JPH0312738Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、スナツプ釦、かしめ釦などを被服生
地に取付ける釦取付機における釦搬送装置に関す
るものである。

従来の技術 特開昭56−85407号公報に示すように、第１の
ホツパー内の釦を釦搬送装置で加締ダイを備えた
下型ユニツトに供給し、第２のホツパー内の釦取
付具を搬送装置で加締パンチを備えた上型ユニツ
トに供給し、上下ユニツト間に被服生地を臨ませ
て加締パンチを作動することで、被服生地を貫通
し釦と釦取付具とを加締連結して釦を被服生地に
取付けるようにした釦取付機が知られている。

一方、表面に文字・図形等が描かれている釦を
被服生地に取付ける場合には常に釦を所定の向き
となるように取付ける必要があり、釦搬送装置を
釦を所定の向きとして下型ユニツトに供給できる
ようにしている。

例えば、特開昭52−28453号公報に示すように、
基台の上部に、楔状の溝を有する一側ガイド部材
と垂直な壁を有する他側ガイド部材とを対向配置
して釦の円形頭部が臨む釦搬送路を形成し、その
一側ガイド部材をバネで他側ガイド部材に向けて
付勢し、この釦搬送路に沿つて釦をプツシヤーで
搬送する際に、釦の円形頭部と楔状の溝との摺動
抵抗が釦の円形頭部と壁との摺動抵抗よりも大き
いことによつて釦を一方向に回転させると共に、
釦の円形頭部の裏面に突起を形成し、この突起を
一側ガイド部材の受部に当接して釦を同一向きに
配向できるようにした釦搬送装置が知られてい
る。

考案が解決しようとする問題点 かかる釦搬送装置であると、釦を釦搬送路に沿
つて搬送する際に回転して、その円形頭部の突起
が一側ガイド部材の受部に当接して釦を同一向き
とし、その後は突起が受部に沿つて摺動しながら
釦が搬送されるから、釦の突起や一側ガイド部材
の受部を損傷することがある。また、釦の突起が
一側ガイド部材の受部に当るまでは釦が回転しな
がら搬送されてその円形頭部が楔状の溝内に順次
押し込まれ、それによつて一側ガイド部材がバネ
に抗して移動するが、楔状の溝の開口角度が一定
であために釦と楔状の溝との摺動抵抗が順次増大
し釦をスムーズに回転させながら搬送できないこ
とがある。

問題点を解決するための手段及び作用 楔状溝を有する一側ガイド部材を、固定された
第１部材と第１部材に対して上下方向に移動する
第２部材とで楔状溝を構成するようにし、その第
２部材をバネ力で第１部材に向けて移動付勢保持
し、釦の円形頭部とプツシヤーとに相互に係合す
る被係止部と係止部を設けて、釦の円形頭部が回
転するとプツシヤーと円形頭部の係止部と被係止
部が係合して釦を同一向きとし、その後は釦が回
転せずにプツシヤーによつて搬送され、しかも釦
の円形頭部が回転することで楔状溝内に押し込ま
れると第２部材が小さな押し力で移動して楔状溝
の開口角度が大きくなり、釦の円形頭部が楔状溝
内に強力で押し込まれることがないようにしたも
のである。

実施例 第４図は釦取付機の概略図であり、図示しない
昇降機構で上下動される加締パンチ１を備えた上
型ユニツト２と加締ダイ３を備えた下型ユニツト
４とを対向配設して加締部５とすると共に、釦取
付具Ａが収納された第１ホツパ６の出口側は第１
シユート７、搬送装置８を経て上型ユニツト２に
連続し、釦Ｂが収納された第２ホツパ９の出口側
は第２シユート１０、釦搬送装置１１を経て下型
ユニツト４に連続していると共に、前記第１・第
２ホツパ６，９は、例えば特開昭56−85407号公
報に示すように釦取付具Ａ、釦Ｂを１個ずつ順次
搬送するように構成してある。

前記釦Ｂは第５図に示すように、表面に文字、
図形などが描かれた円形頭部１２と取付杆１３と
を有し、その円形頭部１２の裏面周縁には被係止
部となる切欠き１４が形成してあると共に、取付
杆１３には穴１５が形成してあり、この穴１５に
釦取付具Ａの係合杆１６を被服生地Ｃを貫通して
嵌合してカシメ固着することで釦を被服生地に取
付けるようにしてある。

