JPH0646499A - 音場補正装置 - Google Patents

音場補正装置

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JPH0646499A
JPH0646499A JP4218224A JP21822492A JPH0646499A JP H0646499 A JPH0646499 A JP H0646499A JP 4218224 A JP4218224 A JP 4218224A JP 21822492 A JP21822492 A JP 21822492A JP H0646499 A JPH0646499 A JP H0646499A
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JP4218224A
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Takaaki Yanagisawa
隆晃 柳沢
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Clarion Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来に比べ、車室内での音楽のより良好な聴
取条件を作り出し得る音場補正装置の提供。 【構成】 左右のスピーカ6,7により車室内12で聴
取の頭部付近にある測定用マイクロフォン8に対してC
Dプレーヤ等の音響源1からの音響信号を再生音響信号
として再生出力する。また、測定用マイクロフォン8が
再生音響信号を取り込む。そして、適応型FIRフィル
タを含む信号処理部2及び3が、音響源1からの音響信
号を入力すると共に、取り込まれた再生音響信号に基づ
いて、スピーカ67と聴取者の位置による音場再生空間
に応じて変移された再生音響信号の、周波数特性、到達
時間差及びインパルス応答の中の少なくとも何れか一つ
を適応制御(適応処理)する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオーディオ再生装置に関
し、特に、自動車等の狭い空間内における使用に好適な
音場補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車室内で音楽を再生する場合、周
波数特性の補正はグラフィック・イコライザで聴取者が
主観的に行なっていた。また、近年、マイクロフォンを
用いて周波数特性を測定し、パラメトリック・イコライ
ザで補正する装置も開発されている。この装置の一例の
ブロック図を図10に示す。図10において、1はCD
プレーヤ等の信号源、2’はRチャンネル用イコライザ
ー、3’はLチャンネル用イコライザー、4はRチャン
ネル用アンプ、5はLチャンネル用アンプ、6はRチャ
ンネル用スピーカ、7はLチャンネル用スピーカ、8は
測定用マイクロフォン、9は周波数特性測定器、10は
CPU、11は記憶装置(メモリ)、12は車室であ
る。
【0003】図10の装置は専用の測定信号(例えば、
ホワイト・ノイズ)をスピーカ6,7から出力し、これ
を聴取者の頭部付近に設置した測定用マイクロフォン8
で集音し、周波数特性測定器9で周波数特性を解析し、
その結果によりCPU10がイコライザ2,’,3’を
制御するシステムである。この操作を各座席毎に行ない
それぞれの係数をメモリ11に保存して座席モードと
し、ユーザが希望する座席で最適な特性になるように係
数を呼び出して使っていた。
【0004】また、左右のスピーカ6,7から聴取者へ
の音の到達時間の補正は遅延回路で信号を遅延させ補正
するが、その遅延時間は左右のスピーカ6,7と聴取者
との距離を実測して算出していた。図11はその計算例
の説明図であり、図11において、xをRチャンネル用
スピーカ6と聴取位置との距離(m:メートル)、yを
Lチャンネル用スピーカ7と聴取位置(測定用マイクロ
フォン8)との距離(m)、dtを補正する遅延時間
(s;秒)とすると、dt=(y−x)/340とな
る。但し、音速を340m/sとする。
