JPH0648923A - 整髪剤用基剤 - Google Patents

整髪剤用基剤

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JPH0648923A
JPH0648923A JP20500192A JP20500192A JPH0648923A JP H0648923 A JPH0648923 A JP H0648923A JP 20500192 A JP20500192 A JP 20500192A JP 20500192 A JP20500192 A JP 20500192A JP H0648923 A JPH0648923 A JP H0648923A
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hair
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Motomi Ogasawara
元見 小笠原
Yuujirou Uchiyama
雄二朗 内山
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Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 毛髪に対する付着性にすぐれ、形成されたフ
ィルムがなめらかな感触および光沢を有し、しかもフィ
ルム硬度を調節することによりセット力を適宜調整しう
る整髪剤用基剤を提供すること。 【構成】 ポリエチレングリコールの(メタ)アクリル
酸モノエステル20〜80重量%、シロキシ基を含有した
(メタ)アクリル酸誘導体1〜20重量%、ならびに(メ
タ)アクリル酸エステルおよび/または(メタ)アクリ
ルアミド5〜60重量%を含有したモノマー成分を重合し
てなる整髪剤用基剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は整髪剤用基剤に関する。
さらに詳しくは、毛髪に対する付着性にすぐれ、また毛
髪にすぐれた光沢およびなめらかな感触を付与し、かつ
良好なセット保持力を有する整髪剤用基剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、整髪剤には、揮発性環状シロキサ
ン、ジメチルポリシロキサンなどの重合度が1〜50程度
の低重合度ポリシロキサンが他の原料との相溶性がよい
ことから用いられているが、最近ではシリコーンオイル
が発現するくし通り性は、該シリコーンオイルの重合度
が高いものほどよくなることが認められるため、高重合
度のシリコーンオイルに対する期待が高まりつつある。
【0003】しかしながら、シリコーンオイルは、その
重合度がおおよそ50をこえるあたりからアルコールなど
の他の原料との相溶性がわるくなり、分離しやすくなる
という欠点がある。
【0004】そこで、種々のシリコーンオイルの改良が
試みられ、その官能基を変性することにより水溶性や毛
髪への付着性の向上を図ることが試みられている。この
ような技術としては、たとえばポリエーテル変性シリコ
ーン(特開昭60- 126209号公報、特開昭61-6号公報)や
アミノ変性シリコーン(特開平1-203314号公報、特開平
2-111712号公報)が知られている。
【0005】しかしながら、これらのシリコーンは、い
ずれもシリコーンオイルを基剤としたものであり、シリ
コーン独自の特性を有する一方で整髪剤として使用する
際に様々な制約を受けるものである。たとえば、フィル
ムの硬度を高めたり、水溶性を付与したり、毛髪への付
着性を向上させるために変性させたばあいには、高価な
ものになりやすく、また低分子量のシリコーンオイルを
ブレンドして使用したばあいには、毛髪への使用後にそ
の一部が溶出するため、多量に使用したり、使用者が長
時間使用したりすると毛髪のきしみ感が増したり、脂ぎ
るといった欠点がある。
【0006】また、なめらかさを毛髪に付与するため
に、従来よりカチオン性界面活性剤が整髪剤に用いられ
ている。かかるカチオン性界面活性剤のなかで、とくに
高分子化合物であるカチオン性ポリマーは、水溶性を有
するものであり、また毛髪の固定セット力にすぐれるの
で広く使用されている。しかしながら、カチオン性界面
活性剤は、ごわつき感を与え、望ましい光沢や充分なな
めらかさを毛髪に付与するものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
前記従来技術に鑑みて、水や親水性溶剤などきわめて広
範囲な溶剤に安定して溶解ないし分散し、毛髪への固定
セット力が大きく、またシリコーンオイルの特徴である
すぐれた光沢、なめらかさ、くし通り性および帯電防止
