JPH0312740Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、スナツプ釦、かしめ釦などを被服生
地に取付ける釦取付機における釦搬送装置に関す
るものである。

従来の技術 特開昭56−85407号公報に示すように、第１の
ホツパー内の釦を釦搬送装置で加締ダイを備えた
下型ユニツトに供給し、第２のホツパー内の釦取
付具を搬送装置で加締パンチを備えた上型ユニツ
トに供給し、上下ユニツト間に被服生地を臨ませ
て加締パンチを作動することで、被服生地を貫通
し釦と釦取付具とを加締連結して釦を被服生地に
取付けるようにした釦取付機が知られている。

一方、表面に文字、図形等が描かれている釦を
被服生地に取付ける場合には常に釦を所定の向き
となるように取付ける必要があり、釦搬送装置を
釦を所定の向きとして下型ユニツトに供給できる
ようにしている。

例えば、特開昭52−28453号公報に示すように、
基台の上部に、楔状の溝を有する一側ガイド部材
と垂直な壁を有する他側ガイド部材とを対向配置
して釦の円形頭部が臨む釦搬送路を形成し、その
一側ガイド部材をバネで他側ガイド部材に向けて
付勢し、この釦搬送路に沿つて釦をプツシヤーで
搬送する際に、釦の円形頭部と楔状の溝との摺動
抵抗が釦の円形頭部と壁との摺動抵抗よりも大き
いことによつて釦を一方向に回転させると共に、
釦の円形頭部の裏面に突起を形成し、この突起を
一側ガイド部材の受部に当接して釦を同一向きに
配向できるようにした釦搬送装置か知られてい
る。

考案が解決しようとする問題点 かかる釦搬送装置であると、釦を釦搬送路に沿
つて搬送する際に回転して、その円形頭部の突起
が一側ガイド部材の受部に当接して釦を同一向き
とし、その後は突起が受部に沿つて摺動しながら
釦が搬送されるから、釦の突起や一側ガイド部材
の受部を損傷することがある。また、釦の突起が
一側ガイド部材の受部に当るまでは釦が回転しな
がら搬送されてその円形頭部が楔状の溝内に順次
押し込まれるので、釦と楔状の溝との摺動抵抗が
順次増大し釦をスムーズに回転させながら搬送で
きないことがある。

問題点を解決するための手段及び作用 楔状溝とガイド壁を有する一側ガイド部材を、
楔状溝を有し釦搬送路と直交する方向に揺動自在
な第１部材と、ガイド壁を有し基台に固着された
第２部材とより構成し、その第１部材を他側ガイ
ド部材側に向けて揺動付勢保持し、釦の円形頭部
とプツシヤーとに相互に係合する被係止部と係止
部を設けて、釦の円形頭部が回転するとプツシヤ
ーと釦の円形頭部との係止部と被係止部が係合し
て釦を同一向きとし、その後は釦が回転せずにプ
ツシヤーによつて搬送され、しかも釦の円形頭部
が回転することで楔状溝内に押し込まれると第１
部材が揺動して取付杆が第２部材のガイド壁に当
接するようにしたものである。

実施例 第３図は釦取付機の概略図であり、図示しない
昇降機構で上下動される加締パンチ１を備えた上
型ユニツト２と加締ダイ３を備えた下型ユニツト
４とを対向配設して加締部５とすると共に、釦取
付具Ａが収納された第１ホツパ６の出口側は第１
シユート７、搬送装置８を経て上型ユニツト２に
連続し、釦Ｂが収納された第２ホツパ９の出口側
は第２シユート１０、釦搬送装置１１を経て下型
ユニツト４に連続していると共に、前記第１、第
２ホツパ６，９は、例えば特開昭56−85407号公
報に示すように釦取付具Ａ、釦Ｂを１個ずつ順次
搬出するように構成してある。

前記釦Ｂは第４図に示すように、表面に文字、
図形などが描かれた円形頭部１２と取付杆１３と
を有し、その円形頭部１２の裏面周縁には被係止
部となる切欠き１４が形成してあると共に、取付
杆１３には穴１５が形成してあり、この穴１５に
釦取付具Ａの係合杆１６を被服生地Ｃを貫通して
嵌合してカシメ固着することで釦を被服生地に取
付けるようにしてある。

前記釦搬送装置は第１図に示すように、搬送ガ
イド部２０とプツシヤー部２１とを備え、搬送ガ
イド部２０は基台２２の一側上面に楔状溝２３を
有する一側ガイド部材２４を設け、他側上面には
垂直な壁２５を有する他側ガイド部材２６を設け
て前記釦Ｂの円形頭部１２と取付杆１３とが臨む
略上向Ｔ字状の釦搬送路２７を長手方向に亘つて
形成してあり、プツシヤー部２１は上向コ字状の
ガイド溝２８を有する本体２９にプツシヤー３０
を摺動自在に設け、そのプツシヤー３０にフイン
ガー３１をピン３２で上下摺動自在に取付けると
共に、バネ３３で時計方向きに揺動付勢して係止
部となる突起３４を備えた先端部を下方に保持し
てあり、プツシヤー３０は図示しない移動機構、
例えばシリンダや往復動するリンクに連結されて
いる。

なお、他側ガイド部材２６の垂直な壁２５は釦
Ｂの円形頭部１２をガイドするならば垂直でなく
傾斜させても良い。

前記一側ガイド部材２４は楔状溝２３を有する
第１部材４０と垂直なガイド壁４１を有する第２
部材４２とより成り、第１部材４０は第２図に示
すように突出片４３を備え、この突出片４３が基
台２２の一側に形成した開口部４４内に臨み、か
つピン４５で揺動自在に支承されていると共に、
基台２２の一側立上り片２２ａとの間に設けたバ
ネ４６で他側ガイド部材２６に向けて揺動付勢さ
れている。

