JPH0648937B2

JPH0648937B2 - コンバイン等の脱穀選別装置

Info

Publication number: JPH0648937B2
Application number: JP60243727A
Authority: JP
Inventors: 友彦市川; 隆夫杉山; 正雄間中
Original assignee: 農業機械化研究所
Priority date: 1985-10-30
Filing date: 1985-10-30
Publication date: 1994-06-29
Anticipated expiration: 2009-06-29
Also published as: JPS62104521A

Description

【発明の詳細な説明】【産業上の利用分野】

本発明は、自脱型コンバイン、自動脱殻機等に適用され
る脱殻選別装置に関するものである。

【従来の技術】

従来の自動脱殻機、自脱型コンバイン等においては、脱
殻部に作物体の穂先から６０cm程度を供給して脱殻して
いる。この脱殻部の扱室内には、フイードチエンにより
挾持されて水平方向に移動する長わらと、扱歯の脱殻作
用で引きちぎられ、扱室内を旋回するわら屑とが混在し
ている。この扱室で発生したわら屑の量が作物条件によ
って多くなる場合や、水分が高い場合には、扱室内での
負荷が大きくなり、作物体の供給量を少なくせざるを得
ない事例が多々ある。

【発明が解決しようとする課題】

このため、脱殻能率が低下したり、脱殻精度に影響を与
え、できるだけ少ない動力で作物の穂部だけを脱殻しよ
うとする自脱方式の利点が十分に生かされない、という
問題点があった。

【課題を解決するための手段】

上記の問題点を解決するために、本発明は、自脱方式の
扱室の軸線方向と平行に、扱室より長さが長く、かつ扱
室後方より突出させて機体後端付近まで延びる選別処理
室を配設し、前記扱室と選別処理室の対向部分のほぼ全
部を連通させ、扱室と処理室の間に設けた案内板に沿っ
て、扱室内で発生したわら屑、枝梗付着粒等を扱室軸線
方向に移動させることなく脱殻直後にほぼ全量選別処理
室に送り込むようにすると共に、前記選別処理室は、その始端部を扱胴始端部とほぼ同位
置に配置し、かつ扱室から排出される被選別物をその軸
線方向に移送させながら処理・選別する，同一形状の螺
旋扱歯と放射扱歯を始端部から終端部まで有する選別処
理胴と、該処理胴の下方に張設され、その周方向終端部
が処理胴軸心よりも上方まで立ち上がっている選別網
と、処理室上蓋部分に設けられ、被選別物の移送速度を
調節する送塵弁と、処理室終端部に設けた排稈口とを具
備していることを特徴とするものである。

【作用】

上記の構成によって、本発明の脱殻選別装置は、扱室内
で発生したわら屑は、扱室内にほとんど滞留されること
なく選別処理室に枝梗付着粒や穂切粒等と共に送り込ま
れ、選別・処理されて脱殻部の処理能力を向上させる。

