JP4914982B2 - 生分解性プラスチック組成物 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性プラスチック組成物、それからなる成形品および積層体に関する。より詳細には、本発明は、微生物などによる生分解性に優れ、しかも生分解前には優れた力学的特性を有する生分解性プラスチック組成物、該組成物からなる成形品および積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、プラスチックが種々の用途で大量に使用されている。プラスチックは一般に安定で、そのまま放置しても、分解したり腐敗しない。そのため、使用済みの廃プラスチックの大半は、焼却や埋め立てなどによって処分されている。しかし、焼却により発生する有害ガスによる地球環境の汚染、焼却時の過熱による燃焼路の損傷などの問題があり、また大量に廃棄されるプラスチックを埋め立てるための用地の確保もますます困難になっている。しかも、処分されずに海洋や林野などに散乱したり、放置されたプラスチックは、野生生物に深刻な危害を与えている。
【0003】
そのため、近年、廃プラスチックの再利用や有効利用が色々行われるようになっているが、大量に排出される廃プラスチックのすべてを再利用または有効利用することは事実上不可能である。
そこで、使用後に環境中の微生物によって最終的に水や炭酸ガスなどに分解され得るようにした生分解性プラスチックが注目されるようになっている。現在、種々の生分解性プラスチックが開発されており、例えば、ポリヒドロキシブチレートなどのバイオポリエステル、バイオセルロース、多糖類、ポリアミノ酸などの微生物産生系の生分解性プラスチック(バイオプラスチック);ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリブチレン(サクシネートカーボネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)などの化学合成系の脂肪族ポリエステルまたはその共重合体;修飾澱粉、酢酸セルロース、キトサン/セルロール/澱粉結合体などの天然物利用系などを挙げることができる。
【0004】
前記した生分解性プラスチックのうち実用化されているものも多い。しかしながら、廃プラスチックの処理促進のために、より速やかに生分解され得る生分解性プラスチックが求められている。
その一方で、廃棄される前の使用時や保存時には、力学的特性に優れていて、個々の用途において十分な機能を果たし得る生分解性プラスチックが同時に求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の生分解性プラスチックよりも生分解性に一層優れていて、使用後はより速やかに生分解され、その一方で廃棄される前の使用時などには力学的特性に優れていて、各用途に有効に使用できる生分解性プラスチック材料、該材料からなる成形品や製品を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、本発明者らは鋭意研究を続けてきた。そして、生分解性プラスチックに小麦フスマおよび/または末粉を配合すると、生分解性プラスチックの微生物による分解が一層促進されて、その使用後の生分解処分が円滑に行われることを見出した。しかしながら、生分解性プラスチックに小麦フスマを単にそのまま配合したのでは、該生分解性プラスチック組成物から得られるシート、フィルムなどの成形品の強度が不足することが多いことが判明した。そこで、そのような知見に基づいてさらに検討を重ねたところ、生分解性プラスチックに配合する小麦フスマおよび/または末粉として、目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率が80質量%以上である粒度の小さい小麦フスマおよび/または末粉を使用すると、そのような小麦フスマおよび/または末粉を含有する生分解性プラスチック組成物から製造した成形品、特にシートやフィルムなどの厚さの小さい成形品において、強度などの力学的特性が向上し、実用価値の高い成形品が得られることを見出した。
また、本発明者らは、目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率が80質量%以上である前記した小麦フスマおよび/または末粉を生分解性プラスチックに配合するに当たって、更に該小麦フスマおよび/または末粉の水分含量率を10質量%以下にしておくと、力学的特性に一層優れるシートやフィルムなどの成形品が得られることを見出した。
さらに、本発明者らは、前記特定粒度の小麦フスマおよび/または末粉を含有する生分解性プラスチック組成物の使用に当たって、該生分解性プラスチック組成物からなる層に小麦フスマおよび/または末粉を含まない生分解性プラスチックの層を積層して積層体にすると、それにより得られる積層体は、生分解性に優れると共に力学的特性にも極めて優れ、種々の用途に有効に用い得ることを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1) 生分解性の脂肪族ポリエステルおよび脂肪族ポリエステル共重合体から選ばれる少なくとも1種の生分解性プラスチック、並びに目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率が80質量%以上で且つ水分含有率が5質量%以下である小麦フスマおよび/または末粉を含有することを特徴とする生分解性プラスチック組成物である。
【0008】
そして、本発明は、
) 小麦フスマおよび/または末粉の含有量が、生分解性プラスチックと小麦フスマおよび/または末粉の合計質量に対して、1〜80質量%である前記した(1)の生分解性プラスチック組成物;
) 生分解性プラスチックが、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリブチレン(サクシネートカーボネート)およびポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)から選ばれる少なくとも1種の生分解性プラスチックである前記した(1)または(2)の生分解性プラスチック組成物;
である。
【0009】
さらに、本発明は、
) 前記した(1)〜()のいずれかの生分解性プラスチック組成物からなる成形品;および、
) シートまたはフィルムである前記した()の成形品;
である。
【0010】
そして、本発明は、
) 前記した(1)〜()のいずれかの生分解性プラスチック組成物よりなる層の片面または両面に小麦フスマおよび/または末粉を含有しない生分解性プラスチックよりなる層を有することを特徴とする積層体;および、
) シート状またはフィルム状の積層体である前記した()の積層体;
である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について具体的に説明する。
