JPH08283458A - 生分解性組成物 - Google Patents
生分解性組成物Info
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- JPH08283458A JPH08283458A JP9516895A JP9516895A JPH08283458A JP H08283458 A JPH08283458 A JP H08283458A JP 9516895 A JP9516895 A JP 9516895A JP 9516895 A JP9516895 A JP 9516895A JP H08283458 A JPH08283458 A JP H08283458A
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Abstract
り、かつ生分解性に優れた生分解性樹脂組成物の提供。 【構成】 油脂加工澱粉糊化物と生分解性樹脂とを含む
生分解性組成物。油脂加工澱粉糊化物(乾物基準)の配
合量は、例えば10〜99重量%の範囲であり、生分解
性樹脂(乾物基準)の配合量は、例えば90〜1重量%
の範囲である。油脂加工澱粉と生分解性樹脂とを水又は
水及び可塑剤の存在下で加熱混練することによる上記生
分解性組成物の製造方法。
Description
を含む生分解性の組成物に関する。さらに詳しくは、澱
粉として油脂加工澱粉糊化物を用い、澱粉配合による機
械的性質の低下を防ぎつつ、生分解性を向上させた生分
解性複合プラスチック組成物及びその製造方法に関す
る。
分解性樹脂の開発が活発になってきている。これらの樹
脂は、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリビニルアル
コールなどの化学合成系、ポリヒドロキシブチレート・
バリレート共重合体などの微生物系、アセチルセルロー
スなどの天然物利用系等に分けられている。さらに、こ
れらの樹脂に澱粉を配合してコストダウンや生分解性の
改善を行うことが提案され、一部実用化されている。
特開平2−14228号、特開平3−31333号、特
開平4−248851号、特開平5−331315号、
特開平6−207047号等に開示されている。これら
に開示されている複合体では、澱粉を添加することによ
り生分解性は改善されるが、強度や伸長率等の機械的性
質が大幅に低下して脆くなるという問題がある。そのた
め、実用的には、澱粉の樹脂に対する添加量も制限され
ることになる。
生分解性樹脂組成物も知られている。例えば、特開平3
−56543号には澱粉グラフトコポリマー、特開平3
−70752号にはアニオン性修飾澱粉、特開平3−7
4445号にはカチオン性修飾澱粉、特開平3−744
46号にはヒドロキシアルキル基及び/又はアルキルエ
ーテル基を含み、及び/又はエステル基を含む様に化学
的に改質されている澱粉を澱粉成分としてそれぞれ用い
た、生分解性組成物が開示されている。しかるに、これ
ら加工澱粉を用いた生分解性組成物においても機械的性
質の低下を充分に抑制することはできなかった。
澱粉を添加することによる機械的特性の低下を防止し、
かつ生分解性を高めた組成物として、油脂加工澱粉と生
分解性樹脂とを含む生分解性の複合体組成物を開発し、
先に特許出願した〔特願平6−231954号)。油脂
加工澱粉を含む上記生分解性複合体組成物は、従来の組
成物に比べて機械的特性及び生分解性ともに優れたもの
であった。しかし、実用的には、さらに機械的特性及び
生分解性が向上した生分解性組成物の提供が望まれてい
る。特に、生分解性の向上とコストの低減の観点から、
澱粉の配合比率が高い生分解性組成物の提供が望まれて
いる。
は、樹脂と澱粉とからなる生分解性が改善された複合体
組成物であって、機械的性質が樹脂単独の場合とほぼ同
等であり、かつ生分解性に優れた生分解性樹脂組成物を
提供することにある。本発明者は、油脂加工した澱粉の
糊化物を生分解性を有する樹脂に複合化させることによ
り、上記目的を達成できることを見出した。
糊化物と生分解性樹脂とを含むことを特徴とする生分解