【実施例】

以下、図面を参照して本発明の実施例を具体的に説明す
る。第１図および第２図に示す脱殻部は、自脱型コンバイン
に搭載されるもので、図示しないが脱殻部の左側には刈
取部および搬送部が、また、下側に走行部が設けられて
いる。この脱殻部は、周面に多数の扱歯２を植設した扱
胴１を軸支し、扱胴１の下側に受網５を張設して扱室３
を構成し、この扱室３一側，外側にフイードチエン４を
設けて自動供給式（自脱方式）の脱殻装置を構成してい
る。扱室３のフイードチエン４を設けた側と反対側の側方に
は、扱室３の軸線方向と平行に、扱胴１の始端部とほぼ
同位置に始端部を配置して扱室３より長さが長く、かつ
扱室後方より突出させて機体後端部付近まで延び、扱室
から排出される被選別物をその軸線方向に移送させなが
ら処理・選別する選別処理室が配設されている。この選別処理室は、前記扱胴１より径の小さい選別処理
胴６を軸支し、その外周に、始端部から終端部まで同一
形状を有する螺旋扱歯９、放射扱歯７を設け、上蓋部分
に送塵弁８を設けている。また、選別処理室の前記扱室
３と対向する部分は開放されていて、その全部がほぼ連
通しており、選別処理室の下側には、選別網10が、処理
室周方向の終端部を処理胴６の軸心よりも上方まで立ち
上がるようにして張設されている。扱室３の受網５および選別網10の前半部分下方にはフイ
ードパン11、チャフシーブ12が連続して設けられ、チャ
フシーブ12の下方にグレインシーブ13が設けられると共
に、チャフシーブ12の後方にストローラック14が設けら
れている。さらに、フイードパン11の下方には選別フア
ン15が設けられ、この選別フアン15の後方で前記グレイ
ンシーブ13の下方に位置して１番オーガ16が、また、ス
トローラック14の下方に位置して２番オーガ17がそれぞ
れ設けられている。２番オーガ17の搬送終端部には２番
スロワ18が設けられ、その終端は選別処理室（扱室３で
もよい）に連通している。ストローラック14の後方には
排塵用送風機19が設けられ、その排風口を排塵口20に臨
ませている。また、前記選別処理室の選別網10の軸方向終端部は機外
に開口して排稈口21を形成している。さらに、選別処理
胴６の螺旋扱歯９のピッチ間には、選別処理胴６の軸線
方向に沿って連結扱歯22が設けられ、また、扱室３と選
別処理室との間には案内板23が設けられていて、扱室３
内で発生したわら屑、枝梗付着粒等を扱室軸線方向に移
動させることなく、脱殻直後にほぼ全量を案内板23に沿
って選別処理室に送り込むようにしている。次に、上記実施例の作用を説明する。コンバインの刈取部で刈取られ、搬送部から送られてき
た作物体は、フイードチエン４により株元側が挾持され
て穂先側が扱室３内に供給される。扱室３内では、扱胴
１の扱歯２により脱殻作用が行われ、脱殻された殻粒
（主として単粒）は受網５を漏下する。一方、扱室３内で発生したわら屑は扱歯２の遠心力によ
り選別処理室側に放出され処理・選別される。この場
合、扱室３内で脱殻されたものの、枝梗付着粒や穂切粒
になった殻粒は、受網５からは漏下しにくいので、前記
わら屑と共に選別処理室に送り込まれる。選別処理室では、わら屑や殻粒（枝梗付着粒や穂切粒）
は、処理胴６の螺旋扱歯９により螺旋軌道を描きながら
軸方向、即ち機体後方に送られる間に枝梗付着粒、穂切
粒等は再脱殻（単粒化）され、さらにわら屑と選別され
る。そして、殻粒は選別網10から漏下し、わらは機体後
方に搬送されて排稈口21から機外に排出される。この場
合、処理胴６に放射扱歯７や連結扱歯22が設けられてい
るので、再脱殻を助けると共に選別網10の目詰りが防止
される。また、送塵弁８は、選別処理胴６の軸方向に沿
って、その取付け角度が変えられるようになっているの
で、処理室内でのわら屑等の移送速度が調節でき、処理
物の発生状況に応じて適宜調節することで最適の処理・
選別が行える。扱室３の受網５および選別処理室の選別網10の前半部分
を漏下した殻粒や細かいわら屑は、フイードパン11、チ
ャフシーブ12、グレインシーブ13等で粗選別され、さら
に選別フアン15からの選別風により精選されて１番オー
ガ16に落下し、図示しないスロワを介して機外のホッ
パ、タンク、殻物袋等に収容される。チャフシーブ12上
に残ったわら屑は、ストローラック14で選別され、選別
処理室の選別網10の後半部分から落下するわら屑と共に
風選され、わら屑は排塵用送風機に吸入されて排塵口20
から機外に放出され、また、２番物は２番オーガ17に落
下して２番スロワ18を介して選別処理室（または扱室
３）に還元されて再脱殻される。上記実施例において、扱室３と選別処理室とを連通する
通路は、通常は扱胴１の軸方向の幅分だけ全面開口して
いるが、作物条件、処理量等に応じて、その一部を遮断
できるようにして通路断面の大きさが変えられるように
してもよい。また、選別網10の網目の大きさは、例えば
前半部分と後半部と異なるようにして選別処理作用を効
率的に行うようにしてもよいものである。さらに、選別処理胴６の放射扱歯は、第３図に示すよう
に螺旋扱歯９に放射突起24を直接取付けるようにしても
よく、また、第４図および第５図に示すように、螺旋扱
歯９に突起25を形成させてもよいものである。また、上
記螺旋扱歯９、放射扱歯７、連結扱歯22、放射突起24、
突起25つき螺旋扱歯等を適宜組合せてもよいものであ
る。さらにまた、脱粒易の材料や乾材の場合には、螺旋扱歯
に代えて、単体の独立した板状歯や線材歯を選別処理胴
に螺旋状に取付けてもよい。