【0005】そして、上記、周波数特性補正と同様に、
座席モードとして、遅延時間をメモリ11に保存し、ユ
ーザが必要に応じて呼び出して使うことができた。図1
2は、この到達時間補正システムのブロック図であり、
1はCDプレーヤ等の信号源、2”はRチャンネル用遅
延回路、3”はLチャンネル用遅延回路、4はRチャン
ネル用アンプ、5はLチャンネル用アンプ、6はRチャ
ンネル用スピーカ、7はLチャンネル用スピーカであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10
に示した周波数特性自動補正装置及び図12に示した到
達時間差補正装置には次のような問題点があった。 図12の到達時間差補正装置では、遅延時間算出に
距離の実測が必要でありそのための実測に時間がかか
り、また、精度も高くない点。 図10の周波数特性自動補正装置では、外部から騒
音が入ると補正の特性が狂うので、騒音下では自動補正
ができない点。 図10の周波数特性自動補正装置では、イコライザ
ー(フィルタ)の係数算出にコンピュータ(マイクロコ
ンピュータ)を使用しなければならず、また、フィルタ
の係数を保持しておく必要がある点。 測定信号(ホワイト・ノイズ等)をスピーカから発
するため聴取者にとり負担が大きい点。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、従来に比べ、車室内での音楽のより良好な聴取
条件を作り出し得る音場補正装置を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の音場補正装置は、所定の音場再生空間内で
再生音聴取位置に対して音響源からの音響信号を再生音
響信号として再生出力する再生出力手段と、再生音聴取
位置の近傍に位置し再生音響信号を取り込む音響入力手
段と、音響源からの音響信号を入力すると共に、取り込
まれた再生音響信号に基づいて再生出力手段と再生音聴
取位置による音場再生空間に応じて変移された再生音響
信号の、周波数特性、到達時間差及びインパルス応答の
うちの少なくとも何れか一つを適応制御する適応フィル
タ手段と、を有することを特徴とする。
【0009】また、上記の音場補正装置において、適応
フィルタ手段が、再生音響信号が聴取者の位置までに到
達する到達時間に対応したフィルタ係数を検定し、該係
数が所定レベルの時には該レベルに対応する遅延時間に
より到達時間差を設定する適応型信号到達時間検定手段
と、遅延時間により音響源からの音響信号を遅延処理し
再生音響信号を音響入力手段で取り込み、音場再生空間
のインパルス応答を推定し設定する適応型インパルス応
答推定処理手段と、インパルス応答により所定の測定信
号で逆フィルタ特性を設定し、適応制御処理により周波
数特性を得る適応型逆フィルタ手段と、を有し、聴取者
の位置での周波数特性、再生音到達時間、インパルス応
答特性を自動的に調節制御することを特徴とする。
【0010】
【作用】上記構成により本発明の音場補正装置は、再生
出力手段により所定の音場再生空間内で再生音聴取位置
に対して音響源からの音響信号を再生音響信号として再
生出力する。また、音響入力手段が再生音聴取位置の近
傍に位置し、再生音響信号を取り込み、適応フィルタ手
段が、音響源からの音響信号を入力すると共に、取り込
まれた再生音響信号に基づいて再生出力手段と再生音聴
取位置による音場再生空間に応じて変移された再生音響
信号の、周波数特性、到達時間差及びインパルス応答の
中の少なくとも何れか一つを適応制御する。
【0011】なお、適応フィルタ手段は、適応型信号到
達時間検定手段により、通常の音楽を片チャンネルづつ
再生しながら聴取者の頭部付近に設置した音響入力手段
で信号を収音し、適応フィルタ手段を用いて到達時間差
を測定し、音像を聴取者の正面に定位させ、外来ノイズ
キャンセル手段(適応型インパルス応答推定手段)によ
り走行時など外来ノイズが大きい場合でも適応フィルタ
手段で系(車室内)のインパルス応答を推定し補正処理
を行ない、適応型逆フィルタ機能により、乱れた周波数
特性を適応フィルタ手段で補正することができる。
【0012】
