JPH0649917B2 - 内燃機関の動弁機構部材 - Google Patents
内燃機関の動弁機構部材Info
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- JPH0649917B2 JPH0649917B2 JP61149095A JP14909586A JPH0649917B2 JP H0649917 B2 JPH0649917 B2 JP H0649917B2 JP 61149095 A JP61149095 A JP 61149095A JP 14909586 A JP14909586 A JP 14909586A JP H0649917 B2 JPH0649917 B2 JP H0649917B2
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Description
【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、内燃機関の動弁機構を構成する部材のうち、
カムと摺接する部材で高度の耐摩耗性を必要とするロッ
カーアーム、バルブリフターなどに特に好適な鉄系焼結
合金に関するものである。
カムと摺接する部材で高度の耐摩耗性を必要とするロッ
カーアーム、バルブリフターなどに特に好適な鉄系焼結
合金に関するものである。
［従来の技術およびその問題点］ 内燃機関に対する要求のうちで、高速化、高出力化がま
すます高水準になるに伴って、動弁系の摩耗の問題、特
にロッカーアームのパッドおよびバルブリフターの摺接
面の耐久性に対する要求が極めて厳しくなりつつあり、
これに堪える合金の開発が強く望まれている。これらの
カムと摺接する部材は、その部材自身の耐摩耗性が高い
ことはもとより、相手部材のカムを摩耗させないことが
特に重要である。
すます高水準になるに伴って、動弁系の摩耗の問題、特
にロッカーアームのパッドおよびバルブリフターの摺接
面の耐久性に対する要求が極めて厳しくなりつつあり、
これに堪える合金の開発が強く望まれている。これらの
カムと摺接する部材は、その部材自身の耐摩耗性が高い
ことはもとより、相手部材のカムを摩耗させないことが
特に重要である。
従来、これらの部材は、一般に鋼材、合金鋳鉄などで作
られ、耐摩耗性を高めるために、カムとの当り面に熱処
理による表面硬化、チル硬化、硬質クロムめっき、ある
いは自溶性合金溶射などを施して用いられていたが、浸
炭焼入れ材は耐スカッフィング性が劣り、チル硬化した
ものは耐久性が劣り、硬質クロムめっきの場合は局部当
りに伴う剥離あるいは摩耗剥離を生じることがあるなど
の品質上の問題があり、自溶合金溶射の場合は、生産工
数の増加および高価な材料の使用によるコスト面の不利
や、溶射工程における品質の不安定さなどの問題点があ
った。
られ、耐摩耗性を高めるために、カムとの当り面に熱処
理による表面硬化、チル硬化、硬質クロムめっき、ある
いは自溶性合金溶射などを施して用いられていたが、浸
炭焼入れ材は耐スカッフィング性が劣り、チル硬化した
ものは耐久性が劣り、硬質クロムめっきの場合は局部当
りに伴う剥離あるいは摩耗剥離を生じることがあるなど
の品質上の問題があり、自溶合金溶射の場合は、生産工
数の増加および高価な材料の使用によるコスト面の不利
や、溶射工程における品質の不安定さなどの問題点があ
った。
このような従来の材料に対して、近年、焼結合金からな
る各種組成の耐摩耗性部材が提案されており、本発明者
らも、先に、特公昭60-34624号、特公昭60-34626号およ
び特公昭60-35983号に示される内燃機関の動弁機構部材
を提供した。これらの部材は、従来の材料に比べて、カ
ムおよびこれと摺接する相手材のそれぞれの摩耗並びに
総合摩耗を著しく減少させるものであり、動弁機構の長
寿命化に寄与することが可能であるが、更に高性能化す
ることを目的として研究を行なった結果、本発明に到達
