JPH0649276A - 糊化澱粉を含む生分解性プラスチック組成物及びその製造方法 - Google Patents

糊化澱粉を含む生分解性プラスチック組成物及びその製造方法

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JPH0649276A
JPH0649276A JP31989991A JP31989991A JPH0649276A JP H0649276 A JPH0649276 A JP H0649276A JP 31989991 A JP31989991 A JP 31989991A JP 31989991 A JP31989991 A JP 31989991A JP H0649276 A JPH0649276 A JP H0649276A
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gelatinized starch
polyester resin
biodegradable plastic
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
NICHIDEN KAGAKU KK
Chuo Kagaku Co Ltd
Nippon Starch Chemical Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
NICHIDEN KAGAKU KK
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Nippon Starch Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 澱粉を含む成形可能な生分解性プラスチック
及びその製造方法を提供する。 【構成】 糊化澱粉と、生分解性を有し融点が45〜1
30℃である脂肪族ポリエステルを含む混合物を含む成
形可能な生分解性プラスチック。未糊化粒子澱粉又は糊
化澱粉と、生分解性を有し融点が45〜130℃である
脂肪族ポリエステルを、その未糊化粒子澱粉(乾燥物基
準)に対して1〜45重量%の水分の存在下で溶融混練
し、成形することを特徴とする生分解性プラスチックの
製造方法。生分解性を有し融点が45〜130℃である
脂肪族ポリエステル系樹脂10〜60重量%と糊化澱粉
90〜40重量%からなる溶融混練物を、式 100>η(B)/η(A)≧0.8 η(A)≧600 (前記式中、η(A)は押出温度での脂肪族ポリエステル
系樹脂の粘度(ポイズ)を示し、η(B)は押出温度での
糊化澱粉の粘度(ポイズ)を示す)を満足する条件で押
出機先端のダイスから押出することを特徴とする請求項
3の生分解性プラスチックの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性プラスチック
とその製造方法に関する。ここで言う生分解性とは、微
生物(細菌、菌類)あるいは酵素の作用を受けて分解
し、最終的に最初の形状を残さない事を示す。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】プラスチックは、工業、
商業等の分野において様々な用途に利用され、その使用
量はますます増加してきている。しかしプラスチックの
有する多くの利点が環境問題上災いして.、種々の問題
を引き起こしている。一般的にプラスチックは生分解性
がほとんどなく、自然環境下においては長期間にわたっ
てほとんど変化せず、変化するとしてもほとんどの場合
非常に緩慢なものである。自然環境下において分解しな
いプラスチックが廃棄あるいは放置されると、その形状
がそのまま残り、環境汚染の原因となる。石油系プラス
チックに代わる新しい生分解性プラスチックを提供しよ
うとする試みが数多くなされている。その中でプラスチ
ックと澱粉を混合溶融して生分解性を付与しようとする
方法が盛んに行われている。ANTEC’89,135
1−1355頁には、ポリエチレンに粒子状の変性澱粉
を混練した物が生分解性を有していると提案されてい
る。また、米国特許第4,138,784号及び第4,
337,181号明細書には、澱粉及びエチレン/アク
リル酸共重合体(EAA)からなる組成物が記載されて
おり、また可撓性で耐水性、熱溶接性を持つ生分解性の
フィルムについて開示されている。特開平3−3133
3号公報にはエチレン/ビニルアルコール共重合体及び
変性澱粉よりなる組成物及びその製造法が開示されてお
り、優れた引裂抵抗および穿孔抵抗を持ち、酸素、二酸
化炭素遮断フィルムとして有用であるとしている。しか
しながら、ANTEC’89,135−1355頁に開
示されている澱粉とポリエチレンとの混合物は、ポリエ
チレンマトリックスの中に生分解性を有する澱粉粒子が
フィラーとして存在しているだけで、ポリエチレンその
ものは生分解性を有さない。従ってフィラーとしての澱
粉粒子が微生物、或いは酵素などによって分解されたと
しても、マトリックスであるポリエチレンはそのまま残
