JPH0648816A - 高密度酸化インジウムスズ焼結体の製造方法 - Google Patents
高密度酸化インジウムスズ焼結体の製造方法Info
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- JPH0648816A JPH0648816A JP4245435A JP24543592A JPH0648816A JP H0648816 A JPH0648816 A JP H0648816A JP 4245435 A JP4245435 A JP 4245435A JP 24543592 A JP24543592 A JP 24543592A JP H0648816 A JPH0648816 A JP H0648816A
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Abstract
密度酸化インジウムスズ焼結体を工業的に安定しかつ低
コストで製造することを目的とする。 【構成】 比表面積20m2/g以上の酸化インジウム
粉末85〜100重量%、残部が酸化スズ粉末及び不可
避不純物からなる混合粉末を加圧成形後、酸素濃度40
%以上の酸化雰囲気中にて1400〜1600℃で焼成
することを特徴とする高密度酸化インジウムスズ焼結体
の製造方法。
Description
(以下、ITOという)焼結体の製造方法に関し、詳し
くは相対密度が90%以上の高密度ITO焼結体の製造
方法に関するものである。
O膜の形成法としては、スプレー法やCVD法等の化学
的方法と、蒸着法やスパッタ法等の物理的方法がある
が、特にスパッタ法は膜質の良好さや工業的利点から広
く用いられている。
ッタリングターゲットとして用いているが、従来はIT
Oの焼結性が悪いことから、相対密度60〜75%の焼
結体が用いられていたが、近来膜質の向上や成膜速度を
大きくすること、ターゲット表面黒化の抑制という要求
に対して、焼結体密度を高めることが望まれていた。
来からホットプレス法(HP法),プレス法(金型法、
CIP法ともいう),鋳込み法等が知られている。
質モールドに入れ、同じくカーボン質のパンチにより圧
力(〜200Kg/cm2)を加えながら、1000〜
1400℃に加熱して焼結体を得る方法である。
し、大気炉において焼成する方法であり、ITO粉末と
しては加圧成形時のハンドリング性の向上と圧力伝達性
の向上のために、溶媒中に結合剤等と共に分散させてス
ラリーとした後、スプレードライ等により顆粒状とした
ものが用いられている。
等と共に分散させたスラリーを吸水性の成形型に常圧下
又は加圧下に注入して成形し、得られた成形体を上記プ
レス法の場合と同様に焼成して焼結体を得る方法であ
る。
は、それぞれ下記のような欠点がある。
焼結体を製造できる点では好ましい方法であるが、一般
に還元雰囲気加熱によるため、焼結体の一部が還元され
るという欠点があることに加え、例えば10inch×
15inchなどの大型タイプの焼結体を製造する場
合、かなり大規模な装置が必要となるなど、実用的でな
い面もある。
媒に分散させたスラリーとするために、比表面積が10
m2/g以上であるような焼結性の良い微粒子を用いる
ことは困難である。しかも、鋳込み法の場合には、成形
に適したスラリー濃度や流動性を得るために、仮焼によ
り比表面積を4〜5m2/gに調整する必要があった。
また、スプレードライにより造粒する場合も、微粉末で
は過剰の溶媒が必要であり、更に作製された造粒粉も中
空球や陥没球状のものが多く、これらを用いてプレス成
形しても、グリーン密度が低かったりして、クラックの
発生原因となることが多かった。
20m2/g以上の酸化インジウム粉末を用いた造粒粉
を製造し、高密度ITO焼結体を得る方法(特願平3−
83309号,特願平4−61190号)を提案した
が、相対密度90%を超えるITO焼結体を安定して製
造し得るまでには至らなかった。
加圧酸素雰囲気中で焼成することを特徴とする技術(特
開平3−207858号公報)も提案されているが、I
TOの分解を抑制するため、1気圧(ゲージ圧)以上の
加圧酸素雰囲気で1600〜1700℃の高温で焼成す
ることにより一応高密度焼結体が得られるが、焼成炉の
構造を耐圧容器として高温に耐え得るようにしなければ
ならないため、設備費が膨大になるなどの問題があっ
た。
諸欠点を解消し、特殊で高価な装置を用いることなく、
高密度ITO焼結体を工業的に安定しかつ低コストで製
造することを目的とする。
TO焼結体を製造すべく多くの実験・研究を重ねた結
果、焼結性の良いITO原料粉で成形した成形体を酸素
濃度40%以上の酸化雰囲気中にて焼成温度1400〜
1600℃で常圧焼結することにより、相対密度90%
以上の高密度ITO焼結体が製造できるとの知見を得て
本発明をなすに至ったのである。
の酸化インジウム粉末85〜100重量%,残部が酸化
スズ粉末及び不可避不純物からなる混合粉末を加圧成形
後、酸素濃度40%以上の酸化雰囲気中にて1400〜
1600℃で焼成することを特徴とする高密度ITO焼