したものである。
る各種組成の耐摩耗性部材が提案されており、本発明者
らも、先に、特公昭60-34624号、特公昭60-34626号およ
び特公昭60-35983号に示される内燃機関の動弁機構部材
を提供した。これらの部材は、従来の材料に比べて、カ
ムおよびこれと摺接する相手材のそれぞれの摩耗並びに
総合摩耗を著しく減少させるものであり、動弁機構の長
寿命化に寄与することが可能であるが、更に高性能化す
ることを目的として研究を行なった結果、本発明に到達
したものである。
［問題点を解決するための手段］ 前記の問題点を解決するための本発明の動弁機構部材に
おいては、その部材全体または少なくともカムとのあた
り面を、 Ｃ… １〜４％、 Ｃｒ… ５〜３０％、 Ｍｏ…１〜５％、 Ｎｉ…5.5〜１０％、 Ｓｎ…0.2〜５％、 ＷおよびＶの少なくとも１種…0.1〜４％、 ＰおよびＢの少なくとも１種…0.05〜５％、 Ｆｅおよび不可避の不純物…残部 からなる組成の焼結合金により形成する。
おいては、その部材全体または少なくともカムとのあた
り面を、 Ｃ… １〜４％、 Ｃｒ… ５〜３０％、 Ｍｏ…１〜５％、 Ｎｉ…5.5〜１０％、 Ｓｎ…0.2〜５％、 ＷおよびＶの少なくとも１種…0.1〜４％、 ＰおよびＢの少なくとも１種…0.05〜５％、 Ｆｅおよび不可避の不純物…残部 からなる組成の焼結合金により形成する。
本発明の部材の組成は下記の知見に基づいて成された。
（ａ）Ｃ、Cr、Mo、Ｖ、Ｗ、Ｐを含有するＦｅ基焼結合
金において、この合金組成にＮｉを添加すると、材料自
体の耐摩耗性が向上すると共に、相手材の摩耗が少なく
なるという効果が得られ、約５％Ｎｉのときに最も良好
であること、および（ｂ）上記（ａ）項のＦｅ基焼結合
金に、Snを添加すると更に耐摩耗性が向上し、Ｎｉが約
７〜９％で、かつSnが約２％のときに最も良好であるこ
とである。
金において、この合金組成にＮｉを添加すると、材料自
体の耐摩耗性が向上すると共に、相手材の摩耗が少なく
なるという効果が得られ、約５％Ｎｉのときに最も良好
であること、および（ｂ）上記（ａ）項のＦｅ基焼結合
金に、Snを添加すると更に耐摩耗性が向上し、Ｎｉが約
７〜９％で、かつSnが約２％のときに最も良好であるこ
とである。
すなわち、ＮｉとSnの両方を添加することにより大幅な
耐摩耗性の改善が可能となる。
耐摩耗性の改善が可能となる。
上記に関し、本発明の合金を含む各種のＦｅ基焼結合金
をロッカーアームに適用し、摩耗試験を行なった。その
結果を第１図から第３図に示す。以下に、同図に示す結
果に基づき本発明を更に詳細に説明する。なお部材の試
験に際しては、カムとの当り面以外のロッカーアーム本
体は低合金鋼で作り、当り面の部分にＦｅ基焼結合金か
らなるパッドを接合して供試試料とした。
をロッカーアームに適用し、摩耗試験を行なった。その
結果を第１図から第３図に示す。以下に、同図に示す結
果に基づき本発明を更に詳細に説明する。なお部材の試
験に際しては、カムとの当り面以外のロッカーアーム本
体は低合金鋼で作り、当り面の部分にＦｅ基焼結合金か
らなるパッドを接合して供試試料とした。
まず、供試試料の作製と、台上試験条件について説明す
る。
る。
黒鉛粉、ニッケル粉、錫粉、鉄−リン合金粉、各種合金
鉄粉を準備し、第１表および第２表に示す組成になるよ
うに配合した。なお、第１表の試料Ａおよび試料Ｂにお
いて、Ｎｉ量は無添加および２〜１２％の範囲であり、
またＳｎ量は無添加および0.2〜７％の範囲で各種組成
の混合粉を調製した。
鉄粉を準備し、第１表および第２表に示す組成になるよ
うに配合した。なお、第１表の試料Ａおよび試料Ｂにお
いて、Ｎｉ量は無添加および２〜１２％の範囲であり、
またＳｎ量は無添加および0.2〜７％の範囲で各種組成
の混合粉を調製した。
次いで、これらの混合粉を、６t/cm2で所定のパッド形
状に成形し、これに下記の条件で焼結および熱処理を施