性組成物に関する。さらに本発明は、油脂加工澱粉と生
分解性樹脂とを水又は水及び可塑剤の存在下で加熱混練
することを特徴とする上記本発明の組成物の製造方法に
関する。以下に、本発明について詳細に説明する。
ら公知のものである。例えば、油脂と澱粉を過乾燥して
加工することにより得られる油脂加工澱粉を挙げること
ができる〔特公昭45−32878号〕。この油脂加工
澱粉は、油脂、油脂類縁物質、脂肪酸又はその誘導体の
1種又は2種以上の混合物を澱粉に吸着させ、更にこれ
に熱を加えて熟成することにより得られるものである。
油脂は、植物油でも動物油でもよく、例えば大豆油、菜
種油、亜麻仁油、オリーブ油、豚脂、魚脂等を挙げるこ
とができる。油脂類縁物質は、例えば大豆レシチンのよ
うなリン脂質、モノグリセライド、ジグリセライド等で
ある。脂肪酸とは、油脂の構成成分である脂肪酸であれ
ば特に制限はない。
酸のエステル、アミド及び塩類などであり、脂肪酸のエ
ステルとは、例えばメチールアルコール、エチールアル
コール、アミールアルコール等と脂肪酸類とのエステル
である。脂肪酸のアミドとは、前記脂肪酸類のアミド及
び脂肪酸とアミノ酸類とのアミドである。脂肪酸の塩類
とは、脂肪酸のナトリウム、カリウムなどのアルカリ金
属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属
及びアンモニウム等の塩類である。
澱粉を例示することもできる〔特開昭53−11582
6号〕。肝油を用いた油脂加工澱粉は、油脂の1種であ
る肝油を澱粉粉体に添加し、これを十分に混合吸着させ
ることにより得られる。ここで「肝油」は、タラ肝油、
サメ肝油など魚類肝臓から得られる脂肪油の他、イカ
油、鯨肝油、鰯油等の魚油も包含し、1種又は2種以上
を混合して用いることができる。
油脂加工澱粉を例示することもできる〔特開昭54−1
1247号〕。上記肝油以外に高いヨウ素価を示す油脂
を澱粉に混合吸着させた油脂加工澱粉も本発明において
使用することができる。ヨウ素価130以上の油脂とし
ては、動物油、植物油を問わず使用できる。そのような
油脂としては、サフラワー油(ヨウ素価122〜15
0)、エゴマ油(ヨウ素価162〜208)、アマニ油
(ヨウ素価187〜197)、アサ実油(ヨウ素価14
1〜175)、イワシ油(ヨウ素価163〜195)、
サバ油(ヨウ素価136〜178)などを例示すること
ができる。
工澱粉を例示することもできる〔特開昭56−7857
2号〕。油脂として大豆粕を用いた油脂加工澱粉は、澱
粉に対して生大豆粉を0.1〜20重量%、好ましくは
0.3〜3重量%の割合で混合し、100℃以下、特に
60〜80℃の温度範囲で3〜6時間加熱することによ
り得ることができる。
澱粉には特に制限はない。例えば、馬鈴薯澱粉、甘薯澱
粉、タピオカ澱粉等の地下澱粉及び、小麦澱粉、コーン
スターチ、サゴ澱粉、米澱粉等の地上澱粉を用いること
ができる。また、その状態も粉体澱粉あるいはスラリー
状、ケーキ状澱粉等いずれであってもよい。澱粉中の油
脂添加量は、澱粉と油脂類の種類により、適宜変化させ
ることができ、例えば、澱粉100重量部当たり、0.
1〜5.0重量部、好ましくは0.5〜2.0重量部の
範囲とすることが適当である。
に吸着させ、さらに必要により加熱熟成することによ
り、油脂加工澱粉とすることができる。例えば、澱粉ケ
ーキ及び粉体の場合には油脂類を水又は有機溶媒に溶解
もしくは分散せしめてスプレーし、澱粉スラリーの場合
は、スラリーに油剤を溶解又は分散させて攪拌すること
により油脂類を澱粉に吸着させることができる。油脂類
の種類によっては、加熱熟成することなしに油脂加工澱
粉として使用し得る。加熱熟成は、例えば、30〜18
0℃の温度で、1時間〜10日の範囲で行うことができ
る。また、加熱熟成と湿式で油脂類を吸着させた澱粉の
乾燥とを同時に行うこともできる。この乾燥は、バンド
ドライヤー、フラッシュドライヤー等の通常澱粉の乾燥
に使われる乾燥機を用い、澱粉の平衡水分にまで乾燥す
ることにより、油脂類を澱粉に均一に混合吸着させるこ
とができる。但し、熟成を充分に行うという観点から
は、油脂加工澱粉は1%以下の水分まで乾燥するのが適
