JPH0483759A - 窒化ほう素複合焼結体の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、真空蒸着用ボート、その他の溶融金属用耐食
性部材等として好適に用いられる窒化ほう素複合焼結体
の製造方法に関する。

〔従来の技術〕

従来、溶融金属、特に溶融アルミニウムのような活性金
属に対し優れた耐食性を示すものの電気絶縁性である窒
化ほう素に、導電性でしかも溶融金属に対して高い耐食
性を示す２ほう化チタン（ＴｉＢ２）を添加混合し、こ
れを焼結した窒化ほう素複合焼結体が知られ、真空蒸着
用導電性ポート等に好適に用いられているが、この複合
焼結体の焼結性を改良して成形体の機械強度や品質のバ
ラツキをなくす目的で、上述した窒化ほう素と２ほう化
チタンに更に金属アルミニウム粉末を焼結助剤として添
加する方法が知られている（特公昭５８−２２６０号公
報）。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、本発明者の検討によれば、窒化ほう素粉
末と２ほう化チタン粉末に金属アルミニウム粉末を焼結
助剤として添加する方法では、金属アルミニウム粉末を
均一に分散させるために混合を長時間前なうことが必要
であり、しかも長時間混合を行なうと、２ほう化チタン
の表面を微細な窒化ほう素粉末が包囲し、焼結した後に
緻密化が阻害されたり、焼結体の体積固有抵抗等の特性
にばらつきが生じるなどの問題があるものであった。

本発明は上記事情に鑑みなされたもので、緻密で、体積
固有抵抗等の特性のばらつきのない窒化ほう素複合焼結
体の製造方法を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段及び作用〕本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、窒化ほう素
粉末と２ほう化チタン粉末に焼結助剤としてアルミニウ
ムを金属粉末ではなくアルミニウムアルコキシドとして
添加し、更にこれらをアルコールと共に混合し、これを
乾燥造粒した混合顆粒を焼結して窒化ほう素複合焼結体
を製造することが有効であることを知見した。

即ち、この方法によると、焼結助剤となるアルミニウム
アルコキシドがアルコールに溶解した状態で原料粉末の
混合が行なわれるために、短時間での助剤の均一混合が
可能であり、また、焼結時にアルコキシドの熱分解によ
る助剤体積の縮小が起こり、焼結体の緻密化を助ける働
きがあり、このため得られる焼結体は、従来法に比較し
て、成形体の緻密化が進み、溶融金属に対する耐食性も
高く、しかも原料の混合が均一に行なわれているために
、体積固有抵抗等のばらつきのない優れた品質のもので
、従って上記製造方法によって得られた窒化ほう素複合
焼結体は真空蒸着用導電性ホード、鋳造用ノズル、ブレ
ークリング等の鋳造設備用高温部材、その低溶融金属用
耐食性部材として好適に使用し得るものであることを見
い出し、本発明をなすに至ったものである。

従って、本発明は窒化ほう素粉末を１０〜７０重量％、
２ほう化チタン粉末を２０〜８０重量％及びアルミニウ
ムアルコキシドを金属アルミニウム換算で１〜１０重量
％の割合で含む組成物をアルコールと共に混合し、これ
を乾燥造粒した混合顆粒を焼結することを特徴とする窒
化ほう素複合焼結体の製造方法を提供する。

以下、本発明について更に詳しく説明する。

本発明の窒化ほう素複合焼結体の製造方法は、原料とし
て窒化ほう素粉末、２ほう化チタン粉末及び焼結助剤と
してアルミニウムアルコキシドを用いるものである。

ここで、窒化ほう素粉末及び２ほう化チタン粉末として
はそれぞれ平均粒子径か１０１ｉ１１以下、特に３−以
下のものを好適に用いることができる。

また、これらの配合割合は窒化ほう素粉末を１０〜７０
重量％、好ましくは３０〜６０重量％、２ほう化チタン
粉末を８０〜２０重量％、好ましくは６０〜３０重量％
の範囲で使用するもので、この範囲外では溶融金属用耐
食性部材として必要な機能を発揮し得ない。

また焼結助剤のアルミニウムアルコキシドとしては、例
えばアルミニウムメトオキシド、アルミニウムエトオキ
シド、アルミニウムｎ−プロピオキシド、アルミニウム
イソプロポキシド、アルミニウムｎ−ブトオキシド、ア
ルミニウムｔ−ブトオキシド、アルミニウムペンタオキ
シド、アルミニウムへキサオキシド、アルミニウムへブ
タオキシド、アルミニウムオクタオキシド、アルミニウ
ムデカオキシド、アルミニウムドデシルオキシド、アル
ミニウムオレインオキシド、アルミニウムバルミトイル
オキシド等が挙げられ、これらの１種を単独で又は２種
以上を併用して用いることができる。このアルミニウム
アルコキシドの添加量は、アルミニウムアルコキシド中
のアルミニウム換算で１〜１０重量％、好ましくは３〜
７重量％とするもので、１重量％未満の添加量では添加
の効果が現れず、一方１０重量％を超えると得られる焼
結体が軟化変形を起こし易くなる。

本発明においては、上述した窒化ほう素粉末、２ほう化
チタン粉末及びアルミニウムアルコキシドをアルコール
と共に混合し、これを乾燥造粒して焼結原料となる混合
顆粒を作製する。なお、混合に際しては、アルミニウム
アルコキシドをアルコールに溶解し、これに窒化ほう素
粉末、２ほう化チタン粉末を混合する方法が好適に採用
される。

