JP2876521B2 - 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents
窒化アルミニウム焼結体の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気絶縁材料、例
えば半導体基板、プリント配線基板など、及び高熱伝導
性の機械部品材料、例えば軸受けなど、として用いるの
に適した高熱伝導窒化アルミニウム焼結体の製造方法に
関するものであり、更に詳しくは、窒化アルミニウム粉
末にイットリウム系、カルシウム系及びリチウム系化合
物を同時に添加し、焼結することにより1600℃以下
の低温焼成で100W/mK以上の高い熱伝導率を有す
るち密な焼結体を得ることを可能とする高熱伝導窒化ア
ルミニウム焼結体の製造方法に関するものである。
えば半導体基板、プリント配線基板など、及び高熱伝導
性の機械部品材料、例えば軸受けなど、として用いるの
に適した高熱伝導窒化アルミニウム焼結体の製造方法に
関するものであり、更に詳しくは、窒化アルミニウム粉
末にイットリウム系、カルシウム系及びリチウム系化合
物を同時に添加し、焼結することにより1600℃以下
の低温焼成で100W/mK以上の高い熱伝導率を有す
るち密な焼結体を得ることを可能とする高熱伝導窒化ア
ルミニウム焼結体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】窒化アルミニウムは高い熱伝導率、Si
に近い熱膨張率、高い電気絶縁性を有するために、半導
体実装用放熱基板材料として注目されている。しかしな
がら、原料粉末が高価で、ち密化には通常1800℃以
上の高温が必要であることから、幅広い実用化に至って
いないのが現状である。窒化アルミニウムの焼結性及び
熱伝導特性の向上を図るために、窒化アルミニウム粉末
に、少量のイットリア、希土類酸化物もしくはアルカリ
土類金属酸化物を添加して焼成することによって焼結体
の密度を向上させ、熱伝導率の高い焼結体が得られるこ
とが、例えばJournal of Materials Science, Letters,
Vol. 11, 1508 (1992) に記載されているように、知ら
れている。この場合において酸化物の添加量は数%であ
り、焼成は1800℃以上、数時間で行われる。
に近い熱膨張率、高い電気絶縁性を有するために、半導
体実装用放熱基板材料として注目されている。しかしな
がら、原料粉末が高価で、ち密化には通常1800℃以
上の高温が必要であることから、幅広い実用化に至って
いないのが現状である。窒化アルミニウムの焼結性及び
熱伝導特性の向上を図るために、窒化アルミニウム粉末
に、少量のイットリア、希土類酸化物もしくはアルカリ
土類金属酸化物を添加して焼成することによって焼結体
の密度を向上させ、熱伝導率の高い焼結体が得られるこ
とが、例えばJournal of Materials Science, Letters,
Vol. 11, 1508 (1992) に記載されているように、知ら
れている。この場合において酸化物の添加量は数%であ
り、焼成は1800℃以上、数時間で行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、窒化アルミニウ
ムの焼成温度は上記したように1800℃以上の高温で
あり、かかる高温を焼成時間中(例えば1−100時
間)維持することは、製造プロセスに関するコストを著
しく向上させる。従って、この焼成温度を低下させ、か
つ低い焼成温度で焼結体の熱伝導率を向上することがで
きれば窒化アルミニウム焼結体の電気絶縁材料等として
の利用価値を飛躍的に広げることが可能となる。
ムの焼成温度は上記したように1800℃以上の高温で
あり、かかる高温を焼成時間中(例えば1−100時
間)維持することは、製造プロセスに関するコストを著
しく向上させる。従って、この焼成温度を低下させ、か
つ低い焼成温度で焼結体の熱伝導率を向上することがで
きれば窒化アルミニウム焼結体の電気絶縁材料等として
の利用価値を飛躍的に広げることが可能となる。
【0004】本発明者らは、窒化アルミニウム焼結体の
製造における上述した問題点を解決することを目標とし
て種々研究を積み重ねた結果、窒化アルミニウムの粉末
にイットリウム系化合物、カルシウム系化合物及びリチ
ウム系化合物粉末を同時に添加して焼成を行うと、従来
の焼成温度より低い焼成温度(1600℃以下)で10
0W/mK以上の極めて高い熱伝導率を有するち密な窒
化アルミニウム焼結体が得られることを見出し、本発明
を完成するに至った。
製造における上述した問題点を解決することを目標とし