【実施例】図1は本発明の音場補正装置の構成例を示す
ブロック図であり、図1において、1はCDプレーヤ等
の信号源、2はRチャンネル用信号処理部、3はLチャ
ンネル用信号処理部、4はRチャンネル用アンプ、5は
Lチャンネル用アンプ、6はRチャンネル用スピーカ、
7はLチャンネル用スピーカ、8は測定用マイクロフォ
ン、10はCPU、11は記憶装置(メモリ)、12は
車室である。なお、本実施例では2チャンネルの場合に
ついて述べているが、本発明の音場補正装置のチャンネ
ル数はこれに限定されない。
【0013】また、本発明の信号処理部は適応型信号到
達時間検定手段、適応型インパルス応答推定手段及び適
応型逆フィルタ手段を有する。適応型信号到達時間検定
手段と適応型インパルス応答推定手段での適応処理は、
系のインパルス応答の推定(未知のシステム(系)の同
定)であり、適応型逆フィルタ手段は系の逆フィルタの
設計(逆モデリング)である。これらについては後述す
る。
【0014】図2は信号処理部の構成例を示すブロック
図であり、本実施例では説明上、Lチャンネル信号処理
部3として述べるが、Rチャンネル信号処理部2とLチ
ャンネル信号処理部3の構成は等しい。図2において、
1は図1と同じ信号源、21,23は遅延回路、22は
逆チャンネル(Rチャンネル)の遅延回路(21)、2
4,25は適応型FIRフィルタ、26はスイッチ、2
7は補正したい系(未知の系)である。なお、実施例で
は補正したい系27は、図1のLチャンネル用スピーカ
7及び測定用マイクロフォンの構成する例である。図3
は図1の音場補正装置の動作を示すフローチャートであ
る。以下、図3に従って音場補正装置の動作について述
べる。
【0015】〈音場補正装置の動作〉 [ステップ31] 到達時間の測定 後述する適応型信号到達時間検定手段により車室12の
左右それぞれのスピーカ6,7から聴取者の頭部付近に
設置した測定用マイクロフォン8までの信号到達時間を
調べる。図4の信号処理部の動作説明図に示すように信
号源1、遅延回路23、適応型FIRフィルタ24、ス
イッチ26、補正したい系27を動作させる。なお、図
4において、太線は適応型信号到達時間検定手段下の動
作における信号の流れを示している(また、図4〜図6
のブロック図及び記号は図2と同様である)。
【0016】まず、初期設定として、遅延回路23の遅
延時間を0(ゼロ)、適応型FIRフィルタ24の係数
を全て0(ゼロ)にする。信号源1(例えば、CDプレ
ーヤー)から片方のチャンネル(この場合はLチャンネ
ル)のみ音楽を出力し、適応型信号到達時間検定手段
(後述)の原理により到達時間を検定する。検定結果を
遅延回路23にセットすると共に、CPU10に送出し
メモリ11に格納する。上記と同様の動作をRチャンネ
ル信号処理部でも行ない、測定用マイクロフォン8まで
の到達時間を得る。
【0017】[ステップ32] インパルス応答の推定 次に、スピーカ6,7と測定用マイクロフォン8の間の
インパルス応答を推定する。Lチャンネルスピーカ6と
測定用マイクロフォン8の間のインパルス応答について
は、図4の信号処理部の動作説明図に示すように信号源
1、遅延回路23、適応型FIRフィルタ24、スイッ
チ26、補正したい系27を動作させ、スイッチ26a
側に切換える。
【0018】初期設定として適応型FIRフィルタ24
の係数を全て0(ゼロ)にし、遅延回路23で適応型信
号到達時間検定手段により設定された遅延を行なう。信
号源1からLチャンネルのみの音楽を出力し、後述する
適応型インパルス応答推定手段の原理によりインパルス
応答を推定する。これにより得られた適応型FIRフィ
ルタの係数が推定されたインパルス応答である。逆チャ
ンネル(Rチャンネル)についても同様にしてインパル
ス応答を推定することができる。
【0019】[ステップ33] 逆フィルタの設定 図5の信号処理部の動作説明図に示すように信号源1、
遅延回路21、適応型FIRフィルタ25、遅延回路2
3、適応型FIRフィルタ24及びスイッチ26を動作
させ、上記ステップ32で推定した、スピーカ6,7と
測定用マイクロフォン8の間の伝達関数(インパルス応