従来既知の生分解性プラスチックとしては、例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリブチレン(サクシネートカーボネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)などの化学合成系の生分解性脂肪族ポリエステルおよびその共重合体;ポリヒドロキシブチレート(別名;ポリ3−ヒドロキシ酪酸)などのバイオポリエステル、バイオセルロース、多糖類、ポリアミノ酸などの微生物産生系の生分解性プラスチック(バイオプラスチック);修飾澱粉、酢酸セルロース、キトサン/セルロー/澱粉結合体、アルギン酸などの天然物利用系などを挙げることができる。
そのうちで、本発明では、生分解性プラスチックとして、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリブチレン(サクシネートカーボネート)、ポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)などの化学合成系の生分解性脂肪族ポリエステルまたはその共重合体の1種または2種以上が生分解性プラスチック組成物の成形性、該組成物から得られる成形品や積層体などの力学的特性、耐水性、経済性などの点で優れていることから用いられる
【0012】
本発明の生分解性プラスチック組成物は、目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率が80質量%以上である小麦フスマおよび末粉の一方または両方を含有する。
小麦フスマおよび/または末粉における目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率が80質量%未満であって粒度が大きいと、生分解性プラスチック組成物から得られる成形品や積層体などにおける引張強度などの力学的特性が低くなり、特に、成形品がシートやフィルムなどの厚さの小さい成形品の場合には実用に耐え得る力学的特性を持たないことが多い。
本発明の生分解性プラスチック組成物では、小麦フスマおよび/または末粉として、目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率が90質量%以上であるものがより好ましく用いられ、目開き150μmの篩を通過する粒子の含有率が90質量%以上であるものが更に好ましく用いられる。
ここで、本明細書における「目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率」とは、目開き220μmの篩を使用して、株式会社東京製粉機製作所製の「テストシフターTS2−245」(分級装置)を用いて小麦フスマまたは末粉を分級処理したときの、分級処理に処せられた小麦フスマまたは末粉の質量に対する、目開き220μmの篩を通過した粒子の割合(質量%)をいう。また、「目開き150μmの篩を通過する粒子の含有率」も、目開き150μmの篩を使用して、前記と同様にして求められる。
【0013】
小麦フスマは、小麦粒の外皮であり、また末粉(すえこ)は小麦粒外皮に付着する胚乳部(小麦粉)と小麦フスマを含む粉状物であり、いずれも小麦製粉時の副産物として得られる。
通常の小麦フスマは、一般に、その粒度が500〜5000μmの範囲にあって、目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率は10質量%以下であり、粒度が大きい。そのような大きな粒度を有する小麦フスマをそのまま生分解性プラスチックに配合して組成物を調製すると、該組成物から得られる成形品、特にシートやフィルムなどの厚みの小さい成形品では、引張強度などの力学的強度が不足し、実用価値の低いものとなる。本発明で用いる小麦フスマは、粒度の大きな通常の小麦フスマを、微粉砕して、目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率が80質量%以上になるようにして調製される。その際の粉砕方法は特に制限されず、例えば、ターボ工業株式会社製「ターボミル」、日清エンジニアリング株式会社製「ブレードミル」などのような、製粉などにおいて従来から使用されている粉砕機を使用して行うことができる。
また、末粉は、一般に、その粒度が100〜300μmの範囲にあって、目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率は80質量%以上であることが多く、粒度が小さい。そのため、本発明では、目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率が80質量%以上である場合は、通常の末粉をそのまま使用することができ、また必要に応じて粉砕処理を行って粒度を更に小さくして用いてもよい。
【0014】
本発明では、小麦フスマおよび末粉として、乾燥処理を行って水分含量率を低減したものを用い乾燥処理して水分含量率を低減してから用いることによって、生分解性プラスチック組成物から得られる成形品、積層体などの製品の力学的強度が高くなり、しかも発泡が生じず均一な製品が得られる。乾燥処理した小麦フスマおよび/または末粉としては、水分含量率が10質量%以下のものが好ましく、5質量%以下のものがより好ましいが、そのうちでも本発明では水分含量率が5質量%以下のものを用いる。
小麦フスマおよび/または末粉の乾燥処理の方法および条件などは特に制限されないが、一般的には、40〜130℃の温度を採用して前記した水分含量率以下になるまで乾燥することが好ましい。乾燥処理温度が高すぎると、小麦フスマおよび末粉の変性、硬化などが生じて、生分解性プラスチック組成物およびそれから得られる成形品や積層体などの生分解性能が低下したり、力学的特性が低下したりし易くなる。
【0015】
本発明の生分解性プラスチック組成物における小麦フスマおよび/または末粉の含有量(小麦フスマと末粉の両方を含有する場合は両者の合計含有量)は、生分解性プラスチック組成物の用途などに応じて調整し得るが、一般的には、生分解性プラスチックと小麦フスマおよび/または末粉の合計質量に対して、1〜80質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。小麦フスマおよび/または末粉の含有量が1質量%未満であると、生分解性能が低下して微生物により分解されにくくなり、一方80質量%を超えると、生分解性プラスチック組成物から得られる成形品や積層体などの力学的特性が低下したものになり易い。
【0016】
本発明の生分解性プラスチック組成物は、必要に応じて、更に、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、着色剤、充填剤、アンチブロッキング剤などの他の成分の1種または2種以上を含有していてもよい。
【0017】
