JP3232134B2 - リチウムジルコネート焼結体とその製造方法 - Google Patents

リチウムジルコネート焼結体とその製造方法

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    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単斜晶系のリチウムジ
ルコネート焼結体、とくに核融合炉のトリチウム増殖ブ
ランケット材として好適な緻密質組織のリチウムジルコ
ネート焼結体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、開発が進められている核融合炉に
は、炉心構造部材となるブランケット材としてリチウム
含有物質が使用される。このトリチウム増殖ブランケッ
ト材は操業中に発生するトリチウムを捕捉・増殖・放出
するために機能する材料で、当初、トリチウム増殖性
能、高温安定性、熱伝導度などに優れる酸化リチウム(L
i2O)が有力な候補材料とされていた。しかし、酸化リチ
ウムは吸湿性が高く、化学的安定性に難点があることか
ら、その他のリチウム化合物につき広くブランケット材
としての可能性が追求されている。
【0003】例えば、リチウムアルミネート(LiAlO2)、
リチウムシリケート(Li2SiO3) 、リチウムジルコネート
(Li2ZrO3) 等の酸化物系、リチウムカーバイド(Li2C2)
やリチウムナイトライド(Li3N)のようなリチウム原子密
度の高い炭化物、窒化物系のセラミックス材料などが注
目され、候補材料として検討がなされている。
【0004】一方、トリチウム増殖ブランケット材の形
状については、直径約1mmのペブルとしてステンレスケ
ース内に充填使用する計画となっている。しかし、この
充填方式では作業性が悪く、最密充填されたとしても理
論密度の52%程度の密度しか確保できないうえ、充填
ムラに伴うブランケット材の機能低下を招く等の現象が
問題視されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のペブル充填方式
における問題点は、ブランケット材となるリチウム化合
物を予め一体に焼結成形した状態で使用することにより
大きな改善効果が期待できるが、この場合には形成され
る焼結体が正常で安定な緻密質組織であり、かつ比較的
大型形状として成形し得ることが必要となる。
【0006】本発明者らはこの点に着目し、上述した候
補材料のうちトリチウム増殖性は酸化リチウムに比べて
若干劣るものの、トリチウム放出特性、化学的安定性、
寸法安定性などに優れ、かつ自己焼結性に優れるリチウ
ムジルコネートを対象材料として多角的な研究を重ねた
結果、好適な焼結条件および焼結組織性状を解明して本
発明の開発に至ったものである。
【0007】したがって、本発明の目的は、核融合炉の
トリチウム増殖ブランケット材として好適な高強度で緻
密質組織を備えるリチウムジルコネート焼結体およびこ
れを効率よく得るための製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明に係るリチウムジルコネート焼結体は、単斜
晶系のリチウムジルコネート粉末を熱圧焼結処理して得
られ、結晶構造が前記リチウムジルコネート粉末を同じ
単斜晶系を呈し、かつ焼結密度が理論密度に対し90%
以上の組織性状を備えることを特徴とするものである。
【0009】本発明のリチウムジルコネート焼結体は、
単斜晶系のリチウムジルコネート粉末を原料とし、熱圧
焼結処理後も原料と同一の低温相である単斜晶系の組織
性状を呈していることが第1の要件となる。焼結体の結
晶性状が、例えば高温相である正方晶系に変態し、原料
の単斜晶系とは異なる結晶構造になると焼結体の材質が
脆弱化し、また高密度の組織を得ることができなくな
る。第2の材質的要件は、組織性状として焼結時の理論
密度(4.15g/cm2) に対し90%以上の焼結密度を備える
ことであり、90%を下廻る焼結密度では材質の緻密性
が不十分となる。
【0010】かかるリチウムジルコネート焼結体は、核
