JP2677813B2 - 高温耐摩耗性鉄系焼結合金 - Google Patents

高温耐摩耗性鉄系焼結合金

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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
(産業上の利用分野) 本発明は、主に自動車エンジン用の弁座素材として利
用され、特に高温における耐摩耗性に優れた鉄系焼結合
金に関するものである。 (従来の技術) 従来、自動車エンジン用の弁座素材としては、主に無
鉛ガソリンに対応した多くの焼結合金が開発されてき
た。 例えば、本件出願人がさきに開発し実用に供した無鉛
ガソリン用弁座(特公昭55−36242号)もその一例であ
り、これは0.5〜3%Ni−0.5〜3%Mo−5.5〜7.5%Co−
0.6〜1.2%C−Fe系の焼結鋼の空孔内に重量比で10%以
上の鉛を含浸したもので、従来材である2〜4%Cr−0.
2〜0.4%Mo−0.2〜0.4%V−0.6〜1.2%C−Fe系の焼結
鋼の空孔内に鉛を含浸したもの(特公昭49−17968号)
に比べると、耐摩耗性が一段と改良されているものであ
った。 (発明が解決しようとする課題) ところが、最近において、自動車エンジンは、高回転
化および高圧縮化等の高動力性能化により、その作動条
件が一段と厳しくなってきており、動弁機構の弁座にお
いても従来にも増して厳しい使用環境に耐えることが不
可避となっている事情から、上記の改良された焼結合金
よりも更に耐摩耗性が良好であり、しかもとくに高温で
の材料強度がより一層高い材料に改善することが望まれ
ているという課題があった。 (発明の目的) 本発明は、このような課題にかんがみてなされたもの
で、高温での材料強度がより一層高く、低温から高温に
至るまで優れた強度および耐摩耗性を示す高温耐摩耗性
鉄系焼結合金を提供することを目的としている。
【発明の構成】
(課題を解決するための手段) 本発明に係る高温耐摩耗性鉄系焼結合金は、上記した
従来の焼結合金(特公昭55−36242号)を基本とし、こ
れを更に改良したもので、従来の焼結合金組成からなる
Ni−Mo−Co−C系鉄合金に、Ni相および耐熱鋼(JIS S
UH相当材)成分の相を分散させた組織とし、また、必要
に応じ空孔内に鉛を含浸したものである。 更に詳しくは、全体の組成が、重量比で、 C:0.48〜1.12%, Ni:3.3〜24.7%, Mo:0.2〜2.6%, Co:2.0〜6.4%, Si:0.17〜1.12%, Mn:0.02〜0.3%, Cr:1.9〜10.3%, および残部実質的にFeよりなり、 基地の組成が、同じく重量比で、 C:0.45〜1.14%, Ni:5.5〜27.2%, Mo:0.4〜2.8%, Co:4.1〜7.1%, および残部実質的にFeよりなり、 且つベイナイト組織またはベイナイト組織とソルバイ
ト組織の混合組織中にオーステナイト組織が分散した組
織の基地中に、同じく重量比で、 C:0.75〜0.95%, Ni:1.15〜1.65%, Si:1.75〜2.25%, Mn:0.2〜0.6%, Cr:19.0〜20.5%, および残部実質的にFeよりなる硬質相が10〜50重量%
分散した組織を呈している合金であることを特徴として
おり、第2請求項に係る合金は、その空孔内に鉛が含浸
されていることを特徴としている。 まず、本発明焼結合金の製造方法を簡単に説明する
と、原料として用いる粉末は、特公昭55−36242号と同
じく、Ni:0.5〜3%,Mo:0.5〜3%,Co:5.5〜7.5%,C:0.