本発明の生分解性プラスチック組成物の調製方法は特に制限されず、生分解性プラスチックなどの種類に応じて従来から一般に採用されている方法を採用することができる。生分解性プラスチックが、上記したような生分解性の脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリエステル共重合体などのような熱可塑性プラスチックである場合は、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、オープンロール、ニーダーなどの従来既知の混練機を使用して溶融混練した後、必要に応じて、ペレット状、粉末状などの適当な形状にすることにより本発明の生分解性プラスチック組成物を調製することができる。
生分解性プラスチック組成物を調製するに当たって、生分解性プラスチックと小麦フスマおよび/または末粉を混練機にそのまま直接供給せずに、ヘンシェルミキサーやタンブラーなどのような混合機を用いて予めドライブレンドしてから混練機に供給すると、生分解性プラスチック中に小麦フスマおよび/または末粉が均一に分散した生分解性プラスチック組成物を得ることができる。
生分解性プラスチック組成物を調製するための混練温度としては、一般に、生分解性プラスチックの溶融温度以上で且つ生分解性プラスチックの分解が生じない温度が採用される。
また、生分解性プラスチックを適当な溶媒に溶解し、そこに小麦フスマおよび/または末粉を添加混合した後、溶媒を除去することにより生分解性プラスチック組成物を調製してもよい。
【0018】
本発明の生分解性プラスチック組成物は、各種成形品や製品の製造に有効に用いることができ、例えば、フィルム、シート、板状体、管状体、線状体、棒状体、クッション材、発泡体、多孔質体、各種容器、トレー類、ポット類、その他の型成形品などの製造に用いることができる。成形品を製造する際の成形方法は特に制限されず、生分解性プラスチックの種類や製造しようとする成形品の種類などに応じて、例えば、押出成形、射出成形、カレンダー成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、粉末成形、流延成形、注型などの適当な成形方法を採用することができる。
【0019】
何ら限定されるものではないが、本発明の生分解性プラスチック組成物の用途としては、例えば、農林水産用のマルチフィルムやマルチシート、育苗用ポットなどの農林水産用資材;肥料やその他の製品を充填するための各種袋類;断熱材、土木工事用型枠、土留めシート、緑化用シート、保水シートなどの土木・建築資材;野外レジャー用の各種ディスポーザブル製品;食品包装用のフィルム、シート、トレー、容器類;紙おむつや生理用品などの衛生用品;ペンケース、芯ケースなどの事務用品;歯ブラシ、コップ、ゴミ袋、水切り、クッション材などを挙げることができる。
【0020】
そのうちでも、本発明の生分解性プラスチック組成物はフィルムおよびシートの製造に適しており、本発明の生分解性プラスチック組成物から得られるフィルムおよびシートは引張強度などの力学的特性に優れているため、農林水産用のフィルムやシート、肥料やその他の製品の充填用袋、土留めシート、緑化用シート、保水シートなどの強度を要する用途にも有効に用いることができる。
本発明の生分解性プラスチック組成物を用いてなるフィルムおよびシートの厚さは特に制限されず、用途に応じて決めることができ、一般的には、10μm〜2mm程度の厚さにしておくことが好ましい。
本発明の生分解性プラスチック組成物よりなるフィルムまたはシートの製造に当たって、プラスチックフィルムまたはシートの製造に従来から採用されているいずれの方法も採用でき、例えば、インフレーション押出成形法、Tダイ押出成形法などの押出成形法、カレンダー法、流延法(キャスト法)などを挙げることができる。前記成形は、生分解性プラスチックの種類や性質などに応じて、溶融成形によって行っても、または溶液成形によって行ってもよい。
【0021】
また、フィルム、シート、その他の成形品は、本発明の生分解性プラスチック組成物のみからなる単層構造体であってもよいし、または本発明の生分解性プラスチック組成物よりなる層と他の層とからなる積層体であってもよい。
積層体にするに当たって、小麦フスマおよび/または末粉を含有する本発明の生分解性プラスチック組成物よりなる層と、小麦フスマおよび/または末粉を含有しない生分解性プラスチックよりなる層とを積層して積層体にすると、生分解性能を良好に保ちながら、引張強度などの力学的特性を一層向上させることができる。このような積層体では、小麦フスマおよび/または末粉を含有しない生分解性プラスチックからなる層は、小麦フスマおよび/または末粉を含有する本発明の生分解性プラスチック組成物からなる層の片面のみに積層されていても、両面に積層されていてもよい。
小麦フスマおよび/または末粉を含有しない生分解性プラスチックが小麦フスマおよび/または末粉を含有する生分解性プラスチック組成物からなる層の両面に積層されている場合は、片面のみに積層されている場合に比べて、生分解性能は多少低下するが、引張強度などの力学的特性により優れたものとなる。
【0022】
小麦フスマおよび/または末粉を含有する本発明の生分解性プラスチック組成物からなる層と、小麦フスマおよび/または末粉を含有しない生分解性プラスチックからなる層よりなる積層体では、両層を構成する生分解性プラスチックの種類は同じであっても、または異なっていてもよいが、両層が同じかまたは近似した生分解性プラスチックから構成されていると、層間の接着性が向上して層間剥離などを生じなくなり、力学的特性などに一層優れる積層体を得ることができる。
【0023】
小麦フスマおよび/または末粉を含有する本発明の生分解性プラスチック組成物からなる層と、小麦フスマおよび/または末粉を含有しない生分解性プラスチックからなる層よりなる積層体の形状、種類などは特に制限されず、例えば、シート状、フィルム状、板状、管状、その他の形状などのいずれであってもよい。それらのうちで、シート状またはフィルム状の積層体は、小麦フスマおよび/または末粉を含有する生分解性プラスチック組成物からなる単層シートや単層フィルムに比べて、その強度が一層高いので、前記した農林水産用のマルチフィルムやマルチシート、肥料やその他の製品の充填用袋、土留めシート、緑化用シート、保水シートなどのような強度を要するシートまたはフィルム用途に極めて有効に用いることができる。
この積層シートまたは積層フィルムの厚さは特に制限されず、層を構成する生分解性プラスチックの種類、用途などに応じて調整し得るが、一般的には、小麦フスマおよび/または末粉を含有する生分解性プラスチック組成物からなる層の厚さが10μm〜1mm程度、小麦フスマおよび/または末粉を含有しない生分解性プラスチックからなる層の厚さが10μm〜1mm程度、全体の厚さが20μm〜2mm程度であることが好ましい。
【0024】