性を毛髪に付与しうる整髪剤用基剤を開発するべく鋭意
研究を重ねた結果、かかる諸性質を同時に満足した整髪
剤用基剤をようやく見出し、本発明を完成するにいたっ
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、一
般式(I) :
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェ
ニル基、nは2〜23の整数を示す)で表わされるモノマ
ー(A)20〜80重量%、一般式(II):
【0011】
【化5】
【0012】(式中、R1 は前記と同じ)で表わされる
モノマー(B)1〜20重量%および一般式(III) :
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R1 は前記と同じ、R3 は炭素数
1〜4のアルコキシル基またはアミド基を示す)で表わ
されるモノマー(C)5〜60重量%を含有したモノマー
成分を重合してなる整髪剤用基剤に関する。
【0015】
【作用および実施例】本発明の整髪剤用基剤は、前記し
たように、一般式(I) :
【0016】
【化7】
【0017】(式中、R1 は水素原子またはメチル基、
2 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェ
ニル基、nは2〜23の整数を示す)で表わされるモノマ
ー(A)20〜80重量%、一般式(II):
【0018】
【化8】
【0019】(式中、R1 は前記と同じ)で表わされる
モノマー(B)1〜20重量%および一般式(III) :
【0020】
【化9】
【0021】(式中、R1 は前記と同じ、R3 は炭素数
1〜4のアルコキシル基またはアミド基を示す)で表わ
されるモノマー(C)5〜60重量%を含有したモノマー
成分を重合したものである。
【0022】本発明に用いられるモノマー(A)は、前
記したように、一般式(I) で表わされるポリエチレング
リコールの(メタ)アクリル酸モノエステルである。
【0023】本発明においては、モノマー(A)を用い
たことに大きな特徴の1つがあり、シロキシ基を有する
モノマーと併用したばあいには、水や親水性溶剤に対し
てすぐれた相溶性を示しながら、しかも毛髪への密着性
にすぐれるのである。
【0024】なお、一般式(I) において、R1 は水素原
子またはメチル基であり、R2 は水素原子、メチル基、
エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、
s−ブチル基、t−ブチル基またはフェニル基である
が、これらのなかでもとくに水素原子およびメチル基は
水または水系溶媒への分散性にすぐれているので好まし
い。また、nは2〜23、好ましくは4〜9の整数である
が、nがかかる範囲よりも小さいばあいには、えられる
整髪剤用基剤の水または水系溶媒への分散性が低下し、
水溶液としたばあいには、凝集を生じるようになり、ま
たnがかかる範囲よりも大きすぎるばあいには、えられ
る整髪剤用基剤によって形成されたフィルムの硬度が小
さくなり、セット力が低下するようになる。
【0025】前記モノマー(A)の具体例としては、た
とえばメトキシテトラエチレングリコール(メタ)アク
リレート、メトキシノナエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、フェノキシノナエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ノナエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、メトキシトリコサエチレングリコー
ル(メタ)アクリレートなどがあげられ、これらのモノ
マーは単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0026】前記モノマー(A)の使用量は、重合に供
せられるモノマー成分に対して20〜80重量%、好ましく
は30〜70重量%となるように調整することが望ましい。
前記モノマー(A)の使用量が20重量%未満であるばあ
いには、えられる整髪剤用基剤の水溶性が低下し、水溶
液としたばあいに分散性が低下し、凝集が生じることが
あり、またえられる整髪剤用基剤の洗髪除去が困難とな
り、80重量%をこえるばあいには、えられる整髪剤用基
剤によって形成されたフィルムの耐湿性が低下すること
がある。
【0027】本発明に用いられるモノマー(B)は、前
記したように、一般式(II)で表わされるシロキシ基を含
有した(メタ)アクリル酸の誘導体である。本発明にお
いては、モノマー(B)を用いたことにもう1つの大き