当である。
用いる。澱粉の糊化とは、一般に、水等の存在下で加熱
すると澱粉粒が不可逆的に膨潤又は溶解し、結晶性及び
複屈折性を失い、粘度が上昇した状態をいう。本発明に
おける澱粉糊化物は、結晶性及び複屈折性を実質的に示
さないものをいう。尚、結晶性及び複屈折性の喪失は、
澱粉粒を偏光顕微鏡で観察し、未糊化澱粉では見られた
形成中心で交差した偏光十字が、見られなくなることで
判定することができる。
水又は水と可塑剤とを加熱混合することにより得ること
ができる。油脂加工澱粉の糊化は、水単独の存在下で行
うことができる。また、水と可塑剤との存在下でも、油
脂加工澱粉を糊化することができ、この場合、水の使用
量を低減でき、成形時の発泡防止に有効である。さら
に、糊化物に可塑剤を含有させることにより、油脂加工
澱粉糊化物と生分解性樹脂との混合及び成形を容易にで
きるという利点もある。
化でき、かつ糊化物に可塑性を付与できるものであれば
特に制限はなく、例えば、生分解性を有する高沸点可塑
剤を挙げることができる。そのような可塑剤の例として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等を挙げることができる。
(乾物基準)100重量部当たり10〜50重量部の水
を用いることが、澱粉を充分に糊化させるという観点か
ら適当である。さらに、好ましくは、油脂加工澱粉(乾
物基準)100重量部当たり10〜20重量部の水を用
いることが、澱粉を充分に糊化させるとともに、生分解
性組成物に添加して成形する際の発泡を防止できるとい
う観点から適当である。
は、油脂加工澱粉(乾物基準)100重量部当たり0.
1〜40重量部の水及び1〜100重量部の可塑剤を用
いることが、澱粉を充分に糊化させ、かつ糊化物に充分
な可塑性を付与できるという観点から適当である。さら
に、好ましくは、油脂加工澱粉(乾物基準)100重量
部当たり0.1〜20重量部の水及び5〜40重量部の
可塑剤を用いることが、澱粉を充分に糊化させるととも
に、生分解性組成物に添加して成形する際の発泡を防止
でき、かつ糊化物に適度な可塑性を付与できるという観
点から適当である。
油脂加工澱粉の種類や、可塑剤を用いる場合には可塑剤
の種類、さらには水や可塑剤の添加量により適宜決定で
きるが、例えば60〜220℃で10〜60分間行うこ
とが適当である。加熱混合は、例えば、加圧ニーダーや
押出し機等を用いて行うことができる。加熱混合により
得られる糊化物は、例えば、ペレット化しておいて、後
に生分解性樹脂と混合することができる。
性樹脂には特に制限はない。それ自身生分解性を有する
樹脂であれば良く、成形性を考慮すると熱可塑性である
ことが適当である。化学合成系樹脂、微生物系樹脂、天
然物利用系樹脂等のいずれに属する樹脂でも良い。例え
ば、脂肪族ポリエステル(例えば、ポリカプロラクト
ン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート・バリレート
共重合体など)、ポリビニルアルコール、アセチルセル
ロース等を挙げることができる。
平均分子量3万〜4万の範囲のジオールとジカルボン酸
を原料とする脂肪族ポリエステル、平均分子量4万〜7
万の範囲のポリカプロラクトン、平均分子量8万〜12
万の範囲のポリ乳酸、平均分子量2万〜9万の範囲のポ
リビニルアルコール、ヒドロキシバリレート分率0〜4
0モル%のポリヒドロキシブチレート・バリレート共重
合体、酢化度43〜55%のアセチルセルロース、メト
キシ含率27.5〜31.5%のメチルセルロース、エ
トキシ含率47.5〜49.0%のエチルセルロースを
挙げることができる。
工澱粉糊化物との相性の良さから、生分解性樹脂が脂肪
族ポリエステルであることが好ましい。生分解性樹脂と
して脂肪族ポリエステルを含む本発明の組成物は、樹脂
のみの場合と比較して、機械的特性がほぼ同等であり、
かつ生分解性は樹脂のみの場合より遙に優れている。脂
肪族ポリエステルとしては、例えば、二塩基酸を含む多
価カルボン酸とジオールを含む多価アルコールの重縮合
物、ヒドロキシ酸の重縮合物、ラクトンの開環重合物等
