JPH0726496Y2 - 壁パネル設置構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はパネル面を交叉させて躯体床上に立設された２
枚の壁パネルの側辺同志を連結してなるコーナー部にお
ける壁パネル設置構造に関する。

［従来の技術］ 従来の壁パネルのコーナー部の留付構造として、躯体の
床から支柱を立て、この支柱に対し壁パネルをクランプ
で留め付けたものがある（例えば実開昭63-125003
号）。

また、別の従来例として、水平断面形状がＷ字形の支柱
状の連結部材を立て、この支柱状連結部材に壁パネルの
側辺を受け入れる嵌合部を設け、壁パネルの側辺を該嵌
合部に嵌合させるようにしたものがある（実願昭58-626
42号）。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来例のうち、前者のものにあっては、壁パネルの
連結作業を専ら壁パネルの背後側で行なう必要があり、
作業性が悪いという問題があった。

また、後者のものにあっては、一方の壁パネルと連結部
材とがビス留めされるが、他方の壁パネルと連結部材と
は単に嵌合されるだけであり、壁パネル同志の連結強度
が不足するという問題があった。

［課題を解決するための手段］ 本考案の壁パネル設置構造は、パネル面を交叉させて躯
体床上に立設された２枚の壁パネルの側辺同志を連結し
てなるコーナー部における壁パネル設置構造において、
躯体の床上に設置された板状体であって、壁パネルの位
置決め用の起立片を有し、該起立片に前記壁パネルの下
端が係合されたベースフレームと、一方の第１の壁パネ
ルの背面及び側面に当接された第１のＬ字形状部と、他
方の第２の壁パネルの背面及び側面に当接された第２の
Ｌ字形状部と、これらＬ字形状部同志を連結しており、
第１及び第２の壁パネルのパネル面に対し斜交する方向
に面を向けている斜交面部とを有したバックフレーム
と、第１の壁パネルの前面に当接した第１当接部と、第
２の壁パネルの前面に当接した第２当接部と、これら第
１当接部及び第２当接部を連結しており、かつ前記バッ
クフレームの斜交面部にほぼ平行な連結部とを有したフ
ロントフレームと、該フロントフフレームの連結部の表
面側から螺装されており、該連結部と前記バックフレー
ムの斜交面部とを留め付けている螺子部材と、第１及び
第２の壁パネルの上端部にそれぞれ連結されると共に、
躯体の壁面に取り付けられたトップフレームと、を備え
たことを特徴とするものである。

［作用］ かかる本考案の壁パネル設置構造においては、まず躯体
床上にベースプレートを起き、その上にバックフレーム
及び壁パネルを立て、トップフレームにより壁パネルの
上部を躯体の壁に固定する。次いで、フロントフレーム
を壁パネルの交叉隅部に表側から当てがい、ビス等の螺
子部材を表側から螺装してフロントフレームとバックフ
レームとを連結する。

かかる本考案構造にあっては、壁パネルの連結作業をす
べて壁パネルの表側から行なえる。また、壁パネルの側
縁部がバックフレームとフロントフレームとで挟持され
るから、壁パネル同志の連結強度が高い。

さらに、壁パネルの側辺縁がフロントフレームとバック
フレームとで挟持されるので、壁パネルの側辺縁の曲げ
剛性が高められ、壁パネルの中間部が前方に膨らみ出す
如く変形する「はらみ」現象も防止される。

［実施例］ 以下図面を参照して実施例について説明する。

第１図は本考案の実施例に係る壁パネル設置構造を示す
組立斜視図、第２図及び第３図はそれぞれ同実施例構造
を示す平断面図であり、第２図は第１図のII-II線に沿
う断面を示し、第３図は第１図のIII-III線に沿う断面
を示している。

符号10は躯体の床であり、12、14はそれぞれ交叉（本実
施例では直交）している躯体の壁を示す。この壁12、14
に沿うようにパネル面を交叉させて２枚の壁パネル16、
18が立設される。

壁パネル16、18の立設を行なうには、まず躯体の床10上
にベースフレーム20を設置する。本実施例では、このベ
ースフレーム20の下側に該ベースフレーム20を位置決め
するためのボトムプレート22が配置されている。このボ
トムプレート22は、辺縁部にそれぞれ垂直片22a、22bを
有しており、この垂直片22a、22bがそれぞれ壁12、14に
当接するように該ボトムプレート22が床10上に配置され
る。

ベースフレーム20は、壁パネル16を受入れるための平行
な前部起立片24及び中央部起立片26と、壁パネル18の下
端を受け入れるための平行な前部起立片28及び中央部起
立片30とを有している。さらに、このベースフレーム20
は壁パネル16、18の側端部の位置決めを行なうために側
端部起立片32、34が立設されている。

また、ベースフレーム20の背後側の辺縁部には後部起立
片36、38が立設されており、これら後部起立片36、38に
アジャスタボルト40、42が螺着されている。このアジャ
スタボルト40、42の先端が前記垂直片22a、22bに当接す
るように、ベースフレーム20をボトムプレート22上に載
置すると共に、該アジャスタボルト40、42を回すことに
よりベースフレーム20の位置決めを行なう。