存する事となり、生分解性プラスチックとは言い難い。
さらに、ポリエチレンの配合率が高く、澱粉粒子はポリ
エチレンによってほぼ完全にマスキングされており、微
生物、或いは酵素等が澱粉粒子に直接作用しにくい状態
となっている。このため、成形したフィルムが厚いとき
などは生分解性をほとんど有さないものとなってしま
う。
【0003】一方、米国特許第4,133,784号明
細書に開示されている糊化澱粉とエチレン/アクリル酸
共重合体との複合体は、単なる澱粉とポリエチレンとの
混合物に比較して、物理的性質や耐水性等の面で優れて
いるが、逆に生分解性に関しては、その速度は減速され
る事が判明している。またエチレン/アクリル酸共重合
体は生分解性プラスチックではなく、微生物等による分
解はほとんど期待できないポリマーである。この組成物
は、キャスティング、簡単な押出しまたはローリング
(圧延)によりフィルムに成形出来る。しかしこれらの
方法は工程が煩雑で製造時間が長くかかり、さらにコス
ト的にも高くつく。特開平3−31333号公報に開示
されているエチレン/ビニルアルコール共重合体と変性
澱粉よりなる組成物に関しては、エチレン/ビニルアル
コール共重合体の組成に関しての明確な説明がなく、ま
たこの共重合体自身の生分解については全く開示されて
いない。また、変性澱粉を押出機で混練する際、押出温
度が120〜170℃であり、含有水分による発泡が問
題となるが、この問題を、高沸点可塑剤の存在下で澱粉
固有の水分以外、ほとんど水を加えない事で解決しよう
としている。しかしながら、澱粉固有の水分含量におい
ても、120〜170℃の温度で押出しを行った場合、
完全に発泡を抑える事は不可能である。そして、成形し
たフィルムにその発泡に起因するピンホール等が存在す
れば、機械的強度、物性面において種々の問題が生じ、
はなはだ好ましくない。このような生分解性の改善され
た様々なポリマーが研究されているが、生分解性の点
で、また製造法の点で未だ満足する物がないと言うのが
現状である。また、澱粉を含むプラスチックは、耐水性
に劣ることがその使用上の大きな問題となっている。例
えば、糊化澱粉を含むプラスチックは、これを水中に放
置すると、その澱粉が溶出する。従って、澱粉を含むプ
ラスチックにおいては、その耐水性の改善が強く要望さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
見られる前記問題を解決し、澱粉を含む成形可能な生分
解性プラスチック及びその製造方法を提供するととも
に、澱粉を含む耐水性にすぐれた生分解性プラスチック
及びその製造方法を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明によれば、糊化澱粉
と、生分解性を有し融点が45〜130℃である脂肪族
ポリエステル系樹脂を含む混合物を含む生分解性プラス
チックが提供される。また、本発明によれば、未糊化粒
子澱粉又は糊澱粉と、生分解性を有し融点が45〜13
0℃である脂肪族ポリエステルを、その澱粉に対して1
〜45重量%の水分の存在下で溶融混練することを特徴
とする生分解性プラスチック組成物の製造方法が提供さ
れる。さらに、本発明によれば、生分解性を有し融点が
45〜130℃である脂肪族ポリエステル系樹脂をマト
リックス樹脂とし、そのマトリックス樹脂中に糊化澱粉
が40〜90重量%の割合で混合分散していることを特
徴とする生分解性プラスチックが提供される。さらにま
た、本発明によれば、生分解性を有し融点が45〜13
0℃である脂肪族ポリエステル系樹脂10〜60重量%
と糊化澱粉90〜40重量%からなる溶融混練物を、式 100>η(B)/η(A)≧0.8 η(A)≧600 (前記式中、η(A)は押出温度での脂肪族ポリエステル
系樹脂の粘度(ポイズ)を示し、η(B)は押出温度での
糊化澱粉の粘度(ポイズ)を示す)を満足する条件で押
出機先端のダイスから押出することを特徴とする請求項
3の生分解性プラスチックの製造方法が提供される。な
お、前記粘度η(A)及びη(B)は、フローテスター(オリ
フィス径:1mm)で測定したものである。
【0006】本明細書において用いる「澱粉」という用
語は、一般に天然または植物起源の、アミロースおよび
/またはアミロペンチンよりなる澱粉や澱粉含有物及び
それらの変性体の全てを包含する。澱粉としては、例え
ば、馬鈴薯澱粉、玉蜀黍澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱
粉、米澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、ワキシーコンス、ハ
イアミロースコンス、小麦粉、米粉等が挙げられる。ま
た、変性澱粉としては、澱粉にモノマー、例えばアクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、オレフィン、ス
チレン等をグラフト共重合されたものや、脂肪酸を反応
させたもの、その他、これらをデキストリン化、酸化、