融合炉のトリチウム増殖ブランケット材とした場合に、
成形体の状態でセットしても材質特有の低熱膨張性、高
弾性高強度性、化学的熱的安定性などの特性によって安
定した炉心構造を構成し、そのうえ材質組織が緻密質で
あるためペブル充填方式に比べてブランケット材密度が
高まり、増殖機能を著しく向上させるために機能する。
【0011】上記のリチウムジルコネート焼結体を得る
ための本発明による製造方法は、単斜晶系のリチウムジ
ルコネート粉末を、リチウムジルコネートの結晶変態点
を下廻る温度により真空もしくは不活性雰囲気下でホッ
トプレスするプロセスを構成上の特徴とする。
【0012】原料に用いる単斜晶系リチウムジルコネー
ト粉末の粒度は平均100メッシュ以下、好ましくは全
体の95%が40メッシュ以下の粒度分布になるように
分級調整して使用に供する。粒度が平均100メッシュ
を越えると得られる焼結体組織に十分な密度と強度を付
与することができなくなる。単斜晶系のリチウムジルコ
ネート粉末は、真空もしくはアルゴンガス等の不活性雰
囲気下でホットプレスして焼結化する。ラバープレス(C
IP) 装置によって一旦成形体を形成したのち、焼結処理
する方法では理論密度に対し90%を越える高密度の焼
結組織を得ることができない。
【0013】焼結時の工程条件として、焼結温度をリチ
ウムジルコネートの結晶変態点を下廻る温度に設定する
ことは本発明のとくに重要な要件となる。トリウムジル
コネートは、融点1615℃、結晶変態点1100℃の
材質特性を有しているが、融点から結晶変態点までの温
度範囲でホットプレスすると結晶構造が単斜晶とも正方
晶とも異なる焼結体に転化し、非常に脆い材質組織とな
る。ホットプレス時の適用圧力は、100kg/cm2以上と
することが好ましい。
【0014】上記の焼結条件で処理した焼結体は、酸素
欠陥が生じて材質内部が黒く変色することがある。この
場合には、後処理として酸素雰囲気下で600℃以上の
温度域でアニーリングすることにより材質内部の黒色を
原料粉末と同色(ベージュ)に戻すことができる。
【0015】
【作用】本発明によるリチウムジルコネート焼結体は、
結晶構造が原料粉末と同一の単斜晶系を呈し、かつ焼結
密度が90%以上(対理論密度)の組織性状を備えてい
るから、高強度で緻密質の焼結組織構造となっている。
このため、これを核融合炉のトリチウム増殖ブランケッ
ト材とした場合には、トリチウム増殖性が効果的に向上
し、加えてリチウムジルコネート材質固有のトリチウム
放出特性、化学的、熱的ならびに寸法的な安定性等が作
用して、ペブル充填方式に比べ総合性能に優るブランケ
ットを構成することが可能となる。しかし、上記の結晶
および組織性状は両特性を同時に兼備することが重要で
あり、焼結密度が90%以上であっても結晶構造が単斜
晶系でなければ、高強度で緻密質の焼結組織は付与され
ずトリチウム増殖ブランケット材としての適性が得られ
ない。
【0016】また、本発明によるリチウムジルコネート
焼結体の製造方法に従えば、リチウムジルコネートの結
晶変態点を下廻る温度条件を適用したホットプレス処理
により、結晶構造が原料粉末と同一の単斜晶系で、結晶
密度が90%以上(対理論密度)の高強度で正常な緻密
質組織を備える比較的大型の焼結体を得ることができ
る。なお、通常は変態点以上の温度域で焼結処理しても
冷却段階で結晶構造が低温相の単斜晶系に戻るが、この
過程を経た焼結体では例え単斜晶系の結晶構造を呈して
いても前記のような高特性を付与することができない。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0018】実施例1 全体の95%以上が40メッシュ以下の粒度になるよう
に粉砕分級した単斜晶系結晶構造のリチウムジルコネー
ト粉末(LiZrO3)をホットプレス装置のモールドに充填
し、温度1050℃(リチウムジルコニウム結晶変態点
より50℃低い温度)、圧力200kg/cm2、雰囲気アル
ゴン、時間2hrの条件で熱圧焼結した。得られたリチウ
ムジルコネート焼結体は縦横290mm、厚さ60mmの比