答)の逆フィルタを設計する。図5において、太線はイ
ンパルス応答の逆フィルタの設計時の動作における信号
の流れを示している。
【0020】初期設定として、遅延回路21では適応型
FIRフィルタ25の最大遅延時間の1/2を遅延さ
せ、適応型FIRフィルタ25のフィルタ係数を全て0
とし、遅延回路23の遅延時間は0に、適応型FIRフ
ィルタ24のフィルタ係数はインパルス応答推定手段で
推定した結果をセットする。次に、信号源1から測定信
号(例えば、ホワイト・ノイズ)を出力する。
【0021】ここで、図2と図9(後述の系の逆フィル
タのブロック図)を対応させ、図2の適応型FIRフィ
ルタ24を図9の補正したい系92と、図2の適応型F
IRフィルタ25を図9の適応型FIRフィルタ93と
して、後述する適応型逆フィルタの原理にしたがって図
2の適応型FIRフィルタ25で逆フィルタを実現す
る。この処理をLチャンネル及びRチャンネルについて
行なう。この場合、スピーカから信号を出力する必要が
ないのでスイッチ26をオフ(OFF)にすることで、
聴取者は不快な測定信号を聞くことを免れることができ
る。
【0022】[ステップ34] 到達時間差の設定 左右(Rチャンネル及びLチャンネル)のスピーカ6,
7からの信号到達時間差を設定する。適応型信号到達時
間検定手段で検定し、メモリ11に格納した到達時間
(ステップ31参照)を逆チャンネルの遅延回路23に
セットする(これは遅延回路23に逆チャンネルの到達
時間がセットされたことと同義である)。この結果、左
右のスピーカ6,7から再生された信号は同時に聴取者
に到達する。
【0023】[ステップ35] 伝達関数が補正された
信号の出力 図6の信号処理部の動作説明図に示すように信号源1、
適応型FIRフィルタ25、遅延回路23、適応型FI
Rフィルタ24及びスイッチ26を動作させる。遅延回
路23では上記ステップ34でセットされた逆チャンネ
ルの到達時間に対応する時間が遅延され、適応型FIR
フィルタ24は1つの係数のみで他は0とする。適応型
FIRフィルタ25は上記ステップ33の処理で設定し
た逆フィルタの係数がセットされている。また、スイッ
チ26をb側に切換える。この結果スピーカ6,7から
は伝達係数が補正された信号が出力される。なお、太線
は伝達関数が補正された信号の出力時の動作における信
号の流れを示している。
【0024】以上の処理により得られた各座席毎の係数
をCPU10を介してメモリ11に格納し、使用者が必
要に応じて呼び出すことができるようにする。なお、通
常の乗用車で本システムを実現する場合、(デジタル)
信号処理部のサンピリング周波数を44.1kHzとする
と、図2の適応型FIRフィルタ24及び適応型FIR
フィルタ25のタップ数は約1000タップから200
0タップ位が適当である。
【0025】また、本実施例では適応型信号到達時間検
定手段の原理により得た到達時間を、CPUを介してメ
モリに格納しているが、これに限ることなく、例えば、
信号処理部のレジスタに格納するよう構成してもよい。
【0026】〈適応型信号到達時間検定手段〉図7は適
応フィルタによる系のインパルス応答のブロック図であ
る。図7において、1は信号源、71は推定したい空間
(未知の系)、72はスピーカ、73は測定用マイクロ
フォン、74は適応型FIRフィルタ、75は遅延回
路、s’は原信号、nは外来ノイズ、sは系を通過した
信号、xはマイクロフォンの入力信号(n+s)、yは
s’をフィルタリングした信号、eは誤差信号(x−
y)である。
【0027】図7において、まず、遅延回路75の遅延
時間を0(又は最小値)にし、信号源1から音楽を出力
し、適応処理を行なう。この場合、遅延回路75での遅
延が0であるために、未知の系71においてスピーカ7
2からでた直接音が測定用マイクロフォン73に到達す
る時間は理想的には0に収束するので、直接音が到達し
た時間に対応する適応型FIRフィルタの係数があるレ
ベルを持つ。そこで、適応処理を行ないながら適応型F
IRフィルタの検定を行なう。検定は図13に示すよう
にフィルタ係数がスレッショルドレベル以上かどうか遅