であって、リパーゼの作用により加水分解されるものを
挙げることができる。具体的には、ポリエチレンアジペ
ート、ポリプロピオンラクトン、ポリカプロラクトン、
ポリ乳酸、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸、ポリ−β−ヒド
ロキシブチレート若しくはそれらの共重合体またはその
混合物を挙げることができる。
配合量は、例えば、油脂加工澱粉糊化物(乾物基準)を
10〜99重量%、好ましくは50〜95重量%、生分
解性樹脂(乾物基準)を90〜1重量%、好ましくは5
0〜5重量%とすることが適当である。油脂加工澱粉糊
化物の配合比率が10重量%以上であれば、油脂加工澱
粉糊化物の添加による生分解改善効果が現れ始め、特
に、50重量%以上になると、澱粉による分解性の促進
効果が顕著になる。また、油脂加工澱粉糊化物の配合比
率が99重量%以下であれば、成形性等に大きな支障は
なく、特に、95重量%以下では、通常の樹脂のみの場
合とほぼ同様の成形性を示す。
要により、添加剤を適宜加えることもできる。例えば、
植物性タンパク質、パルプ、紫外線安定剤、殺菌剤、除
草剤、肥料、酸化防止剤、界面活性剤、顔料等を挙げる
ことができる。
生分解性樹脂とを、生分解性樹脂の溶融温度以上で加熱
混練することにより製造することができる。例えば、6
0℃〜220℃の範囲の温度にて10〜60分間、油脂
加工澱粉糊化物と生分解性樹脂とを加熱混練することで
得ることができる。油脂加工澱粉糊化物は、前述のよう
に予めペレット状としておき、このペレットと、生分解
性樹脂のペレットとを加熱混練し、さらに射出成形機又
は押出成形機等を用いて成形することができる。
生分解性樹脂とを水又は水及び可塑剤の存在下、生分解
性樹脂の溶融温度以上で加熱混練することによっても製
造することができる。その際の油脂加工澱粉と水の比率
は、糊化物の製造と同様に、油脂加工澱粉(乾物基準)
100重量部当たり、水10〜50重量部とすることが
適当である。また、油脂加工澱粉と水と可塑剤との比率
は、油脂加工澱粉(乾物基準)100重量部当たり、水
0.1〜40重量部及び可塑剤1〜100重量部とする
ことが適当である。
られる常法により成形することができる。成形品の形状
や用途等には特に制限はない。例えば、シート、フィル
ム、容器等に成形できる。また、ペレットに成形し、更
に二次加工用に供することもできる。
用いている。そのため、この組成物を熱圧成形、インフ
レ成形、吹き込み成形して得られるフィルムやシート
は、未加工の澱粉を用いた場合と比べて機械的性質の低
下が少ない。特に、引っ張り強度は樹脂単独と同程度に
保持され、弾性率は樹脂単独よりも上昇する。
加工して得られる油脂加工澱粉糊化物を用いて、生分解
性樹脂との相溶性や界面接着性を向上させ機械的性質の
大幅な低下を防ぐとともに、澱粉の配合率の増加を可能
にし、成形性も良好な生分解性樹脂組成物を得ることが
できる。従来の生分解性樹脂は、汎用の熱可塑性樹脂に
比べて高価であり、将来的にも汎用樹脂並みの価格にな
ることは難しい。本発明により、安価な澱粉を添加して
複合化させることで生分解性樹脂組成物の価格を低減で
き、また生分解性の促進にもつながり、その応用範囲を
汎用樹脂並みに拡大させることが可能となる。
添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機製)を用
いて均一に混合した後、120℃に加熱された箱型乾燥
機にて製品水分が0.3%以下になるまで乾燥し、サフ
ラワー油加工コーンスターチを得た。このサフラワー油
加工コーンスターチ(水分1.0%になったもの)と市
販脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂〔昭和高分子製ビ
オノーレ#1000、数平均分子量3.5万〕を乾物基
準で60:40の重量比率で混合し、さらにグリセリン
を澱粉(乾物基準)100重量部に対して40重量部混
合した後、二軸押出機(東洋精機製)を用いて混練ゾー
ン温度130℃にて混練し、直径約3mmの棒状に押し
出したものを2〜3mmに切断してペレットを得た。
