JP2960591B2 - 炭化ケイ素−窒化ケイ素−混合酸化物系焼結体およびその製造方法 - Google Patents

炭化ケイ素−窒化ケイ素−混合酸化物系焼結体およびその製造方法

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JP2960591B2 JP3273605A JP27360591A JP2960591B2 JP 2960591 B2 JP2960591 B2 JP 2960591B2 JP 3273605 A JP3273605 A JP 3273605A JP 27360591 A JP27360591 A JP 27360591A JP 2960591 B2 JP2960591 B2 JP 2960591B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強度や信頼性低下の原
因となるセラミックス中のポアやマイクロクラックをな
くすことによって、高い強度と信頼性をもつ炭化ケイ素
(SiC)−窒化ケイ素( Si3N4)系酸化物セラミックス
の焼結体に関し、特に、組織的に均一なSiC− Si3N4
(Ln-Al-Si)酸化物系焼結体(ただし、Lnは希土類元素
およびそれらの化合物)とこれを製造する方法について
提案する。
【0002】
【従来の技術】一般に、セラミックス材料は、高温での
強度が大きく、耐熱性, 耐酸化性および耐食性に優れて
いることから、構造材料として有望である。特に、金属
の使用限界を超えた温度域で使用される構造材料に対
し、かかるセラミックスの応用に多大の関心が寄せられ
ている。こうしたセラミックスの中でも、SiCおよび S
i3N4は、耐熱性や耐酸化性に優れているので、高温下で
使用できる構造材料の1つとして、極めて有望なものの
1つである。
【0003】しかしながら、このSiCおよび Si3N4は、
焼結しにくいため、助剤の添加なしで緻密な焼結体を得
ることが極めて困難な材料である。このことから、従
来、SiC粉および Si3N4粉は焼結助剤としてY2O3やAl2O
3 を添加して焼成されていた。ところが、これらの酸化
物の単独あるいは組み合わせたものを焼結助剤として得
られるSiC焼結体および Si3N4焼結体は、緻密で強度が
大きく、耐酸化性に優れているものの、ジルコニアセラ
ミックスに比べて靱性が低い。その結果、このSiC焼結
体および Si3N4焼結体を、構造材料として使用するに
は、信頼性の乏しい材料といえるものであった。
【0004】これに対して、SiCを他のセラミックスと
複合化することにより、SiC焼結体の強度および靱性値
を向上させ信頼性を改善する技術が、先に、本発明者ら
の一人によって提案されている。例えば、無加圧下の焼
結によって、緻密なSiC−希土類酸化物−アルミナ系複
合焼結体を製造する技術が、大森や武居らの報告にかか
る「J,Am.Ceram.Soc., 65 (1982) C-92 」で提案されて
いる。また、 Si3N4結晶を異方的に成長させることによ
り、 Si3N4焼結体の靱性値を向上させ信頼性を改善する
技術が、川島ら(川島健,岡本寛巳,山本秀治,北村
昭、窒化珪素セラミックス2、内田老鶴圃、P135 〜14
6 )によって提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記方法で
合成されるSiC焼結体および Si3N4焼結体は、焼結体内
部に常に欠陥が存在し、それを起点に破壊がおこるため
に、未だ材料としての信頼性に欠け、実用上は大きな問
題点を抱えていた。
【0006】このSiC粉および Si3N4粉と希土類酸化物
−アルミナ系粉体との焼結体の生成機構は次のように考
えられる。まず、無加圧焼結の第1段階で、希土類酸化
物とアルミナから酸化物固溶体、あるいは酸化物の化合
物を生成する。次いで、第2段階では、上記SiCおよび
Si3N4が前記酸化物中に固溶, 拡散してSiC粒およびSi
3N4粒の粒成長が図られ収縮して緻密な焼結体が生成す
る。
【0007】しかしながら、前記第2段階では、SiC粉
