JP7137402B2 - 調理器 - Google Patents
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Description
この加熱調理器に関し、発熱体にカーボンランプヒーターの遠赤外線放射を受けて発熱するセラミック炭を使用し、この発熱体と反射部材でカーボンランプヒーターを囲い込む構造が知られている(たとえば、特許文献1)。
調理器の熱変換装置として、セラミック板を被着した加熱板と超耐熱鋼板を対向させて燃焼室を形成し、この燃焼室の下方に配置した加熱源で加熱板を熱し、この加熱板からの遠赤外線放射熱および輻射熱で処理面を加熱することが知られている(たとえば、特許文献2)。
調理器に関し、バーナーを覆うカバー、このカバー内に配置された焼き網、カバーの上側に配置されて遠赤外線放射層を備えた焼き板、焼き網側に生じる煙を排出する煙突が備えられ、焼き網側でのバーナーによる直火焼成、焼き板側での間接焼成を行うことが知られている(たとえば、特許文献3)。
これに対し、天然炭以外の燃料ガスや電熱などの熱源では天然炭のような面倒さはなく、比較的均一な加熱面が得られ、取扱いが容易であるものの、天然炭以外の熱源では天然炭を超えることができないとの認識や天然炭による調理の愛好家などの存在から、天然炭が熱源に用いられている現実がある。
本発明の発明者らは焼物などの調理に用いる熱源に、天然炭以外の熱源を用いても天然炭による熱源と同等以上の焼き上がりを含む調理性や利便性に優れる調理器を実現できるとの知見を得た。
また、飲食店などにおける食材の処理は繁忙状態に応じて顕著に変化し、顧客の求めに応じた処理が求められる。焼鳥などでは串刺しなどの前処理は当然のこととし、食材の取扱いに迅速化が必要である。
そこで、本発明の目的は天然炭の上記課題に鑑みかつ上記知見に基づき、天然炭と同等以上の焼成を実現するとともに、焼成後、焼成中または焼成前の食材の取扱いなど利便性に優れた調理器を提供することにある。
この調理器において、前記調理器本体は、前記熱源部からの輻射熱と前記焼成エリアからの熱を前記保温エリアに導く導熱部を備えてよい。
この調理器において、前記熱源部は、炭素で構成された放熱部材または炭素を含む放熱
部材を備え、または該放熱部材を含む放熱ユニットを備えてよい。
この調理器において、前記熱源部は表面燃焼バーナーを備え、該表面燃焼バーナーの輻
射熱を主たる加熱源として前記放熱部材を加熱してよい。
この調理器において、前記熱源部から生じる燃焼排気を前記放熱部材により加熱中の食材と分離して排気する排気部を備えてよい。
(1) 食材の焼成エリアに保温エリアを併設したので、焼成後、焼成中または焼成前の食材を保温エリアで保温することができ、焼成前の食材であれば予備加熱を行うことができる。
(2) 調理業務の繁忙状態に限らず、焼成エリアと保温エリアを併用し、迅速な焼成だけでなく、焼成エリアと保温エリアの交互利用による加熱調節を含む焼成など、焼成調理の自由度を拡大できる。
(3) 天然炭と同等以上の所謂直火で食材を加熱し、焼成することができる。
(4) 放熱部材の放熱面の全面から均一かつ安定した輻射熱を食材に放射でき、均一加熱が行える。
(6) 燃焼熱源側の燃焼排気の影響を受けることなく加熱中の食材を焼成でき、放熱部材の放熱面から食材ドリップによる燻煙を生じさせて食材を燻蒸でき、燃焼排気の影響のない薫り付けを行うことができる。
(7) 天然炭のような後処理の手間がなく、容易に放熱部材を清浄化でき、交換も容易である。
(8) 放熱部材の輻射熱は熱源の温度で容易に加減、調節することができ、食材調理の自由度が高められる。
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
<調理器2>
図1および図2のAは、第1の実施の形態に係る調理器を示している。図1および図2に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この調理器2には調理器本体4、熱源部6、焼成エリア8および保温エリア10が備えられる。
調理器本体4には放熱部4-1、断熱部4-2および排気部4-3が備えられる。放熱部4-1には熱源部6が備えられる。この熱源部6は燃焼熱、電熱または双方により輻射熱を生じる。つまり、熱源部6は、燃焼熱を生じる燃焼熱源、電気を熱に変換する電熱源のいずれか一方または双方を備えてよい。