て種々研究を積み重ねた結果、窒化アルミニウムの粉末
にイットリウム系化合物、カルシウム系化合物及びリチ
ウム系化合物粉末を同時に添加して焼成を行うと、従来
の焼成温度より低い焼成温度(1600℃以下)で10
0W/mK以上の極めて高い熱伝導率を有するち密な窒
化アルミニウム焼結体が得られることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0005】本発明は、1600℃以下の低温焼成によ
り100W/mK以上の高い熱伝導率を有するち密な窒
化アルミニウム焼結体を製造する方法を提供することを
目的とするものである。また、本発明は、従来の焼成温
度に比べてより低温でち密化を可能にすると共に、実用
化のネックとなる製造コストを低減することが可能な高
熱伝導窒化アルミニウム焼結体の製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
り100W/mK以上の高い熱伝導率を有するち密な窒
化アルミニウム焼結体を製造する方法を提供することを
目的とするものである。また、本発明は、従来の焼成温
度に比べてより低温でち密化を可能にすると共に、実用
化のネックとなる製造コストを低減することが可能な高
熱伝導窒化アルミニウム焼結体の製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、窒化アルミニウム粉末にイットリウム系、
カルシウム系、リチウム系化合物を同時に添加し、これ
を1600℃以下の焼成温度で焼結することを特徴とす
る高熱伝導窒化アルミニウム焼結体の製造方法、であ
る。また、本発明は、酸化イットリウム、炭酸カルシウ
ム及び酸化リチウムを同時に添加する上記の高熱伝導窒
化アルミニウム焼結体の製造方法、リチウム・イットリ
ア(LiYO2 )及びカルシウム系化合物を同時に添加
する上記の高熱伝導窒化アルミニウム焼結体の製造方
法、を好ましい実施の態様としている。更に、本発明の
他の態様は、上記の製造方法により得られる100W/
mK以上の高熱伝導率を有する高熱伝導窒化アルミニウ
ム焼結体、である。
の本発明は、窒化アルミニウム粉末にイットリウム系、
カルシウム系、リチウム系化合物を同時に添加し、これ
を1600℃以下の焼成温度で焼結することを特徴とす
る高熱伝導窒化アルミニウム焼結体の製造方法、であ
る。また、本発明は、酸化イットリウム、炭酸カルシウ
ム及び酸化リチウムを同時に添加する上記の高熱伝導窒
化アルミニウム焼結体の製造方法、リチウム・イットリ
ア(LiYO2 )及びカルシウム系化合物を同時に添加
する上記の高熱伝導窒化アルミニウム焼結体の製造方
法、を好ましい実施の態様としている。更に、本発明の
他の態様は、上記の製造方法により得られる100W/
mK以上の高熱伝導率を有する高熱伝導窒化アルミニウ
ム焼結体、である。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に
説明する。本発明において用いる窒化アルミニウム原料
粉末は、純度はできるだけ純粋で、粒径は微細な方が望
ましいが、通常用いられている市販の粉末で充分であ
る。窒化アルミニウム粉末に添加されるイットリウム化
合物としては、代表的なものとして酸化イットリウム
を、また、カルシウム化合物としては、炭酸カルシウム
(1000℃以上の温度では酸化カルシウムになる)を
用いる。リチウム化合物として、量が多い場合炭酸リチ
ウム及び酸化リチウムを添加する。少量の場合は硝酸リ
チウムを、予めアルコール系の溶媒に溶かして添加する
(1000℃以上の温度では酸化リチウムになる)。ま
た、これらの助剤として、例えば、リチウム・イットリ
ア(LiYO2 )などの混合物を用いることも可能であ
る。これらの助剤の添加量は、通常、重量基準で、酸化
イットリウムで1−10%、酸化カルシウムで0.1−
3%、酸化リチウムで0.05−5%量であり、好まし
くは酸化イットリウムで1−5%、酸化カルシウムで
0.1−1%、酸化リチウムで0.05−3%量であ
る。
説明する。本発明において用いる窒化アルミニウム原料
粉末は、純度はできるだけ純粋で、粒径は微細な方が望
ましいが、通常用いられている市販の粉末で充分であ
る。窒化アルミニウム粉末に添加されるイットリウム化
合物としては、代表的なものとして酸化イットリウム
を、また、カルシウム化合物としては、炭酸カルシウム
(1000℃以上の温度では酸化カルシウムになる)を
用いる。リチウム化合物として、量が多い場合炭酸リチ
ウム及び酸化リチウムを添加する。少量の場合は硝酸リ
チウムを、予めアルコール系の溶媒に溶かして添加する