および Si3N4粉は酸化物に固溶すると同時に化学反応が
起こり、SiCおよび Si3N4がアルミナと反応して分解
し、CO,CO2およびNOなどのガスを発生する。その結果、
焼結体中にボイドやポアなどの欠陥が生じ、SiCおよび
Si3N4と酸化物との界面の強度が低下するという欠点を
招くのである。
【0008】本発明の目的は、SiCおよび Si3N4と希土
類酸化物−アルミナ系酸化物を焼成してなるSiC− Si3
N4−希土類酸化物−アルミナ系焼結体について、さら
に、上述したようなボイドやポアなどの欠陥がなく、高
強度で、高い靭性をもつ信頼性の高い焼結体を提供する
と共に、その有利な製造方法についての新規な技術を提
案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上掲の目的を実現するた
めに鋭意研究した結果、本発明者らは、希土類酸化物−
アルミナ系酸化物に、さらに、シリカを混合することに
より、希土類酸化物−アルミナ−シリカ系粉体とSiCお
よび Si3N4との混合物焼成を行うこととした。このよう
な混合物焼成では、SiCおよび Si3N4とアルミナとの反
応が抑制されるので、ポアの生成が減少し、かつSiCお
よび Si3N4と酸化物との焼結も穏やかに進行するため、
緻密な焼結体が得られやすいことが判った。
【0010】すなわち、本発明は、希土類酸化物95〜5
wt%,アルミナ4.9 〜94.9wt%およびシリカ0.1 〜10wt
%からなる混合酸化物5〜95wt%と;粉もしくはウイス
カー,またはこれらの混合物にかかるSiC90〜5wt%と
粉もしくはウイスカー,またはこれらの混合物にかかる
Si3N4 10〜95wt%からなる非酸化物混合物95〜5wt%
と;の混合物を成形し、その後、この成形体を非酸化性
雰囲気中において、5〜2000℃/分の昇温速度にて加熱
し、1500〜1900℃の温度域で0.1 〜600 分間保持して焼
成を行うことを特徴とするSiC− Si3N4−(Ln-Al-Si)
酸化物焼結体の製造方法と、これによって合成されるSi
C− Si3N4−(Ln-Al-Si)酸化物焼結体、ならびに、Ln
4Al2O9もしくはLnAlO3(ただし、Lnは希土類金属および
それらの化合物)99.9〜90wt%とシリカ0.1 〜10wt%と
の混合物5〜95wt%と;粉もしくはウイスカー,または
これらの混合物にかかるSiC90〜5wt%と粉もしくはウ
イスカー,またはこれらの混合物にかかるSi3N4 10〜95
wt%からなる非酸化物混合物95〜5wt%と;の混合物を
成形し、その後、この成形体を非酸化性雰囲気中におい
て、5〜2000℃/分の昇温速度にて加熱し、1500〜1900
℃の温度域で0.1 〜600 分間保持して焼成を行うことを
特徴とするSiC− Si3N4−(Ln-Al-Si)酸化物焼結体の
製造方法と、これによって合成されるSiC− Si3N4
(Ln-Al-Si)酸化物焼結体である。
【0011】
【作用】一般に、他の酸化物セラミックス中に添加する
シリカは、融点が1550℃と低く、ガラス状態となって粒
界に析出し、高温強度を低下させると考えられている。
そのために、むしろこのシリカは添加したくない化合物
の1つであった。
【0012】これに対し、本発明では、このシリカに着
目し、SiCおよび Si3N4と(希土類酸化物−アルミナ−
シリカ系粉体)との混合物にすると焼結が可能となり、
しかも、このシリカは粒界に析出してガラスとなること
もなく、さらには希土類酸化物−アルミナ系に固溶する
か、固溶量以上に存在する場合は、希土類酸化物あるい
はアルミナと反応してシリケイト化合物を作るので、高
温強度を低下させるような問題が生じないことが判っ
た。
【0013】本発明者らが知見したところによれば、こ
のシリカを他の化合物中に添加することにより、むしろ
緻密な焼結体を得るのに有効に作用し、焼結体の酸化物
部分の強度と靱性を向上させるのに有効である。
【0014】なお、酸化処理していないSiCおよび Si3
N4の表面に存在する微少量のシリカは、これのみでは、
酸化物の強度と靱性とを上げるのに不十分である。