延時間の短い方から順次調べる。フィルタ係数がスレッ
ショルドレベルに達した場合、そのフィルタ係数の遅延
ステップ数が遅延時間に対応する。また、ここでのスレ
ッショルドレベルは、xとs’のレベルにより決まる。
なお、図13において、TLはスレッショルドレベルで
あり、K0〜Kn-1は図8の適応型FIRフィルタの係
数と対応する。
【0028】なお、このシステムの適応型FIRフィル
タの最大遅延時間は、未知の系71でのスピーカ72か
らの測定用マイクロフォンへの信号の到達時間より長く
なければならない。この関係を下記数式(1)に示す。 1/f・tap>t (1) 但し、f:サンプリング周波数、tap;適応型FIRフ
ィルタのタップ数、t;スピーカから測定用マイクロフ
ォンまでの音の到達時間、である。
【0029】〈適応型インパルス応答推定手段〉図7の
適応フィルタによる系のインパルス応答のブロック図は
未知の系71のインパルス応答を適応型FIRフィルタ
74で推定するシステムである。図8は適応処理アルゴ
リズムのブロック図であり、xは入力信号、dは希望す
る信号、yはxをフィルタリングした信号、eは誤差信
号(x−y)、Z-1は1サンプル遅れを示し、kは適応
型FIRフィルタの係数である。
【0030】図8の構成において、s’をフィルタリン
グしたyをxの中のsに近付ければ、適応フィルタの伝
達関数を系の伝達関数に近付けることができる。これ
は、xとyの誤差eの平均自乗誤差を最小にすることで
実現できる。eの平均自乗誤差をE[e2]とすると図
8の平均自乗誤差は下記の数式(2)のように表せる。 E[e2]=E[(x−y)2] =[n2]+2E[n(s−y)]+E[(s−y)2] (2) 図8のシステムで信号s’と外来ノイズnに相関がない
場合、数式(2)の右辺第2項は0となる。従って、数
式(2)は、 E[e2]=E[n2]+E[(s−y)2] (3) となる。ここで、E[e2]を最小にするということは
数式(3)の右辺第2項を最小にすることである。従っ
て、適応フィルタのインパルス応答は系のインパルス応
答になる。
【0031】適応型インパルス応答推定手段は図7の遅
延回路75に前述の適応型信号到達時間検定手段により
得た未知の系71でのスピーカ72から測定用マイクロ
フォン73への信号の到達時間をセットし、信号源1か
ら音楽を出力する。そして、上述の、系のインパルス応
答の推定処理を行なう。推定結果が収束したら処理を終
える。なお、このシステムの適応型FIRフィルタの最
大遅延時間は、未知の系71の反射音継続時間に近い方
が、正確にインパルス応答を推定できる(反射音継続時
間より長い場合はかまわない)。
【0032】〈系の逆フィルタの設計〉図9は適応処理
で逆フィルタを設計するブロック図であり、1は信号
源、91は遅延回路、92は補正したい系、93は適応
型FIRフィルタ、s,d,x,y,eは図7及び図8
の記号の意味と同じである。図9のブロック図では補正
したい系92を通過して乱れた周波数特性を適応型FI
Rフィルタ93で補正して出力する。また、遅延回路9
1は適応型FIRフィルタの長さの1/2が適当であ
る。誤差信号eはシステムの希望の出力信号dと実際の
出力yとの差である。適応処理ではe2が最小になるよ
うに適応フィルタの係数を調整する。
【0033】〈適応型逆フィルタ手段〉適応型逆フィル
タ手段では、前述した適応型インパルス応答推定手段で
推定した適応型FIRフィルタで図9の補正したい系9
2を作る。信号源1から測定信号(例えば、ホワイト・
ノイズ)を出力し、補正したい系92に対する逆フィル
タを、逆フィルタ設計処理により適応型FIRフィルタ
93で実現する。なお、適応型FIRフィルタ93のタ
ップ数は補正したい系92を作ったFIRフィルタのタ
ップ数と同程度がよい。また、測定信号は周波数帯域の
広い信号が好ましい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、下
記のような効果がある。 適応型信号到達時間検定手段により(適応フィルタ
の応用により)、左右のスピーカから聴取者への音の到