な特徴がある。モノマー(B)は、えられる整髪剤用基
剤にシリコーンオイルの特性であるすぐれた光沢を与え
つつ、なめらかさおよび固定セット力を向上させる性質
を有する。また、一般に行なわれているシリコーンオイ
ルのブレンドと異なり、整髪剤用基剤中に単一のポリマ
ー鎖としてシロキシ基が固定化されているので、シリコ
ーンオイルの一部が溶出することがなく、長時間使用し
ても頭髪にきしみ感が生じたり、脂ぎることがない。
【0028】前記モノマー(B)の具体例としては、ア
クリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラ
ンおよびメタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシ
ロキシ)シランがあげられる。
【0029】前記モノマー(B)は単独でまたは2種を
混合して用いられる。
【0030】前記モノマー(B)の使用量は、重合に供
せられるモノマー成分に対して1〜20重量%、好ましく
は2〜15重量%となるように調整することが望ましい。
前記モノマー(B)の使用量が1重量%未満であるばあ
いには、シリコーンオイルのようななめらかさが付与さ
れなくなったり、光沢性が認められなくなり、また20重
量%をこえるばあいには、えられる整髪剤用基剤を用い
て形成されたフィルムの硬度が低下し、シリコーンゴム
状の特性が発現しはじめるため、毛髪にスプレーなどの
手段により塗布した際に白くなるおそれがある。
【0031】本発明に用いられるモノマー(C)は、前
記したように、一般式(III) で表わされる(メタ)アク
リル酸エステルまたは(メタ)アクリルアミドであり、
えられる整髪剤用基剤によって形成されたフィルムの耐
ブロッキング性や平滑性などの物性を向上させるために
用いられるモノマーである。
【0032】なお、一般式(III) において、R1 は水素
原子またはメチル基であり、R3 はメトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、ブトキシ基、アミド基であるが、
これらのなかでもとくにブトキシ基は水系溶剤および非
水系溶剤との相溶性ないし分散性にすぐれているので好
ましい。
【0033】前記モノマー(C)の具体例としては、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアク
リレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
ブチルメタクリレート、N−t−ブチルアクリルアミ
ド、N−t−ブチルメタクリルアミドなどがあげられ、
これらのモノマーは単独でまたは2種以上を混合して用
いられる。
【0034】前記モノマー(C)の使用量は、重合に供
せられるモノマー成分に対して5〜60重量%、好ましく
は10〜50重量%となるように調整することが望ましい。
前記モノマー(C)の使用量が5重量%未満であるばあ
いには、えられる整髪剤用基剤によって形成されるフィ
ルムの耐ブロッキング性、平滑性が低下し、また60重量
%をこえるばあいには、えられる整髪剤用基剤によって
形成されたフィルムの洗浄除去性が低下することがあ
る。
【0035】本発明に用いられるエチレン性不飽和モノ
マー(D)は、えられる整髪剤用基剤によって形成され
たフィルムに柔軟性および適度な硬度を付与し、触感を
変化させるために必要により使用される成分である。
【0036】前記モノマー(D)の具体例としては、た
とえば(メタ)アクリル酸、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ト
リデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリ
ルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−
t−オクチル(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリ
ル、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニ
ルトルエン、酢酸ビニルなどがあげられ、一般にこれら
のモノマーを配合すると、たとえばエアゾールの形態で
使用するとき噴射剤との相溶性を向上させることができ
る。これらのモノマーは単独でまたは2種以上を混合し
て用いられ、その使用量は目的とする整髪剤用基剤の物
性に応じて選ぶことができるが、重合に供せられるモノ
マー成分に対して30重量%をこえて使用したばあいに
は、えられる整髪剤用基剤を用いて形成されたフィルム
の平滑性および透明性が悪化するおそれがあるので、0