ベースフレーム20の位置決め完了後、側端部起立片32、
34及び中央部起立片26、30に沿わせるようにして、略Ｗ
字形の水平断面形状のバックフレーム44をベースフレー
ム20上に立設する。このバックフレーム44は、壁パネル
16の背面及び側面に当接する第１のＬ字形状部44aと、
壁パネル18の背面及び側面に当接する第２のＬ字形状部
44bと、これらＬ字形状部44a、44b同志を連結する斜交
面部44cを有している。この斜交面部44cは、壁パネル1
6、18のパネル面に対し45°の角度にて交叉する方向を
向いている。

バックフレーム44をベースフレーム20上に立設した後、
壁パネル16、18をベースフレーム20上に載置する。そし
て、次にトップフレーム46を壁パネル16、18の上部に係
合させる。本実施例では、トップフレーム46は平面形状
がＬ字形であり、かつ壁パネル16、18の上端をのみ込み
得るように下向きコ字形状のアングル材よりなる。

また、トップフレーム46には、それぞれ長孔48、50を有
したブラケット52、54が溶接などにより固着されてい
る。このブラケット52、54はボルト53及びナットにより
連結されたＬ金具56、58を介して躯体の壁12、14のアン
カーボルト60、62に取り付けられる。なお、Ｌ金具56、
58には、前記長孔48、50と直交方向に延びる長孔56a、5
8aが穿設されており、トップフレーム46の位置の調節を
行なうことができるよう構成されている。

トップフレーム46により壁パネル16、18の上部を壁12、
14に対し支持させた後、壁パネル16、18の前方側からフ
ロントフレーム64を当てがい、このフロントフレーム64
をビス（螺子部材）66でバックフレーム44に固定させ
る。このフロントフレーム64は、壁パネルの前面に当接
する第１当接部64aと、壁パネル18の前面に当接する第
２当接部64bと、これら当接部64a、64b同志を連結して
おり、バックフレーム44の斜交面部44cとほぼ平行とな
る連結部64cを有している。

この連結部64cが斜交面部44cに対面するようにフロント
フレーム64を配置した後、前記ビス66をこの連結部64c
を通してバックフレーム44の斜交面部44cに螺じ込む。
ビス66を十分に螺じ込むことにより、壁パネル16、18の
側縁部がフロントフレーム64とバックフレーム44との間
で強力に挟持される。これにより壁パネル16、18同志の
連結が行なわれる。

かかる本実施例構造にあっては、壁パネル16、18の連結
作業をすべて壁パネル16、18の表側から行なうことがで
きる。また、壁パネル16、18の側縁部がバックフレーム
44とフロントフレーム64とで挟持されるから、壁パネル
16、18同志の連結強度がきわめて高い。

また、壁パネル16、18の側辺縁が両フレーム44、64で挟
持されることから、壁パネル16、18の曲げ剛性が高めら
れる。そして、このため、壁パネル16、18の中間部が前
方に膨らみ出す如く変形する膨み現象も防止される。

なお、本実施例にあっては、ボトムプレート22を設け、
アジャスタボルト40、42によりベースフレーム20の位置
決めを行なえるようにしたので、ベースフレーム20の位
置決めの作業がきわめて正確に、しかも容易かつ迅速に
行なえる。

［効果］ 以上の通り、本考案の壁パネル設置構造にあっては、壁
パネルの連結作業を壁パネルの表側から行なうことがで
き、作業が簡単に行なえる。また、壁パネル同志の連結
強度がきわめて高いと共に、壁パネルの側辺縁の曲げ剛
性が向上され、壁パネルの中間部が前方に膨らみ出す如
く変形する現象が確実に防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例構造を示す組立斜視図、第２図
及び第３図は同構造を示す水平断面図である。 10……躯体の床、12、14……躯体の壁、16、18……壁パ
ネル、20……ベースフレーム、22……ボトムプレート、
44……バックフレーム、46……トップフレーム、64……
フロントフレーム、66……ビス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パネル面を交叉させて躯体床上に立設され
   た２枚の壁パネルの側辺同志を連結してなるコーナー部
   における壁パネル設置構造において、 躯体の床上に設置された板状体であって、壁パネルの位
   置決め用の起立片を有し、該起立片に前記壁パネルの下
   端が係合されたベースフレームと、 一方の第１の壁パネルの背面及び側面に当接された第１
   のＬ字形状部と、他方の第２の壁パネルの背面及び側面
   に当接された第２のＬ字形状部と、これらＬ字形状部同
   志を連結しており、第１及び第２の壁パネルのパネル面
   に対し斜交する方向に面を向けている斜交面部とを有し
   たバックフレームと、 第１の壁パネルの前面に当接した第１当接部と、第２の
   壁パネルの前面に当接した第２当接部と、これら第１当
   接部及び第２当接部を連結しており、かつ前記バックフ
   レームの斜交面部にほぼ平行な連結部とを有したフロン
   トフレームと、 該フロントフフレームの連結部の表面側から螺装されて
   おり、該連結部と前記バックフレームの斜交面部とを留
   め付けている螺子部材と、 第１及び第２の壁パネルの上端部にそれぞれ連結される
   と共に、躯体の壁面に取り付けられたトップフレーム
   と、 を備えたことを特徴とする壁パネル設置構造。