放熱部4-1の後部には排気部4-3が備えられる。この排気部4-3には放熱部4-1が排気ダクト14で連結され、熱源部6に生じた燃焼排気などを排気させる。
この保温エリア10の下側にはテーブル部20が形成され、このテーブル部20の下側には放熱部4-1に接続された保温空間部22が形成されている。この保温空間部22にはテーブル部20の下側と仕切り壁12の上端部とに連接された保温ガイド24が備えられる。テーブル部20、保温空間部22または保温ガイド24の何れかまたは二以上は、保温エリア10に焼成エリア8または熱源部6の熱を導くための導熱部の一例である。
焼成エリア8には食材16の支持部材として焼き網26が設置され、この焼き網26は放熱口部18を覆って設置されている。これに対し、保温エリア10にはテーブル部20に食材16を支持する支持部材として保温網28が設置されている。この保温網28はテーブル部20の上面を覆い、テーブル部20の上面から食材16を分離するとともにテーブル部20から熱を食材16に伝達させる手段である。
図1に示すように、焼成前、保温エリア10に食材16を移動させた後、焼成エリア8に移動させて焼成させることができる。
焼成中または焼成後、保温すべき食材16を図2のAに示すように、焼成エリア8から保温エリア10に移動させることができる。たとえば、一旦移動させた食材16を保温エリア10から焼成エリア8に移動させ、再焼成をすることもできる。
この調理器2では第1および第2の熱源部6-1、6-2が備えられ、長方形状の放熱口部18の全域を二区分とし、熱源部6-1、6-2で個別に加熱する構成としている。この場合、調理器本体4には焼成エリア8-1、8-2が設定され、これらに併設して保温エリア10-1、10-2が設定されている。
各焼成エリア8-1、8-2には焼き網26が設置され、各保温エリア10-1、10-2には保温網28が設置されている。
なお、この調理器2において、熱源部6、6-1、6-2には放熱ユニット30(図3)を用いればよい。
この第1の実施の形態によれば、次の効果が得られる。
(1) 食材16の焼成エリア8に保温エリア10を併設したので、焼成後、焼成中または焼成前の食材16を焼成エリア8から保温エリア10に移動させて保温することができる。
(2) 調理業務の繁忙状態に限らず、焼成エリア8と保温エリア10を併用し、保温状態にある食材16を焼成エリア8に迅速に移動し、迅速なる焼成だけでなく、焼成エリア8と保温エリア10の交互利用による加熱調節を含む焼成など焼成調理の自由度を拡大できる。
<放熱ユニット30>
図3のAは、第2の実施の形態に係る放熱ユニットを示している。図3のAに示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この放熱ユニット30には放熱部材32、燃焼熱源34および燃焼室36が備えられる。放熱部材32は、炭素で構成された放熱部材または炭素を含む放熱部材の一例であり、炭素としてたとえば、カーボン粒子で構成されたプレート部材、またはカーボン粒子を含むプレート部材であり、燃焼熱源34から少なくとも輻射熱を受ける受熱面38を備え、この受熱面38からの受熱により放熱面40を含む表面から輻射熱を生じる。
燃焼熱源34はたとえば、表面燃焼バーナーで構成し、燃料としてたとえば、燃料ガスGを燃焼させ、この燃焼熱を生成する。燃料ガスGには都市ガス、LP(Liquefied Petroleum)ガスなどが用いられる。燃料として燃料ガスG以外の燃料を用いてもよい。
燃焼室36は放熱部材32の受熱面38側に設置され、燃焼熱源34を燃焼させ、この燃焼で生じる燃焼熱を放熱部材32の受熱面38に供給する。
この筐体42には燃焼熱源34から生じる燃焼排気EGを放熱部材32の放熱面40と分離して排気するための排気部4-3が形成されている。この排気部4-3には燃焼室36の側面に形成された排気口44、この排気口44に連結する排気ダクト14が備えられる。
図3のBは放熱部材32を示している。この放熱部材32はたとえば、幅Wおよび長さLの長方形状または正方形であり、一様な厚さDを備えた多孔質プレートである。この多孔質プレートはたとえば、0.01mm~0.1mm程度の粒子径を持つカーボン粒子を含む素材を高温、高圧加工により焼成して形成され、内部には独立した無数の微細な孔46が分布し、受熱面38および放熱面40に複数の孔部48が形成されている。図中、説明を容易にするため、孔46を模式的に形成しているが、このような形態に本発明が限定されるものではない。斯かる放熱部材32によれば、放熱ユニット30からの輻射熱による加熱でたとえば、放熱面40を含む表面から遠赤外線放射が得られる。