ここで、アルコールとしては、例えばメタノール、エタ
ノール、Ｄ−プロピルアルコール、ｉ　−プロピルアル
コール、ｎ−ブタノール、ｔ−ブチルアルコール等の低
級アルコール等が挙げられ、これらの１種を単独で又は
２種以上を混合して用いることができる。このアルコー
ルの使用量はアルミニウムアルコキシドを十分に溶解し
得る範囲で適宜選定されるが、−船釣には窒化ほう素粉
末、２ほう化チタン粉末及びアルミニウムアルコキシド
の全重量１ｋｇに対して５〜１０ρの範囲とすることが
好ましい。

また、混合方法は湿式混合し得る方法、例えばボールミ
ル、ニーダ−等を用いて行なうことができ、混合時間は
通常３０分〜６時間の範囲とすることができる。

なお、焼結原料を成形して、焼結を無加圧ないしは１０
ｋｇ／ａｊ以下の雰囲気加圧下で行なう場合、上記混合
時に成形用のバインダー、例えばポリビニルアルコール
等を加えることもできる。

更に、乾燥造粒方法も特に制限されないが、乾燥と顆粒
状成形を同時に行なえる点で噴震乾燥が好適に採用され
る。

このようにして得られた窒化ほう素粉末と２ほう化チタ
ン粉末にアルミニウムアルコキシドが均一に付着した混
合物の顆粒は必要により篩で粗大粒子を取り除き、粒径
範囲をｌｌｆｆｌ１〜ｌｏｏｒｍとして成形、焼結に供
することが望ましい。

次に、上記原料混合物を焼結して本発明に係る緻密性、
均一性に優れた窒化ほう素複合焼結体を得る場合、焼結
法としては、上記混合顆粒を成形した後、無加圧ないし
は１０ｋｇ／ｆｆｌ以下の加圧下で焼結する方法、ある
いは上記混合顆粒をホットプレスや静水圧加圧、スリッ
プキャストなどの通常の方法を採用することができる。

この場合、焼結は１６００〜２１００℃の温度範囲で減
圧下あるいは不活性ガス雰囲気下で行なうことができる
。

なお、混合顆粒を成形し、この成形物を焼結する場合、
その成形方法は特に限定されず、通常粉末の成形に用い
られるいずれの方法も採用し得、また、２００　ｋｇ／
、ｆｆｌ以下の圧力で加圧成形することも可能である。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の窒化ほう素複合焼結体の
製造方法によれば、緻密である上、体積固有抵抗等の特
性のばらつきのない均質な窒化ほう素とほう化チタンの
焼結体を容易かつ確実に製造できるものであり、このた
め本発明方法で得られた窒化ほう素複合焼結体は真空蒸
着用導電性ボート、鋳造用ノズル、ブレークリング等の
鋳造設備用高温部材その他の溶融金属用耐食性部材等と
して好適に用いられるものである。

以下、実施例と比較例を示し、本発明を更に具体的に説
明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。

〔実施例１〕 平均粒子径１−以下の窒化ほう素粉末４５０ｇと、平均
粒子径１〜２ｐｍの２ほう化チタン粉末５００ｇと、ア
ルミニウムイソプロポキシドをアルミニウム換算で５０
ｇ含むイソプロピルアルコール溶液５Ｑとをボールミル
中で３時間混合した。

混合後のスラリーを噴霧乾燥器で乾燥・造粒した後、顆
粒を目開き１＋ｎｍの篩にかけ、粗大な粒子を取り除い
た。

この顆粒を黒鉛製モールドに充填し、２０００°Ｃ１１
５０ｋｇ／ｃｉの条件で１時間ホットプレスした。

〔実施例２〕 窒化ほう素粉末を３００ｇ及び２ほう化チタンを６５０
ｇとした以外は実施例１と同様に混合、乾燥・造粒した
後、ホットプレスを行なった。

〔実施例３〕 実施例１と同様の原料粉末の混合時に成形バインダーと
してポリビニルアルコールを１重量％添加し、同様に乾
燥・造粒、ふるいわけを行なった。

得られた顆粒をゴム製の型に充填し、５０００ｋｇ／ｃ
Ｊの圧力で静水圧加圧を行なって成形した。

この成形体を窒素雰囲気下、２０００　’Ｃで３時間加
熱し、焼結した。

〔比較例〕

平均粒径１／Ｊｌ以下の窒化ほう素粉末４５０ｇ、平均
粒径１〜２癖のほう化チタン粉末５００ｇ及び金属アル
ミニウム粉末５０ｇをボールミルを用いて３時間乾式で
混合を行なった。

得られた粉末を２０００℃、１５０ｋｇ／ｆｆｌの条件
でホットプレスした。

次に、実施例１〜３、比較例で得られた窒化ほう素複合
焼結体について密度と曲げ強度の測定を行なった。

結果を第１表に示す。

第　　１　　表 が認められ、焼結助剤としてアルミニウム１４粉末とし
て混合する代わりにアルコールに溶解したアルミニウム
アルコキシＩ−を用いて混合した効果が顕著であること
がわかる。

出願人　　信越化学工業　株式会社 代理人　　弁理士　小　島　隆　同

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １．窒化ほう素粉末を１０〜７０重量％、２ほう化チタ
   ン粉末を２０〜８０重量％及びアルミニウムアルコキシ
   ドを金属アルミニウム換算で１〜１０重量％の割合で含
   む組成物をアルコール中で混合し、これを乾燥造粒した
   混合顆粒を焼結することを特徴とする窒化ほう素複合焼
   結体の製造方法。