前記積層シートまたは積層フィルムの製法は特に制限されず、生分解性プラスチックの種類などに応じて、積層シートや積層フィルムの製造に従来から採用されている方法を採用することができる。生分解性プラスチックが、熱可塑性プラスチックである場合は、例えば、小麦フスマおよび/または末粉を含有する生分解性プラスチック組成物と、含有しない生分解性プラスチックとを2つの押出機により溶融混練した後に共通のダイリップから同時に押し出して積層フィルムまたは積層シートを製造する方法;小麦フスマおよび/または末粉を含有する生分解性プラスチック組成物、および含有しない生分解性プラスチックの一方を用いて予めフィルムまたはシートを予め製造しておき、該フィルムまたはシート上にもう一方を押出被覆、カレンダー被覆、流延被覆などにより被覆して積層フィルムまたは積層シートを製造する方法;小麦フスマおよび/または末粉を含有する生分解性プラスチック組成物と、含有しない生分解性プラスチックとからフィルムまたはシートをそれぞれ個別に製造しておき、それらのフィルムまたはシートを熱融着やその他の適当な接着手段を用いて積層する方法などを挙げることができる。
【0025】
【実施例】
以下に実施例などにより本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の例により何ら制限されるものではない。
以下の例において、小麦フスマおよび末粉の粒度(目開き220μm篩または目開き150μmの篩を通過する粒子の含有率)および水分含量率は以下のようにして測定した。
【0026】
(1)小麦フスマおよび末粉の粒度:
株式会社東京製粉機製作所製の「テストシフターTS2−245」に、目開き220μmの篩または目開き150μmの篩をセットし、篩上に小麦フスマまたは末粉を50g載せ、10分間作動させて分級し、10分後に、篩を通過した粒子の質量(A)(g)を測定して、下記の数式から目開き220μmの篩または150μmの篩を通過した粒子の含有率(W)(質量%)を求めた。
【0027】
【数1】
W(質量%)=(A/50)×100
【0028】
(2)小麦フスマおよび末粉の水分含量率:
小麦フスマまたは末粉の5.0gを恒量に達したアルミニウム製秤量缶に入れ、130℃で1時間乾燥して、その質量(B)(g)を測定し、下記の数式から水分含量率(質量%)を求めた。
【0029】
【数2】
水分含量率(質量%)={(5.0−B)/5.0}×100
【0030】
《実施例1》
(1)生分解性プラスチック組成物および成形品(試験片)の製造:
(i) 小麦フスマ(日清製粉株式会社製「精選ふすま」)を、粉砕機(日清エンジニアリング株式会社製「ブレードミル」)を使用して粉砕して、微粉砕小麦フスマを調製した。これにより得られた微粉砕小麦フスマにおける目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率を上記した方法で測定したところ、100質量%であった(50質量%累積粒度は21.5μmであった)。
(ii) 上記(i)で得られた微粉砕小麦フスマを、恒温槽(東洋製作所製「FC−410」)に入れて温度60℃で2時間乾燥処理した。乾燥後の微粉砕小麦フスマの水分含量率を上記した方法で測定したところ、5質量%であった。
(iii) ポリ乳酸(三井化学株式会社製「LACEA H−100J」)80質量部と上記(ii)で得られた乾燥処理後の微粉砕小麦フスマ20質量部をヘンシェルミキサーを用いて予備混合し、この混合物を単軸式押出機(陸亜株式会社製「RY−30VS3.7」)に供給して180℃で溶融混練した後、ストランド状に押し出し、冷却、切断してペレット状のポリ乳酸組成物(生分解性プラスチック組成物)を製造した。
(iv) 上記(iii)で得られたペレット状のポリ乳酸組成物を用いて、射出成形機(日精樹脂工業株式会社製「PS40E5ASE」)を使用して、シリンダー温度180℃、射出圧力256MPa、射出速度73cm3/sec、型締圧力40ton、金型温度55℃、金型内での冷却時間40秒の条件下に射出成形を行って、JIS K7113のダンベル形2号試験片(厚さ3mm、延伸部分の幅6mm)を製造した。これにより得られた試験片を用いて引張強度、弾性率および破断伸びをJIS K7113に準じて測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0031】
(2)生分解試験1(金沢市内での試験):
(i) 金沢市内の畑地において、園芸用の土(G&F社製「寄せ植えの土」とG&F社製「野菜の土」の等質量混合物)100質量部に対してバーク堆肥50質量部を均一に混合して生分解試験用の土壌を準備し、この土壌内の地表から10〜15cmの深さの位置に上記(1)の(iv)で得られた試験片の複数個を埋設し、平成12年12月1日〜平成12年12月31日の30日間にわたって生分解試験を行い、15日後および30日後における試験片の引張強度、弾性率および破断伸びをJIS K7113に準じて測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、30日後における試験片の質量減少率[生分解試験前の試験片の質量に対する生分解試験30日後の試験片の質量(質量%)]を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
なお、この試験期間中の試験地での土壌中の平均温度は約7.0℃であった。
(3)生分解試験2(つくば市内での試験):
(i) つくば市内の黒土畑地において、畑地の黒土100質量部に対してバーク堆肥50質量部および鶏糞堆肥20質量部を均一に混合して生分解試験用の土壌を準備し、この土壌内の地表から10〜15cmの深さの位置に、上記(1)の(iv)で得られた試験片の複数個を埋設し、平成12年12月1日〜平成12年12月31日の30日間にわたって生分解試験を行い、15日後および30日後における試験片の引張強度、弾性率および破断伸びをJIS K7113に準じて測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、30日後における試験片の質量減少率を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
なお、この試験期間中の試験地での土壌中の平均温度は約6.0℃であった。
【0032】
《実施例2》
(1)生分解性プラスチック組成物および成形品(試験片)の製造:
(i) 末粉(日清製粉株式会社製「黄亀」)(上記した方法で測定した目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率90質量%)を、恒温槽(東洋製作所製「FC−410」)に入れて温度60℃で2時間乾燥処理した。乾燥後の末粉の水分含量率を上記した方法で測定したところ、5質量%であった。