前記釦搬送装置は第３図に示すように、搬送ガ
イド部材２０とプツシヤー部２１とを備え、搬送
ガイド部材２０は基台２２の一側上面に楔状溝２
３を有する一側ガイド部材２４を設け、他側上面
には垂直な壁２５を有する他側ガイド部材２６を
設けて前記釦Ｂの円形頭部１２が臨む釦搬送路２
７を長手方向に亘つて形成してあり、プツシヤー
部２１は上向コ字状のガイド溝２８を有する本体
２９にプツシヤー３０を摺動自在に設け、そのプ
ツシヤー３０にフインガー３１をピン３２で上下
摺動自在に取付けると共に、バネ３３で時計方向
に揺動付勢して係止部となる突起３４を備えた先
端部を下方に保持してあり、プツシヤー３０は図
示しない移動機構、例えばシリンダや往復動する
リンクに連結されている。なお、他側ガイド部材
２６の垂直な壁２５は釦Ｂの円形頭部１２をガイ
ドするならば垂直でなく、例えば右下りに傾斜さ
せても良い。

前記基台２２は略直方体形状の本体４０の一側
面４０ａに取付片４１を一体形成し、他側には立
上り片４２を一体形成すると共に、開口部４３を
形成してあり、この開口部４３に他側ガイド部材
２６の突出片４４が臨み、ピン４５で揺動自在に
支承されていると共に、立上り片４２に螺入した
ネジ杆４６と他側ガイド部材２６との間にバネ４
７が設けられて他側ガイド部材２６はピン４５を
中心として揺動付勢されている。

前記一側ガイド部材２４は第１部材５０と第２
部材５１とより成り、第１部材５０は薄肉板状と
なつていると共に、一端面には垂直面５２と傾斜
面５３とが形成され、基台２２の本体４０の上面
４０ｂにおける一側にボルト５４で固着されてい
る。

前記第２部材５１は縦片５５と横片５６とによ
りＬ型板状となり、その隅角部には切欠部５７が
形成されていると共に、この切欠部５７が前記取
付片４１に嵌合してピン５８で揺動自在に連結さ
れ、縦片５５と本体４０の一側面４０ａとの間に
バネ５９が設けられて第２部材５１はピン５８を
中心として時計方向に揺動付勢され横片５６の下
面５６ａが第１部材５０の上面５０ａに当接し、
その下面５６ａと前記第１部材５０の垂直面５２
と傾斜面５３とで楔状溝２３を構成している。

しかして、釦Ｂは第２シユート１０より本体９
の切欠部２９ａを経てガイド溝２８内に落下し、
取付杆１３が上向となるようにセツトされる。

プツシヤー３０を矢印方向に移動すると、その
薄板状の先端面３０ａが釦Ｂの円形頭部１２に当
接して釦搬送路２７に向けて押動する。

この時、フインガー３１は突起３４が釦Ｂの裏
面に接するのでバネ３３に抗してピン３２を中心
として時計方向に若干揺動する。

釦Ｂが釦搬送路２７内に押し込まれると円形頭
部１２が楔状溝２３と垂直な壁２５とに接すると
共に、摺動抵抗は楔状溝２３との接触部の方が大
きくなるので、釦Ｂはプツシヤー３０の押し力に
よつて一方向に回転しながら釦搬送路２７に沿つ
て搬送される。

これにより、釦Ｂの裏面に形成した切欠き１４
がフインガー３１の突起３４と合致して嵌合する
ので、釦Ｂの向きが所定の向きとなり、その後は
釦Ｂは回転せずにプツシヤ３０で搬送されて下型
ユニツト４の加締ダイ３に常に所定の向きとなる
ように供給セツトされるから、釦搬送路２７や釦
Ｂの円形頭部１２を損傷することがない。

一方、釦Ｂが釦搬送路２７に沿つて回転されな
がら搬送される際に円形頭部１２が楔状溝２３内
に順次押し込まれるから、楔状溝２３を拡げよう
とする力が作用し、一側ガイド部材２４の第２部
材５１がバネ５９に抗してピン５８を中心として
反時計方向に揺動して楔状溝２３の開口角度が大
きくなつて楔状溝２３と円形頭部１２との摺動抵
抗が大きくなることがなく、釦Ｂをスムーズに回
転させながら搬送できる。

