JP2641939B2 - 火薬力作動型の固定素子打込み装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】

本発明は、火薬作動型の固定素子打込み装置に関し、
特にバレルと、該バレルの側方に向けて突出する案内ケ
ースとを具え、固定素子帯を、バレルの側面における導
入開口部を経てバレル孔内に供給しうるよう供給方向に
向けてばね付勢して案内ケース内に収める打込み装置に
係るものである。

【従来の技術】

ドイツ特許第23 14 920号明細書には、支持帯と、そ
の内部に保持された釘、鋲等の固定素子とからなる固定
素子帯を、導入開口部をへてマズル側におけるバレル孔
内に供給する火薬力作動型の打込み装置が開示されてい
る。固定素子帯はバレルから側方に向けて突出する案内
ケース内において移動可能に支持され、かつ、案内ケー
ス内部のスライダを会してばねにより長手方向に付勢さ
れるものである。バレル孔内に供給された固定素子は、
バレル孔内で変位しうる駆動ピストンにより支持帯から
分離されて受け物質中に打ち込まれる。

【発明が解決しようとする課題】

案内ケース内に新たな固定素子帯を装填し、または一
部使用した固定素子帯を案内ケースから取出す場合、従
来はばねおよびスライダを案内ケースの移動経路から外
す必要があり、操作に手間が掛かることが問題点として
指摘されている。

【課題を解決するための手段】

本発明の目的は、固定素子帯の装填および取出しを容
易に行うことができる火薬力作動型の固定素子打込み装
置を提案することにある。この目的を達成するため、本
発明は、前述した形式の打込み装置において、バレル内
に、バレル孔を挟んで導入開口部と正反対の位置に、固
定素子帯の長手方向投影形状に対応する形状を有する装
填開口部を形成し、さらに、ストッパーを固定素子帯の
投影面内における作動位置までバレルの半径方向に移動
可能とし、その移動量は最大でも、ストッパーがバレル
孔の内周輪郭に達するに過ぎないものとしたことを特徴
とするものである。 本発明の上記構成によれば、ストッパーを不作動位置
まで退去させた状態で、固定素子帯を装填開口部からバ
レル孔を横切らせて案内ケース内に装填することが可能
であり、その装填は、案内ケース内のばねの弾性力に抗
して行うものである。同様に、固定素子帯は、ストッパ
ーを不作動位置まで退去させた状態で打込み装置から取
外すことができる。その際に案内ケース内のばねは、固
定素子帯の自動排出機能を発揮する。固定素子帯が完全
に装填されると、ストッパーは作動位置まで移動し、そ
の作動位置において固定素子帯を、ばねの弾性力に抗し
て所定位置に保持するものである。その所定位置におい
ては、供給方向における最先端の固定素子がバレル孔の
軸線と整列することは言うまでもない。 本発明による打込み装置は、支持帯がそれぞれ１つの
固定素子を保持する複数の部分からなり、各部分が駆動
ピストンにより固定素子と共に固定素子帯の残部から分
離される形式の固定素子帯に特に適している。勿論、支
持帯から固定素子のみを打出す固定素子帯を使用するこ
とも可能である。 バレルには、作動位置にあるストッパーを支持する当
接手段を設けるのが有利である。当接手段を例えばバレ
ルの壁の一部として設けることにより、ストッパーの作
動位置までの移動量を制限し、作動位置を的確に規定す
ることが可能となるからである。 ストッパーは、バレル上に支持される旋回レバーに配
置するのが望ましい。ストッパーのかかる配置により、
バレルの長手方向における装置のストッパー設置領域を
コンパクトに構成しうるからである。 旋回レバーは一対の腕を有する形状とし、その一方の
腕にストッパーを配置すると共に他方の腕には前記当接
手段と係合する支持肩部を形成するのが有利である。こ
の場合に旋回レバーは、その一方の旋回位置で支持肩部
が当接手段と係合してストッパーをバレル孔に内周輪郭
に相当する作動位置に保持し、他方の旋回位置では支持
肩部が当接手段から離間してストッパーが装填開口部の
投影面から外れる位置を占めるものである。 本発明による打込み装置には、ストッパーを作動位置
に向けて付勢する弾性手段を設けるのが望ましい。この
弾性手段は、固定素子帯を装填開口部から装置内に装填
するに際して、旋回レバーを弾性力に抗して旋回させる
ことにより、ストッパーを不作動位置まで退去可能とす
るものである。固定素子帯の装填が完了すると、弾性手
段の復元力によりストッパーが作動位置まで復帰移動す
る。すなわち弾性手段は、ストッパーを、支持肩部がバ
レル側の当接手段と係合する作動位置まで自動的に復帰
させて当該位置に保持する機能を発揮するものである。

