JPH0648540U - 焼物調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 魚介類や食肉・鳥肉などの調理品Ｆを均一に
焼くことと、その際に調理品Ｆから滴下する水分や油脂
分が熱源体３,４と接触して発煙するのを防止する。 【構成】 調理品Ｆからの水分や油脂分の滴下範囲を避
けて熱源体３,４を配置し、且つ熱源体３,４の放熱面３
Ａ,４Ａを斜上方に向ける。ケーシング１内の適所に遠
赤外線セラミック１１,１２・・を多数配置して焼物調
理品Ｆを均一に加熱する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本願考案は、魚介類や食肉・鳥肉あるいはそれらを使用した串焼物等の焼物を 焼いて調理するための焼物調理器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

仕出料理店や割烹店あるいは居酒屋等のように、魚介類や食肉・鳥肉等を使っ て焼物料理をするところでは、従来、図６に例示するような焼物調理器が多用さ れている。

【０００３】 この従来の焼物調理器は、ケーシング８１内に、電熱ヒータやガスバーナ等の 熱源体８３の上方を耐熱ガラスカバー８４で被覆した構造を有しており、その直 上方に魚介類や食肉・鳥肉等の焼物調理品Ｆを載置するための調理品受器９０を 載置するようにされているのが通例である。

【０００４】 ところで、本願考案者は、このような従来構造の焼物調理器について観察した 結果、同焼物調理器には次のような点で改良の余地のあることを知見した。

【０００５】 (イ) 図６に例示する従来構造の焼物調理器では、上方の焼物調理品Ｆから滴 下する水分あるいは油脂分が下方の耐熱ガラスカバー８４に接触して発煙を生じ ていた。

【０００６】 (ロ) 焼物調理品Ｆと熱源体８３との距離の遠近によって調理品Ｆの焼き加減 にムラがあり、均一な焼上りが得られていない。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本願考案は、従来構造の焼物調理器に対する上記のような観察にもとずいてな されたもので、従来品に比較して発煙の少ない、且つ均一な焼上りの得られる焼 物調理器を提供しようとしてなされたものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本願考案の焼物調理器は、上記の課題を達成するために、図１ないし図５に例 示するように、適所に調理品受器２０用の受台２２を設けたケーシング１内に、 前記受台２２に支持される調理品受器２０の直下位置を避けて且つ放熱面３Ａ, ４Ａが斜上方を向くようにして一対の熱源体３,４を対向配置するとともに、前 記ケーシング１の内部に前記熱源体３,４の放熱面３Ａ,４Ａの前面を除いて該熱 源体３,４の周囲に遠赤外線セラミック１１,１２・・・を配置したことを特徴と するものである。

【０００９】

【作用】

本願考案の焼物調理器においては、一対の熱源体３,４からの放射熱は斜上方 に向けて放熱され、魚介類や食肉・鳥肉等の調理品Ｆを斜め方向から加熱する一 方で、該熱源体３,４の周囲の遠赤外線セラミック１１,１２・・・を加熱する。 遠赤外線セラミック１１,１２・・・は熱源体３,４によって加熱されると特定波 長の輻射熱を放射し、その輻射熱によって焼物調理品Ｆを焦がさないような温度 で加熱する。

【００１０】 魚介類や食肉・鳥肉等の調理品Ｆが加熱されると、その調理品Ｆから水分や油 脂分が滴下するが、その滴下物は一対の熱源体３,４の間を通って下方に落下す るためほとんど発煙を生じることがない。

【００１１】

【考案の効果】

本願考案は上記の如き構成及び作用を有するから、魚介類や食肉・鳥肉等の焼 物調理を行うにあたっても調理品Ｆから滴下する水分や油脂分による発煙がほと んどなく、調理品Ｆそれ自体に煙の臭いがつかないばかりでなく、調理場の環境 改善にも効果がある。又、焼物調理品Ｆそれ自体は斜め傾斜した熱源体３,４か らの斜め方向からの放射熱と周囲の遠赤外線セラミック１１,１２・・・からの 特定波長の輻射熱とによって均一に加熱されるから従来より焼けムラが改善され 、きれいな焼上りとすることができる。又、遠赤外線セラミック１１,１２・・ ・の蓄熱性により熱効率が良好であるという効果がある。

【００１２】

【実施例】

図１ないし図３は本願考案の第１の実施例にかかる焼物調理器を示している。

【００１３】 図１は、上記第１実施例の焼物調理器の外観図を示しており、図２は、同焼物 調理器の外囲い(ケーシング)１を除去したと仮定した場合の内部構造を示してい る。図３は、図１におけるIII−III断面図を示している。

【００１４】 これらの図１〜図３において、符号１はケーシング、２はケーシング内室、３ ,４はガスバーナからなる熱源体、５は魚介類や食肉・鳥肉から滴下する肉汁や その他の落下物を受けるための受皿を示している。

【００１５】 この実施例では一対の熱源体３,４はそれぞれその放熱面３Ａ,４Ａが斜上方に 向くように傾斜して設置されている。各放熱面３Ａ,４Ａの傾斜角α,βはそれぞ れの焼物調理器における幅Ｗや高さＨに応じて適宜設定され、調理品Ｆに対する 加熱効果が最良となるように位置決めされる(各熱源体３,４は傾斜角度調節可能 とすることができる)。この実施例ではケーシング１の上端に、焼物調理品Ｆを 載せる調理品受器(焼網あるいはセイロ等)２０を受けるための受台２２が形成さ れているが、一対の熱源体３,４はこの受台２２の直下方を避けてその外方寄り に設置されている。