較的大型形状を有する板状体で、その焼結密度は理論密
度(4.15kg/cm2)に対し91.0%と高い緻密質組織を備
え、材質の内外組織にはクラックなどの欠陥部分は観察
されなかった。
【0019】ついで、焼結体を大気雰囲気に保持された
加熱炉に移し、800℃の温度に3時間保持してアニー
リング処理を施した。
【0020】このようにして製造したリチウムジルコネ
ートの焼結体およびアニーリング後の焼結体についてX
線回折をおこない、その回折パターンを用いたリチウム
ジルコネート原料粉末のそれと対比させて図1に示し
た。この場合のX線回折の測定は、ターゲットにCuを
使用し、30kv−15mA 1/6 °−0.15 −1/6 °、1
°/分のスキャンスピードでおこなった。
【0021】図1の各回折パターンを対比して判るよう
に、本発明によるリチウムジルコネートの焼結体および
アニーリング処理後の焼結体は共に原料粉末と同形状の
回折パターンを示し、同一の単斜晶系結晶構造を呈して
いることが認められた。
【0022】比較例1 焼結条件を、温度1400℃(リチウムジルコネートの
結晶変態点より300℃高い温度)、圧力300kg/c
m2、雰囲気アルゴン、時間1.5hrに設定したほかは、
全て実施例1と同一プロセスによりリチウムジルコネー
ト焼結体を製造した。得られた焼結体の焼結密度は9
0.1%(対理論密度)であったが、材質にはラミネー
ションクラックの発生が認められ、脆弱な組織であっ
た。
【0023】この焼結体を実施例1と同様にアニーリン
グ処理し、アニーリング処理前後における材料のX線回
折をおこなった。得られたX線回折パターンを原料粉末
のそれと対比させて図2に示したが、この場合における
焼結体の結晶構造は原料粉末の単斜晶系とは異なり、ア
ニーリング処理後の焼結体は原料粉末の結晶構造と同じ
であった。
【0024】比較例2 実施例1と同一のリチウムジルコネート粉末原料を、ラ
バープレス(CIP) により成形圧力1t/cm2 で成形した。
ついで、成形体を大気雰囲気の加熱炉に移し、1050
℃の温度で2.5時間保持して焼結化した。得られたリ
チウムジルコネート焼結体の焼結密度は74%(対理論
密度)と本発明による焼結体に比べて緻密性が低いもの
であった。
【0025】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば高強度で
緻密質組織のリチウムジルコネート焼結体およびそれを
効率よく得るための製造方法を提供することができる。
該リチウムジルコネート焼結体は、優れたトリチウム増
殖機能があり、材質的にも安定した性能を有しているか
ら核融合炉のトリチウム増殖ブランケット材として好適
に使用されることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるリチウムジルコネートのX線
回折パターンを対比して示したものである。
【図2】比較例1におけるリチウムジルコネートのX線
回折パターンを対比して示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単斜晶系のリチウムジルコネート粉末を
    熱圧焼結処理して得られ、結晶構造が前記リチウムジル
    コネート粉末と同じ単斜晶系を呈し、かつ焼結密度が理
    論密度に対し90%以上の組織性状を備えるリチウムジ
    ルコネート焼結体。
  2. 【請求項2】 単斜晶系のリチウムジルコネート粉末
    を、リチウムジルコネートの結晶変態点を下廻る温度に
    より真空もしくは不活性雰囲気下でホットプレスするこ
    とを特徴とするリチウムジルコネート焼結体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 ホットプレス後の焼結体を、酸化性雰囲
    気下で600℃以上の温度域でアニーリングする請求項
    3記載のリチウムジルコネート焼結体の製造方法。
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