そして、放熱部材32が燃焼熱源34からの輻射熱を受けて一様に加熱され、放熱面40からの均一な輻射熱を得ることができる。取り分け、放熱部材32がカーボンからなり、またはカーボン粒子を含むので、天然炭と同等ないし同等以上の遠赤外効果が期待できる。
図4のAは、調理器2による食材16の焼成を示している。放熱部材32は炭素で構成された放熱部材または炭素を含む放熱部材であることから、この調理器2によれば、食材16は放熱部材32から均一な輻射熱を受け、均一に焼成される。食材16は遠赤外線効果により、天然炭と同等以上の焼成効果が得られる。つまり、放熱部材32からの遠赤外線は波長が長いので、食材16の表面で熱を生じさせ、これにより、食材16の表面水分が飛び、内部に旨味成分を閉じ込め、焼成された食材16は、内部に旨味成分を蓄えてしっとりでかつソフトでありながら、表面が張りのある焼き上がりに仕上げることができる。
燃焼室36側で生じた燃焼排気EGは焼成エリア8から分離して形成された排気部4-3から排気される。燃焼排気EGは放熱部材32を通過することなく、放熱部材32の放熱面40と分離して排気されるから、食材16に絡むことがない。よって、食材16は、燃焼排気EGの影響を受けることなく、放熱部材32の主として輻射熱で焼成される。つまり、焼成された食材16の食感に燃焼排気EGの影響がない。
放熱部材32による食材16の焼成では図4のAに示すように、加熱により食材16から流出した食材ドリップ50が放熱部材32の放熱面40に落下すると、放熱部材32の熱で放熱面40から燻煙52を生じる。この燻煙52は食材16側に流れて食材16に纏わりつき、放熱部材32の輻射熱と相まって燻煙効果が得られる。焼成された食材16の香ばしさが醸成される。
放熱面40を傾斜角度θだけ傾斜させた場合には、加熱により食材16から流出した食材ドリップ50が放熱部材32の放熱面40に落下した際、放熱面40にある複数の微細な孔部48に溜まり加熱され燻煙52が生じる。この燻煙52は孔部48の口径に応じて変化するが、火力調節などにより優れた燻煙効果が期待できる。放熱面40の傾斜は手前から排気部4-3に向かって傾斜させているが、この傾斜形態は調理器2の利用形態などにより自由に変化させてよいし、その傾斜角度もたとえば、10~50°などに設定してよいし、これに限定されるものでもない。調理器2の要求サイズに応じても傾斜角度θを設定することができる。
この第2の実施の形態によれば、次の効果が得られる。
(1) この放熱ユニット30を用いれば、天然炭と同等の遠赤外線効果を得ることができる調理器を構成できる。
(2) 燃焼熱源34からの輻射熱を受けることにより、放熱部材32の放熱面40から均一な輻射熱を生じさせることができきる。
(3) 放熱部材32の表面積に比例して放熱面40を設定できるので、食材16の処理量に応じて効率的な焼成ができる。
(4) 燃焼熱源34から生じた燃焼排気EGと食材16を分離しているので、食材16への燃焼排気EGの影響を回避できる。
(5) 天然炭を燃焼熱源34に用いた場合には仕入れ、保管、火加減、後処理などの手間が必要となるが、これらの手間を解消でき、天然炭と同等の遠赤外線効果による焼成が可能であり、天然炭と同等以上の調理機能と利便性に優れた放熱ユニット30を実現できる。
(6) 加熱によって食材16から流出する食材ドリップ50を放熱部材32で受けて燻煙52を生じさせることができ、燃焼排気EGの影響を受けない燻煙効果を実現できる。
(7) 放熱部材32の放熱面40の傾斜角度θに応じて放熱面40から食材ドリップ50の余剰分の除去を行うことができ、同様の燻煙効果を得ることができる。
なお、傾斜角度θは、放熱ユニット30の全体の傾斜ではなく、放熱部材32の厚みを変えることによっても傾斜角度θを設定することができる。
図5は、実施例1に係る調理器の外観形態を示している。図6は、調理器2の平面を示している。図7は、調理器2の右側面を示している。図5ないし図7に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。図5ないし図7において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
