JPH0650211Y2 - インクリボンカセット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ワードプロセッサ等のOA機器に用いられるイ
ンクリボンカセット、より詳しくは、印字中、非印字中
のインクリボンに押圧力を付与してインクリボンの張力
を制御する板状のスプリングのケースへの取付構造に関
する。

〔従来の技術〕

パーソナルワードプロセッサ等に用いられるプリンタに
は、ドット式、インクジェット式あるいは熱転写式など
があり、中でも熱転写式のプリンタは、印字特性に優
れ、低コストで、しかもメンテナンスフリーであって、
小型軽量という大きな利点があるため、熱転写式プリン
ターが一般に広く普及している。そして熱転写式プリン
タにおける記録媒体としては、PET等からなるベースフ
ィルムに熱溶融性インクが塗布され、カセット化された
インクリボンカセットが広く用いられている。

而して、従来のインクリボンカセットの中には、印字中
に熱転写プリンタのサーマルヘッド移動に伴って生じる
インクリボンの弛みを取るスプリングを備えたものがあ
る。

弛み取り機構を備えたインクリボンカセットは、板状の
弛み取り用スプリングと板状のバックテンション付与用
スプリングとを有し、ヘッド移動に伴うインクリボンの
弛み量を、印字中、非印字中に拘わらず移動に伴う弛み
を取るようにしたものである。

上記バックテンション付与用スプリングは、第１図
（ａ）中、8Bで示す如く、その基端部をケースの側面に
隣接させて固定し、またその先端部を上記インクリボン
に接触させて、ケース内に配設されている。そして、上
記バックテンション付与用スプリング8Bは、第２図
（ａ）、（ｂ）に示す如く、その基端部が略90度折曲さ
れた折曲部81Aを有し、この折曲部81Aが係止突起部1Dに
挟持、固定されている。

上記係止突起部1Dは、第２図（ａ）、（ｂ）に示す如
く、３個の突起11D、12D、13Dによって構成され、更
に、各突起11D、12D、13D間には隙間が形成されて、こ
れらの隙間にバックテンション付与用スプリング8Bの基
端部が嵌入、挟持されるように構成されている。そし
て、ケース１の側面に隣接した２個の突起11D、12Dは、
第２図（ｂ）に示す如く、それぞれの先端部にテーパを
有し且つ同一高さに形成され、また、上記側面から最も
離隔している突起13Dは、他の２個の突起11D、12Dより
も高く形成されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、従来のインクリボンカセットの係止突起
部1Dは、上述の如く、バックテンション付与用スプリン
グ8Bの折曲部81Bを挟持する２個の突起11D、12Dが同一
高さに形成されているため、それぞれの先端部にテーパ
が形成されていても、それぞれのテーパは単に折曲部81
Bの嵌入を容易にするためのものであるに過ぎず、バッ
クテンション付与用スプリング8Bの基端部を係止突起部
1Dの嵌入位置に迅速に位置決めすることが難しく、従っ
て、バックテンション付与用スプリング8Bを係止突起部
1Dへ挿入することが難しく、その装着作業の迅速化が困
難であった。

このようなことは、前述した弛み取り用スプリング8Aに
ついても言えることである。

従って、本考案の目的は、インクリボンの印字中、非印
字中における張力を制御するスプリングの装着作業を容
易且つ迅速化することができるインクリボンカセットを
提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、プリンタの印字ヘッド移動に伴いインクリボ
ンに押圧力を付与してインクリボンの張力を制御する板
状のスプリングを備え、上記スプリングの基端部を上記
ケースの側面に隣接させた係止突起部に挟持させて固定
し、また上記スプリングの先端部を上記インクリボンに
接触させて構成されたインクリボンカセットにおいて、
上記係止突起部として、それぞれ高さを異にする３個の
突起それぞれを互いに隣接させて設け、これら３個の突
起間に上記スプリング基端部を介在させたことを特徴と
するインクリボンカセットを提供することにより上記目
的を達成したものである。