以上の実施例では第１部材５０に垂直面５２と
傾斜面５３とを形成して第２部材５１の下面、つ
まり横片５６の下面５６ａとで楔状溝２３を形成
したが、横片５６の下面に傾斜面を形成して楔状
溝２３としても良い。

また、釦Ｂの裏面に被係止部となる切欠き１４
を形成し、その切欠き１４をフインガー３１に設
けた係止部となる突起３４に係合して釦Ｂの向き
を規制したが、釦Ｂの裏面に被係止部となる折り
返し片を形成し、フインガーに設けた係止部とな
る一対の爪片で折り返し片を狭着して釦Ｂの向き
を規制しても良い。

また、以上の実施例では第２部材５１を上下揺
動自在としたが、第６図〜第１０図に示すように
上下移動自在で下方に移動付勢保持しても良い。

つまり、第１部材５０の長手方向中間部に上向
の切欠凹部７０を垂直面５２の略1/2の位置まで
形成し、その底部７０ａよりボルト５４で基台２
２に固着すると共に、第２部材５１の長手方向両
側には第１部材５０の上部が嵌合する幅の切欠溝
７１を上下面に亘つてそれぞれ形成して長手方向
中間部に前記切欠凹部７０と同一長さの中間部７
２を形成し、この中間部７２を切欠凹部７０に嵌
合して第２部材５１を第１部材５０に長手方向及
び幅方向には移動しないように上下動自在に取付
け、第１部材５０の長手方向端部にネジ７３で固
着した板バネ７４の自由端を第２部材５１の上面
に圧着して第２部材５１を第１部材５０側に移動
付勢保持し、釦Ｂの円形頭部１２が楔状溝２３に
入り込んだ時に第２部材５１は板バネ７４に抗し
て上方に移動するように構成してある。

考案の効果 釦Ｂの円形頭部１２をプツシヤー３０で押して
回転させながら釦搬送路２７に沿つて搬送する
と、釦Ｂの円形頭部１２の被係止部とプツシヤー
３０の係止部とが係合して釦Ｂの向きが一定とな
り、その後はプツシヤー３０で押されて釦Ｂは回
転せずに搬送されるから、釦搬送路２７や釦Ｂの
円形頭部１２を損傷することがない。

釦Ｂの円形頭部１２が楔状溝２３内に押し込ま
れると第２部材５１がバネ力に抗して第１部材５
０より離れる方向に揺動して楔状溝２３の開口角
度が大きくなるので、釦Ｂの円形頭部１２が楔状
溝２３内に強い力で押し込まれることがなく釦Ｂ
の円形頭部１２と楔状溝２３との摺動抵抗が大き
くならず、釦Ｂを回転させながらスムーズに搬送
することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は搬送ガ
イド部の分解斜視図、第２図は組立状態の断面
図、第３図は釦搬送装置の斜視図、第４図は釦取
付機の概略図、第５図は釦と釦取付具の斜視図、
第６図〜第１０図は第２実施例を示し、第６図は
要部平面図、第７図は側面図、第８図は正面図、
第９図は第６図の−線断面図、第１０図は分
解斜視図である。 Ｂは釦、１２は円形頭部、２０は搬送ガイド
部、２１はプツシヤー部、２３は楔状溝、２４は
一側ガイド部材、２５は垂直壁、２６は他側ガイ
ド部材、２７は釦搬送路、３０はプツシヤー、５
０は第１部材、５１は第２部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 楔状溝２３を有する一側ガイド部材２４と壁２
   ５を有する他側ガイド部材２６とを対向配設して
   釦Ｂの円形頭部１２が臨む釦搬送路２７を形成す
   る搬送ガイド部２０と、釦Ｂを釦搬送路２７に沿
   つて搬送するプツシヤー３０を備えたプツシヤー
   部２１より成る釦搬送装置において、前記一側ガ
   イド部材２４を、固定された第１部材５２と第１
   部材５０に対して上下方向に移動する第２部材５
   １とで楔状溝２３を構成する構造とすると共に、
   その第２部材５１をバネ力で第１部材５０に向け
   て移動付勢保持し、さらに前記釦Ｂの円形頭部１
   ２の所定位置に被係止部を設け、前記プツシヤー
   ３０の先端部に前記被係止部と係合する係止部を
   設けたことを特徴とする釦取付機の釦搬送装置。