【0015】次に、本発明のSiC− Si3N4−(Ln-Al-S
i)酸化物系焼結体は、希土類酸化物粉 5〜95wt%,ア
ルミナ粉94.9〜4.9 wt%およびシリカ0.1 〜10wt%から
なる混合酸化物5〜95wt%と;粉もしくはウイスカー,
またはこれらの混合物にかかるSiCと Si3N4の非酸化物
混合物95〜5wt%とを混合し焼成して得られるものであ
る。
【0016】ここで、希土類酸化物粉が5wt%未満で
は、混合酸化物の特性がアルミナ単独の特性に片寄った
ものとなり、SiCおよびSi3N4 との焼結性が悪くなる。
また、アルミナが4.9 wt%未満では、混合酸化物の特性
がほとんど希土類酸化物単独の特性に片寄ったものとな
り、SiCおよびSi3N4 との焼結性は悪くなる。
【0017】一方、希土類酸化物が95wt%超では、酸化
物の性質が希土類酸化物と変わらなくなり、アルミナが
94.9wt%超では、酸化物の性質がアルミナと変わらなく
なる。従って、この希土類酸化物粉とアルミナは、上記
範囲に限定されるのである。
【0018】また、シリカの添加量が、0.1 wt%未満で
は、焼結体の結晶粒の異常成長を抑制できないため、焼
結体の酸化物部分の強度と靱性が小さく、緻密な焼結体
を得ることができない。一方、このシリカの添加量が、
10wt%超では、添加効果は変わらないが、固溶量より多
いシリカが希土類酸化物あるいはアルミナと反応してシ
リケイト化合物を形成するため、却って好ましくない。
従って、シリカの添加量は、上記の範囲0.1 〜10wt%に
限定されるのである。
【0019】さらに、前記混合酸化物の量が、5wt%未
満では、SiCおよび Si3N4との焼結性は悪くなり緻密な
焼結体を得ることができない。一方、SiCと Si3N4から
なる非酸化物混合物の量が、5wt%未満,すなわち混合
酸化物の量が95wt%超では、SiCおよび Si3N4の添加効
果である硬度と高温強度の優れた焼結体は得られない。
従って、混合酸化物と非酸化物混合物の配合割合は、こ
のように限定したのである。
【0020】なお、希土類酸化物(Ln2O3 )としては、
Sc2O3,Y2O3, La2O3, CeO2, Pr2O3,Nd2O3, Sm2O3,Eu2O3,
Gd2O3, Tb2O3, Dy2O3, Ho2O3, Er2O3, Tm2O3, Yb2O3,
Lu2O3が好適に用いられる。
【0021】また、前記混合酸化物と非酸化物混合物と
の混合に当っては、粉体の混合あるいは混練に用いられ
る通常の機械を使用することができる。この混合は、乾
式,湿式のどちらでもよく、特に湿式の場合はエチルア
ミン,魚油等の表面活性剤を使用すると効果的に混合で
きる。
【0022】次に、上述のようにして得られた混合原料
は、一旦乾燥し、引続き所定形状の生成形体を成形す
る。この成形工程では、成形助剤として有機高分子( ポ
リエチレングリコール, ポリビニルアルコール等) を上
記混合原料に添加し、常法の既知成形技術を適用して成
形することができる。
【0023】次に、本発明製造方法について説明する。
本発明方法は、まず、上述のような混合割合でSiCおよ
び Si3N4と(Ln-Al-Si)混合酸化物との混合物を成形す
る。次いで、その生成形体は、5〜2000℃/分の昇温速
度にて加熱し、1500〜1900℃の温度に、0.1 〜600 分間
保持する焼成処理を行い焼結体とする。
【0024】上記昇温速度は、5℃/分より遅いと緻密
な焼結体が得られず、一方、2000℃/分より速く昇温す
ることは実情不可能であるので、5〜2000℃/分の範囲
に限定される。
【0025】また、この焼成温度が、1500℃より低い
と、焼結が不十分なために緻密な焼結体を得ることがで
きず、一方、1900℃より高いとSiCおよび Si3N4とアル
ミナとが反応してポアを形成し緻密化されなくなる。こ
のことから、適性焼成温度の範囲は、1500〜1900℃の範
囲に限定される。
【0026】次に、焼成時間は、前記焼成温度に関連
し、焼成温度が低い時には長く、また高い時には短くす
