JP2733773B2 - ロッカアーム - Google Patents

ロッカアーム

Info

Publication number
JP2733773B2
JP2733773B2 JP21584188A JP21584188A JP2733773B2 JP 2733773 B2 JP2733773 B2 JP 2733773B2 JP 21584188 A JP21584188 A JP 21584188A JP 21584188 A JP21584188 A JP 21584188A JP 2733773 B2 JP2733773 B2 JP 2733773B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rocker arm
less
cast iron
matrix
wear resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP21584188A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0264208A (ja
Inventor
義勝 中村
治 川村
創一 霜村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Piston Ring Co Ltd
Original Assignee
Nippon Piston Ring Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Piston Ring Co Ltd filed Critical Nippon Piston Ring Co Ltd
Priority to JP21584188A priority Critical patent/JP2733773B2/ja
Publication of JPH0264208A publication Critical patent/JPH0264208A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2733773B2 publication Critical patent/JP2733773B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐摩耗性と耐スカッフィング性の高い鋳鉄材
を用いたロッカアームに関する。
[従来の技術] カムシャフトやバルブと高面圧で当接するロッカアー
ムは高い耐摩耗性を備えなければならないが、ロッカア
ーム本体又は当接部のチップとしては従来、チル鋳鉄、
鋳鋼、焼結合金などが用いられている。
[発明が解決しようとする問題点] しかるにこれらの材料で製造されたロッカアームは、
焼結合金の場合、冷間鍛造スチール本体に焼結チップを
ろう付け又は焼着したものであるが、製造コストが高く
なっていた。またチル鋳鉄や鋳鋼の場合、高性能、高負
荷となりつつある昨今のエンジンに用いたとき接触面圧
の増加により著しい摩耗が発生するようになり、これら
従来材程度の耐摩耗性では不十分となりつつある。
一方、(Cr・Fe)7C3などの硬質の炭化物を含むために優
れた耐摩耗性を示すことで知られている25〜35%Cr含有
鋳鉄があるが、フェライトが析出する傾向があるために
高回転、高負荷のエンジンに用いた場合はやはり耐摩耗
性に乏しい。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、成分組成が重量%で、C:2.5〜3.7%、Si:
1.0〜2.0%、Mn:0.5〜1.0%、Cr:10〜20%、Ni:0.3〜0.
7%、P:0.3%以下、S:0.1以下、Ti、Bの少とも1つを
0.1〜1.0%および必要に応じてW、Mo、V、Nb、Ta:1種
又は2種以上で1〜10%、残部Feと不可避的不純物から
なり、パーライト及び/又はマルテンサイト基地中にCr
を主体とする炭化物が均一に析出した鋳鉄材を少なくと
も当接部に用いたロッカアームを提供し前記問題点を解
決するものである。
本発明のロッカアームはカムシャフトやバルブとの当
接部のチップを鋳鉄材で製造してスチール本体やアルミ
本体とろう付け、鋳ぐるみなどの手段により複合化する
こともできるが、望ましくは製造コストを低くするため
にシェル型やロストワックス型などを使ったり鋳造によ
り一体成形される。
また鋳鉄材は鋳放しでパーライト基地の状態で十分に
優れた耐摩耗性を有するが、焼入れマルテンサイト基地
やパーライトとマルテンサイトの混合基地、あるいは鋳
放し後や焼入後の窒化によって表面に高硬度の窒化化合
物層を形成すればさらに高い耐摩耗性が得られる。
以下に成分組成を上記の通りに限定した理由を説明す
る。
C成分は基地に固溶してこれを強化し、かつ(Cr・Fe)7
C3などCrを主体とする硬質の炭化物やその他の炭化物を
形成し、耐摩耗性を向上させる作用がある。2.5%未満
では炭化物の析出量が不足して耐摩耗性が得られず、3.
7%を超えると炭化物の析出量が過多となり、相手材に
対する攻撃性が過剰となり、また加工性も悪くなる。
Si成分の添加量は1.0%未満では溶湯の融点が高くな
り鋳込みの際に湯回りが悪くなる。また2.0%を超える
と炭化物の形成を阻害し黒鉛が析出するので耐摩耗性が
低下する。
Mn成分は一部が炭化物を形成し、一部は基地に固溶し
て基地組織のパーライト化を促進すると共に焼入性を向
上させる作用がある。0.5%未満ではこれらの効果が得
られず、1.0%を超えると炭化物の析出量が過多となる
かあるいは基地がマルテンサイトのとき炭化物周辺の基
地の焼戻し脆性を生じさせ、材料を脆化させる。
Cr成分は基地に固溶してこれを強化すると共に耐熱耐
食性を向上させる。また本発明の鋳鉄材は高Crであるこ
とが特徴であり、(Cr・Fe)7C3などのCrを主体とする炭化
物を形成してこれが高硬度であるために優れた耐摩耗性