して試料を作製した。
状に成形し、これに下記の条件で焼結および熱処理を施
して試料を作製した。
焼結雰囲気：真空（１×１０-3mmHg） 焼結温度 ：1120〜1200゜C 焼結時間 ：６０分 焼入条件 ：900゜C、油焼入れ 焼戻し条件：180゜C 次に、これらのパッドをロッカーアームに接合して水冷
直列４気筒1800ccエンジンに組込み、台上試験によりパ
ッドとカムの摩耗状況を調べた。なお、相手カムは低合
金鋳鉄製でカムトップ部をチル化したものを用いた。試
験条件はＳＡＥ１０Ｗ３０のエンジン油を４５±５゜Cに
保って、回転数６５０rpmで連続運転し、２５０時間後
に分解して、各部材の摩耗量を測定し、各摩耗量の和を
総合摩耗量とした。
直列４気筒1800ccエンジンに組込み、台上試験によりパ
ッドとカムの摩耗状況を調べた。なお、相手カムは低合
金鋳鉄製でカムトップ部をチル化したものを用いた。試
験条件はＳＡＥ１０Ｗ３０のエンジン油を４５±５゜Cに
保って、回転数６５０rpmで連続運転し、２５０時間後
に分解して、各部材の摩耗量を測定し、各摩耗量の和を
総合摩耗量とした。
第１図は、試料Ａに係る測定結果でＮｉとＳｎの添加効
果を表すものである。Ｓｎを無添加としてＮｉの添加量
を増加すると、約５％Ｎｉのときに摩耗量が最小にな
り、それ以上Ｎｉを添加すると却って摩耗量が増加す
る。この試料にＳｎを添加すると、摩耗量の最小値は小
さくなり、かつ、Ｎｉ量の多い側に移行する。Ｓｎの添
加は0.2％で効果を表わし、２％のときに最も良い結果
を示すが、５％を超えると却って悪化する。また、第１
図中に点線で示すように、Ｓｎ無添加材の総合摩耗量の
最小値よりも約２０％低い４０μm以下の摩耗量になる
Ｎｉ量は、0.2％Ｓｎのときその最小値は約5.5％Ｎｉで
あり、５％Ｓｎのときにはその最大値が約１０％Ｎｉで
ある。なお、２％Ｓｎにおいては2.5〜１１％Ｎｉの範
囲で満足すべき結果が得られる。
果を表すものである。Ｓｎを無添加としてＮｉの添加量
を増加すると、約５％Ｎｉのときに摩耗量が最小にな
り、それ以上Ｎｉを添加すると却って摩耗量が増加す
る。この試料にＳｎを添加すると、摩耗量の最小値は小
さくなり、かつ、Ｎｉ量の多い側に移行する。Ｓｎの添
加は0.2％で効果を表わし、２％のときに最も良い結果
を示すが、５％を超えると却って悪化する。また、第１
図中に点線で示すように、Ｓｎ無添加材の総合摩耗量の
最小値よりも約２０％低い４０μm以下の摩耗量になる
Ｎｉ量は、0.2％Ｓｎのときその最小値は約5.5％Ｎｉで
あり、５％Ｓｎのときにはその最大値が約１０％Ｎｉで
ある。なお、２％Ｓｎにおいては2.5〜１１％Ｎｉの範
囲で満足すべき結果が得られる。
第２図は、Ｃｒ量が２０％の試料Ｂに係る測定結果を示
す。試料Ｂ自体の合金組成の相違に従って、総合摩耗量
が第１図の場合よりも全体的に下方に移行している以外
は、第１図の傾向と同様である。
す。試料Ｂ自体の合金組成の相違に従って、総合摩耗量
が第１図の場合よりも全体的に下方に移行している以外
は、第１図の傾向と同様である。
第３図は、第２表に示した試料Ｃに係る測定結果であ
り、Ｃｒが及ぼす効果を示している。この図から、Ｃｒ
量は５〜３０％の範囲が好適であることが解る。
り、Ｃｒが及ぼす効果を示している。この図から、Ｃｒ
量は５〜３０％の範囲が好適であることが解る。
［作 用］ 次に、本発明の動弁機構部材の各成分の作用について説
明する。本発明に係る部材は基調としてマルテンサイト
のマトリックスに金属炭化物からなる硬質粒子を分散さ
せることにより、部材自身の耐摩耗性を高めたものであ
るが、同時に金属炭化物の種類、量および相互の組み合
わせの適切な選択によって相手材たるカムの摩耗減少に
も寄与している。
明する。本発明に係る部材は基調としてマルテンサイト
のマトリックスに金属炭化物からなる硬質粒子を分散さ
せることにより、部材自身の耐摩耗性を高めたものであ