6〜1.2%,残部実質的にFeからなる合金鉄粉に、Ni粉と
黒鉛粉とステアリン酸亜鉛等の潤滑剤を配合し、更に耐
熱鋼粉(JIS SUH4相当のもの)を添加した混合粉であ
る。 成形および焼結は通常の方法で行なわれ、第1請求項
に係る焼結合金が得られる。また、この焼結体を溶融鉛
浴に浸漬し、空孔内に鉛を溶浸することにより第2請求
項の焼結合金が得られる。 次に、このようにして得られる本発明焼結合金を構成
する化学成分の数値範囲の限定理由について説明する。 基本となる合金鉄粉の組成は従来材の基地組成と同じ
であり、各組成範囲は特公昭55−36242号公報に記載さ
れている通りである。 すなわち、NiおよびMoは主に強度の向上に寄与する成
分で、0.5%未満では不十分であり、一方3%を超えて
添加しても費用増加の割に効果が少ない。また、Moを過
剰に入れると耐酸化性が低下する。 Coは5.5%未満では高温硬さが不足し摩耗しやすく、
一方7.5%を超えると原料粉が硬くなり圧縮成形が困難
になる。 Cは黒鉛粉で添加され、焼結体基地中に占める炭素量
は0.6〜1.2%の範囲であり、これよりも少なすぎると充
分な硬さが得られず、多すぎるとセメンタイト組織が析
出し易くなり基地材料が脆化する。また、マトリックス
の組織は、ソルバイト組織とベイナイト組織の混合組織
であるが、炭素量が前記範囲の上限寄りの場合はソルバ
イト組織の量が少なくなり、ベイナイト組織がほとんど
を占めるようになる。 次に、上記の合金にNiを添加し、オーステナイト組織
の形で分散させる着想は、静的な機械強度がかなり向上
し、高温での強度低下が少なくなること、および分散し
たオーステナイト組織は繰返しの疲労強度の向上に効果
があるという知見に基づいている。 Niはカーボニルニッケル粉のような粉末で添加され、
焼結後はマトリックスに斑点状のオーステナイト組織と
する。Ni粉の添加量は前記の合金鉄粉に対して重量比で
5〜25%の範囲であり、5%未満では耐摩耗性および強
度の向上が少なく、また25%を超えて添加しても費用の
増加に比べて効果が少なく、むしろ耐摩耗性および強度
ともに悪くなる傾向を示すようになる。 以上のごとく、基本となる合金鉄粉にNiを添加したの
ちの基地の構成を組成範囲で表わすと、重量比で、 C:0.45〜1.14%, Ni:5.5〜27.2%, Mo:0.4〜2.8%, Co:4.1〜7.1%, Fe:実質的に残部、 となる。 そして、上記組成の基地中に耐食性のある硬質相を分
散させると、耐摩耗性が向上する。特に、弁座のシート
面に付着する燃焼生成物が多量に発生する燃料の場合に
効果が顕著である。 この硬質相は粉末の形で添加するが、必要な要件は、
耐食性に優れており、相手部材を摩耗させない程度に硬
く、多量に添加してもその割に成形性が良く、通常の方
法で焼結できること、等が挙げられる。耐熱鋼粉は、こ
れに合致している。 耐熱鋼粉は市販されている一般的なSUH4相当耐熱鋼と
ほぼ同じ組成であり、重量比で、 C:0.75〜0.95%, Ni:1.15〜1.65%, Cr:19.0〜20.5%, Si:1.75〜2.25%, Mn:0.2〜0.6%, Fe:実質的に残部、 からなるものである。この合金は耐食性が良く、硬いCr
炭化物を多く含み、その割に成形性が良く、比較的に安
価である。 耐熱鋼粉の添加量は、全体組成で10〜50重量%の範囲
であり、10%未満では耐摩耗性の向上が少なく、一方、
50%を超えて添加すると材料強度が低下し、また、耐摩
耗性がかえって悪くなるとともに相手部材を摩耗させ易
くなる傾向を示すようになる。 以上のごとく、従来組成のC−Ni−Mo−Co系合金鉄
に、Niと耐熱鋼を分散させた構成の第1請求項に係る合
金全体の組成は、重量比で、 C:0.48〜1.12%, Ni::3.3〜24.7%, Mo:0.2〜2.6%, Co:2.0〜6.4%, Si:0.17〜1.12%, Mn:0.02〜0.3%, Cr:1.9〜10.3%, および残部実質的にFeよりなるものとなる。 そして、第1請求項に係る焼結合金に鉛を含浸した第