(1000℃以上の温度では酸化リチウムになる)。ま
た、これらの助剤として、例えば、リチウム・イットリ
ア(LiYO2 )などの混合物を用いることも可能であ
る。これらの助剤の添加量は、通常、重量基準で、酸化
イットリウムで1−10%、酸化カルシウムで0.1−
3%、酸化リチウムで0.05−5%量であり、好まし
くは酸化イットリウムで1−5%、酸化カルシウムで
0.1−1%、酸化リチウムで0.05−3%量であ
る。
【0008】上記助剤と窒化アルミニウム粉末は両者が
均一に混合するまで充分攪拌する。このような湿式混合
では、エタノール、プロパノールを始めとする溶媒を分
散媒とし、ボールミルのような混合手段が用いられる。
均一に混合した助剤と窒化アルミニウムの混合物、単軸
プレス及び冷間等方圧プレス(CIP)のような圧縮成
形、もしくはテープ成形にて仮成形体を作製する。この
ように予備成形された成形体は加熱処理が施される。本
発明にあっては、焼結は1400−1700℃の範囲、
好ましくは1400−1600℃の範囲の温度で行う。
均一に混合するまで充分攪拌する。このような湿式混合
では、エタノール、プロパノールを始めとする溶媒を分
散媒とし、ボールミルのような混合手段が用いられる。
均一に混合した助剤と窒化アルミニウムの混合物、単軸
プレス及び冷間等方圧プレス(CIP)のような圧縮成
形、もしくはテープ成形にて仮成形体を作製する。この
ように予備成形された成形体は加熱処理が施される。本
発明にあっては、焼結は1400−1700℃の範囲、
好ましくは1400−1600℃の範囲の温度で行う。
【0009】焼結後の成形体の相対密度は実用において
極めて重要な値であり、通常98%以上が望まれるが、
1600℃では通常たかだか70%であるが、上記の助
剤系を用いると格段に低い温度でち密化できることか
ら、高温度に物体を保持することの困難性を併せて考慮
すると、本発明における焼結温度の低さはきわめて注目
すべきものといわねばならない。
極めて重要な値であり、通常98%以上が望まれるが、
1600℃では通常たかだか70%であるが、上記の助
剤系を用いると格段に低い温度でち密化できることか
ら、高温度に物体を保持することの困難性を併せて考慮
すると、本発明における焼結温度の低さはきわめて注目
すべきものといわねばならない。
【0010】本発明の方法における上記温度での焼結は
通常1分−10時間、好ましくは30分−5時間の間継
続される。このようにして、本発明の方法による助剤系
を窒化アルミニウムに添加し、その粉末を焼結すること
によって従来法に比較して著しく低い焼成温度でしかも
高い熱伝導率を有するち密な窒化アルミニウム焼結体を
得ることができた。
通常1分−10時間、好ましくは30分−5時間の間継
続される。このようにして、本発明の方法による助剤系
を窒化アルミニウムに添加し、その粉末を焼結すること
によって従来法に比較して著しく低い焼成温度でしかも
高い熱伝導率を有するち密な窒化アルミニウム焼結体を
得ることができた。
【0011】得られた窒化アルミニウム焼結体は焼成温
度1600℃で100W/mK以上、例えば、140W
/mKの熱伝導率を有する。従来法による焼成温度16
00℃では熱伝導率は30−50W/mKであることか
ら、イットリウム系、カルシウム系及びリチウム系化合
物を含む系の焼結体の熱伝導率は顕著なものであること
が理解される。
度1600℃で100W/mK以上、例えば、140W
/mKの熱伝導率を有する。従来法による焼成温度16
00℃では熱伝導率は30−50W/mKであることか
ら、イットリウム系、カルシウム系及びリチウム系化合
物を含む系の焼結体の熱伝導率は顕著なものであること
が理解される。
【0012】
【実施例】次に、本発明を実施例にに基づいて具体的に
説明するが、本発明は該実施例によって何ら限定される
ものではない。 1)方法 粉末の混合比は酸化リチウムを添加する場合mol比
で、窒化アルミニウム:95.66、イットリア:1.
33、カルシア:2.01、酸化リチウム:1、酸化リ
チウムを添加しない場合の混合比は窒化アルミニウム:
95.66、イットリア:1.33、カルシア:2.0
1とした。カルシアは炭酸カルシウム換算で、酸化リチ
ウムは硝酸リチウム換算で添加した。3m2 の比表面積
を持つトクヤマ製の窒化アルミニウム粉末、北興化学工
業製のイットリア、和光純薬工業製の炭酸カルシウム、
和光純薬工業製の硝酸リチウムを原料粉末とした。
説明するが、本発明は該実施例によって何ら限定される
ものではない。 1)方法 粉末の混合比は酸化リチウムを添加する場合mol比
で、窒化アルミニウム:95.66、イットリア:1.