ることが好ましいが、0.1 分より短いと焼結が不十分な
ために緻密な焼結体を得ることができず、一方 600分超
では焼結効果がほとんど変わらなくなるか、あるいは、
SiCおよび Si3N4とアルミナとが反応して、却ってポア
を形成するようになるので、0.1 〜600 分の範囲に限定
される。
【0027】なお、焼成時の雰囲気としては、酸化雰囲
気中では SiCおよび Si3N4が酸化されるため、非酸化雰
囲気(例えば、窒素ガスやアルゴンガス,ヘリウムガス
等の不活性ガス)が好ましい。なかでも、窒素ガス雰囲
気が良く、窒素高圧ガス雰囲気では、 Si3N4の分解を抑
制できるため、高温で緻密な焼結体を合成するのに有効
である。
【0028】このようにして得られた本発明の SiC− S
i3N4−混合酸化物系焼結体は、 SiCおよびSi3N4 と酸化
物が良く焼結し、かつ酸化物の靱性と強度が、従来のシ
リカを含まないものに比べ著しく改善された。
【0029】次に、本発明によれば、シリカを含む酸化
物とSiC および Si3N4を焼成して強度と靱性に優れる高
温でも使用可能な酸化物焼結体を製造する上述のような
技術は、焼成時にマルテンサイト変態を生じるLn4Al2O9
あるいはLnAlO3なる化合物を主成分とする希土類酸化物
−アルミナ−シリカ系焼結体のときに特に有効である。
すなわち、Ln4Al2O9もしくはLnAlO399.9〜90wt%と、シ
リカ粉0.1 〜10wt%からなる混合酸化物5〜95wt%と;
粉もしくはウイスカー,またはこれらの混合物にかかる
SiC10〜95wt%と、粉もしくはウイスカー,またはこれ
らの混合物にかかるSi3N4 90〜5wt%からなる非酸化物
混合物95〜5wt%;を混合して、上述した方法によって
合成される SiC− Si3N4−混合酸化物系焼結体は、結晶
粒径が30μm以下に制御されているため、マルテンサイ
ト変態によって双晶を生成せず、強度および靱性に優れ
たものであった。
【0030】その理由は、前記焼結体中の構成粒子に双
晶が生成せず、クラックの進展に伴って初めて少ない数
の双晶が生成するが、この双晶は、クラックの歪みのエ
ネルギーを吸収し、かつ、この双晶面の動きによって
も、この歪みのエネルギーを吸収できるため、前記焼結
体の強度と靱性とを大きくすると考えられる。これは、
従来知られていない強靱化の機構で、発明者らの新規の
発見である。
【0031】
【実施例】
(実施例1) 150mlの蒸留水と4mlのジエチルアミンの
混合液中に、 Si3N4粉30g,SiC ウィスカー30g, Y2O
3 粉71.2g, Al2O3粉16.1gおよびSiO2粉 2.7gの混合
粉体を入れ、さらに2mlのジエチルアミンを添加し、ボ
ールミルを用いて24時間湿式混合した。次いで、混合液
が10%溶液になるようにポリエチレングリコールを入れ
て3時間攪拌混合した。混合終了後、この懸濁液をスリ
ップキャスト法にて生成形体に成形した。次に、この生
成形体を、空気中で2℃/分の昇温速度で500 ℃まで昇
温し、500 ℃で2時間保持して仮焼した。次いで、この
仮焼試料を、窒素ガス10kgf/cm2 の圧力下において50℃
/分の昇温速度で1775℃まで昇温し、1775℃に30分間保
持して焼結体を得た。
【0032】得られた焼結体は、緻密に焼結されてお
り、ポアーはほとんど観察されたかった。また、焼結体
の曲げ強度は1500MPa であり、破壊靱性値KIC=20MP・
m1/2であった。
【0033】(実施例2) 90ml のエチルアルコールと
2mlのジエチルアミンの混合液中に、SiC 粉10g, Si3N
4 ウィスカー10g,Yb2O3 粉 69.42g,Al2O3 粉6.98g
およびSiO2粉 1.6gの混合粉体を入れ、ボールミルを用
いて72時間湿式混合した。混合終了後、60℃に加熱し
て、アルコールを蒸発させ、次いで、5%のポリエチレ
ングリコール水溶液に入れて攪拌混合し、これを乾燥し
た。その後、45×20×5mm3 の大きさの生成形体に成形
した。次に、この生成形体を空気中において2℃/分の
昇温速度で500 ℃まで昇温し、500 ℃で2時間保持して