【実施例】

以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳述する。 第１図に示す実施例において、打込み装置のハウジン
グ１は側部ハンドル1aとトリガー1bとにより構成する。
ハウジング１から、バレル孔2aを有するバレル２を突出
させる。駆動ピストン３を孔2aの通路内に配置すると共
に、既知の様式で図示の後退位置からバレル２の前端開
口部、すなわちマズルに向けて火薬力により変位可能と
する。バレル２内には側方に向けて突出する案内ケース
４を固定可能とする。案内ケース４内にスライダ５を配
置し、スライダ５はばね６によりバレル孔2aに向けて付
勢する。スライダ５とは反対側の、ばね６の端部は案内
ケース４の内壁に当接させる。 バレル孔2aを挟んで前記導入開口部2bと正反対の位置
に、装填開口部2cを配置する。バレル２におけるスリッ
ト形状の凹所2d内に旋回レバー７を配置し、旋回レバー
７は支持ピン８を中心として旋回可能とする。旋回レバ
ー７の第１の腕の遊端をストッパー7aとして形成する。
旋回レバー７の第２の腕には支持肩部7bを形成し、この
支持肩部7bはバレル２におけるストッパー突部2eと協動
させる。ねじりコイルばねとして形成された弾性手段９
により旋回レバー７を、ストッパー7aがバレル孔2aの内
周輪郭に達するまで装填開口部2c内に押込まれ、第１図
に示す作動位置に保持される。 案内ケース４内には複数の案内ブッシュ11aを破壊可
能な橋部11bにより相互に結合し、各案内ブッシュ11a内
に釘、鋲等の固定素子11cを配置してなる固定素子帯11
を装填する。固定素子帯11は、案内ケース４内でその長
手方向に移動可能に案内されると共に、第１図に矢印Ａ
で示すように、スライダ５によりストッパー7aに対して
押圧される。このようにしてバレル孔2a内に導入された
固定素子11cは、ストッパー7aによりバレル孔に対して
同軸的に保持される。 打込み装置の作動に際しては、駆動ピストン３がバレ
ル孔2a内に位置する固定素子11cに向けて前進し、関連
する案内ブッシュ11aを固定素子帯11の残部から分離し
て、当該固定素子をバレル２のマズルから受け物質中に
打込む。駆動ピストン３の後退移動に伴い、ばね付勢さ
れたスライダ５が残りの固定素子をストッパー7aに対し
て押圧して、次の打込み操作の待機状態とする。 第２図は、固定素子帯11を、矢印Ｂで示すように、装
填開口部2cを経て打込み装置内に装填する態様を説明す
るものである。この場合には、旋回レバー７を矢印Ｃで
示す弾性手段９の弾性力に抗して旋回させ、ストッパー
7cを装填開口部2cの投影線から外れた位置まで変位させ
る。固定素子帯11の装填方向端縁部をスライダ５に対し
て押圧し、スライダをばね６に抗して押込み位置まで変
位させる。固定素子帯11がストッパー7aを通過すると、
弾性手段９により付勢された旋回レバー７は、第１図に
示すストッパー7aの係合位置に到達する。 所要に応じて固定素子帯11を打込み装置から取外す場
合にも、旋回レバー７を第２図に示す位置まで旋回させ
ることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の好適な実施例による打込み装置を、
一部破断して示す側面図、 第２図は第１図の打込み装置における固定素子帯の装填
態様を示す説明図である。 １……ハウジング、1a……側部ハンドル 1b……トリガー、２……バレル 2a……バレル孔、2b……導入開口部 2c……装填開口部、2d……凹所 2e……ストッパー突部、３……駆動ピストン ４……案内ケース、５……スライダ ６……ばね、７……旋回レバー 7a……ストッパー、7b……支持肩部 ８……支持ピン、９……弾性手段 11……固定素子帯、11a……案内ブッシュ 11b……橋部、11c……固定素子

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】バレル（２）と、該バレル（２）の側方に
   向けて突出する案内ケース（４）とを具え、固定素子帯
   （11）を、バレル（２）の側面における導入開口部（2
   b）を経てバレル孔（2a）内に供給し得るよう供給方向
   に向けてばね付勢して案内ケース（４）内に収める火薬
   作動型の固定素子打込み装置において、 バレル（２）内に、バレル孔（2a）を挟んで前記導入開
   口部（2b）と正反対の位置に、固定素子帯（11）の長手
   方向投影形状に対応する形状を有する装填開口部（2c）
   を形成し、 さらに、ストッパー（7a）を固定素子帯の投影面内にお
   ける作動位置までバレルの半径方向に移動可能とし、そ
   の移動量は最大でも、ストッパー（7a）がバレル孔（2
   a）の内周輪郭に達するに過ぎないものとしたことを特
   徴とする打込み装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の打込み装置において、前記
   バレル（２）に、前記作動位置にあるストッパー（7a）
   を支持する当接手段（2e）を設けたことを特徴とする打
   込み装置。
3. 【請求項３】請求項１または２に記載の打込み装置にお
   いて、前記ストッパー（7a）を、バレル（２）上に支持
   される旋回レバー（７）に配置したことを特徴とする打
   込み装置。
4. 【請求項４】請求項３記載の打込み装置において、前記
   旋回レバー（７）は一対の腕を有する形状とし、その一
   方の腕に前記ストッパー（7a）を配置すると共に他方の
   腕には前記当接手段（2e）と係合する支持肩部（7b）を
   形成したことを特徴とする打込み装置。
5. 【請求項５】請求項１〜４のいずれか一項に記載の打込
   み装置において、前記ストッパー（7a）を作動位置に向
   けて付勢する弾性手段を設けたことを特徴とする打込み
   装置。