33、カルシア:2.01、酸化リチウム:1、酸化リ
チウムを添加しない場合の混合比は窒化アルミニウム:
95.66、イットリア:1.33、カルシア:2.0
1とした。カルシアは炭酸カルシウム換算で、酸化リチ
ウムは硝酸リチウム換算で添加した。3m2 の比表面積
を持つトクヤマ製の窒化アルミニウム粉末、北興化学工
業製のイットリア、和光純薬工業製の炭酸カルシウム、
和光純薬工業製の硝酸リチウムを原料粉末とした。
【0013】エタノールを分散媒とした。酸化リチウム
を添加する場合、予めエタノールに所定の硝酸リチウム
を添加した。この溶媒に所定の窒化アルミニウム、イッ
トリア、カルシアを添加し、プラスチック製ボールとポ
ットを用いて6時間混合を行った。得られたスラリーを
減圧雰囲気で約60℃で攪拌・乾燥を行った後、再び窒
素雰囲気で1000℃、2時間仮焼を行った。1000
℃で仮焼後、混合粉末中の酸化リチウム量は0.3wt
%であった。
を添加する場合、予めエタノールに所定の硝酸リチウム
を添加した。この溶媒に所定の窒化アルミニウム、イッ
トリア、カルシアを添加し、プラスチック製ボールとポ
ットを用いて6時間混合を行った。得られたスラリーを
減圧雰囲気で約60℃で攪拌・乾燥を行った後、再び窒
素雰囲気で1000℃、2時間仮焼を行った。1000
℃で仮焼後、混合粉末中の酸化リチウム量は0.3wt
%であった。
【0014】混合粉末を横10mm、縦9mm、長さ4
5mmの角柱に予備成形後、200MPaの圧力で冷間
等方圧成形(CIP)した。成形体の加熱変化を昇温速
度3℃/min、0.1MPaの窒素雰囲気下で温度1
000℃から1600℃と1600℃で0から2時間超
高温熱膨張計を用いて測定した。
5mmの角柱に予備成形後、200MPaの圧力で冷間
等方圧成形(CIP)した。成形体の加熱変化を昇温速
度3℃/min、0.1MPaの窒素雰囲気下で温度1
000℃から1600℃と1600℃で0から2時間超
高温熱膨張計を用いて測定した。
【0015】2)結果 図1には、酸化リチウムを添加及び無添加の場合の窒化
アルミニウムの収縮挙動の違いを示す。酸化リチウムを
添加した試料では、焼成温度1100℃付近より収縮が
起こり、1600℃、0分でほとんど収縮が終了する。
一方、イットリア及びカルシア助剤の添加のみでは、収
縮開始温度は酸化リチウムを添加した系に比べ300℃
以上高く、1600℃で2hにおいても収縮は終了しな
かった。熱膨張収縮測定後、酸化リチウムを添加した試
料の密度は3300kg/m3 、無添加の場合の密度は
2740kg/m3 であった。
アルミニウムの収縮挙動の違いを示す。酸化リチウムを
添加した試料では、焼成温度1100℃付近より収縮が
起こり、1600℃、0分でほとんど収縮が終了する。
一方、イットリア及びカルシア助剤の添加のみでは、収
縮開始温度は酸化リチウムを添加した系に比べ300℃
以上高く、1600℃で2hにおいても収縮は終了しな
かった。熱膨張収縮測定後、酸化リチウムを添加した試
料の密度は3300kg/m3 、無添加の場合の密度は
2740kg/m3 であった。
【0016】実施例2 1)方法 次に、実施例1と同様にして調製した混合粉末を厚さ8
mm、直径10mmの円柱状に仮成形し、それを160
0℃の温度で加熱したときの密度と熱伝導率を表1に示
す。熱伝導率は、レーザーフラシュ法で測定した。
mm、直径10mmの円柱状に仮成形し、それを160
0℃の温度で加熱したときの密度と熱伝導率を表1に示
す。熱伝導率は、レーザーフラシュ法で測定した。
【0017】
【表1】 試験No. 焼成条件 酸化リチウム添加有無 密度 熱伝導率 (g/cm3) (W/mK) 1(実施例) 1600℃、2h 0.3 wt%Li2O 3.08 109 2(実施例) 1600℃、4h 0.3 wt%Li2O 3.11 115 3(実施例) 1600℃、6h 0.3 wt%Li2O 3.22 130 4(比較例) 1600℃、2h 無添加 2.42 31 5(比較例) 1600℃、4h 無添加 2.60 48 6(比較例) 1600℃、6h 無添加 2.73 58
【0018】2)結果 この試験結果より、イットリア及びカルシアを添加した
系に、更に微量の酸化リチウムを添加することにより、
1600℃の温度で高密度化が可能となり、結果として
高い熱伝導率を有するち密な窒化アルミニウム焼結体が
得られた。
系に、更に微量の酸化リチウムを添加することにより、
1600℃の温度で高密度化が可能となり、結果として