この調理器2の調理器本体4には、基台部4-11、上フレーム部4-12、前フレーム部4-13、排気部4-3が備えられる。この調理器本体4の下側にはチリ受け部102が備えられる。基台部4-11は下面側に複数の脚部104を備えて厨房などに固定される。
上フレーム部4-12には図6に示すように、横方向二連の焼成エリア8-1、8-2および保温エリア10-1、10-2が設定されている。各焼成エリア8-1、8-2は食材16(図1)を焼成するための領域であり、保温エリア10-1、10-2は焼成前、焼成中または焼成後の食材16を移動させる領域である。焼成前の食材16であれば、保温エリア10-1、10-2に移動させることにより、予備焼成が可能である。各焼成エリア8-1、8-2には食材16を載せる焼き網26が配置され、各保温エリア10-1、10-2に個別に保温網28が配置される。各焼き網26および各保温網28の上面には共通のフラット面が形成されている。焼き網26および保温網28は上フレーム部4-12に食材16を支持させる網部材の一例である。
上フレーム部4-12にはその縁部を周回して囲壁部110が形成されている。この囲壁部110の頂部は焼き網26および保温網28の上面より高く設定されている。
排気部4-3は焼成エリア8-1、8-2の上面より上方に突出し、焼成エリア8-1、8-2ごとに排気口部118-1、118-2を備えている。各排気口部118-1、118-2には外部からの異物の侵入を防止し、排気のみを通過させるための網部120が備えられる。
上フレーム部4-12の焼成エリア8-1、8-2側には共通に放熱口部18が形成され、この放熱口部18は仕切りバー124により各焼成エリア8-1、8-2に仕切られている。この放熱口部18の周囲には焼き網26を支持する支持段部126が備えられる。焼き網26は、支持段部126に支持されている。テーブル部20には保温網28が載置される。
食材16の焼成でカーボンプレート132および食材16側の蒸気は焼成エリア8-1、8-2から立ち登る。これに対し、排気部4-3側の燃焼排気EGは排気口部118-1、118-2に流れ、食材16側と分離される。
図9は、一部を切欠いて放熱ユニット30-1、30-2を示している。放熱ユニット30-1、30-2にはカーボンプレート132を支持するユニットフレーム146が備えられ、これにより、燃焼室36が形成されている。この燃焼室36の内壁には断熱部材148が設置されて断熱されている。
燃焼室36の底面にはバーナー152が配置され、このバーナー152の燃焼面は、カーボンプレート132の受熱面38と平行に配置されている。このバーナー152にはガス供給管150が連結され、燃料ガスGがバーナー152に供給される。
この燃料ガスGの燃焼排気EGは燃焼室36の壁面に形成された排気口44から排気部4-3に導かれる。排気口44は、排気部の一例である。
バーナー152およびガス供給管150は一体的に支持部材に固定されて支持されるとともに、この支持部材により基台部4-11に強固に固定されている。
この実施例1では放熱ユニット30-1、30-2が第2の実施の形態に係る傾斜させた放熱部材32(図4)と同様に、一定の傾斜角度θを備えているが、斯かる傾斜角度θは一例であり、本発明がこれに限定されるものではない。
図10は、図6のX-X線断面を示している。基台部4-11には放熱ユニット30-1、30-2が支持部材によって支持され、ガス供給管150を含むガス供給機構156が備えられる。このガス供給機構156を制御する制御機構158が前フレーム部4-13に設置されている。
放熱ユニット30-1、30-2の各バーナー152-1、152-2には点火機構や火力調節機構が備えられる。
この実施例1では、第1の実施の形態に記載している仕切り壁12について、図10に示すように、基台部4-11側の仕切り壁12に保温ガイド24が備えられ、この保温ガイド24とテーブル部20との間に保温空間部22が形成されている。これにより、放熱ユニット30-2からの熱が保温エリア10-2に伝達される。保温エリア10-1側も同様の構成で保温される。
図11は、図7のXI-XI線で切断された基台部4-11および排気部4-3内を示している。