(ii) ポリ乳酸(三井化学株式会社製「LACEA H−100J」)80質量部と上記(ii)で得られた乾燥処理後の末粉20質量部をヘンシェルミキサーを用いて予備混合し、この混合物を単軸式押出機(陸亜株式会社製「RY−30VS3.7」)に供給して180℃で溶融混練した後、ストランド状に押し出し、冷却、切断してペレット状のポリ乳酸組成物(生分解性プラスチック組成物)を製造した。
(iii) 上記(ii)で得られたペレット状のポリ乳酸組成物を用いて、実施例1の(1)の(iv)と同じ条件下に射出成形を行って、JIS K7113のダンベル形2号試験片を製造した。これにより得られた試験片を用いて引張強度、弾性率および破断伸びをJIS K7113に準じて測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0033】
(2)生分解試験1(金沢市内での試験):
(i) 実施例1の(2)の(i)におけるのと同じ試験地の同じ生分解試験用の土壌内に、地表から10〜15cmの深さの位置に上記(1)の(iii)で得られた試験片の複数個を埋設し、平成12年12月1日〜平成12年12月31日の30日間にわたって生分解試験を行い、15日後および30日後における試験片の引張強度、弾性率および破断伸びをJIS K7113に準じて測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。また、30日後における試験片の質量減少率を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(3)生分解試験2(つくば市内での試験):
(i) 実施例1の(2)の(ii)におけるのと同じ試験地の同じ生分解試験用の土壌内に、地表から10〜15cmの深さの位置に上記(1)の(iii)で得られた試験片の複数個を埋設し、平成12年12月1日〜平成12年12月31日の30日間にわたって生分解試験を行い、15日後および30日後における試験片の引張強度、弾性率および破断伸びをJIS K7113に準じて測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。また、30日後における試験片の質量減少率を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0034】
《実施例3》
(1)生分解性プラスチック組成物および成形品(試験片)の製造:
(i) 末粉(日清製粉株式会社製「赤花」)(上記した方法で測定した目開き150μmの篩を通過する粒子の含有率95質量%)を、恒温槽(東洋製作所製「FC−410」)に入れて温度60℃で2時間乾燥処理した。乾燥後の末粉の水分含量率を上記した方法で測定したところ、5質量%であった。
(ii) ポリ乳酸(三井化学株式会社製「LACEA H−100J」)80質量部と上記(ii)で得られた乾燥処理後の末粉20質量部をヘンシェルミキサーを用いて予備混合し、この混合物を単軸式押出機(陸亜株式会社製「RY−30VS3.7」)に供給して180℃で溶融混練した後、ストランド状に押し出し、冷却、切断してペレット状のポリ乳酸組成物(生分解性プラスチック組成物)を製造した。
(iii) 上記(ii)で得られたペレット状のポリ乳酸組成物を用いて、実施例1の(1)の(iv)と同じ条件下に射出成形を行って、JIS K7113のダンベル形2号試験片を製造した。これにより得られた試験片の引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0035】
(2)生分解試験1(金沢市内での試験):
(i) 実施例1の(2)の(i)におけるのと同じ試験地の同じ生分解試験用の土壌内に、地表から10〜15cmの深さの位置に上記(1)の(iii)で得られた試験片の複数個を埋設し、平成12年12月1日〜平成12年12月31日の30日間にわたって生分解試験を行い、15日後および30日後における試験片の引張強度、弾性率および破断伸びをJIS K7113に準じて測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。また、30日後における試験片の質量減少率を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(3)生分解試験2(つくば市内での試験):
(i) 実施例1の(2)の(ii)におけるのと同じ試験地の同じ生分解試験用の土壌内に、地表から10〜15cmの深さの位置に上記(1)の(iii)で得られた試験片の複数個を埋設し、平成12年12月1日〜平成12年12月31日の30日間にわたって生分解試験を行い、15日後および30日後における試験片の引張強度、弾性率および破断伸びをJIS K7113に準じて測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。また、30日後における試験片の質量減少率を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0036】
《比較例1》
(1)成形品(試験片)の製造:
ポリ乳酸(三井化学株式会社製「LACEA H−100J」)を単独で用いて、金型内での冷却時間を50秒とした以外は実施例1の(1)の(iv)と同じ条件を採用して射出成形を行って、JIS K7113のダンベル形2号試験片を製造した。これにより得られた試験片を用いて引張強度、弾性率および破断伸びをJIS K7113に準じて測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(2)生分解試験1(金沢市内での試験):
(i) 実施例1の(2)の(i)におけるのと同じ試験地の同じ生分解試験用の土壌内に、地表から10〜15cmの深さの位置に、上記(1)で得られた試験片の複数個を埋設し、平成12年12月1日〜平成12年12月31日の30日間にわたって生分解試験を行い、15日後および30日後における試験片の引張強度、弾性率および破断伸びをJIS K7113に準じて測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。また、30日後における試験片の質量減少率を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
(3)生分解試験2(つくば市内での試験):
(i) 実施例1の(2)の(ii)におけるのと同じ試験地の同じ生分解試験用の土壌内の地表から10〜15cmの深さの位置に、上記(1)で得られた試験片の複数個を埋設し、平成12年12月1日〜平成12年12月31日の30日間にわたって生分解試験を行い、15日後および30日後における試験片の引張強度、弾性率および破断伸びをJIS K7113に準じて測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。また、30日後における試験片の質量減少率を測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0037】