2請求項に係る合金は更に耐摩耗性が向上する。 なお、焼結体の密度は6.9〜7.2g/cm3が最適である。
すなわち、密度が低すぎると摩耗しやすく、反対に高い
密度は成形圧力が高くなり、作業性や押型摩耗の点で不
利であり、また、空孔量の減少にともなって鉛の含浸性
が悪くなる。 (作用) 従来のNi−Mo−Co−C系合金鉄に添加するNiの添加量
による耐摩耗性および強度への影響は次のとおりであっ
た。 まず、重量比で、Ni:1.5%,Mo:1.5%,Co:6.5%および
残部実質的にFeからなる粒度100メッシュ以下のアトマ
イズ合金鉄粉と、オーステナイト組織形成用にカーボニ
ルニッケル粉とを用意した。 次に、試料の作製は、上記アトマイズ合金鉄粉に、黒
鉛粉1.0%と潤滑剤としてステアリン酸亜鉛0.8%を添加
した混合粉と、さらに上記カーボニルニッケル粉を0
(すなわち添加せず),5,10,15,20,25および30重量%添
加した各混合粉を準備し、焼結密度が7.0g/cm3となるよ
うに成形密度を調整して所定形状に成形した後、アンモ
ニア分解ガス雰囲気炉中で温度:1160℃,時間:30分間の
焼結を行なって各焼結体を得た。 これら試料の顕微鏡組織は、基地がベイナイト組織と
少量のソルバイト組織の混合組織であり、カーボニルニ
ッケルを添加したものは白色のオーステナイト組織が分
散しているものとなっていた。 次に、各試料の常温での圧環強さと、これら材料から
なる弁座を供試材として模擬エンジン試験機を用いて各
弁座ごとの摩耗量を比較した。 この摩耗試験機は、LPG燃焼ガスで弁および弁座を所
定の温度に加熱しながらカム軸をモーターで駆動する機
構をもつものであって、温度,回転数,弁のスプリング
圧力などを任意に設定でき、短時間のうちに苛酷な試験
を行うことができるものである。 なお、相手材となる弁の材質は、21−4N(21%Cr−4
%Ni−Fe系耐熱鋼)を用い、弁座の温度を300℃に設定
して、30時間連続運転した後の弁座と相手弁の総合摩耗
量を測定した。 第1図は、圧環強さと総合摩耗量の測定結果を示すも
のであり、圧環強さは、Ni粉の添加が5%以上で効果が
認められ、10〜20%で最高値を示したのち、再び緩かに
低下している。 また、弁座の摩耗量も同様な傾向を示し、15〜25%で
最も摩耗が少なく、25%を超えると僅かに摩耗増加傾向
を示している。 従って、Ni粉の添加量は下限を5%とし、上限を25%
とするのがよいことが確かめられた。 この結果、焼結体の基地の組成は、重量比で、 C:0.45〜1.14%, Ni:5.5〜27.2%, Mo:0.4〜2.8%, Co:4.1〜7.1%, および残部実質的にFeの範囲よりなるものとするのが
適していることが確かめられた。 次に、上記組成の基地中に耐熱性のある硬質相として
耐熱鋼を粉末の形で添加する場合に、この耐熱鋼粉の添
加量による耐摩耗性および強度への影響は次のとおりで
あった。 ここで用いた試料は、前述のNiの添加量による耐摩耗
性および強度への影響を調べた場合において、Ni粉の添
加量が15%の混合粉と、組成が、C:0.85%,Ni:1.4%,S
i:1.9%,Mn:0.4%,Cr:20.0%および残部実質的にFeより
なる耐熱鋼粉(SUH4相当)を上記混合粉に0(すなわち
添加せず),10,30,50および70重量%添加した各混合粉
を準備し、焼結密度が7.0g/cm3となるように成形密度を
調整して所定形状に成形した後、前述の場合と同様にア
ンモニア分解ガス雰囲気炉中で温度:1160℃,時間:30分
間の焼結を行なって各焼結体を得た。また、これらの焼
結体の一部を550℃の溶融鉛浴中に浸漬して、8気圧の
加圧力を加えることにより、空孔内に鉛を溶浸した試料
も用意した。 ここで、耐熱鋼粉を添加した試料の顕微鏡組織は、基
地がベイナイト組織と少量のソルバイト組織の混合組織
中に、オーステナイト組織と、細かな金属炭化物が分散
した組織の硬質相とが、斑点状に分散しており、鉛溶浸
材は空孔内に鉛が認められるものであった。 次に、前述の場合と同様にして、各試料の常温での圧