るが、同時に金属炭化物の種類、量および相互の組み合
わせの適切な選択によって相手材たるカムの摩耗減少に
も寄与している。
Cr：マトリックスを強化すると共に、Ｃと反応して硬質
の炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる。ただし第３
図に示すように、Ｃｒの添加量が５％未満では所要の効
果を期待できず、一方、３０％を超えて添加すると、相
手カムを摩耗させ易くなり総合摩耗量が大きくなる他、
焼結性が著しく低下するなどの不利を生じる。
の炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる。ただし第３
図に示すように、Ｃｒの添加量が５％未満では所要の効
果を期待できず、一方、３０％を超えて添加すると、相
手カムを摩耗させ易くなり総合摩耗量が大きくなる他、
焼結性が著しく低下するなどの不利を生じる。
Mo：Crと同様にマトリックスを強化すると共に、Ｃと反
応して硬質の炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる。
ただし添加量１％未満では所要の効果が得られず、一
方、５％を超えて添加すると材料を脆性化する。
応して硬質の炭化物を形成し、耐摩耗性を向上させる。
ただし添加量１％未満では所要の効果が得られず、一
方、５％を超えて添加すると材料を脆性化する。
ＷおよびＶ：いずれもＣと反応してＭＣ型の硬質炭化物
を形成し、耐摩耗性の向上に寄与する。両者のうち少な
くとも１種の成分の添加量が0.1％以上でなければ所要
の効果が得られず、一方、添加量が４％を超えると被削
性が低下し、また相手材を摩耗させ易くなる。
を形成し、耐摩耗性の向上に寄与する。両者のうち少な
くとも１種の成分の添加量が0.1％以上でなければ所要
の効果が得られず、一方、添加量が４％を超えると被削
性が低下し、また相手材を摩耗させ易くなる。
Sn：マトリックス中に拡散固溶し、Ｎｉによるオーステ
ナイト化を抑制する作用がある。添加量が0.2％未満で
は効果が認められず、一方、５％より多く添加すると炭
化物粒子を粗大化させ、機械的強度を低下させて耐摩耗
性が悪くなる。
ナイト化を抑制する作用がある。添加量が0.2％未満で
は効果が認められず、一方、５％より多く添加すると炭
化物粒子を粗大化させ、機械的強度を低下させて耐摩耗
性が悪くなる。
Ｎｉ：鉄マトリックスに拡散してマトリックスを強化し
炭化物の脱落を防止する。また、焼結性も向上し、相手
カムとのなじみ性を良くする作用を呈する。Ｓｎを伴わ
ずに５％を超えて添加すると、マトリックス中にオース
テナイト相を生じ、耐摩耗性を低下させるが、Ｓｎ量が
上述の範囲においては、5.5〜１０％Ｎｉの添加量のと
きに良好な耐摩耗性を示す。
炭化物の脱落を防止する。また、焼結性も向上し、相手
カムとのなじみ性を良くする作用を呈する。Ｓｎを伴わ
ずに５％を超えて添加すると、マトリックス中にオース
テナイト相を生じ、耐摩耗性を低下させるが、Ｓｎ量が
上述の範囲においては、5.5〜１０％Ｎｉの添加量のと
きに良好な耐摩耗性を示す。
Ｃ：マトリックスを強化すると共に、上述の如くＣｒそ
の他の添加成分と反応して硬質相を析出させ、耐摩耗性
を向上させる。ただし１％未満では所要の効果は得られ
ず、一方、４％を超えると靭性の低下を来たす。
の他の添加成分と反応して硬質相を析出させ、耐摩耗性
を向上させる。ただし１％未満では所要の効果は得られ
ず、一方、４％を超えると靭性の低下を来たす。
ＰおよびＢ：焼結を促進する作用を有し、焼結部材を高
密度化させる元素であり、いずれか１種でもよく、また
双方を添加してもよい。添加量は0.05％未満では所要の
効果が得られず、一方、５％を超えて添加すると、過剰
の液相を生じて焼結時の寸法変化率が大きくなり好まし
くない。
密度化させる元素であり、いずれか１種でもよく、また
双方を添加してもよい。添加量は0.05％未満では所要の