高い熱伝導率を有するち密な窒化アルミニウム焼結体が
得られた。
【0019】実施例3 1)方法 LiYO2 粉末を北興化学工業製のY2 O3 粉末と和光
純薬工業製の炭酸リチウムから作製した。LiYO2 の
組成になるように両者の粉末をボールミルで湿式混合
し、得られた混合粉末を1400℃で2h、大気中で加
熱し、LiYO2を得た。LiYO2 粉末を遊星ボール
ミルで粉砕し、微粉末LiYO2 を得た。焼結体を得る
ための粉末の混合比は、表2に示すような組成比で行っ
た。カルシアは炭酸カルシウム換算で行った。炭酸カル
シウムは和光純薬工業製、窒化アルミニウムはトクヤマ
製の粉末を用いた。
純薬工業製の炭酸リチウムから作製した。LiYO2 の
組成になるように両者の粉末をボールミルで湿式混合
し、得られた混合粉末を1400℃で2h、大気中で加
熱し、LiYO2を得た。LiYO2 粉末を遊星ボール
ミルで粉砕し、微粉末LiYO2 を得た。焼結体を得る
ための粉末の混合比は、表2に示すような組成比で行っ
た。カルシアは炭酸カルシウム換算で行った。炭酸カル
シウムは和光純薬工業製、窒化アルミニウムはトクヤマ
製の粉末を用いた。
【0020】エタノールを分散媒とした。この溶媒に所
定の窒化アルミニウム、リチウム・イットリア、カルシ
アを添加し、プラスチック製ボールとポットを用いて6
時間混合を行った。得られたスラリーを減圧雰囲気で約
60℃で攪拌・乾燥を行った後、再び窒素雰囲気で10
00℃、2時間仮焼を行った。
定の窒化アルミニウム、リチウム・イットリア、カルシ
アを添加し、プラスチック製ボールとポットを用いて6
時間混合を行った。得られたスラリーを減圧雰囲気で約
60℃で攪拌・乾燥を行った後、再び窒素雰囲気で10
00℃、2時間仮焼を行った。
【0021】次に、混合粉末を厚さ8mm、直径10m
mに仮成形し、実施例1と同様にして、それを1600
℃の温度で6時間焼成した後の密度と熱伝導率を表2に
示す。熱伝導率は、レーザーフラッシュ法で測定した。
mに仮成形し、実施例1と同様にして、それを1600
℃の温度で6時間焼成した後の密度と熱伝導率を表2に
示す。熱伝導率は、レーザーフラッシュ法で測定した。
【0022】
【表2】 試験No. 焼成条件 AlN LiYO2 CaO 密度 熱伝導率 (wt%) (wt%) (wt%) (g/cm3) (W/mK) 1(実施例) 1600℃、6h 98.5 1 0.5 3.31 128 2(実施例) 1600℃、6h 97.5 2 0.5 3.32 135 3(実施例) 1600℃、6h 95.5 4 0.5 3.35 140
【0023】2)結果 この試験結果より、カルシアを添加した系に、更にリチ
ウム・イットリア(LiYO2 )を添加することによ
り、1600℃の温度で高密度が可能となり、結果とし
て128〜140W/mKの高熱伝導率を有する窒化ア
ルミニウム焼結体が得られた。図2にリチウム・イット
リア(LiYO2 )を添加及び無添加の場合の窒化アル
ミニウムの収縮挙動の違いを示す。リチウム・イットリ
ア(LiYO2 )を添加した試料では、焼成温度110
0℃付近より収縮が起こり、1600℃、60分でほと
んど収縮が終了する。一方、カルシア助剤の添加のみで
は、収縮開始温度はリチウム・イットリア(LiY
O2 )を添加した系に比べ100℃以上高く、1600
℃、2hにおいても収縮は終了しなかった。熱膨張収縮
測定後、リチウム・イットリア(LiYO2 )を添加し
た試料の密度は3.31g/cm3 以上の値を、無添加
の場合2.22g/cm3 を示した。
ウム・イットリア(LiYO2 )を添加することによ
り、1600℃の温度で高密度が可能となり、結果とし
て128〜140W/mKの高熱伝導率を有する窒化ア
ルミニウム焼結体が得られた。図2にリチウム・イット
リア(LiYO2 )を添加及び無添加の場合の窒化アル
ミニウムの収縮挙動の違いを示す。リチウム・イットリ
ア(LiYO2 )を添加した試料では、焼成温度110
0℃付近より収縮が起こり、1600℃、60分でほと
んど収縮が終了する。一方、カルシア助剤の添加のみで
は、収縮開始温度はリチウム・イットリア(LiY
O2 )を添加した系に比べ100℃以上高く、1600
℃、2hにおいても収縮は終了しなかった。熱膨張収縮
測定後、リチウム・イットリア(LiYO2 )を添加し
た試料の密度は3.31g/cm3 以上の値を、無添加
の場合2.22g/cm3 を示した。
【0024】
【発明の効果】以上に述べたごとく、本発明によれば、
