JPH0648507Y2 - 写真焼付におけるペーパーマスク装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は写真焼付におけるペーパーマスク装置に関し、
帯状印画紙の取換え時、新規印画紙の供給時、あるいは
ペーパーマスクの交換時、ペーパーマスクの開口量の変
更時などにあって、帯状印画紙と面着に近い状態にある
ペーパーマスクを帯状印画紙の露光部より一たん離反可
能としたことを特徴とするものである。

（従来の技術） ペーパーマスクは、その使用目的からして、常時露光域
に延出した帯状印画紙に対して密着に近い状態を保って
いることが望ましい。よって従来のペーパーマスクは、
ペーパーマスクの開口窓の開口量を適宜変更せしめ得る
オートマスク方式であれ、ペーパーマスクの開口窓の開
口量を予め種々変化せしめた複数のペーパーマスクを用
意し、適宜ペーパーマスクを取換え可能とした差し換え
方式であれ、ペーパーマスクは、帯状印画紙の焼付露光
部にて帯状印画紙に対し面着に近い状態に定置されてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） 帯状印画紙に対し、面着に近い状態に配設されたペーパ
ーマスクにあって、ペーパーマスクがオートマスク方式
の場合、ペーパーマスクの開口窓の幅を狭めて、印画紙
の紙幅より、開口窓を縮小せしめて、縁有り写真の焼付
けを行う折、ペーパーマスクの開口窓縁部にて印画紙の
側縁部を挟み込んだり、又ペーパーマスクが差し込み方
式の場合、ペーパーマスクを帯状印画紙の幅方向より印
画紙に平行状態を保って挿入する折、印画紙の側縁部を
掻き起し、該部にカール部を発生せしめたり、又破損せ
しめ、さらに印画紙の乳剤面を損傷せしめる危惧があっ
た。

又これらの危惧を解消せしめるためペーパーマスクの開
口窓の開口量変更作業時あるいはペーパーマスクの差し
換え作業時、一たん帯状印画紙を焼付露光部領域より、
元巻きロール側に巻き込んで撤退し、所定のペーパーマ
スクの設置後、改めて印画紙を元巻きロールより引き出
す工程を採用しているも、帯状印画紙の、この巻き込
み、引き出し作業はかなりの手数を要し、このことは、
一連の作業能率を低下せしめる原因ともなっている。

本考案は、従来のペーパーマスク装置に内在する以上の
ような問題点を解消させ、ペーパーマスク変更、変換作
業の折、帯状印画紙を損傷せしめることのないペーパー
マスク装置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） この目的を達成させるために、本考案はつぎのような構
成としている。すなわち、本考案に係るペーパーマスク
装置にあっては、ペーパーマスクを装備した函形フレー
ムは、機枠上に設置された動作モーターにて旋回動する
動作アームの一端と枢着し、函形フレームに装備せしめ
たペーパーマスクは、露光部に延出した帯状印画紙に近
接する位置にて、前記動作アームの所定範囲の旋回動に
より、離反および元位置への復帰を可能とした構成から
成る。

（作用） 露光部に延出した帯状印画紙に近接位置したペーパーマ
スクは、ペーパーマスクの開口窓の開口量の変更、又は
ペーパーマスクの差し換え作業時、動作モーターを起動
せしめ、モーターの駆動軸端に固着せしめた動作アーム
は、所定角度旋回して、これに伴いペーパーマスクを装
備した函形フレームは変位して、ペーパーマスクは印画
紙に近接する位置より大きく離反する。

函形フレームの変位位置にて、オートマスクの場合は、
ペーパーマスクを構成する枠板を所定位置に移動せし
め、又差し込みマスクの場合は、所定のペーパーマスク
を適宜選択して函形フレームに変換差し換える。

ペーパーマスクの変更作業終了後、今度は動作モーター
を逆回転せしめて動作アームを逆方向に所定角度旋回せ
しめて、函形フレームを元位置に復帰せしめて印画紙面
にペーパーマスクを近接位置せしめる。

