JPS6018931Y2 - インクリボンシフト機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は幅方向の上下部に色分けされている多色イン
クリボンを使い、所望の色部分を切替使用するためのイ
ンクリボンシフト機構に関するものである。

従来この種のインクリボンシフト機構には各種のものが
あるが、それらに共通して云えることは、インクリボン
の上下位置（幅方向位置）を規制し走行を案内するリボ
ンガイドを単に上下方向にシフトして上あるいは下の２
位置のいずれかに置き、インクリボンの該当する色部分
を記録媒体上の印字部位に対峙させる構造としていたこ
とである。

ところが近年これらインクリボンを使用する印字装置の
高速化に伴い、印字素子の運動行程が短かくなり、その
分、印字素子と記録媒体の間隙が狭くなって来ている。

このため、このようなインクリボンを記録媒体の記録面
に沿ってシフトさせるものは、使用にあたってインクリ
ボンで記録媒体の記録面をこすって汚染するなどの不都
合を生じがちであった。

特に円筒あるいは円柱状でないいわゆる平板状プラテン
を用い、預金通帳のように中央で折畳まれる媒体を開い
て印字する場合にそれが著しいものであった。

またドツトプリンタの場合などには印字素子であるワイ
ヤ先端と記録媒体間を殊に狭くする場合がありこうした
場合などにもこの欠点の目立つことが多かった。

これらを解決する為にインクリボンを長手方向に緊張さ
せて使用するのは勿論であるが、インクリボンの幅を狭
くする案もあり、この場合は耐用回数が短かくなること
の外、多色とすることが困難になるなどの欠点があった
。

この考案はこれらの点を解決すべくなされたもので、従
来のリボンガイドの前方で記録面に接近した処で、イン
クリボンを上下方向の中間、即ちインクリボンの上下部
の境界付近で少し折曲げてやり、使用する部分だけを印
字部位に対峙、その他の部位を非対峙とするようにして
不用意に記録面に接する可能性のある部分の幅を狭＜シ
、更に、インクリボンをこのように当接させた状態で支
持する部分を回動可能とすることによってこの対峙・非
対峙の切替をインクリボンの上下部の切替と自動的に連
動させることにより上記の問題点を解決することをその
目的としている。

以下、この考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。

インクリボンは上下部で赤黒２色のエンドレス状のカセ
ット形とし、また印字方式はワイヤドツトプリンタの場
合を想定する。

先ず構成から説明するとキャリヤ１上にはリボンカセッ
ト２と印字ヘッド３がとりつけられていて、このリボン
カセット２からエンドレス状ツインクリボン４が引出さ
れ第１図のように引廻されている。

インクリボン４は周知の手段によってリボンカセット２
内に巻込まれて収納され、また引出された部分は適当な
張力を与えられている。

このインクリボンシフト機構５は、第２図にインクリボ
ン４を外して分解して示したように、リボンガイド機構
６とリボンホルダ機構７とよりなり、リボンガイド機構
６の中央部に上方からリボンホルダ機構７を嵌めこみ、
共に印字ヘッド３にネジ止め固着されている。

リボンガイド機構６に於いてリボンガイドブラケット８
の左右一対の垂直腕９間に貫通された２本のガイドシャ
フト１０には上下で平行状態とした各々左右一対の２個
のガイドアーム１１の一端がそれぞれ回動自在に軸支さ
れ且つ両ガイドアーム１１の他端にリボンガイド１２が
取付けられ、この部分で４節機構を形威し、リボンガイ
ド１２が平行運動を行うようにしである。

リボンガイド１２の先端は上下方向から外側へ鉤形に折
曲げられ、この部分にインクリボン４を挿入してこれを
案内し、また上下方向（インクリボンの幅方向）位置を
規制する。

下側の左右一対のガイドアーム１１間を接続しているブ
リッジ部と上側のガイドシャフト１０の間にトグルスプ
リング１３が掛けられていて両ガイドアーム１１に反時
計方向の回転力を与えている。

リボンガイドブラケット８の下面にプランジャマグネッ
ト１４がとりつけられていて、そのプランジャ１５の上
端は下側の左右一対のガイドアーム１１間を接続してい
るブリッジ部の下面と当接し、プランジャ１５の下方に
はストッププレート１６が固着されている。

そしてプランジャマグネット１４に通電してないときに
はガイドアーム１１は反時計方向に付勢され、ストップ
プレート１６がストッパ１７に当接して第３図の状態を
保つ。

このときインクリボン４は、上半分（上部）が記録媒体
１８の印字部位と対峙する状態であり、印字されるとこ
の部分の色で着色される。

インクリボン切替指令が入力されプランジャマグネット
１４が通電されると、上下の両ガイドアーム１１はプラ
ンジャ１５の上端で押上げられて時計方向に回動するが
プランジャマグネット１４の下面に当接したストッププ
レート１６で制限されてプランジャ１５がそれ以上は上
方へ移動せず第４図の状態を保つ。