窒化アルミニウムにイットリウム系、カルシウム系、リ
チウム系化合物を同時に添加することにより、1600
℃以下の焼成温度でち密な窒化アルミニウム焼結体を製
造することが可能となる。更に、得られた焼結体は10
0W/mK以上の高熱伝導率を有する。本発明により、
高熱伝導窒化アルミニウム焼結体の製造の低コスト化、
量産化を容易にすることが可能であり、この発明の工業
的価値は極めて大きいものがある。
窒化アルミニウムにイットリウム系、カルシウム系、リ
チウム系化合物を同時に添加することにより、1600
℃以下の焼成温度でち密な窒化アルミニウム焼結体を製
造することが可能となる。更に、得られた焼結体は10
0W/mK以上の高熱伝導率を有する。本発明により、
高熱伝導窒化アルミニウム焼結体の製造の低コスト化、
量産化を容易にすることが可能であり、この発明の工業
的価値は極めて大きいものがある。
【図1】酸化リチウムを添加及び無添加の場合の窒化ア
ルミニウムの収縮挙動の違いを示す説明図である。
ルミニウムの収縮挙動の違いを示す説明図である。
【図2】リチウム・イットリア(LiYO2 )を添加及
び無添加の場合の窒化アルミニウムの収縮挙動の違いを
示す説明図である。
び無添加の場合の窒化アルミニウムの収縮挙動の違いを
示す説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 窒化アルミニウム粉末にイットリウム
系、カルシウム系、リチウム系化合物を仮焼した後添加
し、成形し、次いで、これを1600℃以下の焼成温度
で低温焼成し、かつ、100W/mK以上の高い熱伝導
率を有するち密な焼結体を得ることを特徴とする高熱伝
導窒化アルミニウム焼結体の製造方法。 - 【請求項2】 酸化イットリウム、炭酸カルシウム及び
酸化リチウムを同時に添加する請求項1記載の高熱伝導
窒化アルミニウム焼結体の製造方法。 - 【請求項3】 リチウム・イットリア(LiYO2)及
びカルシウム系化合物を同時に添加する請求項1記載の
高熱伝導窒化アルミニウム焼結体の製造方法。 - 【請求項4】 前記請求項1記載の製造方法により得ら
れる100W/mK以上の高熱伝導率を有する高熱伝導
窒化アルミニウム焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7260903A JP2876521B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-09-13 | 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-240926 | 1995-08-25 | ||
JP24092695 | 1995-08-25 | ||
JP7260903A JP2876521B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-09-13 | 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09124370A JPH09124370A (ja) | 1997-05-13 |
JP2876521B2 true JP2876521B2 (ja) | 1999-03-31 |
Family
ID=26534989
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7260903A Expired - Lifetime JP2876521B2 (ja) | 1995-08-25 | 1995-09-13 | 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2876521B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN118164766B (zh) * | 2024-05-16 | 2024-07-19 | 成都旭瓷新材料有限公司 | 一种氮化铝陶瓷烧结体及其制备方法和氮化铝陶瓷基板 |
-
1995
- 1995-09-13 JP JP7260903A patent/JP2876521B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09124370A (ja) | 1997-05-13 |
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