（実施例） つぎに本考案に係るペーパーマスク装置の具体的実施例
を図面を用いて説明する。

第１図は本考案を実施したオートマスク方式を採用した
ペーパーマスク装置の斜視図、第２図は同装置の平面図
である。

オートマスク方式のペーパーマスク（１）は、左右およ
び上下１対をもって１組とする枠板（２）（２）および
（３）（３）を、相対的に移動せしめてペーパーマスク
（１）の開口窓（４）の開口量を変更せしめている。

このオートマスク方式を採用したペーパーマスク（１）
を装備した函形フレーム（６）の一端寄り部分は、機枠
（７）面より隆起した１対のブラケット（８）（８）に
両側を軸着（９）され、又函形フレーム（６）の他端側
の端壁は、機枠（７）に固定された可逆可能で、かつ減
速された動作モーター（10）の駆動軸に一端を固着した
動作アーム（11）の他端と取付軸（12）にて枢着され、
動作アーム（11）の所定角度範囲のモーター駆動軸を中
心とする旋回動により、機枠（７）面に略平行しかつ帯
状印画紙（イ）面に近接位置していた函形フレーム
（６）はブラケット（８）上の軸（９）を支点として旋
回し、函形フレーム（６）の他端側は持ち上り、これに
より印画紙（イ）面よりペーパーマスク（１）は所定の
旋回角度をもって、第２図上に鎖線をもって示すよう
に、旋回状に離反する。

持ち上り変位した函形フレーム（６）にあって、ペーパ
ーマスク（１）を構成する枠板（２）（２），（３）
（３）の相対的な移動により、所望の開口窓（４）の開
口量を形成したペーパーマスク（１）は、動作モーター
（10）の駆動軸の今度は逆方向への回転により、函形フ
レーム（６）を元位置に復帰せしめて、帯状印画紙
（イ）面に再び面接状に近接位置せしめる。

尚ペーパーマスク（１）を装備した函形フレーム（６）
の、印画紙（イ）面よりの旋回状の持ち上り幅および元
位置の確保は、動作アーム（11）の旋回角度を規制すべ
く設置されたリミットスイッチ（14）をもって制御され
ている。

第３図は、差し込み方式を採用したペーパーマスク装置
の他の実施例を示す第１図に相当する図である。

函形フレーム（６）に装備されたペーパーマスク（１）
は、その開口窓（４）の開口量を種々変化せしめた複数
枚のペーパーマスクが用意され、適宜その開口量を選択
された所定のペーパーマスク（１）は、函形フレーム
（６）の裏面部に突設された支承爪（15）（15）群を用
いて函形フレーム（６）へ差し換え可能に支持され、函
形フレーム（６）の最深部に差し込まれたペーパーマス
ク（１）は、同じく函形フレーム（６）の裏面部に配設
されたストッパー爪（16）をもって、その低位置を確保
している。

第４図は他の実施例を示す第１図に相当する図で、第１
図にて詳述したオートマスク方式を採用したペーパーマ
スク（１）を装備した函形フレーム（６）は、第１図の
ブラケット（８）（８）上での軸着（９）による旋回動
による持ち上り方式に代え、函形フレーム（６）は、機
枠（７）面上に植設された函形フレームの四方側枠部分
を支承するスライド受軸（17）群にて支持〜されてい
て、ペーパーマスクの帯状印画紙よりの離反時には、函
形フレームは機枠（７）側に平行移動する。このスライ
ド受軸（17）は小軸（18）の表面を含油メタル、あるい
はテフロン（商品名）などの滑面部材（19）をもって被
覆せしめた構成からなり、スライド受軸（17）に沿って
移動する函形フレーム（６）の円滑な摺動運動を助けて
いる。