放熱ユニット30-1、30-2の各排気口44に接続された排気ダクト14-1、14-2は、分流板144の下側から排気部4-3の内部に導かれる。
図12は、調理器2における焼成エリア8-1、8-2および保温エリア10-1、10-2の編成を示している。
焼成エリア8-1、8-2および保温エリア10-1、10-2の長辺側の幅をW1、焼成エリア8-1、8-2および保温エリア10-1、10-2の長辺側の加算幅をW2、保温エリア10-1、10-2の短辺側の幅をW3、焼成エリア8-1、8-2の短辺側の幅をW4、焼成エリア8-1、8-2および保温エリア10-1、10-2の短辺側の加算幅をW5とすれば、
W2=W1×2 ・・・(1)
W5=W3+W4 ・・・(2)
である。保温エリア10-1、10-2の短辺側の幅W3を基準に、
W1≒3×W3=W5 ・・・(3)
W2≒6×W3=2×W5 ・・・(4)
W4≒2×W3 ・・・(5)
W5≒3×W3 ・・・(6)
に設定されている。
そこで、保温エリア10-1、10-2の面積をS1、焼成エリア8-1、8-2の面積をS2とすれば、
S1=W1×W3 ・・・(7)
S2=W1×W4 ・・・(8)
であるから、面積S1、S2は、
S2≒W1×2×W3=2×S1 ・・・(9)
である。
したがって、この調理器2の焼成エリア8-1、8-2に対し、保温エリア10-1、10-2は2分の1の奥行きを持ち、2分の1の面積に設定されている。つまり、食材16の焼き時間、消費時間を考慮し、保温エリア10-1、10-2を有効に利用し、常に焼き立ての食材16を顧客に提供できる。
図13は、調理器2の制御機構158の一例を示している。ガス供給管150に図示しない元弁を介して供給される燃料ガスGは、ガス電磁弁162-1を介してバーナー152-1、ガス電磁弁162-2を介してバーナー152-2に供給される。
ガス電磁弁162-1、162-2には制御部164が接続され、この制御部164の制御出力によってガス電磁弁162-1、162-2の開度が調節され、バーナー152-1、152-2の火力調節が可能である。
燃焼表示付点火スイッチ114-1の点火スイッチ114を押下すれば、バーナー152-1の燃料ガスGに着火部166-1により着火し、燃焼表示ランプ115に燃焼検出部168-1の検出出力に応じた燃焼表示を生じさせることができ、燃焼を確認できる。同様に、燃焼表示付点火スイッチ114-2の点火スイッチ114を押下すれば、バーナー152-2の燃料ガスGに着火部166-2により着火し、燃焼表示ランプ115に燃焼検出部168-2の検出出力に応じた燃焼表示を生じさせることができ、燃焼を確認できる。
そして、火力調節部116-1、116-2により燃焼状態にあるバーナー152-1、152-2への燃料ガスGの供給量を加減でき、火力を調節できる。たとえば、図14に示すように、火力調節の一例として、強火、中火、弱火のいずれかに連続的に加減、調節することができる。
この実施例1によれば、次の効果が得られる。
(1) バーナー燃焼で生じた燃焼排気EGが焼成中または焼成後の食材16に触れるのを防止できる。
(2) 燃焼熱源34にバーナー152-1、152-2の燃焼熱を用いてカーボンプレート132を加熱し、カーボンプレート132の放熱面40から得られる均一で安定した面上輻射熱が得られ、この輻射熱により食材16を加熱し、焼成することができるので、天然炭と同等以上の直火焼成を実現できる。
(3) 天然炭に比較して安定した焼成効果が得られ、炭焼き調理と同等の焼き性能(焼き上がり)を得ることができ、天然炭のような手間が不要である。
(4) 焼き網高さを変更することなく、手元の火力調節部116-1、116-2で容易に火力調節をすることができる。
(5) カーボンプレート132は繰り返し使用でき、使用状況に応じて交換することもできる。カーボンプレート132は洗浄することなく、食材16のドリップやカスは刷毛などで容易に除くことができる。
(6) 天然炭のような仕入れ、保管、灰の処理などがなく、汚れによる掃除の手間も軽減できる。
(7) 食材16側から生じる蒸気などの排気と、熱源側の燃焼排気EGを分離しているので、排気部4-3の保守も容易である。
(8) カーボンプレート132の放熱面40から落下するチリはチリ受け部102で受け止め、チリ受け部102を引き出して廃棄することができる。
図15に示すように、焼成エリア8-1に焼き網26に代え、焼き板172を設置してたとえば、鉄板焼きなどに供してもよい。