酸処理、アルファー化処理、エーテル化、エステル化、
架橋化したものも用いることができる。等が挙げられる
他、水分を含む澱粉をそのガラス転移点温度及び融解温
度より高い温度に加熱した構造変性澱粉(EP0327
505 A2)が包含される。さらに、グアーガム、キ
チン、キトサン等の多糖類も使用することができる。糊
化澱粉という用語は、一般に言う、水中で糊化温度以上
で糊化した澱粉又はその変性体を表す事はもちろんであ
るが、水分の非常に少ない状態で、澱粉顆粒の構造破壊
が起こった澱粉を表すものである。プラスチックという
用語は、成形原料としての組成物及びその組成物を成形
して得られる成形品の両者を含むものである。
【0007】本発明で用いる生分解性を有し融点が45
〜130℃である脂肪族ポリエステル系樹脂としては、
従来公知のもの、例えば、ポリエチレンアジペート、ポ
リエチレンスベレート、ポリエチレンアゼレート、ポリ
エチレンデカメチレート、ポリテトラメチレンサクシネ
ート、ポリテトラメチレンアヂペート、ポリプロピオラ
クトン、ポリカプロラクトン、それらの脂肪族ポリエス
テルにポリアミドをブロック的に共重合させたもの等が
挙げられるが、これに限定されるものではない。この中
でポリカプロラクトンは物性も優れており、しかも高分
子量のものも容易に得られ、かつ比較的安価であり、現
在市場で商品化されており好ましいものである。本発明
で用いる脂肪族ポリエステル系樹脂の融点は、45〜1
30℃、好ましくは50〜120℃であるが、その融点
が低すぎると成形後、常温においても熱による変形が起
こり、使用上好ましくない。一方、その融点が高すぎる
と、成形時における水分の蒸発による発泡が著しくな
り、その充分な脱気が難しく、成形物中の気泡を完全に
除去する事が困難となる。本発明の糊化澱粉と脂肪族ポ
リエステル系樹脂からなるプラスチックにおいて、糊化
澱粉の含有率は、2〜98%、好ましくは10〜95重
量%、さらに好ましくは40〜90重量%である。
【0008】本発明のプラスチックは、必要に応じ、生
分解性を有する高沸点可塑剤を含有することができる。
このような可塑剤としては、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、分子量
200〜4000のポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール等が挙げられる。その添加量としては
糊化澱粉重量に対して0.5〜100重量%が好まし
い。さらに、本発明のプラスチックは、ある性質を付与
するのに適した他の添加剤を含有することができる。こ
のような添加剤としては、例えば、耐候性を向上させる
ための紫外線安定剤や、殺菌剤、除草剤、肥料、酸化防
止剤、界面活性剤、充填剤、澱粉老化防止剤、顔料等が
挙げられる。これらの添加剤は、この分野の当業者にと
っては公知のものであり、容易に常套量で使用できる。
【0009】本発明のプラスチックを得るには未糊化粒
子澱粉又は糊化澱粉と、生分解性を有し融点が45〜1
30℃である脂肪族ポリエステル系樹脂と、必要に応じ
て添加される補助添加剤(可塑剤やその他の添加剤)を
水分の存在下、その脂肪族ポリエステル系樹脂の融点以
上の温度で溶融混練する。未糊化澱粉を原料澱粉として
用いる場合には、この混練により、澱粉の糊化が起り、
澱粉粒子は溶融状態で脂肪族ポリエステル系樹脂と均一
に混合する。次に、この溶融混合物を、ペレット状、シ
ート状、フィルム状、容器状等の任意の形状に熱成形す
る。混練系に存在させる水分は、あらかじめ未糊化澱粉
又は糊化澱粉に含有させて混練系に供給し得る他、混練
に際して外部から供給することもできる。混練系におけ
る水分の存在量は、澱粉(乾燥物基準)に対し、1〜4
5重量%、好ましくは12〜35重量%である。
【0010】本発明のプラスチックの製造においては、
押出機を用いて、未糊化澱粉の糊化と、混練と、成形を
同時に行って成形品とすることができる。この場合、水
分や添加剤は、その少なくとも一部を押出機のフィード
部や中間部において、ポンプやサイドフィーダ等で供給
することができる。この場合、混練系における総水分量
は、未糊化澱粉に対して1〜45重量%であるが、水分
が少なすぎると、押出機中においてももはや糊状にはな
らず、多すぎると澱粉がスラリー状となってしまい、押
出機中で糊化させる事が非常に困難となるので好ましく
ない。本発明において好ましく用いる脂肪族ポリエステ
ルは、ポリカプロラクトンである。このポリカプロラク
トンを用いる場合、その混練温度は70〜130℃、好
ましくは80〜110℃である。
【0011】本発明のプラスチックにおいて、その好ま
しい構造のものは、脂肪族ポリエステル系樹脂をマトリ
ックスとし、その中に糊化澱粉が混合分散した構造のも
のである。このようなプラスチックは、耐水性の悪い糊
化澱粉が、耐水性の良好な脂肪族ポリエステル系樹脂に
よって覆われているため、耐水性の悪い糊化澱粉を含む
にもかかわらず、良好な耐水性を有するものである。こ