【発明の効果】

以上説明したように、本発明のコンバイン等の脱殻選別
装置によれば、自脱方式の扱室の軸線方向と平行に、扱
室より長さが長く、かつ扱室後方より突出させて機体後
端付近まで延びる選別処理室を配設し、前記扱室と選別
処理室の対向部分のほぼ全部を連通させ、扱室と処理室
の間に設けた案内板に沿って、扱室内で発接したわら
屑、枝梗付着粒等を扱室軸線方向に移動させることなく
脱殻直後にほぼ全量選別処理室に送り込むようにすると
共に、前記選別処理室は、その始端部を扱胴始端部とほ
ぼ同位置に配置し、かつ扱室から排出される被選別物を
その軸線方向に移送させながら処理・選別する，同一形
状の螺旋扱歯と放射扱歯を始端部から終端部まで有する
選別処理胴と、該処理胴の下方に張設され、その周方向
終端部が処理胴軸心よりも上方まで立ち上がっている選
別網と、処理室上蓋部分に設けられ、被選別物の移送速
度を調節する送塵弁と、処理室終端部に設けた排稈口と
を具備しているので、扱室内で発生するわら屑のほとん
どが扱室内に滞留することなく選別処理室に送られて能
率よく選別・処理され、扱室の負荷が大幅に軽減され
る。その結果、脱殻，選別処理能力が向上して高能率の
脱殻作業を行うことができる。また、扱室内で発生した枝梗付着粒、穂切粒等は、発生
したわら屑と共に選別処理室に送られることから、従来
の扱胴の主として後半部で行っていた上記枝梗付着粒、
穂切粒等の単粒化作用を行う必要がなく、その結果、扱
胴の長さを短くすることができ、脱殻部および選別部を
コンパクトに構成することができる。さらに、被脱殻物の状態に応じて送慶弁を調節して適切
な選別・処理作業が行われる。また、わら屑等の発生が
異常に多いような場合でも、選別処理室終端の排稈口か
ら排出されて詰まりを生じることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は脱穀部全体の概略側面図、第２図は第１図のII
−II線に沿う断面図、第３図は選別処理胴の他の実施例
の側面図、第４図は選別処理胴のさらに他の実施例の側
面図、第５図は第４図のＶ−Ｖ線断面図である。 1 ……扱胴、2 ……扱歯、3 ……扱室、4 ……フィード
チエン、5 ……受網、6 ……選別処理胴、7 ……放射扱
歯、8 ……送塵弁、9 ……螺旋扱歯、10……選別網、11
……フィードパン、12……チャフシーブ、13……グレイ
ンシーブ、14……ストローラック、15……選別ファン、
16……１番オーガ、17……２番オーガ、18……２番スロ
ワ、19……排塵用送風機、20……排塵口、21……排稈
口、22……連結扱歯、23……案内板、24……放射突起、
25……突起。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭59−173016（ＪＰ，Ａ) 特開昭54−91461（ＪＰ，Ａ) 特開昭55−68216（ＪＰ，Ａ) 実開昭58−91254（ＪＰ，Ｕ)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】自脱方式の扱室の軸線方向と平行に、扱室
より長さが長く、かつ扱室後方より突出させて機体後端
付近まで延びる選別処理室を配設し、前記扱室と選別処
理室の対向部分のほぼ全部を連通させ、扱室と処理室の
間に設けた案内板に沿って、扱室内で発生したわら屑、
枝梗付着粒等を扱室軸線方向に移動させることなく脱穀
直後にほぼ全量選別処理室に送り込むようにすると共
に、前記選別処理室は、その始端部を扱胴始端部とほぼ同位
置に配置し、かつ扱室から排出される被選別物をその軸
線方向に移送させながら処理・選別する，同一形状の螺
旋扱歯と放射扱歯を始端部から終端部まで有する選別処
理胴と、該処理胴の下方に張設され、その周方向終端部
が処理胴軸心よりも上方まで立ち上がっている選別網
と、処理室上蓋部分に設けられ、被選別物の移送速度を
調節する送塵弁と、処理室終端部に設けた排稈口とを具
備していることを特徴とするコンバイン等の脱穀選別装
置。