を発揮する。10%未満では炭化物の析出量が少なく耐摩
耗性に劣る。また20%を超えると基地がフェライト化し
易くなりやはり耐摩耗性が低下する。
Ni成分は基地を緻密にして強化し、また焼入性を向上
させる作用がある。0.3%未満ではこれらの効果が得ら
れず、0.7%を超えると効果が飽和し、かえって経済的
に不利となる。
Ti、B成分はこれらのうち1種又は2種を0.1〜1.0%
添加することによって、これらの炭化物を基地中に析出
させ、耐摩耗性を向上させる。0.1%未満ではその効果
が得られず、1.0%を超えると経済的に不利となる。
P成分は0.3%以下、S成分は0.1%以下とするが、と
もにこれらの範囲を超えると材料を脆化させる。
本発明の鋳鉄材は以上の成分と残部Fe及び鋳鉄として
通常含まれる不可避的成分からロッカアームあるいはロ
ッカアームのチップとして製造すれば鋳放しの状態でパ
ーライト基地となり、さらに焼入れによるマルテンサイ
ト基地あるいは窒化処理による表面硬化によってカムや
バルブとの良好な摺動性が得られる。しかし、これら相
手材との摺動環境によってさらに高い耐摩耗性が必要と
なれば、W、Mo、V、Nb、Taなどの炭化物形成元素を任
意に1種又は2種以上で1〜10%含有させる。1%以下
では耐摩耗性向上の効果がなく、10%を超えると経済的
に不利となる。
[実施例] 以下、本発明を実施例により説明する。
(試験方法) 配合組成を変えた1450〜1550℃の溶湯をロストワック
ス型に鋳込んで第1表に示すNo.1〜12の組成の本発明鋳
鉄材とNo.13〜16の組成の比較鋳鉄材からなるロッカシ
ャフト式のロッカアームを製造した。(比較材において
は×印を付した部分で本発明の成分組成範囲から外れて
いる。) これらについて、鋳放しのもの、全面に900℃×60分
で油焼入れしたもの、焼入れ後に580℃×90分で塩浴軟
窒化したものを用意し、基地組織観察、硬度の測定、実
機耐久試験を行った。耐久試験は各々のロッカアームを
4気筒OHCエンジンに、ノーズ部をチル化した鋳鉄カム
シャフト(C:3.3、Si:2.2、Mn:0.75、P:0.18、S:0.06、
Cu:0.21、Cr:0.85、Mo:0.19、B:0.04、Fe:残り、以上重
量%)とともに組込み、使用オイル:SAE10W、回転数:10
00rpm、試験時間:200時間の条件で運転を行ない、供試
材であるロッカアームのパッド面の摩耗量および相手材
であるカムシャフトのノーズ面の摩耗量を測定した。
(試験結果) 第1表に示す測定結果からわかるように、比較材にお
いてはロッカアーム自体と相手材であるカムシャフトの
うちいずれか一方あるいは両者の摩耗量が多く、スカッ
フィングを発生したものもあるのに対して、本発明材に
おいてはロッカアームの摩耗量が少なく、またカムシャ
フトの摩耗量も比較的少ない。
また基地硬さについては本発明材で焼入れを行なった
ものはHRC62以上を示し、焼入れ後の窒化により焼戻し
されたものは基地が軟化するが、表面の窒化層は周知の
如く著しく硬くなる。
なお第1表の基地組織についてはパーライトはP、マ
ルテンサイトはM、フェライトはFで表わした。P+F
はパーライトとフェライトの混合である。
[発明の効果] 上述のように本発明のロッカアームは優れた耐摩耗
性、耐スカッフィング性を有し、特に高負荷のかかるエ
ンジンに使用した場合に優れた性能を発揮する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−36643(JP,A) 特開 昭60−125349(JP,A) 特開 昭59−35659(JP,A) 特開 昭61−119657(JP,A) 特開 昭61−6253(JP,A) 特開 昭57−116113(JP,A) 特開 昭62−50447(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成分組成が重量%で、C:2.5〜3.7%、Si:
    1.0〜2.0%、Mn:0.5〜1.0%、Cr:10〜20%、Ni:0.3〜0.
    7%、Ti、Bのうち1種又は2種で0.1〜1.0%、P:0.3%
    以下、S:0.1%以下、残部Feと不可避的不純物からな
    り、パーライト及び/又はマルテンサイト基地中にCrを
    主体とする炭化物が均一に析出した鋳鉄材を少なくとも
    当接部に用いたロッカアーム。
  2. 【請求項2】成分組成が重量%で、C:2.5〜3.7%、Si:
    1.0〜2.0%、Mn:0.5〜1.0%、Cr:10〜20%、Ni:0.3〜0.
    7%、Ti、Bのうち1種又は2種で0.1〜1.0%、及び
    W、Mo、V、Nb、Ta:1種又は2種以上で1〜10%、P:0.
    3%以下、S:0.1%以下、残部Feと不可避的不純物からな
    り、パーライト及び/又はマルテンサイト基地中にCrを
    主体とする炭化物が均一に析出した鋳鉄材を少なくとも
    当接部に用いたロッカアーム。
JP21584188A 1988-08-30 1988-08-30 ロッカアーム Expired - Fee Related JP2733773B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21584188A JP2733773B2 (ja) 1988-08-30 1988-08-30 ロッカアーム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21584188A JP2733773B2 (ja) 1988-08-30 1988-08-30 ロッカアーム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0264208A JPH0264208A (ja) 1990-03-05
JP2733773B2 true JP2733773B2 (ja) 1998-03-30