の場合、プラスチック中の糊化澱粉の含有率は40〜9
0重量%、好ましくは40〜80重量%にするのがよ
い。前記のような脂肪族ポリエステル系樹脂がマトリッ
クスとなったプラスチックを好ましく得るには、脂肪族
ポリエステル系樹脂と糊化澱粉からなる溶融混練物を、
前記した式(1)及び式(2)を満足する条件で押出機
先端のダイスから低圧帯域へ押出す。好ましいη(B)及
びη(A)の範囲は次の通りである。 100>η(B)/η(A)≧0.8 (3) η(A)≧600 (4) 前記式(1)及び(2)で表わされる押出条件は、脂肪
族ポリエステル系樹脂の分子量や種類、糊化澱粉の水分
含有率等を選ぶことによって得ることができる。また、
この押出機を用いるプラスチックの製造においては、押
出機に供給する澱粉は、未糊化粒子澱粉であることがで
き、また糊化澱粉であることができる。押出機に供給す
る好ましい原料は、脂肪族ポリエステル系樹脂と糊化澱
粉からなるペレットである。
【0012】
【発明の効果】本発明のプラスチックは、生分解性を示
すとともに、熱成形が可能であり、かつ耐水性にもすぐ
れたもので、生分解によってその体積を著しく減少させ
る事が出来る。従って、本発明のプラスチック成形品を
用いる事によって、プラスチック廃棄物処理上の問題を
解決する事が出来る。本発明のプラスチック成形品は、
使用後、粉砕するか又はそのまま土中に埋設したり、水
中に投入する事により廃棄処理する事が出来る。本発明
のプラスチックは、フィルム、シート、板体、発泡体等
の各種の形状の成形品にする事が可能である。従って、
本発明のプラスチックは、ケース、ボトル、容器などの
ディスポーサブル包装用材料などの日用品、温室ハウス
用フィルム、地表被覆用フィルム、苗木用ポット、肥料
用袋、徐放性農薬材料などの農業材料、レジャーバッ
ク、釣り用品包装材料等のレジャー用品及びドラックデ
リバリーシステム材料に好適に用いられる。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は、これらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、以下において示す%は重量%を示す。
【0014】実施例1 ニーダー中に粒状のコーンスターチ(水分13.2%)
9217gをいれ、水873gを噴霧して(無水澱粉重
量当たりの総加水量25.0%)、約1時間混合した
後、ポリカプロラクトン2000gを加え約30分間混
合した。この混合物を二軸押出機のホッパー部に投入
し、フィード速度10.0Kg/hr、スクリュウ回転
数100rpm、バレルの温度勾配30−80−95℃
の条件で、Tダイを用いて押し出した。この場合押出温
度95℃でのη(A)は113,000ポイズ、η(B)は1
600,000ポイズであり、η(B)/η(A)は14.2
であった。得られたフィルムには気泡が全くなく、均一
なものであった。
【0015】実施例2〜4 実施例1における水の量を次表の通り変化させて同様の
操作を行った。得られたフィルムは気泡を全く有さず、
均一なものであった。
【0016】
【表1】
【0017】実施例5 粒状のコーンスターチ(水分13.2%)を110℃の
乾燥機の中に入れ総加水量が6.0%になるように乾燥
を行った。このコーンスターチ8511gとポリカプロ
ラクトン2000gをニーダー中で約1時間混合し、実
施例1と同様な操作を行って気泡の全くない均一なフィ
ルムを得た。
【0018】比較例1 実施例1において、ポリカプロラクトンを混合せずコー
ンスターチのみでフィルムを調製した。
【0019】実施例6〜9 実施例1におけるポリカプロラクトン(PCL)の量を
次表のような変化させて同様の操作を行った。
【0020】
【表2】
【0021】実施例10 (耐水性試験)上記実施例1〜9、比較例1において調
製したフィルム0.1gを約100μmの厚さにスライ
スし、この切片を30℃の水20mlの中で16時間振
とうした。次いでそのろ過液のTOC(全有機炭素濃
度)を測定した。その結果をη(B)/η(A)との関連で次
表に示す。
【0022】
【表3】
【0023】表3より明らかなように、比較例1に比較
して実施例はいずれの場合にもほとんどTOCの値を示
さなかった。言い換えれば水中においてその澱粉成分は
ほとんど溶出せず、耐水性を備えていると言える。
【0024】実施例11 (生分解試験)実施例10と同様にフィルム0.1gを
100μmにスライスし、20mlの水中でα−アミラ
ーゼ及びリパーゼを作用させて、30℃、16時間後の
TOCを測定した。その結果を次表に示す。
【0025】
【表4】
【0026】なお、ポリカプロラクトンのみのフィルム
を同様な方法でTOC測定した場合、その値は350p
pmである。表4より明らかように、本発明フィルムは
全て良好な酵素分解性を示している。
【0027】実施例12 ニーダー中に酸処理澱粉(水分13.8%)9732g
をいれ、水277g、およびグリセリン800gの混合
溶液を噴霧して(無水澱粉重量当たりの総加水量25.