〜30重量%、なかんづく2〜20重量%の範囲内にあるこ
とが好ましい。
【0037】本発明の整髪剤用基剤は、前記モノマー
(A)〜(D)の所望量を調整し、親水性溶媒中で共重
合することによりえられる。
【0038】ここで親水性溶媒とは、水に対する溶解度
が10g/水 100g(25℃)以上である有機溶媒をいう。
かかる親水性溶媒の具体例としては、たとえば炭素数が
1〜4の脂肪族1〜4価アルコール、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、酢酸メチル、ジメ
チルホルムアミドなどがあげられるが、これらのなかで
は1〜2価アルコールが化粧品原料として扱ううえでと
くに好ましいものである。
【0039】前記1価アルコールの具体例としては、た
とえばメタノール、エタノール、イソプロパノールなど
があげられる。また2価アルコールの具体例としては、
たとえばプロピレングリコールなどがあげられる。
【0040】また、本発明の整髪剤用基剤は人体の皮膚
に付着することがあるため、その安全性を考慮すれば、
前記親水性溶媒のなかではエタノール、イソプロパノー
ルがとくに好ましいものである。
【0041】前記共重合は、モノマー(A)〜(D)か
らなるモノマー混合物を前記親水性溶媒に溶解し、重合
開始剤を添加し、たとえばチッ素ガスなどの不活性ガス
気流下で加熱しながら撹拌することにより行なわれる。
【0042】前記重合開始剤としては、一般に溶液重合
法に用いられているものであればとくに制限はなく、そ
の具体例としては、たとえば過酸化ベンゾイル、過酸化
ラウロイルなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ルなどのアゾ系化合物などがあげられる。なお、重合に
供せられるモノマーのうち、アクリレート系モノマーを
選択するばあい、重合開始剤として過酸化物を用いたと
きに架橋ゲル化を生起するおそれがあるので、アゾ系化
合物を用いることが好ましい。
【0043】重合に際しては、前記親水性溶媒は、モノ
マー混合物の濃度が20〜70重量%程度となるように調整
して使用することが好ましい。なお、前記モノマー混合
物の濃度が50重量%をこえるばあいには、前記モノマー
混合物を分割して徐々に添加して重合を行なうことが急
激な重合熱の発生を避け、安全に重合を行なううえで好
ましい。
【0044】重合温度は、用いる重合開始剤の種類など
によって異なるため一概には決定することができない
が、通常重合開始剤の10時間半減期温度とすることが好
ましく、とくに用いた親水性溶媒の還流温度に近いこと
がより再現性の高い重合を行なうことができるので好ま
しい。
【0045】また、重合時間は、8時間よりも短いばあ
いには重合が不完全となって未反応のモノマーが残存す
ることがあるため、8時間以上、好ましくは12〜36時間
とすることが望ましい。
【0046】なお、残存モノマーが存在するか否かは、
一般的な手法、たとえばPSDB法などにより二重結合
が存在するか否かを確認することにより行なうことがで
きる。
【0047】かくしてえられる本発明の整髪剤用基剤
は、共重合体が10000 〜150000程度の重量平均分子量を
有するものであり、通常そのままの状態または溶媒を除
去した状態で使用しうるものであるが、さらに水溶性を
付与するために、たとえばモノマー(D)として(メ
タ)アクリル酸を用いたばあいには、前記整髪剤用基剤
にたとえば水溶性塩基性物質などを加えて中和すること
が好ましい。このばあい、中和率は50〜90モル%である
ことが好ましい。かかる中和率が50モル%未満であるば
あいには、水溶性が低下し、水への分散性が小さくなる
傾向があり、また90モル%をこえるばあいには、えられ
た整髪剤用基剤を用いて形成されたフィルムの耐水性が
低下する傾向がある。
【0048】前記水溶性塩基性物質としては、たとえば
アンモニア水、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールア
ミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノー
ルアミン、モルホリン、アミノメチルプロパノール、ア
ミノメチルプロパンジオール、アミノエチルプロパンジ
オールなどがあげられ、これらの化合物は通常単独でま
たは2種以上を混合して用いられる。
【0049】本発明の整髪剤用基剤をエアゾールとして
用いるばあいには、前記整髪剤用基剤を、たとえば前記
重合用溶媒として用いた親水性溶媒に溶解したものを噴
射剤やその他添加剤、補助剤などとともにエアゾール容
器内に加圧充填し、封入すればよい。なお、このばあ
い、エアゾール容器内に充填される各種成分の配合割合