環強さと、これら材料からなる弁座を供試材として模擬
エンジン試験機を用いて各弁座ごとの摩耗量を比較し
た。その結果を第2図に示す。 第2図に示すように、圧環強さは耐熱鋼粉の添加量が
多くなるにつれて低下する傾向にあり、添加量が50%を
超えると著しく低下する。 また、摩耗量は総合摩耗量と弁座の摩耗量で示してあ
るが、先ず、点線で示してある鉛を溶浸していない焼結
体試料を用いた弁座の耐摩耗性向上は、耐熱鋼粉10%以
上で効果が認められ、50%を超えるとかえって摩耗が増
加している。そして、特に総合摩耗量と弁座摩耗量の
差、即ち相手弁の摩耗が大きくなる。次に、実線で示し
てある鉛溶浸した試料においても摩耗に対する傾向は同
じであるが、鉛を含浸していない焼結体試料の場合より
も一段と摩耗量が少なくなっている。 従って、耐熱鋼粉の添加量は下限を10%とし、上限を
50%とするのがよいことが確かめられた。 この結果、焼結体の全体の組成は、重量比で、 C:0.48〜1.12%, Ni:3.3〜24.7%, Mo:0.2〜2.6%, Co:2.0〜6.4%, Si:0.17〜1.12%, Mn:0.02〜0.3%, Cr:1.9〜10.3%, および残部実質的にFeの範囲よりなるものとするのが
適していることが確かめられた。 (実施例) 重量比で、Ni:1.5%,Mo:1.5%,Co:6.5%および残部実
質的にFeからなる粒度100メッシュ以下のアトマイズ合
金鉄粉に、黒鉛粉1.0%と潤滑剤としてステアリン酸亜
鉛0.8%を添加し、さらにカーボニルニッケル粉を15重
量%と、組成が、C:0.85%,Ni:1.4%,Si:1.9%,Mn:0.4
%,Cr:20.0%および残部実質的にFeよりなる耐熱鋼粉
(SUH4相当)を30重量%添加した混合粉を準備し、焼結
密度が7.0g/cm3となるように成形密度を調整して所定形
状に成形した後、アンモニア分解ガス雰囲気炉中で温
度:1160℃,時間:30分間の焼結を行なって焼結体を得
た。また、焼結体の一部を550℃の溶融鉛浴中に浸漬し
て、8気圧の加圧力を加えることにより、空孔内に鉛を
溶浸した焼結体を得た。そして、各焼結体から本発明実
施例合金よりなる弁座を作製した。 ここで、Ni粉および耐熱鋼粉を添加した弁座の顕微鏡
組織は、基地がベイナイト組織と少量のソルバイト組織
の混合組織中に、オーステナイト組織と、細かな金属炭
化物が分散した組織の硬質相とが、斑点状に分散してお
り、鉛溶浸したものは空孔内に鉛が認められるものであ
った。 (比較例) 重量比で、Ni:1.5%,Mo:1.5%,Co:6.5%および残部実
質的にFeからなる粒度100メッシュ以下のアトマイズ合
金粉鉄に、黒鉛粉1.0重量%と潤滑剤としてステアリン
酸亜鉛0.8%を添加し、カーボニルニッケル粉と耐熱鋼
粉を添加しない混合粉を準備し、焼結密度が7.0g/cm3
なるように成形密度を調整して所定形状に成形した後、
アンモニア分解ガス雰囲気炉中で温度:1160℃,時間30
分間の焼結を行なって焼結体を得た。そして、前記焼結
体から比較例の合金よりなる弁座を作製した。 試験例1 この試験例1においては、前記実施例および比較例で
得た焼結体(弁座)の温度と圧環強さとの関係を測定し
た。その結果を第3図に示す。 第3図に示すように、本発明材は、圧環強さが比較材
にくらべてより大きな値を示し、また高温においても圧
環強さの低下量が著しく少ないものであったが、比較材
では圧環強さが低くしかも300℃を越えると圧環強さの
低下量が著しく多いものであった。 試験例2 次に、前記実施例および比較例で作製した各弁座を4
気筒2000ccのガソリンエンジンに組み込み、相手材とな
る弁の材質として21−4N(21%Cr−4%Ni−Fe系耐熱
鋼)からなるものを用いて、台上耐久試験を行った。 このとき、エンジンの回転数は6000rpmであり、1000
時間と200時間運転後の弁座摩耗量を調べた。この結果
を第4図に示す。 第4図に示す結果より明らかなように、本発明合金か
らなる弁座は摩耗量が少なく、比較合金からなる弁座に