洋精機製作所)を用いて、加圧温度150℃、加重10
0kgf/cm2 下で成形し、厚さ約0.4mmのシー
トを得た。シートより幅5mm、長さ80mmの短冊状
試験片を切り出し引っ張り試験機(オリエンテック)を
用いて、機械的性質を調べた。測定条件としては、10
0kgfのロードセルを用い、スパン長を40mmに
し、クロスヘッドスピード5mm/minで行った。こ
の引っ張り試験結果より各機械的性質を以下の計算式に
て算出した。 ・引っ張り強度(kgf/cm2 )=破壊荷重(kg
f)/断面積(cm2 ) ・破壊伸長率(%)={(破壊伸び−スパン長)/スパ
ン長}×100 ・弾性率(kgf/cm2 )=比例源応力/歪み 結果を表1に示す。
工コーンスターチの糊化物に代えた以外は、実施例1と
同様の調製法でペレットを作製し、さらにこのペレット
から熱圧シートを作製し、次いで短冊状試験片を作製
し、同様の試験を行って機械的性質を調べた。結果を表
1に示す。
ポリエステル系生分解性樹脂のみでシートを得て、実施
例1と同様にして試験を行って機械的性質を調べた。結
果を表1に示す。
例1は樹脂のみを用いた比較例2とほぼ同等の機械的特
性を有しており、未加工澱粉を用いた比較例1に比べて
優れた機械的特性を有することがわかる。
×80mm)を標準活性汚泥曝気槽にさらした活性汚泥
試験、地表下15cmに埋没させた土中埋没試験に供し
た。比較試料として比較例2と低密度ポリエチレン(出
光興産製)で調製した短冊状試験片を用いた。結果を表
2に示す。油脂加工澱粉を含む本発明の複合体は、微生
物や酵素によりまず澱粉が優先的に分解され、その結果
多孔質となり脂肪族ポリエステル鎖の生分解を促進する
ものと思われる。
粉固形分100重量部に大豆粕4重量部を加え、ニーダ
ー(森山製作所製DS1型)で均一に混合した後、90
℃に加温された箱型乾燥機を用いて30分間予備乾燥し
た。その後、120℃に加温された箱型乾燥機を用いて
製品水分が0.3%以下になるように乾燥し、大豆粕加
工タピオカ澱粉を得た。この大豆粕加工タピオカ澱粉と
市販ポリヒドロキシブチレート・バリレート共重合体
〔ゼネカ製バイオポールD410G、ヒドロキシバリレ
ート分率8モル%〕を乾物基準で50:50の重量比率
で配合し、さらに澱粉(乾物基準)100重量部当たり
15重量部の水及び20重量部のグリセリンを混合した
後、二軸押出機(東洋精機製)を用いて混練ゾーン温度
170℃にて混練し、直径約3mmの棒状に押し出した
ものを2〜3mmに切断してペレットを得た。このペレ
ットから加圧温度を180℃とした以外は実施例1と同
様に短冊状試験片を作製し、機械的特性を試験した。結
果を表3に示す。
澱粉(澱粉乾物基準100重量部当たり15重量部の
水)を用いた以外は実施例2と同様の調製法で、ペレッ
トを得、さらに短冊状試験片を作製した。この短冊状試
験片について、実施例2と同様にして機械的特性につい
て評価した。結果を表3に示す。
ブチレートとバリレートとの共重合体のみを用いた他は
実施例2と同様にして試料を得た。シートの評価方法
も、加圧温度を180℃とした以外は実施例1と同じ方
法で行った。結果を表3に示す。
実施例2は、未加工澱粉を用いた比較例3に比べて優れ
た機械的特性を有することが分かる。さらに、本発明の
組成物である実施例2は、樹脂のみの比較例4とほぼ同
等の機械的特性を有することが分かる。
て、スーパーミキサー(川田製作所製)を用いて均一に
混合した後、箱型乾燥機を用いて製品水分が0.3%以
下になるように過乾燥し、大豆油加工コーンスターチを
得た。得られた大豆油加工コーンスターチ(乾物基準)
100重量部に対して水20重量部及びエチレングリコ
ール15重量部を配合し、二軸押出機(東洋精機製)を
用いて混練ゾーン温度130℃にて混練し、直径約3m
mの棒状に押し出したものを2〜3mmに切断して大豆
油加工コーンスターチ糊化物ペレットを得た。
ペレットと分子量7万のポリカプロラクトン〔ダイセル
化学製、プラクセルH7〕を乾物基準で70:30の比
率で配合した後、二軸押出機(東洋精機製)を用いて混
練ゾーン温度130℃にて混練し、直径約3mmの棒状