仮焼した。次いで、この仮焼試料を、窒素ガス中におい
て80℃/分の昇温速度で1700℃まで昇温し、1700℃に5
分間保持して焼結し、さらに窒素ガス100kgf/cm2の圧力
下において、1650℃でHIP 処理して焼結体を得た。
【0034】得られた焼結体は、緻密に焼結されてお
り、ポアーはほとんど観察されたかった。また、焼結体
の曲げ強度は1300MPa であり、破壊靱性値KIC=18MP・
m1/2であった。
【0035】(実施例3) 100mlの蒸留水と1.5ml のジ
エチルアミンの混合液中に、Si3N4粉60g,SiC ウィス
カー25g, Gd2O3 粉 12.76g,Al2O3 粉 1.79 gおよび
SiO2粉0.45gの混合粉体を入れ、ボールミルを用いて24
時間湿式混合した。次いで、12gのポリエチレングリコ
ールを入れて3時間攪拌混合した。混合終了後、この懸
濁液をスリップキャスト法にて生成形体に成形した。次
に、この生成形体を、空気中において2℃/分の昇温速
度で500 ℃まで昇温し、500 ℃で2時間保持して仮焼し
た。この仮焼試料を、窒素ガス30kgf/cm2 の圧力下にお
いて 400℃/分の昇温速度で1770℃まで昇温し、1770℃
に20分間保持して焼結体を得た。
【0036】得られた焼結体は、緻密に焼結されてお
り、ポアーはほとんど観察されたかった。また、焼結体
の曲げ強度は 1400MPaであり、破壊靱性値KIC=18MP・
m1/2であった。
【0037】(実施例4) 100mlの蒸留水と2mlのジエ
チルアミンの混合液中に、Si3N4 粉40g,SiC ウィスカ
ー20g, Ho2O3 粉 52.34g,Al2O3 粉 3.75 gおよびSi
O2粉0.6gの混合粉体を入れ、ボールミルを用いて24時
間湿式混合した。次いで、12gのポリエチレングリコー
ルを入れて3時間攪拌混合した。混合終了後、この懸濁
液をスリップキャスト法にて生成形体に成形した。次
に、この生成形体を、空気中において2℃/分の昇温速
度で500 ℃まで昇温し、500 ℃で2時間保持して仮焼し
た。この仮焼試料を、窒素ガス10kgf/cm2 の圧力下にお
いて50℃/分の昇温速度で1700℃まで昇温し、1700℃で
30分間保持して焼結体を得た。
【0038】得られた焼結体は、緻密に焼結されてお
り、ポアーはほとんど観察されたかった。また、焼結体
の曲げ強度は1500MPa であり、破壊靱性値KIC=19MP・
m1/2であった。
【0039】(実施例5) 100mlの蒸留水と2mlのジエ
チルアミンの混合液中に、Si3N4 粉50g,SiC ウィスカ
ー20g, Sm2O3 粉 25.65g,Al2O3 粉 3.75 gおよびSi
O2粉0.6gの混合粉体を入れ、ボールミルを用いて24時
間湿式混合した。次いで、12gのポリエチレングリコー
ルを入れて3時間攪拌混合した。混合終了後、この懸濁
液をスリップキャスト法にて生成形体に成形した。次
に、この生成形体を、空気中において2℃/分の昇温速
度で500 ℃まで昇温し、500 ℃で2時間保持して仮焼し
た。次いで、この仮焼試料を、窒素ガス10kgf/cm2 の圧
力下において80℃/分の昇温速度で1750℃まで昇温し、
1750℃に30分間保持して焼結体を得た。
【0040】得られた焼結体は、緻密に焼結されてお
り、ポアーはほとんど観察されたかった。また、焼結体
の曲げ強度は1100MPa であり、破壊靱性値KIC=15MP・
m1/2であった。
【0041】(実施例6) 100mlの蒸留水と2mlのジエ
チルアミンの混合液中に、 Si3N4粉25g,SiC ウィスカ
ー20g, Y2O3 粉 42.36g,Al2O3 粉7.7 gおよびSiO2
粉 1.1gの混合粉体を入れ、ボールミルを用いて24時間
湿式混合した。次いで、12gのポリエチレングリコール
を入れて3時間攪拌混合した。混合終了後、この懸濁液
をスリップキャスト法にて生成形体に成形した。次に、
この生成形体を、空気中において2℃/分の昇温速度で
500 ℃まで昇温し、500 ℃で2時間保持して仮焼した。