〔作用〕

本考案のインクリボンカセットは、スプリングの基端部
の折曲部を係止突起部に位置決めして、中位の高さの突
起に引っ掛けるようにして押し込むとスプリングを係止
突起部に装着できる。

〔実施例〕

以下、第１図（ａ）、（ｂ）に示す実施例に基づいて本
考案を説明する。尚、第１図（ａ）、（ｂ）は本考案の
左右対称の反復使用可能なインクリボンカセットを示す
図で、同図（ａ）はその内部を示す正面図、同図（ｂ）
は同図（ａ）の要部（係止突起部）を拡大して示す側面
図である。

本実施例のインクリボンカセットは、第１図（ａ）に示
す如くケース１内に一対のコア2,2を回転自在に備え、
該一対のコア2,2にインクリボン３が巻回されており、
しかも該インクリボン３は反復使用することができるよ
う構成されている。

即ち、上記ケース１の一側縁には、それぞれ左右対称と
なる位置にプリンタの印字ヘッド４の臨む凹欠部1Aが２
箇所に形成され、また、該凹欠部1A,1Aの各側面の先端
で、上記一側面をなす部分にインクリボン３の出入口1B
が４箇所にそれぞれ形成されている。更に、上記凹欠部
1A,1A間に位置し、該凹欠部1A,1Aの底面に略一対する位
置に一対のガイドローラ5,5が、また上記一側面に直交
する一対の側面近傍に他の一対のガイドローラ6,6がそ
れぞれ取り付けられており、コア2,2に巻回されたイン
クリボン３を上記各ガイドローラ5,5及び6,6を経由させ
て各出入口1Bに案内し、該インクリボン３をコア2,2間
において巻き出し、巻き戻し自在に構成され、更に、イ
ンクリボン３が上記各凹欠部1Aの出入口1B,1Bを跨ぎ、
いずれかの凹欠部1A,1Aに臨むプリンタの印字ヘッド４
によって用紙７に印字するよう構成されている。

更に、印字中、非印字中に、インクリボン３に弛みが生
じないように弛み取り機構８が配設されている。該弛み
取り機構８は、プリンタの印字ヘッド４の移動に伴って
発生するインクリボン３の弛み量に対しこれと同等また
はそれ以上の弛みを取るためのもので、上記凹欠部1A,1
A間に位置する一側面に配設された弛み取り用スプリン
グ8Aと、上記一側面に直交する一対の側面近傍にそれぞ
れ配設されたバックテンション付与用スプリング8B,8B
とを備えて構成されている。

上記弛み取り用スプリング8Aは、帯状の板バネで形成さ
れ、その基端部が上記凹欠部1A,1A間の一側面の内側に
固定され、その先端部が屈曲形成されて自由端となって
おり、その自由端がコア２側に突出して一側面からコア
２を接近するように構成されている。そしてガイドロー
ラ5,5間を経由するインクリボン３が上記一側面に並走
する間、このインクリボン３が弛み取り用スプリング8A
の自由端を該一側面へ押し戻し、その結果として該弛み
取り用スプリング8Aがインクリボン３に押圧力を付与す
るように構成されている。

また、上記バックテンション付与用スプリング8B、8B
は、上記弛み取り用スプリング8Aと同様帯状の板バネで
形成され、その基端部が上記凹欠部1A,1Aを含む側面に
直交する一対の側面の各近傍に固定され、その先端部が
ガイドローラ6,6を経由するインクリボン３をガイドロ
ーラ３、３にそれぞれ押圧するように構成されている。

上記バックテンション付与用スプリング8Bの固定構造を
第１図（ｂ）を参照しながら、更に詳述すると、バック
テンション付与用スプリング8Bは、従来と同様に、その
基端部に折曲部（第２図（ａ）参照）が形成されてお
り、該基端部が第１図（ｂ）に示す係止突起部1Dにおい
て固定されている。