【００１６】 各熱源体３,４に対しては、ガス主管５１及びガス枝管５３,５４を介してガス が供給されるとともに、ガス調節材５５でガスの量が調節される。

【００１７】 各熱源体３,４の間でしかもケーシング１の両側壁には板状の遠赤外線セラミ ック１１,１２が対向配置されている。又、この実施例では、各熱源体３,４の上 端とケーシング１の天板との間において板状の遠赤外線セラミック１３,１４が 斜下方に向けて装着されている。

【００１８】 この実施例の焼物調理器では熱源体(ガスバーナ)３,４でガスが燃焼すると、 その燃焼熱の一部によって周囲の板状の遠赤外線セラミック１１,１２,１３,１ ４が加熱され、それらの遠赤外線セラミック１１,１２,１３,１４から放射され る輻射熱によって調理品Ｆを均一に加熱する。

【００１９】 魚介類や食肉・鳥肉等の調理品Ｆが加熱されると、水分や油脂分を含んだ魚汁 あるいは肉汁が下方へ滴下するが、それらの滴下液は両サイドの熱源体３,４に 接することなく下方の受皿５上に滴下する。したがって、それらの滴下液が熱源 体３,４上に落下することによって生じる発煙現象は未然に防止されている。

【００２０】 図４及び図５は本願考案の第２実施例にかかる焼物調理器を示している。この 実施例の焼物調理器は、ケーシング１内の中段部に調理品受器２０を載置するた めの受台２２を配置し、その下方に主熱源となる一対の熱源体３,４を配置して いる。受台２２にはその略中央部に開口２１があり、下方の熱源体３,４からの 熱はこの開口２１を介して上方へ放射される。

【００２１】 一対の熱源体３,４は本願考案を適用してその放熱面３Ａ,４Ａが斜上方に向く ようにして設置されている。この熱源体３,４も、第１実施例の場合と同様に適 宜の手段により、必要に応じてその傾斜角α,βが調整し得るようにされている 。

【００２２】 受台２２の上面には魚介類や食肉・鳥肉などの調理品Ｆを載せる調理品受器２ ０が載置されるが、これらの調理品Ｆから滴下する水分や油脂分などが熱源体３ ,４に接触しないようにするために、該熱源体３,４は受台２２の開口２１より外 方へ避退して設けられている。

【００２３】 一対の熱源体３,４の両端側方には該両熱源体３,４を挟むようにして一対の板 状の遠赤外線セラミック１１,１２が対向配置されている。この一対の遠赤外線 セラミック１１,１２は熱源体３,４によって加熱されると調理品Ｆの加熱に適し た波長の熱線が輻射し、調理品受器２０上の調理品Ｆを均一に加熱する作用をす る。

【００２４】 この実施例の焼物調理器では、調理品受器２０用の受台２２の上方にも熱源体 ７と遠赤外線セラミック１７とを配置して調理品受器２０上の調理品Ｆを上、下 両面から加熱するようにしている。この上方側の熱源体７と遠赤外線セラミック １７とはそれぞれ細長い四角棒状体とされていて交互に配列されて相互に結合さ れている。そして、この複数の熱源体７,７・・と上部セラミック１７,１７・・ との結合体は一体化されてボルト４１,４１によって吊下げられて支持されてい る。

【００２５】 なお、ボルト４１,４１には高さ調節用のハンドル４２,４２が螺合されていて 、これらのハンドル４２,４２を回動させることによって熱源体７,７・・と上部 セラミック１７,１７・・の結合体の高さを調節し得るようになっている。

【００２６】 この上部熱源体７,７・・と上部セラミック１７,１７・・の結合体の両側と後 方側には板状の遠赤外線セラミック１３,１４,１５によって調理品受器２０上の 調理品Ｆを取り囲むようにしている。なお、図４および図５において符号９は排 気口、５７,５８は上部バーナ７,７・・へのガス管を示している。

【００２７】 図４及び図５に示す第２実施例の焼物調理器では、調理品受器２０上の調理品 Ｆは、下方の熱源体３,４及び上方の上部バーナ７,７・・と、下方の遠赤外線セ ラミック１１,１２及び上方の遠赤外線セラミック１３,１４,１５,１７・・・に よって全体的に均一に加熱される。

【００２８】 そして、その際調理品受器２０上の調理品Ｆから水分や油脂分が滴下しても下 方の熱源体３,４に接触することなく、したがって発煙もほとんど生じることが ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案の第１実施例にかかる焼物調理器の斜
視図。

【図２】図１の焼物調理器の内部構造図。

【図３】図１のIII−III断面図。

【図４】本願考案の第２実施例にかかる焼物調理器の内
部構造斜視図。

【図５】図４のＶ−Ｖ断面図。

【図６】従来構造の焼物調理器の概念図。

【符号の説明】

１はケーシング、３,４は熱源体、３Ａ,４Ａは放熱面、
５は受皿、７は上部バーナ、１１〜１５は遠赤外線セラ
ミック、１７は上部セラミック、２０は調理品受器、２
２は受台、Ｆは調理品である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 適所に調理品受器(２０)用の受台(２２)
   を設けたケーシング(１)内に、前記受台(２２)に支持さ
   れる調理品受器(２０)の直下位置を避けて且つ放熱面
   (３Ａ,４Ａ)が斜上方を向くようにして一対の熱源体
   (３,４)を対向配置するとともに、前記ケーシング(１)
   の内部に前記熱源体(３,４)の放熱面(３Ａ,４Ａ)の前面
   を除いて該熱源体(３,４)の周囲に遠赤外線セラミック
   (１１,１２・・・)を配置したことを特徴とする焼物調
   理器。