効果が得られず、一方、５％を超えて添加すると、過剰
の液相を生じて焼結時の寸法変化率が大きくなり好まし
くない。
［実施例］ 次いで、本発明の好ましい実施例により比較例と対比し
ながら説明する。
ながら説明する。
なお、各供試試料の作製要領は次の通りであるが、台上
試験条件および測定は第１図から第３図における試験条
件と同一である。
試験条件および測定は第１図から第３図における試験条
件と同一である。
実施例−１ 鉄粉、黒鉛粉、鉄−リン合金粉、合金鋼粉等を Ｃｒ…9.9 Ｃ …2.5 Ｍｏ…3.1 Ｗ …0.5 Ｖ …0.4 Ｍｎ…0.3 Ｎｉ…7.0 Ｓｎ…2.0 Ｐ …0.25 Ｆｅ…残部（重量％） なる組成になるように配合して成形圧力６t/cm2で所定
のパッド形状に成形し、これに下記の条件で焼結および
熱処理を施して試料を作製した。
のパッド形状に成形し、これに下記の条件で焼結および
熱処理を施して試料を作製した。
焼結雰囲気： 真空（１×１０-3mmHg） 焼結温度 ： 1130゜C 焼結時間 ： ６０分 焼入れ条件： 900゜C、油焼入れ 焼戻し条件： 180゜C 得られた試料はマルテンサイトマトリックスに微細な硬
化物が分布する組織を呈し、焼結密度と硬さは次の通り
であった。
化物が分布する組織を呈し、焼結密度と硬さは次の通り
であった。
焼結密度（g/cm3）： 7.7 硬 さ（ HRC）： ５７〜６２ 実施例−２ 本材は第２表の試料Ｃ５と同一試料である。鉄粉、黒鉛
粉、鉄−リン合金粉、合金鋼粉等を Ｃｒ…20.3 Ｃ …2.5 Ｍｏ…2.8 Ｗ …0.8 Ｖ …1.1 Ｍｎ…0.3 Ｎｉ…7.0 Ｓｎ…2.0 Ｐ …0.25 Ｆｅ…残部（重量％） なる組成になるように配合して成形圧力６t/cm2で所定
のパッド形状に成形し、これに下記の条件で焼結および
熱処理を施して試料を作製した。
粉、鉄−リン合金粉、合金鋼粉等を Ｃｒ…20.3 Ｃ …2.5 Ｍｏ…2.8 Ｗ …0.8 Ｖ …1.1 Ｍｎ…0.3 Ｎｉ…7.0 Ｓｎ…2.0 Ｐ …0.25 Ｆｅ…残部（重量％） なる組成になるように配合して成形圧力６t/cm2で所定
のパッド形状に成形し、これに下記の条件で焼結および
熱処理を施して試料を作製した。
焼結雰囲気： 真空（１×１０-3mmHg） 焼結温度 ： 1190゜C 焼結時間 ： ６０分 焼入れ条件： 900゜C、油焼入れ 焼戻し条件： 180゜C 得られた試料はマルテンサイトマトリックスに微細な硬
化物が分布する組織を呈し、焼結密度と硬さは次の通り
であった。
化物が分布する組織を呈し、焼結密度と硬さは次の通り
であった。
焼結密度（g/cm3）： 7.7 硬 さ（ HRC）： ５５〜６０ また、次に示す条件で作製した試料を比較材とした。
比較例−１ 合金鋳鉄製ロッカーアームの当り面に硬質クロムメッキ
を施したものを試料とした。
を施したものを試料とした。
比較例−２ 鉄粉、黒鉛粉、鉄−リン合金粉、合金鋼粉等を Ｃｒ…6.3 Ｃ …1.7 Ｐ …0.4 Ｗ …1.0 Ｆｅ…残部（重量％） なる組成になるように配合して成形圧力６t/cm2で所定
のパッド形状に成形し、これに下記の条件で焼結および
熱処理を施して試料を作製した。
のパッド形状に成形し、これに下記の条件で焼結および
熱処理を施して試料を作製した。
焼結雰囲気： 分解アンモニアガス 焼結温度 ： 1180゜C 焼入れ条件： 1180゜C、油焼入れ 焼戻し条件： 550゜C 得られた試料はマルテンサイトマトリックスに硬化物が
網目状に分布する組織を呈し、焼結密度と硬さは次の通
りであった。
網目状に分布する組織を呈し、焼結密度と硬さは次の通
りであった。
焼結密度（g/cm3）： 7.6 硬 さ（ HRC）： ５０〜６０ 比較例−３ 鉄粉、黒鉛粉、鉄−リン合金粉、合金鋼粉等を Ｃｒ…6.5 Ｖ …0.8 Ｐ …0.4 Ｍｏ…0.3 Ｃ …2.0 Ｆｅ…残部（重量％） なる組成になるように配合して成形圧力６t/cm2で所定