Family

ID=16679153

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21584188A Expired - Fee Related JP2733773B2 (ja) 1988-08-30 1988-08-30 ロッカアーム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2733773B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2541092B2 (ja) * 1993-02-12 1996-10-09 株式会社栗本鐵工所 肉厚大型などの耐摩耗鋳鉄材の製造方法
JP3440008B2 (ja) * 1998-11-18 2003-08-25 日本ピストンリング株式会社 焼結部材
JP2007267052A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Hitachi Metals Ltd 非可逆回路素子

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0264208A (ja) 1990-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4870931A (en) Rocker arm having wear resistant scuffing resistant portion
JP2506333B2 (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金
JPS6034624B2 (ja) 内燃機関の動弁機構部材
EP0371760B1 (en) High strength high chromium cast iron and valve rocker arm made thereof
JP2733773B2 (ja) ロッカアーム
JP3382326B2 (ja) 鋳鉄製摺動部材
JPH07103451B2 (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金
TW200538559A (en) The crank shaft excellent in bending fatigue strength
JP3468126B2 (ja) 冷間加工性にすぐれたマルテンサイト系耐熱鋼
JP2594505B2 (ja) ロッカアーム
JP2001234305A (ja) 焼結部材
JPH07316754A (ja) 鋳包みカムシャフト用カムロブに使用する合金及びそれを使用したカムロブ
JP2866868B2 (ja) ピストンリング材
JPH0264210A (ja) ロッカアーム
JP2564489B2 (ja) 高強度、高靱性および耐摩耗性を有するロッカ−ア−ム
JPH0264209A (ja) ロッカアーム
JP2581025B2 (ja) 高強度および高靭性を有するロッカーアーム用耐摩耗性Fe基鋳造合金
JPS6367542B2 (ja)
JPS60255958A (ja) 耐摩耗性焼結合金
JPH0264211A (ja) ロッカアーム
JPH07116551B2 (ja) 浸炭用鋼
JP3187975B2 (ja) 耐スカッフィング性と耐摩耗性に優れた摺動部材用焼結合金
JPS6164854A (ja) 耐摩耗性焼結合金
JPH076027B2 (ja) 耐摩耗性鉄基焼結合金の製造方法
JPH04128347A (ja) 内燃機関の動弁機構用焼結合金

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees