JPH0649612U - コーナーパネルの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コーナーパネルを施工性良く躯体に取り付け
る。 【構成】 梁１２の角部の上下には、上部金物２０及び
下部金物３０を介してコーナーパネル１１が取り付けら
れている。上部金物２０は、梁１２の角部上面を覆って
３個のボルト１３にて固定される固定片部２１と、この
固定片部２１に対しほぼ直角となるように折曲された一
対の取付片部２２とからなる。下部金物３０は、梁１２
の角部下面を覆ってボルト１３にて固定される固定片部
３１と、この固定片部３１に対しほぼ直角となるように
下向きに折曲された一対の取付片部３２と、各取付片部
３２に対してほぼ直角となるように固定片部３１とは反
対側に折曲して一体に形成された受け片部３３とからな
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、躯体のうち柱がないコーナー部にコーナーパネルを取り付けるため のコーナーパネルの取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば形鋼を組み合わせて構成した躯体に軽量気泡コンクリート（以下「ＡＬ Ｃ」という）製等のパネルを取り付けて外壁を構成する建築物では、躯体のコー ナー部にパネルと同材質で断面Ｌ字形に形成したコーナーパネルを取り付けるこ とがある。この場合、躯体のコーナー部に柱が位置していれば、その柱にコーナ ーパネルを固定することになるが、コーナー部に開口部を設ける等の事情によっ てコーナー部に柱がないときには、躯体の梁にコーナーパネルを取り付けなけれ ばならない。

【０００３】 この種のコーナーパネルの取付構造としては、従来より図５及び図６に示した ものが公知である。同図において、梁１はＨ形鋼により形成され、躯体のコーナ ー部において直角に組み合わされている。コーナーパネル２はＡＬＣ製であって 断面Ｌ字形をなして上下に長い。梁１のコーナー部にはＬ形鋼を短く切断した２ 個の取付アングル３が角部の両側に溶接により固定され、ここにコーナーパネル ２を貫通して設けたフックボルト４が更に溶接され、これにてコーナーパネル２ が躯体に固定されるのである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記構成では、取付アングル３を梁１に溶接した上、ここにフック ボルト４を溶接しなくてはならず、２度の溶接作業が必要になって施工性に劣る という欠点がある。

【０００５】 そこで、本考案の目的は、施工性に優れたコーナーパネルの取付構造を提供す るところにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るコーナーパネルの取付構造は、コーナーパネルの上部と躯体とを 連結する上部金物と、コーナーパネルの下部と躯体とを連結する下部金物とを備 えてなり、上部金物は、躯体を構成する梁の角部にボルトにて固定される固定片 部と、この固定片部に対しほぼ直角となるように折曲されて一体に形成されコー ナーパネルの左右両内側面にネジにてそれぞれ固定される一対の取付片部とから なり、下部金物は、躯体を構成する梁の角部にボルトにて固定される固定片部と 、この固定片部に対しほぼ直角となるように折曲されて一体に形成されコーナー パネルの左右両内側面にネジにてそれぞれ固定される一対の取付片部と、この各 取付片部に対してほぼ直角となるように折曲されて一体に形成されコーナーパネ ルの下端面を角部の左右両側において受ける一対の受け片部とからなるところに 特徴を有する。

【０００７】

【作用】

上記手段の構成にあってコーナーパネルを躯体に取り付けるには、まず上部金 物及び下部金物を躯体の梁にボルトで固定しておく。次に、コーナーパネルを躯 体の角部に宛がい、コーナーパネルの下端部を下部金物の受け片部に載せて仮保 持し、コーナーパネルをネジにて上部金物及び下部金物の各取付片部に固定する 。これにてコーナーパネルが躯体に確実に取り付けられたことになる。

【０００８】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案の取付構造によれば、上部金物及び下部金物を梁に ボルトで固定し、ここにコーナーパネルをネジ止めするという極めて簡単な作業 によって取付作業が完了し、施工性に優れるという効果を奏する。

【０００９】

【実施例】

以下本考案の一実施例について、図１ないし図４を参照して説明する。

【００１０】 躯体１０は形鋼を組み合わせて構成されており、コーナーパネル１１が取り付 けられる角部にはＨ形鋼製の２本の梁１２が直角に接合されている。この梁１２ の角部の上下には、次に詳述するように上部金物２０及び下部金物３０を介して コーナーパネル１１が取り付けられている。

【００１１】 上部金物２０は図３に示す形態で、本実施例の場合、約３mmの厚さの鋼板をプ レスにより曲げ加工して製造されている。詳細には、梁１２の角部上面を覆う固 定片部２１と、この固定片部２１に対しほぼ直角となるように折曲された一対の 取付片部２２とからなる。固定片部２１には梁１２の内側角部に対応して三角形 の切欠部２１ａが形成されると共に、ほぼ中央とその左右の対称位置にボルト１ ３を挿通させるための計３個のボルト挿通孔２１ｂが形成されている。また、各 取付片部２２は互いに９０度の角度をなすように設けられ、コーナーパネル１１ の左右両内側面に図２に示すように宛がわれてそれぞれタッピンネジ１４にてコ ーナーパネル１１と連結される。