0%、グリセリンの添加量10.0%)、約1時間混合
した後、ポリプロピオラクトン2000gを加え約30
分間混合した。この混合物を二軸押出機のホッパー部に
投入し、フィード速度15.0Kg/hr、スクリュー
回転数160rpm、バレル温度勾配30−85−10
5℃の条件でTダイを用いて押し出した。この場合、η
(B)/η(A)は69.0であった。得られたフィルムは柔
軟で、わずかの気泡もなく均一なものであった。このフ
ィルムの耐水性試験におけるTOCは81ppm、生分
解性試験のTOCは2211ppmでこれはグリセリン
の溶出に起因するものであると思われる。
【0028】実施例13 実施例12において、酸処理澱粉の代わりに白デキスト
リを使用し、ポリプロピオラクトンの代わりにポロエチ
レンアジペートを使用した以外は同様の操作を行った。
この場合、η(B)/η(A)は81.3であった。得られた
フィルムは同様に気泡もなく均一であった。このフィル
ムの耐水性試験におけるTOCは70ppm、生分解性
試験のTOCは1300ppmでこれはグリセリンの溶
出、起因するものであると思われる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 391011825 中央化学株式会社 埼玉県鴻巣市宮地3丁目5番1号 (74)上記3名の代理人 弁理士 池浦 敏明 (72)発明者 常盤 豊 茨城県つくば市東1丁目1番3号 工業技 術院微生物工業技術研究所内 (72)発明者 高木 繁幸 京都府京都市下京区塩小路通烏丸西入東塩 小路町614 財団法人 地球環境産業技術 研究機構内 (72)発明者 小山 政利 京都府京都市下京区塩小路通烏丸西入東塩 小路町614 財団法人 地球環境産業技術 研究機構内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糊化澱粉と、生分解性を有し融点が45
    〜130℃である脂肪族ポリエステル系樹脂との混合物
    を含む生分解性プラスチック。
  2. 【請求項2】 未糊化粒子澱粉又は糊化澱粉と、生分解
    性を有し融点が45〜130℃である脂肪族ポリエステ
    ル系樹脂を、その澱粉に対して1〜45重量%の水分の
    存在下で溶融混練することを特徴とする生分解性プラス
    チックの製造方法。
  3. 【請求項3】 生分解性を有し融点が45〜130℃で
    ある脂肪族ポリエステル系樹脂をマトリックス樹脂と
    し、そのマトリックス樹脂中に糊化澱粉が40〜90重
    量%の割合で混合分散していることを特徴とする生分解
    性プラスチック。
  4. 【請求項4】 生分解性を有し融点が45〜130℃で
    ある脂肪族ポリエステル系樹脂10〜60重量%と糊化
    澱粉90〜40重量%からなる溶融混練物を、式 100>η(B)/η(A)≧0.8 η(A)≧600 (前記式中、η(A)は押出温度での脂肪族ポリエステル
    系樹脂の粘度(ポイズ)を示し、η(B)は押出温度での
    糊化澱粉の粘度(ポイズ)を示す)を満足する条件で押
    出機先端のダイスから押出することを特徴とする請求項
    3の生分解性プラスチックの製造方法。
JP3319899A 1991-10-04 1991-11-07 糊化澱粉を含む生分解性プラスチック成形品及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2631050B2 (ja)

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