この実施例2によれば、次の効果が得られる。
(1) 共通のカーボンプレート132からの面上輻射熱を利用して焼き網26および焼き板172側の食材16を加熱焼成することができる。
(2) ひとつの食材16の焼成に共通の焼成エリア上で焼き網26および焼き板172の双方を利用できる。
図16に示すように、単一の焼成エリア8および保温エリア10を備えた調理器2を構成してもよい。
この実施例3によれば、次の効果が得られる。
(1) 調理器2を連接することにより、調理器2を単位として所望の幅の焼成エリアを形成することができる。
(2) 小規模から大規模に至るそれぞれの店舗に容易に対応することができる。
(3) 厨房面積や厨房形態に応じて調理器2を配置することができる。
本発明には以下のバリエーションを含んでいる。
(1) 上記実施の形態や実施例1、2、3では熱源に燃焼熱源34、バーナー152を使用しているが、電熱源を併用して放熱部材32やカーボンプレート132を加熱してもよい。
(2) 焼成エリア8の上面に焼成カバーを開閉可能に備え、焼成エリア8と焼成カバーの焼成空間を形成して食材16を蒸し焼き処理することも可能である。
(3) 第2の実施の形態や実施例1、2、3では放熱部材としてプレートやプレート部材を例示しているが、放熱部材はプレートまたはプレート部材に限定されない。
4 調理器本体
4-1 放熱部
4-2 断熱部
4-3 排気部
4-11 基台部
4-12 上フレーム部
4-13 前フレーム部
6、6-1、6-2 熱源部
8、8-1、8-2 焼成エリア
10、10-1、10-2 保温エリア
12 仕切り壁
14、14-1、14-2 排気ダクト
16 食材
18 放熱口部
20 テーブル部
22 保温空間部
24 保温ガイド
26 焼き網
28 保温網
30、30-1、30-2 放熱ユニット
32 放熱部材
34 燃焼熱源
36 燃焼室
38 受熱面
40 放熱面
42 筐体
44 排気口
46 孔
48 孔部
50 食材ドリップ
52 燻煙
102 チリ受け部
104 脚部
110 囲壁部
112 電源スイッチ
114-1、114-2 燃焼表示付点火スイッチ
114 点火スイッチ
115 燃焼表示ランプ
116-1、116-2 火力調節部
118-1、118-2 排気口部
120 網部
124 仕切りバー
126 支持段部
132 カーボンプレート
134、136、138、140 傾斜壁
142 開口部
144 分流板
146 ユニットフレーム
148 断熱部材
150 ガス供給管
152、152-1、152-2 バーナー
156 ガス供給機構
158 制御機構
162-1、162-2 ガス電磁弁
164 制御部
166-1、166-2 着火部
168-1、168-2 燃焼検出部
170 電源
172 焼き板
Claims (5)
- 放熱部と該放熱部に隣接する断熱部とを含む調理器本体と、
前記放熱部に設けられ、燃焼熱または電熱により輻射熱を生じる熱源部と、
前記放熱部の上面に設定され、前記熱源部からの主として輻射熱により食材を焼成する焼成エリアと、
前記断熱部の上面側に前記焼成エリアに併設され、前記断熱部との間に前記放熱部と接続して形成された保温空間部に前記焼成エリアからの熱、または前記焼成エリアからの熱と前記熱源部からの輻射熱が導かれることで、焼成前、焼成中または焼成後の食材を保温する保温エリアと、
を備えることを特徴とする調理器。 - 前記調理器本体は、前記熱源部からの輻射熱と前記焼成エリアからの熱を前記保温エリアに導く導熱部を備えることを特徴とする請求項1に記載の調理器。
- 前記熱源部は、炭素で構成された放熱部材または炭素を含む放熱部材を備え、または該放熱部材を含む放熱ユニットを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の調理器。
- 前記熱源部は表面燃焼バーナーを備え、該表面燃焼バーナーの輻射熱を主たる加熱源として前記放熱部材を加熱することを特徴とする請求項3に記載の調理器。
- 前記熱源部から生じる燃焼排気を前記放熱部材により加熱中の食材と分離して排気する排気部を備えることを特徴とする請求項3または請求項4のいずれかの請求項に記載の調理器。
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