達時間を自動的に調節できる。 外部ノイズキャンセル手段(適応型インパルス応答
手段)により、走行時など、外部ノイズが大きい場合で
も適応フィルタで系(車室内)のインパルス応答を推定
できる。 適応型逆フィルタ手段により、乱れた周波数特性を
適応フィルタで自動的に補正し各座席で最適な周波数特
性の音を聴くことができる。また、適応フィルタで自動
的に補正するので、従来のように、フィルタの係数をマ
イクロコンピュータで計算させたり、フィルタ係数をメ
モリに保持しておく必要がない。 逆フィルタ設計の際に測定信号をスピーカから発す
る必要がないために聴取者にとって負担が少ない。 各座席毎に補正した結果を記憶装置に記憶させ、使
用者が必要に応じてその結果を呼び出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音場補正装置の構成例を示すブロック
図である。
【図2】信号処理部の構成例を示すブロック図である。
【図3】適応型信号到達時間検定手段下における信号処
理部の動作を示すフローチャートである。
【図4】信号処理部の動作説明図である。
【図5】信号処理部の動作説明図である。
【図6】信号処理部の動作説明図である。
【図7】適応フィルタによる系のインパルス応答のブロ
ック図である。
【図8】適応処理アルゴリズムのブロック図である。
【図9】適応処理で逆フィルタを設計するブロック図で
ある。
【図10】周波数特性自動補正装置の従来例である。
【図11】図10の周波数特性自動補正装置の遅延時間
の計算例の説明図である。
【図12】到達時間差補正装置の従来例のブロック図で
ある。
【図13】適応型FIRフィルタの検定動作例のフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 信号源 2,3 信号処理部(適応フィルタ手段) 6,7 スピーカ(再生出力手段) 8 測定用マイクロフォン(音響入力手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04S 7/00 Z 8421−5H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の音場再生空間内で再生音聴取位置
    に対して音響源からの音響信号を再生音響信号として再
    生出力する再生出力手段と、前記再生音聴取位置の近傍
    に位置し前記再生音響信号を取り込む音響入力手段と、
    前記音響源からの音響信号を入力すると共に、前記取り
    込まれた再生音響信号に基づいて前記再生出力手段と再
    生音聴取位置による前記音場再生空間に応じて変移され
    た再生音響信号の、周波数特性、到達時間差及びインパ
    ルス応答のうちの少なくとも何れか一つを適応制御する
    適応フィルタ手段と、を有することを特徴とする音場補
    正装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の音場補正装置において、
    適応フィルタ手段が、再生音響信号が聴取者の位置まで
    に到達する到達時間に対応したフィルタ係数を検定し、
    該係数が所定レベルの時には該レベルに対応する遅延時
    間により到達時間差を設定する適応型信号到達時間検定
    手段と、上記遅延時間により音響源からの音響信号を遅
    延処理し再生音響信号を音響入力手段で取り込み、音場
    再生空間のインパルス応答を推定し設定する適応型イン
    パルス応答推定処理手段と、上記インパルス応答により
    所定の測定信号で逆フィルタ特性を設定し、適応制御処
    理により周波数特性を得る適応型逆フィルタ手段と、を
    有し、聴取者の位置での周波数特性、再生音到達時間、
    インパルス応答特性を自動的に調節制御することを特徴
    とする音場補正装置。
JP4218224A 1992-07-24 1992-07-24 音場補正装置 Pending JPH0646499A (ja)

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