前記第２部材４２は横板４７の一端部に立下り
片４８を一体形成したもので、外側面４８ｂが前
記ガイド壁４１となり、横板４７の他端が立上り
片２２ａにビス４９で固着してある。

前記他側ガイド部材２６は矩形板状となり、そ
の他端には切欠５０が形成されて前記垂直な壁２
５と下向き横壁５１とを形成していると共に、基
台２２の上面にボルト５２で固着されて基台２２
の上面とによつてコ字状空間イを構成し、かつ他
端面が垂直なガイド壁５３を構成している。

これにより、空間イを楔状溝２３とで釦Ｂの円
形頭部１２が臨む第１空間ロを構成し、一側、他
側ガイド部材２４，２６のガイド壁４１，５３は
相対向して釦Ｂの取付杆１３が臨む第２空間ハを
構成し、この第２空間ハと前記第１空間ロとによ
つて前記略上向Ｔ字状の釦搬送路２７を構成して
いる。

しかして、釦Ｂは第２シユート１０より本体２
９の切欠部２９ａを経てガイド溝２８内に落下
し、取付杆１３が上向となるようにセツトされ
る。

プツシヤー３０を矢印方向に移動すると、その
薄板状の先端面３０ａが釦Ｂの円形頭部１２に当
接して釦搬送路２７に向けて押動する。

この時、フインガー３１は突起３４が釦Ｂの裏
面に接するのでバネ３３に抗してピン３２を中心
として時計方向に若干揺動する。

釦Ｂが釦搬送路２７内に押し込まれると円形頭
部１２が楔状溝２３と垂直な壁２５とに接すると
共に、取付杆１３はガイド壁４１，５３と離隔
し、摺動抵抗は楔状溝２３との接触部の方が大き
くなるので、釦Ｂはプツシヤー３０の押し力によ
つて一方向に回転しながら釦搬送路２７に沿つて
搬送される。

これにより、釦Ｂの裏面に形成した切欠き１４
がフインガー３１の突起３４と合致して嵌合する
ので、釦Ｂの向きが所定の向きとなり、その後は
釦Ｂは回転せずにプツシヤ３０で搬送されて下型
ユニツト４の加締ダイ３に常に所定の向きとなる
ように供給セツトされるから、釦搬送路２７や釦
Ｂの円形頭部１２を損傷することがない。

一方、釦Ｂが釦搬送路２７に沿つて回転されな
がら搬送される際に円形頭部１２が楔状溝２３内
に順次押し込まれるから、一側ガイド部材２４に
は釦搬送路２７と直交しかつ離れる方向の力が作
用し、一側ガイド部材２４の第１部材４０がバネ
４６に抗してピン４５を中心として摺動し、また
釦Ｂの取付杆１３が第２部材４２のガイド壁４１
に衝突して釦Ｂの円形頭部１２がそれ以上楔状溝
２３内にくい込まなくなるので、楔状溝２３と円
形頭部１２との摺動抵抗が大きくなることがな
く、釦Ｂをスムーズに回転させながら搬送でき
る。

〔考案の効果〕

釦Ｂの円形頭部１２をプツシヤー３０で押して
回転させがら釦搬送路２７に沿つて搬送すると、
釦Ｂの円形頭部１２の被係止部とプツシヤー３０
の係止部とが係合して釦Ｂの向きが一定となり、
その後はプツシヤー３０で押されて釦Ｂは回転せ
ずに搬送されるから、釦搬送路２７や釦Ｂの円形
頭部１２を損傷することがない。

釦Ｂを回転させながら搬送する際に釦Ｂの円形
頭部が楔状溝２３内に押し込まれると、第１部材
４０が付勢力に抗して他側ガイド部材２６より離
れる方向に揺動して釦Ｂの取付杆１３が第２部材
４２のガイド壁４１に当接し、それ以上円形頭部
１２が楔状溝２３内に押し込まれないので、釦Ｂ
の円形頭部と楔状溝２３との摺動抵抗が大きくな
らず、釦Ｂを回転させながらスムーズに搬送する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は釦搬送
装置の斜視図、第２図は搬送ガイド部の断面図、
第３図は釦取付機の概略図、第４図は釦と釦取付
具の斜視図である。 Ｂは釦、１２は円形頭部、１３は取付杆、２０
は搬送ガイド部、２１はプツシヤー部、２２は基
台、２３は楔状溝、２４は一側ガイド部材、２５
は壁、２６は他側ガイド部材、２７は釦搬送路、
３０はプツシヤ、４０は第１部材、４１はガイド
壁、４２は第２部材、５３はガイド壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基台２２に、楔状溝２３とガイド壁４１とを有
   する一側ガイド部材２４及び壁２５とガイド壁５
   ３とを有する他側ガイド部材２６とを対向配設し
   て釦Ｂの円形頭部１２と取付杆１３が臨む釦搬送
   路２７を形成する搬送ガイド部２０と、釦Ｂを釦
   搬送路２７に沿つて搬送するプツシヤー３０を備
   えたプツシヤー部２１より成る釦搬送路装置にお
   いて、前記一側ガイド部材２４を、楔状溝２３を
   有する第１部材４０とガイド壁４１を有する第２
   部材４２とより構成すると共に、その第１部材４
   ０を基台２２に釦搬送路２７と直交する方向に揺
   動自在でかつ他側ガイド部材２６に向けて揺動付
   勢して取付け、第２部材４２を基台２２に固着
   し、さらに前記釦Ｂの円形頭部１２の所定位置に
   被係止部を設け、前記プツシヤー３０の先端部に
   前記被係止部と係合する係止部を設けたことを特
   徴とする釦取付機の釦搬送装置。