のパッド形状に成形し、これに下記の条件で焼結および
熱処理を施して試料を作製した。
のパッド形状に成形し、これに下記の条件で焼結および
熱処理を施して試料を作製した。
焼結雰囲気： 真空（１×１０-3mmHg） 焼結温度 ： 1180゜C 焼入れ条件： 1180゜C、油焼入れ 焼戻し条件： 550゜C 得られた試料はマルテンサイトマトリックスに硬化物が
網目状に分布する組織を呈し、焼結密度と硬さは次の通
りであった。
網目状に分布する組織を呈し、焼結密度と硬さは次の通
りであった。
焼結密度（g/cm3）： 6.7 硬 さ（ HRC）： ５０〜６５ 比較例−４ 鉄粉、黒鉛粉、鉄−リン合金粉、合金鋼粉等を Ｃｒ…4.3 Ｗ …5.0 Ｃ …1.7 Ｍｏ…1.0 Ｖ …0.3 Ｐ …0.4 Ｆｅ…残部（重量％） なる組成になるように配合して成形圧力６t/cm2で所定
のパッド形状に成形し、これに下記の条件で焼結および
熱処理を施して試料を作製した。
のパッド形状に成形し、これに下記の条件で焼結および
熱処理を施して試料を作製した。
焼結雰囲気： 真空（１×１０-3mmHg） 焼結温度 ： 1200゜C 焼入れ条件： 1200゜C、油焼入れ 焼戻し条件： 550゜C 得られた試料はマルテンサイトマトリックスに硬化物が
網目状に分布する組織を呈し、焼結密度と硬さは次の通
りであった。
網目状に分布する組織を呈し、焼結密度と硬さは次の通
りであった。
焼結密度（g/cm3）： 7.4 硬 さ（ HRC）： ５０〜６５ 第４図は上記試料の試験結果を表わすもので、棒グラフ
の白色部分はカムトップ部の摩耗量を、斑点または斜線
を施した部分はロッカーアームの当たり面の摩耗量を表
す。なお、斑点は本発明の部材を、斜線は従来材を表わ
している。
の白色部分はカムトップ部の摩耗量を、斑点または斜線
を施した部分はロッカーアームの当たり面の摩耗量を表
す。なお、斑点は本発明の部材を、斜線は従来材を表わ
している。
この図から明らかな通り、本発明材に係る試料をパッド
に用いた場合、パッド自身の摩耗が少なく、かつ相手部
材のカムを摩耗させ難いという特徴がある。カムとパッ
ドの総合摩耗量は、従来部材についての比較例１の場合
の約１５％に過ぎない。また、焼結合金の比較例２〜４
と比較しても３０〜４０％に減少していることが解る。
に用いた場合、パッド自身の摩耗が少なく、かつ相手部
材のカムを摩耗させ難いという特徴がある。カムとパッ
ドの総合摩耗量は、従来部材についての比較例１の場合
の約１５％に過ぎない。また、焼結合金の比較例２〜４
と比較しても３０〜４０％に減少していることが解る。
なお、本発明の焼結動弁機構部材に軟窒化、浸硫窒化な
どの表面処理を施すことにより、初期摩耗を少なくし、
更に耐摩耗性を向上させることができる。
どの表面処理を施すことにより、初期摩耗を少なくし、
更に耐摩耗性を向上させることができる。
［発明の効果］ 以上の試験結果から明らかなように、本発明はカムおよ
びこれと摺接する相手部材のそれぞれの摩耗ならびに総
合摩耗を著しく減少させるものであり、動弁機構の長寿
命化を図る上で極めて有用なものである。
びこれと摺接する相手部材のそれぞれの摩耗ならびに総
合摩耗を著しく減少させるものであり、動弁機構の長寿
命化を図る上で極めて有用なものである。
各図はエンジン台上試験における動弁機構部材の摩耗状
態を示すグラフであり、第１図および第２図は、それぞ
れ所定のＣｒ添加量におけるＮｉ添加量およびＳｎ添加
量と摩耗量との関係を示すグラフ、第３図はＣｒ添加量
と摩耗量との関係を示すグラフ、および第４図は本発明
に係る部材と従来の部材の摩耗比較試験の結果を示すグ
ラフである。
態を示すグラフであり、第１図および第２図は、それぞ
れ所定のＣｒ添加量におけるＮｉ添加量およびＳｎ添加
量と摩耗量との関係を示すグラフ、第３図はＣｒ添加量
と摩耗量との関係を示すグラフ、および第４図は本発明