対して一段と優れているものであり、鉛を含浸させたも
のの方が摩耗量はさらに少なくなっていた。
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明に係わる系焼結合金は、Ni
−Mo−Co−C系鉄合金に、オーステナイト組織形成用の
Niと、耐食性硬質相形成用の耐熱鋼組成のものとを分散
させたものとし、必要に応じて空孔内に鉛を含浸させて
なるものであるから、従来合金に比較して材料強度が優
れているだけでなくとくに高温での材料強度の低下が著
しく少ないために高温での材料強度がかなり高く、低温
から高温に至るまで優れた強度および耐摩耗性を示し、
とりわけ自動車エンジンの稼動条件が厳しい場合に弁座
素材として有用なものであるという著しく優れた効果が
もたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図はNi−Mo−Co−C系合金鉄に添加するNi粉添加量
による耐摩耗性および強度への影響を調べた結果を示す
グラフ、第2図はNi−Mo−Co−C系合金鉄にNiを添加し
た基材中に添加する耐熱鋼粉の添加量および鉛溶浸の有
無による耐摩耗性および強度への影響を調べた結果を示
すグラフ、第3図は比較材と本発明材の高温における圧
環強さを示すグラフ、第4図はエンジン耐久試験による
比較材と本発明材からなる弁座の摩耗量を比較試験した
結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池ノ上 寛 千葉県松戸市常盤平3―26―3―102 (72)発明者 青木 徳眞 千葉県柏市南増尾727―25 (56)参考文献 特開 平1−152247(JP,A) 特開 平1−68447(JP,A) 特開 昭60−251258(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】全体の組成が、重量比で、 C:0.48〜1.12%, Ni:3.3〜24.7%, Mo:0.2〜2.6%, Co:2.0〜6.4%, Si:0.17〜1.12%, Mn:0.02〜0.3%, Cr:1.9〜10.3%, および残部実質的にFeよりなり、 基地の組成が、同じく重量比で、 C:0.45〜1.14%, Ni:5.5〜27.2%, Mo:0.4〜2.8%, Co:4.1〜7.1%, および残部実質的にFeよりなり、 且つベイナイト組織またはベイナイト組織とソルバイト
    組織の混合組織中にオーステナイト組織が分散した組織
    の基地中に、同じく重量比で、 C:0.75〜0.95%, Ni:1.15〜1.65%, Si:1.75〜2.25%, Mn:0.2〜0.6%, Cr:19.0〜20.5%, および残部実質的にFeよりなる硬質相が10〜50重量%分
    散した組織を呈していることを特徴とする高温耐摩耗性
    鉄系焼結合金。
  2. 【請求項2】全体の組成が、重量比で、 C:0.48〜1.12%, Ni:3.3〜24.7%, Mo:0.2〜2.6%, Co:2.0〜6.4%, Si:0.17〜1.12%, Mn:0.02〜0.3%, Cr:1.9〜10.3%, および残部実質的にFeよりなり、 基地の組成が、同じく重量比で、 C:0.45〜1.14%, Ni:5.5〜27.2%, Mo:0.4〜2.8%, Co:4.1〜7.1%, および残部実質的にFeよりなり、 且つベイナイト組織またはベイナイト組織とソルバイト
    組織の混合組織中にオーステナイト組織が分散した組織
    の基地中に、同じく重量比で、 C:0.75〜0.95%, Ni:1.15〜1.65%, Si:1.75〜2.25%, Mn:0.2〜0.6%, Cr:19.0〜20.5%, および残部実質的にFeよりなる硬質相が10〜50重量%分
    散した組織を呈している合金であって、その空孔内に鉛
    が含浸されていることを特徴とする高温耐摩耗性鉄系焼
    結合金。
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