は、通常それぞれ目的用途などに応じて適宜調整される
ことが望ましい。
【0050】つぎに本発明の整髪剤用基剤を実施例に基
づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例
のみに限定されるものではない。
【0051】実施例1 還流冷却器、温度計、チッ素導入管、滴下ロートおよび
撹拌装置を取り付けた500ml 容の五つ口フラスコにメト
キシノナエチレングリコールメタクリレート55部(重量
部、以下同様)、メタクリロキシプロピルトリス(トリ
メチルシロキシ)シラン5部、t−ブチルメタクリレー
ト40部およびエタノール150 部を入れ、これにα、α´
−アゾビスイソブチロニトリル0.2 部を加え、撹拌しな
がらチッ素気流下に80℃で加熱還流した。重合開始6時
間後に、α、α´−アゾビスイソブチロニトリル0.2 部
を追添し、さらに6時間重合して反応を完結した。
【0052】えられた整髪剤用基剤の樹脂固形分は40重
量%で、樹脂組成物の重量平均分子量を測定したところ
72000 であった。
【0053】つぎにえられた整髪剤用基剤の物性として
外観および水溶性を以下の方法にしたがって調べた。そ
の結果を表2に示す。
【0054】(外観)えられた整髪剤用基剤の外観を目
視により観察した。
【0055】(水溶性)樹脂組成物の40%エタノール溶
液5gに水45gを加え、以下の評価基準に基づいて評価
した。
【0056】(評価基準) A:5分間以内に完全に溶解する。 B:15分間以内に完全に溶解する。 C:濁りを生じる。
【0057】実施例2〜10および比較例1〜2 配合した各モノマー成分を表1に示すように変更したほ
かは、実施例1と同様にして整髪剤用基剤をえた。
【0058】ただし、実施例5および比較例2において
は、えられた樹脂組成物を50℃以下に冷却し、アミノメ
チルプロパノールの40%エタノール溶液を添加し、酸の
中和率を80モル%とした。
【0059】えられた整髪剤用基剤の重量平均分子量お
よび物性を実施例1と同様に調べた。その結果をそれぞ
れ表1および2に示す。
【0060】なお、表中の各略号は以下のことを意味す
る。
【0061】MNEM :メトキシノナエチレングリコ
ールメタクリレート MNEA :メトキシノナエチレングリコールアクリレ
ート MTCEM:メトキシトリコサエチレングリコールメタ
クリレート MPTMS:メタクリロキシプロピルトリス(トリメチ
ルシロキシ)シラン TBM :t−ブチルメタクリレート TBA :t−ブチルアクリレート EM :エチルメタクリレート IBM :i−ブチルメタクリレート IPM :i−プロピルメタクリレート MAA :メタクリル酸 LM :ラウリルメタクリレート SM :ステアリルメタクリレート HPM :ヒドロキシプロピルメタクリレート DAAM :ダイアセトンアクリルアミド MAAM :メタクリルアミド NVP :N−ビニルピロリドン VA :酢酸ビニル
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】表2に示した結果から、本発明の実施例1
〜10でえられた整髪剤用基剤は、いずれも外観および水
溶性にすぐれたものであることがわかる。
【0065】処方例1〜10および比較処方例1〜3 実施例1〜10および比較例1〜2でえられた整髪剤用基
剤の樹脂成分が15%含有されたエタノール溶液7.5 gお
よび精製水2.5 gならびに噴射剤としてジメチルエーテ
ル5gをエアゾール容器(満注量:80ml)に充填し、こ
れにバルブを取り付けて水性の整髪用エアゾール製品を
作製した。
【0066】また、比較例2でえられた整髪剤用基剤
(固形分40重量%)の固形分に対してメチルポリシロキ
サン(n=10)(日本ユニカー(株)製、L−45)5部
を添加し、エタノールにて固形分が10%となるように調
整したエタノール溶液10gを用い、その他は前記と同様
にして水性の整髪用エアゾール製品を作製した(比較処
方例3)。
【0067】つぎにえられたエアゾール製品を用いて整
髪剤のセット力および形成されたフィルムの物性を以下
の方法にしたがって調べた。その結果を表3に示す。
【0068】(セット力)長さ25cmの毛髪2gに、整髪
剤を20cmの距離から10秒間噴霧したのち、この毛髪を外
径1.2cm のカーラーに巻き、40℃の温風で60分間かけて
乾燥したのち、カーラーから毛髪をはずし、温度30℃、
相対温度80%の雰囲気中に垂直に吊した直後の長さ(L
1 )と1時間放置後の長さ(L2 )を測定し、カールリ
テンションを次式から算出した。
【0069】
【数1】
【0070】なお、カールリテンションが60%以上のも