結体の製造方法を提供するものである。
粉末を用いるが、主成分の酸化インジウム粉末として
は、比表面積20m2/g以上の粉末を85〜100重
量%の割合で使用し、残部が酸化スズ及び不可避不純物
となるように配合して均一に混合したものを用いる。酸
化スズとしては、粒径が10μm以下の粉末がよいが、
好ましくは主成分の酸化インジウム粉末と同等の粒径の
ものがよい。
金型プレス等で加圧成形し、成形体を作製する。この場
合、該成形体の密度は45%以上の相対密度とすること
が好ましい。
焼成するが、焼成時の炉内の雰囲気を酸素濃度40%以
上の酸化雰囲気に保持することが大切である。焼成時の
焼成温度が1400℃未満では焼結が進行せず、従って
焼結密度が高くならない。一方、焼成温度が1600℃
を超えても焼結はするが、ITOの解離が大きくなるこ
ととコスト的な面から有益とはいえない。従って、焼成
温度は1400〜1600℃の温度範囲とする。
用電気炉に所定の酸素濃度が保持できるように純酸素ガ
スを流入させる程度でよく、特別な耐圧容器とする必要
はない。酸素濃度は40%以上とし、40%未満では所
望の効果が得られない。雰囲気中の酸素以外のガスにつ
いては、ITOと反応しないガスであればよい。なお、
所定温度での保持時間は通常1〜20時間であり、好ま
しくは2〜10時間である。
り、従来技術の諸欠点を解消し、特殊で高価な装置など
を用いることなく、相対密度90%以上の高密度ITO
焼結体を安定して低コストで製造することができるので
ある。
ち、ITOの焼結においては、上記の焼成温度域での蒸
気圧が高くなり、気相拡散により焼結が進行するものと
考えられるが、反面ITOの解離により焼結が阻害され
る。そこで、酸素分圧を大きくすることでITOの解離
を抑制すると共に、1600℃を超えると解離が急激に
促進されるので、焼成温度を1600℃以下で焼結させ
ることができるような焼結性の良好なITO原料粉を用
いることにより、高密度化が達成されるものと考えられ
る。また、その機構については明らかではないが、酸素
自体が焼結を促進させる作用をしていることも考えられ
る。次に、本発明を実施例により詳細に説明する。
粉90重量%と比表面積4m2/gの酸化スズ(SnO
2)粉10重量%とを混合した混合粉にPVA(ポリビ
ニールアルコール)5重量%水溶液を該混合粉の全量基
準で10重量%を添加配合し、これを金型プレスで1i
nchφ×5mmのペレットに作製した。作製したペレ
ット成形体の相対密度は53%であった。
600℃の温度域で焼成温度を変化させて、各々5時間
保持して焼成した。焼成時の炉内雰囲気中の酸素濃度
は、45%になるように酸素ガスを流入して調整した。
その結果を、図1及び図2に示す。
粉95重量%と比表面積4m2/gの酸化スズ(SnO
2)粉5重量%とを充分に混合した混合粉にPVA5重
量%水溶液を該混合粉の全量基準で10重量%を添加配
合し、これを金型プレスで1inchφ×5mmのペレ
ットに作製し、実施例1と同条件で焼成した。その結果
も図1及び図2に併せて示す。
×170mm(幅)×10mm(厚さ)の成形体をプレ
ス成形して作製し、該成形体を電気炉中に酸素を流入し
て酸素濃度を50%に調整し、1500℃で5時間保持
する条件で焼成した。得られた焼結体の相対密度は97
%であった。
レットを作製し、各々大気中で1300〜1600℃の
焼成温度域で焼成温度を変化させて、各々5時間焼成し
た。得られた結果を併せて図1及び2に示す。
た焼結体の相対密度と焼成温度との関係を示したもので
ある。図中、□印は実施例1(In2O3:90重量
%,SnO2:10%配合のITO)の場合、○印は実
施例2(In2O3:95重量%,SnO2:5重量%
配合のITO)の場合、■印は比較例(In2O3:9
0重量%,SnO2:10重量%配合のITO)の場
合、また●印は比較例(In2O3:95重量%,Sn
O2:5重量%配合のITO)の場合を示すグラフであ
る。
45%に保持した実施例1,2の場合は、比較例(大気
中で焼成)と比較して、焼結体の相対密度に大差があ
り、焼成温度1400〜1600℃の温度域で相対密度
95%以上となることが分る。また、焼成温度1400
℃未満では焼結が進行せず、従って焼結体の相対密度が
高くならない。また、上記結果から、焼成時の酸素濃度
が焼成温度と同様に焼結体の相対密度に著しく寄与する
ことが分る。
た焼結体の焼成温度と焼成時重量減少率との関係を示し
たものである。重量減少率には、バインダー固形分(P
VA:0.5重量%)も含む。図中のマーク(○,□,
●,■印)は、図1の場合と同様である。
1,2(○,□印)の場合は大気中で焼成した比較例
(●,■印)の場合と比較して、その重量減少率が低
く、1400〜1600℃の焼成温度域で2.5〜4.
5%程度である。
の如く焼結性の良い原料を用い、焼結を阻害するITO
の解離が少ない1400〜1600℃の焼成温度で焼成
し、更に解離の抑制及び焼結促進のために焼成雰囲気中
の酸素濃度を40%以上の酸化雰囲気に保持して常圧焼