【００１２】 一方、下部金物３０は図４に示す形態で、本実施例の場合、やはり約３mmの厚 さの鋼板をプレスにより曲げ加工して製造されており、梁１２の角部下面を覆う 固定片部３１と、この固定片部３１に対しほぼ直角となるように下向きに折曲さ れた一対の取付片部３２と、各取付片部３２に対してほぼ直角となるように固定 片部３１とは反対側に折曲して一体に形成された受け片部３３とからなる。固定 片部３１には、上部金物２０と同様に、ほぼ中央とその左右の対称位置にボルト １３を挿通させるための計３個のボルト挿通孔３１ａが形成されている。また、 各取付片部３２は、やはり互いに９０度の角度をなすように設けられ、コーナー パネル１１の左右両内側面に宛がわれるようになっており、タッピンネジ１４に てコーナーパネル１１と連結される。そして、受け片部３３は矩形状をなし、コ ーナーパネル１１の下端面を角部の左右両側において受けることができるように なっている。

【００１３】 なお、図２に示すように、このコーナーパネル１１の左右両側には平板状のＡ ＬＣパネル１５が取り付けられている。その取付構造は、公知のものであり、鋼 板を段差が生ずるように曲げ加工した一般に稲妻プレートと称する取付板１６を 利用している。すなわち、梁１２にＬ形鋼からなる定規アングル１７をボルト１ ８にて固定すると共に、ＡＬＣパネル１５のアンカーナット１５ａにボルト１９ をねじ込んで取付板１６を取り付け、ボルト１９を締め付けることにより、取付 板１６とＡＬＣパネル１５とで定規アングル１７を挟むのである。

【００１４】 次に、本実施例におけるコーナーパネル１１の取付手順について説明する。 まず、上部金物２０及び下部金物３０の各固定片部２１，３１をボルト１３に て梁１２に固定する。この取付状態では、上部金物２０の取付片部２２が上向き となり、下部金物３０の取付片部３２が下向きになって受け片部３３がほぼ水平 に延びる。次に、コーナーパネル１１を躯体１０の梁１２の角部に宛がい、その 下端面を下部金物３０の受け片部３３に受け止めさせる。そして、その状態でコ ーナーパネル１１の外側からタッピンネジ１４を同パネル１１を貫通させるよう に打ち込み、上部金物２０及び下部金物３０の各固定片部２１，３１に螺合させ る。これにて、コーナーパネル１１の取り付けが完了する。なお、タッピンネジ １４の打ち込み後は、その貫通孔１４ａをモルタル等にて充填しておけばよい。 また、コーナーパネル１１及びＡＬＣパネル１５の下端面には、図１に示すよう に取付部材４１を介して小口化粧枠４２を取り付ければよい。

【００１５】 このように本実施例によれば、コーナーパネル１１の取り付けに際しては、上 部金物２０及び下部金物３０を梁１２にボルト１３にて固定し、ここにコーナー パネル１１を宛がってネジ１４にて取り付ければよく、溶接作業が全く不要にな る。この結果、コーナーパネル１１の取付作業を、特別な技能を要することなく 迅速且つ確実に行うことができるようになり、施工性が大幅に向上する。 なお、本考案は前記実施例に限定されることなく、本考案の根本的技術思想を 踏襲しその効果を著しく損なわない限度において種々変更して実施できる。例え ば、図３に示す上部金物２０や図４に示す下部金物３０を製作するとき、１枚の 鋼板を曲げ加工して製作する代わりに、１枚の鋼板から適度の形状、大きさの板 片を複数枚裁断してそれらの板片を溶接等により接合して上記図同様の上下部金 物を製作することができる。また、前記実施例において２部材を一体化するのに 溶接したり、ボルト止めしたりできるように記載したが、これらの接合法は必要 に応じて任意に変更することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す縦断面図

【図２】同横断面図

【図３】上部取付金物の斜視図

【図４】下部取付金物の斜視図

【図５】従来の取付構造を示す縦断面図

【図６】同横断面図

【符号の説明】

１０…躯体 １１…コーナーパネル １２…梁 １３…ボルト １４…タッピンネジ ２０…上部金物 ２１…固定片部 ２２…取付片部 ３０…下部金物 ３１…固定片部 ３２…取付片部 ３３…受け片部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 板井 明彦 愛知県名古屋市中区錦１丁目13番26号 小 野田エー・エル・シー株式会社内 (72)考案者 盛岡 優 愛知県尾張旭市下井町下井2035番地 小野 田エー・エル・シー株式会社開発研究所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 躯体の角部にコーナーパネルを取り付け
   る構造であって、前記コーナーパネルの上部と前記躯体
   とを連結する上部金物と、前記コーナーパネルの下部と
   前記躯体とを連結する下部金物とを備え、 前記上部金物は、前記躯体を構成する梁の角部にボルト
   にて固定される固定片部と、この固定片部に対しほぼ直
   角となるように折曲されて一体に形成され前記コーナー
   パネルの左右両内側面にネジにてそれぞれ固定される一
   対の取付片部とからなり、 前記下部金物は、前記躯体を構成する梁の角部にボルト
   にて固定される固定片部と、この固定片部に対しほぼ直
   角となるように折曲されて一体に形成され前記コーナー
   パネルの左右両内側面にネジにてそれぞれ固定される一
   対の取付片部と、この各取付片部に対してほぼ直角とな
   るように折曲されて一体に形成され前記コーナーパネル
   の下端面を角部の左右両側において受ける一対の受け片
   部とからなることを特徴とするコーナーパネルの取付構
   造。