次いで、この仮焼試料を、窒素ガス100kgf/cm2の圧力下
において ℃/分の昇温速度で1800℃まで昇温し、18
00℃に10分間保持して焼結体を得た。
【0042】得られた焼結体は、緻密に焼結されてお
り、ポアーはほとんど観察されたかった。また、焼結体
の曲げ強度は 1200MPaであり、破壊靱性値KIC=15MP・
m1/2であった。
【0043】このように本発明の方法で得られた SiC−
Si3N4−混合酸化物系焼結体は、緻密でポアがなく、平
均結晶粒径30μm以下の粒子で構成されている。従っ
て、本発明の焼結体は、曲げ強度については、1000MPa
以上で、破壊靱性値についても、15MP・m1/2以上であ
り、実用に供されるに充分な強度ならびに破壊靱性値を
有する。しかも、高温でも強度を維持することができる
ので、室温,高温のいずれにおいても、空気中で使用で
きる優れたセラミックス材料を提供できる。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、希土
類酸化物−アルミナ−シリカ系の混合酸化物と SiCおよ
び Si3N4を焼成して、焼結体の結晶粒径を30μm以下に
制御し、ポアの形成を阻止することにより、酸化物焼結
体の優れた靱性と SiCおよび Si3N4の高温強度に優れた
特性を共に有する,緻密で高い強度と靱性を有する組織
的に均一な SiC− Si3N4−混合酸化物系焼結体を容易に
得ることができる。
【0045】従って、本発明によれば、エンジン部品,
ガスタービン翼,ガスタービン用部品,耐腐食性装置部
品,坩堝,ボールミル用部品,高温炉用熱交換器,耐熱
材,高空飛翔体用耐熱材,燃焼管,ダイカスト用部品,
絶縁材料,核融合炉材料,原子炉用材料,太陽炉材料,
工具,熱遮蔽材料,電子回路用基体,シール材,継手や
バルブ用部品,人工骨や人工歯根等の生体材料,誘電材
料,刃物やカッター刃,スポーツ用品,ポンプ,ノズ
ル,磁気ヘッド,ローラー,ガイド,軸受,フェルー
ル,その他の広い分野で有効に用いられるものを提供で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/10 C04B 35/50 C04B 35/565 C04B 35/584

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化ケイ素90〜5wt%と窒化ケイ素10〜
    95wt%からなる非酸化物混合物 95 〜5wt%と、希土類
    酸化物95〜5wt%,アルミナ4.9 〜94.9wt%およびシリ
    カ0.1 〜10wt%からなる混合酸化物5〜95wt%との焼結
    体からなる炭化ケイ素−窒化ケイ素−混合酸化物系焼結
    体。
  2. 【請求項2】 上記混合酸化物が、Ln4Al2O9もしくはLn
    AlO3(ただし、Lnは希土類元素およびそれらの化合物)
    99.9〜90wt%とシリカ0.1 〜10wt%からなる請求項1に
    記載の焼結体。
  3. 【請求項3】 炭化ケイ素90〜5wt%と窒化ケイ素10〜
    95wt%からなる非酸化物混合物 95 〜5wt%と、希土類
    酸化物95〜5wt%,アルミナ4.9 〜94.9wt%およびシリ
    カ0.1 〜10wt%からなる混合酸化物5〜95wt%との混合
    物を成形し、その後、得られた成形体を非酸化性雰囲気
    中において、5〜2000℃/分の昇温速度にて加熱し、15
    00〜1900℃の温度域で0.1 〜600 分間保持して焼成を行
    うことを特徴とする炭化ケイ素−窒化ケイ素−混合酸化
    物系焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記混合酸化物が、Ln4Al2O9もしくはLn
    AlO3(ただし、Lnは希土類元素およびそれらの化合物)
    99.9〜90wt%とシリカ0.1 〜10wt%からなる請求項3に
    記載の製造方法。
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