加締め状態に組み付ける仮加締機構（６２）を備えている請求項１記載のスライダー組立機。
3. 　前記仮加締機構（６２）は、ロックピン（３）を挟持する保持片（６３）と、
   　挟持されたロックピン（３）を胴体（１）の上面に立設された左右一対の柱部（１ｇ，１ｈ）の間に位置決めする保持爪（６４）と、
   　前記胴体（１）の柱部を仮加締め状態に加締めるプッシャパッド（６５）を有し、
   　前記仮加締機構（６２）は、前記ロックピン用シュート（６１）内のロックピン（３）を保持する状態と、胴体（１）にロックピン（３）を組み付ける状態とに渡って回転する請求項２記載のスライダー組立機。
4. 　前記組付装置（７０）は、胴体（１）の上面に立設された左右一対の柱部（１ｇ，１ｈ）を上方から押圧して本加締めする加締めパンチ（７２）を有し、
   　この加締めパンチ（７２）は、胴体（１）の上面に立設された柱部（１ｇ，１ｈ）を上方から加締める加締め部と、この加締め部に設けられ加締め時にロックピン（３）を押さえつけるロックピン押え（７４）を有している請求項４記載のスライダー組立機。
5. 　前記加締めパンチ（７２）の加締め部は、胴体（１）の上面に形成された柱部（１ｇ，１ｈ）に上方から嵌合して前記柱部（１ｇ，１ｈ）の先端部を内側に屈曲させる加締め凹部（７３）と、この加締め凹部（７３）に設けられ加締め時にロックピン（３）を押さえつけるロックピン押え（７４）を有している請求項４記載のスライダー組立機。
6. 　前記搬送装置（２０）の上流側に接続され、前記胴体（１）のバリを除去するトリミング装置（３０）と、
   　前記トリミング装置（３０）に前記胴体（１）を供給する胴体供給装置（４０）と、
   　前記搬送装置（２０）により搬送される前記胴体（１）に引手（２）を供給する引手供給装置（５０）と、
   　前記胴体（１）への前記ロックピン（３）の組み付け状態を検査するロックピン検査装置（８０）を備え、
   　前記胴体供給装置（２０）、前記トリミング装置（３０）、前記引手供給装置（５０）、前記ロックピン供給装置（６０）、前記組付装置（７０）、前記ロックピン検査装置（８０）が、前記搬送装置（２０）に沿って直線状に並べて配置されている請求項１～５いずれか１項記載のスライダー組立機。

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