に係る部材と従来の部材の摩耗比較試験の結果を示すグ
ラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池ノ上 寛 千葉県松戸市常盤平３丁目26番地の３ (56)参考文献 特開 昭61−64804（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−107470（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−113350（ＪＰ，Ａ)
Claims (1)
- 【請求項１】内燃機関の動弁機構において、カムと摺接
する部材の少なくとも当り面が、下記組成（重量％）の
鉄系焼結合金で形成されていることを特徴とする動弁機
構部材； Ｃ… １〜４％、 Ｃｒ… ５〜３０％、 Ｍｏ…１〜５％、 Ｎｉ…5.5〜１０％、 Ｓｎ…0.2〜５％、 ＷおよびＶの少なくとも１種…0.1〜４％、 ＰおよびＢの少なくとも１種…0.05〜５％、 Ｆｅおよび不可避の不純物…残部。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61149095A JPH0649917B2 (ja) | 1986-06-25 | 1986-06-25 | 内燃機関の動弁機構部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61149095A JPH0649917B2 (ja) | 1986-06-25 | 1986-06-25 | 内燃機関の動弁機構部材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS637350A JPS637350A (ja) | 1988-01-13 |
| JPH0649917B2 true JPH0649917B2 (ja) | 1994-06-29 |
Family
ID=15467584
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61149095A Expired - Fee Related JPH0649917B2 (ja) | 1986-06-25 | 1986-06-25 | 内燃機関の動弁機構部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0649917B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3088174B2 (ja) * | 1992-02-06 | 2000-09-18 | 古野電気株式会社 | 水中探知装置 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58107470A (ja) * | 1981-12-19 | 1983-06-27 | Kawasaki Steel Corp | 焼結部品の製造方法 |
| JPS58113350A (ja) * | 1981-12-28 | 1983-07-06 | Kawasaki Steel Corp | 焼結製品の製造方法 |
| JPS6164804A (ja) * | 1984-09-04 | 1986-04-03 | Toyota Motor Corp | 動弁系摺動部材とその製造方法 |
-
1986
- 1986-06-25 JP JP61149095A patent/JPH0649917B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS637350A (ja) | 1988-01-13 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
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