結することにより、従来は特別の耐圧容器などを使用し
なければ製造できなかった高密度ITO焼結体を工業的
に安定して、しかも低コストで製造することができる利
点がある。
度との関係を示すグラフである。
減少率との関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 比表面積20m2/g以上の酸化インジ
ウム粉末85〜100重量%、残部が酸化スズ粉末及び
不可避不純物からなる混合粉末を加圧成形後、酸素濃度
40%以上の酸化雰囲気中にて1400〜1600℃で
焼成することを特徴とする高密度酸化インジウムスズ焼
結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4245435A JP2789285B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 高密度酸化インジウムスズ焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4245435A JP2789285B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 高密度酸化インジウムスズ焼結体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0648816A true JPH0648816A (ja) | 1994-02-22 |
JP2789285B2 JP2789285B2 (ja) | 1998-08-20 |
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ID=17133622
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4245435A Expired - Fee Related JP2789285B2 (ja) | 1992-07-30 | 1992-07-30 | 高密度酸化インジウムスズ焼結体の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2789285B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6121178A (en) * | 1996-10-04 | 2000-09-19 | Dowa Mining Co., Ltd. | Sintered ITO and an ITO sputtering target |
US6500225B2 (en) | 1998-12-03 | 2002-12-31 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Method for producing high density indium-tin-oxide sintered body |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03126655A (ja) * | 1989-10-06 | 1991-05-29 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 酸化インジウム‐酸化錫焼結体及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-07-30 JP JP4245435A patent/JP2789285B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03126655A (ja) * | 1989-10-06 | 1991-05-29 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 酸化インジウム‐酸化錫焼結体及びその製造方法 |
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---|---|---|---|---|
US6121178A (en) * | 1996-10-04 | 2000-09-19 | Dowa Mining Co., Ltd. | Sintered ITO and an ITO sputtering target |
US6500225B2 (en) | 1998-12-03 | 2002-12-31 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Method for producing high density indium-tin-oxide sintered body |
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JP2789285B2 (ja) | 1998-08-20 |
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