のを合格(表中、Aと表示)とし、また60%未満のもの
を不合格(表中、Bと表示)とした。
【0071】(フィルムの物性) (イ)洗浄性 縦2.5cm 、横7.5cm のガラス板に前記整髪剤を20cmの距
離から5秒間噴霧したのち、20℃にて3時間風乾してフ
ィルムを形成した。このガラス板を40℃の0.2%シャン
プー含有温水に静置浸漬し、フィルムの溶解状態の経時
変化を調べ、以下に示す評価基準にしたがって、評価し
た。
【0072】(評価基準) A:30分間以内に完全に溶解する。 B:40分間以内に完全に溶解する。 C:40分間経過後もフィルムが残存する。
【0073】(ロ)耐ブロッキング性 長さ25cmの毛髪2gに整髪剤3gを均一にスプレーによ
り塗布した。この毛髪を40℃の温風で60分間かけて乾燥
し、市販のくしを用いてそのくし通りの状態を以下の評
価基準に基づいて評価した。
【0074】(評価基準) A:ひっかかりがなく、くしがなめらかに通る。 B:ひっかかりはあるが、くしを通すことができる。 C:ひっかかりがつよく、くしを通しにくい。 D:くしが通らない。
【0075】(ハ)平滑性 2.5cm ×7.5cm のガラス板に前記整髪剤を20cmの距離か
ら5秒間噴霧したのち、20℃にて3時間風乾してフィル
ムを形成した。つぎに形成したフィルム面を指で触感を
調べ、平滑性を以下に示す評価基準に基づいて評価し
た。
【0076】(評価基準) A:完全になめらかである。 B:ややざらつきがある。 C:かなりざらつきがある。
【0077】(ニ)透明性 たて2.5cm 、よこ7.5cm のガラス板に前記整髪剤を20cm
の距離から5秒間噴霧したのち、20℃にて3時間風乾し
てフィルムを形成した。つぎに形成したフィルムの状態
を目視により観察し、以下の評価基準に基づいて評価し
た。
【0078】(評価基準) A:完全に透明である。 B:部分的に白化している。 C:全面が白化している。
【0079】(ホ)光沢性 長さ25cmの毛髪2gに整髪剤3gを均一にスプレーによ
り塗布した。
【0080】この毛髪を40℃の温風で60分間かけて乾燥
し、目視により、光沢性を観察した。
【0081】(評価基準) A:非常に光沢がある。 B:幾分光沢がある。 C:光沢がない。
【0082】(ヘ)経時感触性 長さ25cmの毛髪2gに整髪剤3gを均一にスプレーによ
り塗布した。
【0083】この毛髪を40℃の温風で60分間かけて乾燥
し、乾燥直後と12時間後との感触の違いを指で圧力を加
えることにより観察した。
【0084】(評価基準) A:12時間後も変化なし。 B:12時間後に幾分べたつきがある。 C:12時間後にべたつきがある。
【0085】
【表3】
【0086】表3に示した結果から、本発明の実施例1
〜10でえられた整髪剤用基剤は、いずれも整髪剤として
必要な特性を備え、しかもポリマー系セッティング剤と
して従来の整髪剤用基剤になかったシリコーンオイル特
有の光沢を併有していることがわかる。
【0087】
【発明の効果】本発明の整髪剤用基剤は、水や親水性有
機溶剤に可溶のものであり、毛髪への固定セット力が大
きく、洗髪剤によって容易に除去しうるものであり、し
かも耐ブロッキング性にもすぐれたものである。
【0088】さらに、本発明の整髪剤用基剤は、頭髪に
対する親和性にすぐれたものであり、かつ、シリコーン
オイル特有の性質を併有し、従来の低分子シリコーンオ
イルをブレンドした化粧料のような終時的なオイル分の
しみ出しがなく、しかもすぐれた光沢を有するものであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) : 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は水素原
    子、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基、nは
    2〜23の整数を示す)で表わされるモノマー(A)20〜
    80重量%、一般式(II): 【化2】 (式中、R1 は前記と同じ)で表わされるモノマー
    (B)1〜20重量%および一般式(III) : 【化3】 (式中、R1 は前記と同じ、R3 は炭素数1〜4のアル
    コキシル基またはアミド基を示す)で表わされるモノマ
    ー(C)5〜60重量%を含有したモノマー成分を重合し
    てなる整髪剤用基剤。
  2. 【請求項2】 モノマー成分が共重合可能なエチレン性
    不飽和モノマー(D)を30重量%以下の範囲で含有した
    ものである請求項1記載の整髪剤用基剤。
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