【表1】
Figure 0004914982
【0038】
上記の表1の結果から、目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率が80質量%以上である小麦フスマまたは末粉を含有する実施例1〜3の生分解性プラスチック組成物から得られた成形品(試験片)は、小麦フスマまたは末粉を含有しない比較例1の生分解性プラスチックから得られた成形品(試験片)に比べて、土壌中に埋設した際の引張強度の低下および質量減少率が大きく、より短期間に生分解されることがわかる。また、実施例1〜3の生分解性プラスチック組成物から得られた成形品では、金沢市内土壌での試験結果とつくば市内土壌での試験結果がほぼ同じ傾向を示しており、、そのような結果から、試験土壌(試験地)が異なっても良好に生分解されることがわかる。
【0039】
《実施例4》
(1) ポリカプロラクトン(ダイセル化学株式会社製「PH7」)8gをジオキサン60mlに20℃で溶解した後、その溶液に、実施例1の(i)で得られた乾燥処理後の微粉砕小麦フスマ(目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率100質量%、水分含量率5質量%)を、ポリカプロラクトンと微粉砕小麦フスマの割合が下記の表2になるような量で加えて、撹拌機にて均一に混合した後、ガラス板上にアプリケーターで塗布し、20℃で乾燥し、冷却後に基板から剥離して微粉砕小麦フスマを含有するポリカプロラクトン組成物のフィルムを製造した。
(2) 上記(1)で得られたフィルムを、ポリテトラフルオロエチレンシートの上に置いて70℃で6分間加熱して溶融させた後、上面を別のポリテトラフルオロエチレンシートで覆って、上下から圧力4.6MPaで押圧して、厚さ20μmのフィルムを製造した。
(3) 上記(2)で得られたフィルムから、縦×横×=50mm×10mmの試験片を切り取り、該試験片を用いて、引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0040】
《実施例5》
(1) 微粉砕小麦フスマの代わりに、実施例2の(1)の(i)で得られた乾燥後の末粉(日清製粉株式会社「黄亀」;目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率90質量%、水分含量率5質量%)を、ポリカプロラクトンと末粉の割合が下記の表2になるような量で用いた以外は実施例4の(1)および(2)と同じ操作を行って、末粉(黄亀)を含有するポリカプロラクトン組成物のフィルム(厚さ20μm)を製造した。
(2) 上記(1)で得られたフィルムから、縦×横×=50mm×10mmの試験片を切り取り、該試験片を用いて、引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0041】
《実施例6》
(1) 微粉砕小麦フスマの代わりに、実施例3の(1)の(i)で得られた乾燥後の末粉(日清製粉株式会社「赤花」;目開き150μmの篩を通過する粒子の含有率95質量%、水分含量率5質量%)を、ポリカプロラクトンと末粉の割合が下記の表2になるような量で用いた以外は実施例4の(1)および(2)と同じ操作を行って、末粉(赤花)を含有するポリカプロラクトン組成物のフィルム(厚さ20μm)を製造した。
(2) 上記(1)で得られたフィルムから、縦×横×=50mm×10mmの試験片を切り取り、該試験片を用いて、引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0042】
《比較例2》
(1) 微粉砕小麦フスマの代わりに、実施例1の(1)の(i)で用いた粉砕処理を施す前の小麦フスマ(日清製粉株式会社「精選ふすま」;目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率10質量%)を60℃で乾燥処理して水分含量率5質量%にしたものを、ポリカプロラクトンと小麦フスマの割合が下記の表2になるような量で用いた以外は実施例4の(1)および(2)と同じ操作を行って、小麦フスマを含有するポリカプロラクトン組成物のフィルム(厚さ20μm)を製造した。
(2) 上記(1)で得られたシートから、縦×横×=50mm×10mmの試験片を切り取り、該試験片を用いて、引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0043】
《参考例1》
(1) 小麦フスマを使用せずに、ポリカプロラクトン(ダイセル化学株式会社製「PH7」)を単独で用いて、実施例5の(1)および(2)と同じ操作を行って、ポリカプロラクトンフィルム(厚さ20μm)を製造した。
(2) 上記(1)で得られたフィルムから、縦×横×=50mm×10mmの試験片を切り取り、該試験片を用いて、引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0044】
【表2】
Figure 0004914982
【0045】
上記の表2における実施例3〜5および比較例2の結果から、目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率が80質量%以上である小麦フスマまたは末粉を含有するポリラクトン組成物(生分解性プラスチック組成物)から製造した実施例3〜5のフィルムは、目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率が80質量%未満(10質量%)である小麦フスマを含有するポリカプロラクトン組成物(生分解性プラスチック組成物)から製造した比較例2のフィルムに比べて、引張強度および破断伸びが高く、力学的特性に優れていることがわかる。
また、上記の表2の結果から明らかなように、目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率が80質量%以上である小麦フスマおよび/または末粉の含有量が多くなるに従って生分解性プラスチック組成物から得られる成形品の初期の引張強度が低くなる傾向がある。一方、生分解性プラスチック組成物における小麦フスマおよび/または末粉の含有量が多くなるほど、一般に、生分解が促進される。そのため、生分解性プラスチック組成物における成形品等の用途に応じて、該小麦フスマおよび/または末粉の含有量を調整することによって、それぞれの用途に要求される力学的特性を保持しながら、生分解性プラスチック組成物からなる成形品などに高い生分解性能を付与することができる。
【0046】
《実施例7》