インクリボン４はこの時、上方へ移動したリボンガイド
１２を介して同じく上昇し、その下半分（下部）が印字
部位Ａと対峙する。

つまり印字像はこの部分の色で着色されることになる。

ところでリボンホルダ機構７は固定部側たるブラケット
１９の先端に回動自在に取付けられたリボンホルダアー
ム２０と、このリボンホルダアーム２０が固着されたワ
イヤ酸のリボンホルダ２１とから戒り、リボンホルダ２
１は屈曲部２２を有している。

尚図にあっては更に屈曲部２２′が認められるが、この
屈曲部２２′の方は考案の構成とは直接関係はない。

リボンホルダアーム２０には２個の耳部２３と２４が設
けられていて、このリボンホルダアーム２０の時計方向
回転時には耳部２３がブラケット１９の上縁に当接し、
反時計方向回転時には耳部２４がブラケット１９の先端
下縁の突起と当接し、それぞれリボンホルダ２１の回動
を制限するようにしである。

リボンホルダ２１は第３図、第４図のように、リボンガ
イド１２の上下動によるインクリボン４の上下動と連動
して、張力の付与されているイン、クリボン４に引張ら
れる状態で軸２６を中心に回動する。

そしてリボンガイド１２よりは記録媒体１８側に配置さ
れ、リボンガイド１２が上下いずれの状態にあっても、
これによって案内されるインクリボン４の幅の中央、即
ちインクリボン上下部の境界付近がちょうどリボンホル
ダ２１の屈曲部２２に位置するように、リボンホルダ２
１はインクリボン４を当接させた状態で支持するもので
ある。

インクリボン４には張力が付与されているので、インク
リボン４の上下部は各々伸・縮して上部１伸ヨ・下部１
縮ヨ〔第３図〕又は上部１縮ヨ、下部１伸ヨ〔第４図〕
となり図示の如く一方が印字部位Ａに対し対峙、他方が
非対峙の状態になる。

そして前述のようにリボンガイド１２を上下させると、
リボンホルダ２１はインクリボン４を案内したまま回動
し、第３図あるいは第４図の状態に切替えられる。

しかしいずれにしてもインクリボン４は幅の上下部いず
れか半分だけ記録媒体の印字部位と対峙し、残りの半分
は非対峙、即ち記録面から遠去けられていて、記録面を
汚染する可能性をほぼ半減させている。

中央に菱形孔を穿たれているリボンマスク２５は薄板製
で、一端をリボンガイドブラケット８に固着されており
、インクリボン４が記録媒体１８に接触するのを防ぐ補
助的なマスクとしての効果を有し、菱形孔から印字ピン
が出入して印字を行う。

以上説明したように、本考案のインクリボンシフト機構
を用いると、リボンガイドの上下位置間の変位に伴って
インクリボンを介して回動するリボンホルダによりイン
クリボンが幅方向に折曲げられたまま案内され、このイ
ンクリボンの上下部に伸・縮が生じインクリボンの印字
部位相応側以外は記録面から遠去けられる状態を呈する
構造であるため、記録媒体を汚染する可能性が減少し、
また多色印字を切替えて実施できるなどの利益が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す平面図、第２図は要部
分解斜視図、そして第３図及び第４図は側面から見た動
作説明図である。 ４・・・・・・インクリボン、５・・・・・・インクリ
ボンシフト機構、６・・・・・・リボンガイド機構、７
・・・・・・リボンホルダ機構、１２・・・・・・リボ
ンガイド、１８・・・・・・記録媒体、１９・・・・・
・固定部側たるブラケット、２１・・・・・・リボンホ
ルダ、２２・・・・・・屈曲部、２５・・・・・・リボ
ンマスク、Ａ・・・・・・印字部位。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インクリボン切替指令によりリボンガイドを上下させ、
   このリボンガイドの上下動にてインクリボンの上部及び
   下部の、記録媒体の印字部位に対する位置を切替えるイ
   ンクリボンシフト機構に於いて、上記インクリボンを当
   接させた状態で支持するリボンホルダにインクリボンの
   上下部の境界付近を位置決めさせる屈曲部を設け、上記
   リボンガイドの上下動に拘らずインクリボンの上下部の
   一方が印字部位に対し対峙、他方が非対峙の状態にイン
   クリボンを当接・支持せしめるべく上記リボンホルダを
   、リボンガイドの上下動によるインクリボンの上下動と
   連動させて回動自在に、固定部側へ設けてなるインクリ
   ボンシフト機構。