第１図を中心に詳述した動作モーター（10）の駆動によ
り、所定の旋回角度をもって旋回する動作アーム（11）
によって函形フレーム（６）は機枠（７）面に対して平
行状態を保って所定量スライド受軸（17）に沿って機枠
（７）側に持ち上り状に移動し、露光部へ延出した帯状
印画紙（イ）面よりペーパーマスク（１）は平行状態を
保って変位し、印画紙よりの十分の離反距離を保持し
て、ペーパーマスク（１）の開口窓の開口量の変更作業
が実施され、勿論差し込みマスク方式の場合は適宜のペ
ーパーマスクの差し換え作業が実施される。

尚、第３図および第４図中に付せられた第１図および第
２図上との同一参照符号は、第１図および第２図を中心
として既述したペーパーマスク装置と同一部材の存在を
示す。

（考案の効果） 本考案は、ペーパーマスクを装備した函形フレームをし
て、ペーパーマスクの開口窓の開口量の変更が必要とな
った時、あるいは帯状印画紙の露光部への出入れ作業の
時、帯状印画紙と近接状態にあるペーパーマスクを含ん
で、函形フレームを印画紙面より持ち上げ状に離反せし
め、印画紙面との間に十分の距離を確保してのち、ペー
パーマスクの開口量の変更、ペーパーマスクの差し換え
あるいは帯状印画紙の露光部への出入れ作業を実行す
る。その後再度元位置にペーパーマスクを装備した函形
フレームを復帰せしめることにより、ペーパーマスクの
開口窓の開口量の変更作業時、又はペーパーマスクの差
し換え作業時に発生する帯状印画紙の側縁部のペーパー
マスクによる挾み込み、カール状の反り起しなどに起因
する印画紙、特にその側縁部における破損現象の発生を
確実に防止することができ、又印画紙とのペーパーマス
クの面接時に発生する擦動に伴う印画紙の乳剤面の損傷
をも同時に防止することができる。またペーパーマスク
の離反および元位置への復帰動は、その旋回幅を規制さ
れた動作アームの旋回動により実行されるので、ペーパ
ーマスクの帯状印画紙に対する望ましい近接位置および
各種作業のために十分なスペースを確保しうる離反位置
の確保を常時迅速に達成でき、作業の正確さと作業能率
を向上せしめることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施したペーパーマスク装置の斜視
図、第２図は同装置の平面図、第３図および第４図は他
の実施例を示す第１図に相当する図である。 図中、（１）はペーパーマスク、（４）は開口窓、
（６）は函形フレーム、（７）は機枠、（８）（８）は
ブラケット、（９）は軸、（10）は動作モーター、（1
1）は動作アーム、（14）はリミットスイッチ、（17）
はスライド受軸、（イ）は帯状印画紙を示す。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ペーパーマスクを装備した函形フレーム
   は、機枠上に設置された動作モーターにて旋回動する動
   作アームの一端と枢着し、函形フレームに装備せしめた
   ペーパーマスクは、露光部に延出した帯状印画紙に近接
   する位置にて、前記動作アームの所定範囲の旋回動によ
   り、帯状印画紙よりの離反および帯状印画紙へ近接する
   元位置への復帰を可能としたことを特徴とする写真焼付
   けにおけるペーパーマスク装置。
2. 【請求項２】前記動作アームの旋回動の範囲は、リミッ
   トスイッチをもって規制されている実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の写真焼付けにおけるペーパーマスク装
   置。
3. 【請求項３】前記ペーパーマスクを装備した函形フレー
   ムは、函形フレームの一端部寄り部分を、機枠上に設置
   したブラケット上の支承軸にて枢着され、函形フレーム
   は、該支承軸を中心に旋回可能に構成されている実用新
   案登録請求の範囲第１項又は第２項記載の写真焼付けに
   おけるペーパーマスク装置。
4. 【請求項４】前記ペーパーマスクを装備した函形フレー
   ムは、機枠上に設置した複数のスライド受軸にて函形フ
   レームの各構成辺部を支承され、函形フレームは該スラ
   イド受軸に沿って摺動可能に構成されている実用新案登
   録請求の範囲第１項又は第２項記載の写真焼付けにおけ
   るペーパーマスク装置。