上記係止突起部1Dは、第２図（ｂ）に示す従来の係止突
起部1Dと同様３個の第１、第２、第３突起11D、12D、13
Dから構成されているが、本実施例の第１、第２、第３
突起部11D、12D、13Dは、第１図（ｂ）に示す如く、そ
れぞれ高さを異にして形成されている点が従来のものと
大きく異なる。

即ち、本実施例の係止突起部1Dを構成する第１、第２、
第３突起11D、12D、13Dのうちケース１の側面に最も近
い第１突起11Dは、他の第２突起12Dと第３突起13Dとの
中間の高さを有して形成され、上記ケース１の側面に対
して２番目に近い第２突起12Dが最も低く、上記ケース
１の側面に対して最も離隔した第３突起13Dが最も高く
形成され、これら第１、第２、第３突起11D、12D、13D
は互いに隣接するように配設されている。そして、第１
突起11Dと第３突起13とは、上記ケース１の側面に対し
て略垂直方向に並べて配設され、第２突起12Dは、上記
第１、第３突起11D、13Dの各軸芯位置から略等距離を隔
てて反印字側に配設されている。更に、第１、第２、第
３突起11D、12D、13D間には、それぞれ上記バックテン
ション付与用スプリング8Bの基端部が介在し得る隙間が
形成されている。

本実施例のインクリボンカセットにおける係止突起部1D
は、第１、第２、第３突起11D、12D、13Dがそれぞれ高
さを異にしているため、上記バックテンション付与用ス
プリング8Bを係止突起部1Dに装着する際、上記バックテ
ンション付与用スプリング8Bの基端部を、第１、第３突
起11D、13Dで位置決めし、位置決め後、上記バックテン
ション付与用スプリング8Bを押し込むだけで、上記バッ
クテンション付与用スプリング8Bを上記第１、第２、第
３突起11D、12D、13Dそれぞれ挟持させて、固定するこ
とができ、装着作業を容易且つ迅速化することができ
る。

尚、上記実施例では、係止突起部1Dをバックテンション
付与用スプリング8Bに適用した場合についてのみ説明し
たが、本考案は上記実施例に制限されるものでなく、弛
み取り用スプリング8Aについても適用できることは明ら
かである。

また、本考案は、反復使用可能なタイプのインクリボン
カセットに制限されるものでなく、使い捨てタイプのイ
ンクリボンカセットについても適用できることは言うま
でもない。

〔考案の効果〕

本考案のインクリボンカセットによれば、インクリボン
の印字中、非印字中における張力を制御するスプリング
の装着作業を容易且つ迅速化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）、（ｂ）は本考案の左右対称の反復使用可
能なインクリボンカセットを示す図で、同図（ａ）はそ
の内部を示す正面図、同図（ｂ）は同図（ａ）の要部
（係止突起部）を拡大して示す側面図、第２図（ａ）、
（ｂ）は従来のインクリボンカセットにおける係止突起
部を拡大して示す図で、同図（ａ）はその平面図、同図
（ｂ）はその側面図である。 1;ケース、1D;係止突起部 2;インクリボン、4;印字ヘッド 8;弛み取り機構 8A;弛み取り用スプリング（板状のスプリング） 8B;バックテンション付与用スプリング（板状のスプリ
ング） 11D;第１突起、12D;第２突起 13D;第３突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プリンタの印字ヘッド移動に伴いインクリ
   ボンに押圧力を付与してインクリボンの張力を制御する
   板状のスプリングを備え、上記スプリングの基端部を上
   記ケースの側面に隣接させた係止突起部に挟持させて固
   定し、また上記スプリングの先端部を上記インクリボン
   に接触させて構成されたインクリボンカセットにおい
   て、上記係止突起部として、それぞれ高さを異にする３
   個の突起それぞれを互いに隣接させて設け、これら３個
   の突起間に上記スプリング基端部を介在させたことを特
   徴とするインクリボンカセット。