(1) ポリブチレンサクシネート(昭和高分子株式会社製「#1001」)8gをジオキサン60mlに50℃で溶解した後、その溶液に、実施例1の(i)で得られた乾燥処理後の微粉砕小麦フスマ(目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率100質量%、水分含量率5質量%)を、ポリブチレンサクシネート:微粉砕小麦フスマの割合が60:40の質量比になるような量で加えて、撹拌機にて均一に混合した後、ガラス板上にアプリケーターで塗布し、20℃で乾燥し、冷却後に基板から剥離して微粉砕小麦フスマを含有するポリブチレンサクシネート組成物のフィルム(厚さ120μm)を製造した。
(2) 上記(1)で得られたフィルムから、縦×横×厚さ=50mm×15mm×120μmの試験片を切り取り、該試験片を用いて、引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0047】
《比較例3》
(1) 微粉砕小麦フスマの代わりに、実施例1の(1)の(i)で用いた粉砕処理を施す前の小麦フスマ(日清製粉株式会社「精選ふすま」;目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率10質量%)を60℃で乾燥処理して水分含量率5質量%にしたものを、ポリブチレンサクシネート:小麦フスマの割合が60:40の質量比になるような量で用いた以外は実施例7の(1)と同じ操作を行って、小麦フスマを含有するポリブチレンサクシネート組成物のフィルム(厚さ120μm)を製造した。
(2) 上記(1)で得られたフィルムから、縦×横×厚さ=50mm×15mm×120μmの試験片を切り取り、該試験片を用いて、引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0048】
《参考例2》
(1) 小麦フスマを使用せずに、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子株式会社製「#1001」)を単独で用いて、実施例7の(1)と同じ操作を行って、ポリブチレンサクシネートのフィルム(厚さ20μm)を製造した。
(2) 上記(1)で得られたフィルムから、縦×横×厚さ=50mm×15mm×20μmの試験片を切り取り、該試験片を用いて、引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0049】
《実施例8》
(1) ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)(昭和高分子株式会社製「#3001」)8gをジオキサン60mlに50℃で溶解した後、その溶液に、実施例1の(i)で得られた乾燥処理後の微粉砕小麦フスマ(目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率100質量%、水分含量率5質量%)を、ポリブチレンサクシネート:微粉砕小麦フスマの割合が60:40の質量比になるような量で加えて、撹拌機にて均一に混合した後、ガラス板上にアプリケーターで塗布し、20℃で乾燥し、冷却後に基板から剥離して微粉砕小麦フスマを含有するポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)組成物のフィルム(厚さ100μm)を製造した。
(2) 上記(1)で得られたフィルムから、縦×横×厚さ=50mm×15mm×100μmの試験片を切り取り、該試験片を用いて、引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0050】
《比較例4》
(1) 微粉砕小麦フスマの代わりに、実施例1の(1)の(i)で用いた粉砕処理を施す前の小麦フスマ(日清製粉株式会社「精選ふすま」;目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率10質量%)を60℃で乾燥処理して水分含量率5質量%にしたものを、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート):小麦フスマの割合が60:40の質量比になるような量で用いた以外は実施例8の(1)と同じ操作を行って、小麦フスマを含有するポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)組成物のフィルム(厚さ100μm)を製造した。
(2) 上記(1)で得られたフィルムから、縦×横×厚さ=50mm×15mm×100μmの試験片を切り取り、該試験片を用いて、引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0051】
《参考例3》
(1) 小麦フスマを使用せずに、ポリブチレンサクシネート(昭和高分子株式会社製「#1001」)を単独で用いて、実施例8の(1)と同じ操作を行って、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)のフィルム(厚さ60μm)を製造した。
(2) 上記(1)で得られたフィルムから、縦×横×厚さ=50mm×15mm×60μmの試験片を切り取り、該試験片を用いて、引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0052】
【表3】
Figure 0004914982
【0053】
上記の表3における実施例7と比較例3の結果、および実施例8と比較例4の結果から、目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率が80質量%以上である小麦フスマまたは末粉を含有するポリブチレンサクシネート組成物(生分解性プラスチック組成物)からなる実施例7のフィルムは、目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率が80質量%未満(10質量%)である小麦フスマを含有するポリブチレンサクシネート組成物(生分解性プラスチック組成物)からなる比較例3のフィルムに比べて、引張強度、弾性率および破断伸びが高く、力学的特性に優れていることがわかる。
【0054】
《実施例9》
(1) 実施例4〜6で用いたのと同じポリカプロラクトンおよび実施例1の(i)で得られた微粉砕小麦フスマを用いて、実施例7の(1)と同様の操作を行って、ポリカプロラクトンと微粉砕小麦フスマを60:40の質量比で含有するポリカプロラクトン組成物からなるフィルム(厚さ80μm)を製造した。
(2) 微粉砕小麦フスマを用いずにポリカプロラクトンを単独で使用した以外は実施例7の(1)と同様の操作を行って、ポリカプロラクトンフィルム(厚さ60μm)を製造した。
(3) 上記(1)で得られたポリカプロラクトン組成物からなるフィルムの両面に、上記(2)で得られたポリカプロラクトンフィルムを配置し、さらにそれを2枚のポリテトラフルオロエチレンシートで挟んだ後、ロール表面温度が140℃の上下1対の加熱・加圧ロールの間に0.5m/分の速度で通して、加圧融着させて、ポリカプロラクトンフィルム/微粉砕小麦フスマ含有ポリカプロラクトンフィルム/ポリカプロラクトンフィルムからなる3層フィルム(厚さ170μm)を製造した。