に押し出したものを2〜3mmに切断して本発明の組成
物のペレットを得た。得られたペレットからのシートの
作製は、加圧温度を130℃とした以外は、実施例1と
同様にして行った。得られたシートの機械的特性を実施
例1と同様にして求め、結果を表4に示す。得られたシ
ートを地表下15cmの土中に埋没したところ、2ヵ月
後にはシートの形状が見られなくなった。
チを用いて作製した未加工コーンスターチの糊化物のペ
レットを用いた以外は実施例3と同様の調製法でシート
を得た。機械的特性の結果を表5に示す。
ン樹脂のみでシートを作製した以外は実施例3と同様の
方法でシートを得た。得られたシートの機械的特性の結
果を表4に示す。
施例3は樹脂のみを用いた比較例6に比べて破壊伸長率
がやや劣るものの引張強度は同等であり、未加工澱粉を
用いた比較例5に比べて優れた機械的特性を有している
ことが分かる。
加して、プレーンミキサー(宝工機製)を用いて均一に
混合した後、100℃に加温された箱型乾燥機を用いて
製品水分が0.3%以下になるように乾燥し、アマニ油
加工トウモロコシ澱粉を得た。このアマニ油加工トウモ
ロコシ澱粉(水分1%)と平均分子量12万のポリ乳酸
〔島津製作所製〕を乾物基準で70:30の比率で配合
し、これにプロピレングリコールを澱粉(乾物基準)1
00重量部に対して30重量部混合した後、180℃に
加温したラボプラストミル(東洋精機製作所製)を用い
て均質な直径3mmの円柱ぺレットを得た。シートの作
製は、加圧温度を180℃とした以外は、実施例1と同
様にして行った。得られたシートの機械的特性を実施例
1と同様にして求め、結果を表5に示す。
コシ澱粉を用いた以外は実施例4と同様の調製法でシー
トを得た。機械的特性の結果を表5に示す。
のみでシートを作製した以外は実施例4と同様の方法で
シートを得た。機械的特性の結果を表5に示す。
施例4は樹脂のみを用いた比較例8とほぼ同等の機械的
特性を有しており、未加工澱粉を用いた比較例7よりも
優れた機械的特性を有していることが分かる。
Claims (9)
- 【請求項1】 油脂加工澱粉糊化物と生分解性樹脂とを
含むことを特徴とする生分解性組成物。 - 【請求項2】 油脂加工澱粉が、澱粉に油脂、油脂の類
縁物質、脂肪酸及び脂肪酸誘導体からなる群から選ばれ
る1種又は2種以上の化合物を吸着させ、次いで熟成す
ることにより得られる請求項1記載の組成物。 - 【請求項3】 生分解性樹脂が、脂肪族ポリエステル、
ポリビニルアルコール及びアセチルセルロースからなる
群から選ばれる樹脂である請求項1又は2記載の組成
物。 - 【請求項4】 脂肪族ポリエステルがポリカプロラクト
ン、ポリ乳酸及びポリヒドロキシブチレート・バリレー
ト共重合体からなる群から選ばれる樹脂である請求項3
記載の組成物。 - 【請求項5】 油脂加工澱粉糊化物が油脂加工澱粉を水
又は水及び可塑剤の存在下で糊化させたものである請求
項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。 - 【請求項6】 油脂加工澱粉糊化物(乾物基準)の配合
量が10〜99重量%の範囲であり、生分解性樹脂(乾
物基準)の配合量が90〜1重量%の範囲である請求項
1〜5のいずれか1項に記載の組成物。 - 【請求項7】 油脂加工澱粉と生分解性樹脂とを水又は
水及び可塑剤の存在下で加熱混練することを特徴とする
請求項1記載の組成物の製造方法。 - 【請求項8】 油脂加工澱粉と生分解性樹脂との乾物基
準での重量比が10:90〜99:1の範囲であり、油
脂加工澱粉(乾物基準)100重量部当たり10〜50
重量部の水を存在させる請求項7記載の製造方法。 - 【請求項9】 油脂加工澱粉と生分解性樹脂との乾物基
準での重量比が10:90〜99:1の範囲であり、油
脂加工澱粉(乾物基準)100重量部当たり0.1〜4
0重量部の水及び1〜100重量部の可塑剤を存在させ
る請求項7記載の製造方法。
Priority Applications (5)
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