(4) 上記(3)で得られた3層フィルムから、縦×横×厚さ=50mm×10mm×170μmの試験片を切り取り、該試験片を用いて、引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0055】
《実施例10》
(1) 実施例7で用いたのと同じポリブチレンサクシネートと実施例1の(i)で得られた微粉砕小麦フスマを用いて、実施例7の(1)と同様にして、ポリブチレンサクシネートと微粉砕小麦フスマを60:40の質量比で含有するポリブチレンサクシネート組成物からなるフィルム(厚さ120μm)を製造した。
(2) 参考例2と同様にして、小麦フスマおよび末粉を含有しないポリブチレンサクシネートフィルム(厚さ20μm)を製造した。
(3) 上記(1)で得られたポリブチレンサクシネート組成物からなるフィルムの両面に、上記(2)で得られたポリブチレンサクシネートフィルムを配置し、さらにそれを2枚のポリテトラフルオロエチレンシートで挟んだ後、ロール表面温度が140℃の上下1対の加熱・加圧ロールの間に0.5m/分の速度で通して、加圧融着させて、ポリブチレンサクシネートフィルム/微粉砕小麦フスマ含有ポリブチレンサクシネートフィルム/ポリブチレンサクシネートフィルムからなる3層フィルム(厚さ120μm)を製造した。
(4) 上記(3)で得られた積層フィルムから、縦×横×厚さ=50mm×10mm×120μmの試験片を切り取り、該試験片を用いて、引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0056】
《実施例11》
(1) 実施例8で用いたのと同じポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)および実施例1の(i)で得られた微粉砕小麦フスマを用いて、実施例8の(1)と同様にして、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)と微粉砕小麦フスマを60:40の質量比で含有するポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)組成物からなるフィルム(厚さ100μm)を製造した。
(2) 参考例3と同様にして、小麦フスマおよび末粉を含有しないポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)のフィルム(厚さ60μm)を製造した。
(3) 上記(1)で得られたポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)組成物からなるフィルムの両面に、上記(2)で得られたポリブチレンサクシネートフィルムを配置し、さらにそれを2枚のポリテトラフルオロエチレンシートで挟んだ後、ロール表面温度が140℃の上下1対の加熱・加圧ロールの間に0.5m/分の速度で通して、加圧融着させて、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)フィルム/微粉砕小麦フスマ含有ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)フィルム/ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)フィルムからなる3層フィルム(厚さ200μm)を製造した。
(4) 上記(1)で得られた3層フィルムから、縦×横×厚さ=50mm×10mm×200μmの試験片を切り取り、該試験片を用いて、引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0057】
《参考例4〜6》
市販の農業用紙マルチシート(三洋製紙株式会社製「カミマルチ」)(非生分解性)、堆肥充填袋用ポリエチレンフィルム(シコー株式会社製)(非生分解性)および市販生分解性農業用マルチシート(クリーンアース株式会社製「クリーンスターチ」)から、縦×横=50mm×100mmの試験片を切り取って、引張強度、弾性率および破断伸びを、JIS K7113に準じて測定したところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0058】
【表4】
Figure 0004914982
【0059】
上記の表4の結果から、実施例9〜11の積層フィルムは、力学的強度に優れており、強度を要する農業用マルチフィルムや、充填袋用フィルムなどの用途に十分に使用できることがわかる。
【0060】
【発明の効果】
本発明の生分解性プラスチック組成物、それを用いてなるシート、フィルム、その他の成形品および積層体は、生分解性に優れていて、使用後は微生物により速やかに生分解される。
しかも、本発明の生分解性プラスチック組成物、それを用いてなる成形品および積層体、特にフィルムまたはシート状の成形品および積層体は、廃棄される前の使用時に、力学的特性に優れており、高強度などを要する各種用途に有効に使用できる。

Claims (7)

  1. 生分解性の脂肪族ポリエステルおよび脂肪族ポリエステル共重合体から選ばれる少なくとも1種の生分解性プラスチック、並びに目開き220μmの篩を通過する粒子の含有率が80質量%以上で且つ水分含有率が5質量%以下である小麦フスマおよび/または末粉を含有することを特徴とする生分解性プラスチック組成物。
  2. 小麦フスマおよび/または末粉の含有量が、生分解性プラスチックと小麦フスマおよび/または末粉の合計質量に対して、1〜80質量%である請求項に記載の生分解性プラスチック組成物。
  3. 生分解性プラスチックが、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリブチレン(サクシネートカーボネート)およびポリ(ブチレンサクシネート/テレフタレート)から選ばれる少なくとも1種の生分解性プラスチックである請求項1または2に記載の生分解性プラスチック組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の生分解性プラスチック組成物からなる成形品。
  5. シートまたはフィルムである請求項に記載の成形品。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の生分解性プラスチック組成物よりなる層の片面または両面に小麦フスマおよび/または末粉を含有しない生分解性プラスチックよりなる層を有することを特徴とする積層体。
  7. シート状またはフィルム状の積層体である請求項に記載の積層体。
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