JP2005151404A - 信号遅延時間測定装置及びそのためのコンピュータプログラム - Google Patents

信号遅延時間測定装置及びそのためのコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract


【課題】 暗騒音の影響を排除して正確な信号遅延時間の測定を行うことが可能な信号遅延時間測定装置を提供する。
【解決手段】 信号遅延時間測定装置は、例えばパルス性信号などの測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間に出力し、その応答を示す応答信号を取得する。そして、その応答信号を所定の閾値と比較することにより、上記音響空間における信号遅延時間を測定する。ここで、上記音響空間における信号遅延時間には、音響空間を信号音が伝搬することにより生じる遅延時間以外の遅延時間が含まれ、その間には応答信号が信号遅延量算出手段に到達することは理論上ありえない。そこで遅延時間算出手段は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間においては前記比較を行わないこととする。これにより、未応答期間中に暗騒音などの影響を受けて信号遅延時間が誤って算出されることを防止することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のスピーカを備えるオーディオシステムにおいて、音響空間における信号遅延時間を測定する信号遅延時間測定装置に関する。
複数のスピーカを備えて高品位の音響空間を提供するオーディオシステムでは、臨場感の得られる適切な音響空間を自動的に作り出すことが要求されている。即ち、受聴者自らが適切な音響空間を得ようとしてオーディオシステムを操作しても、複数のスピーカで再生される再生音の位相特性、周波数特性、音圧レベル等を適切に調節することは極めて困難であるため、オーディオシステム側で自動的に音場特性を補正することが要求されている。
従来、この種の自動音場補正システムとして、特許文献1に記載されたものが知られている。このシステムでは、複数のチャンネルに対応する信号伝送路毎に、スピーカから出力したテスト信号を集音してその周波数特性を分析し、当該信号伝送路内に配置されたイコライザの係数を設定することにより、各信号伝送路を所望の周波数特性に補正している。
また、複数のチャンネルに対応する各信号伝送路の信号遅延時間を測定し、各信号伝送路の信号遅延特性を調整することが行われる。従来の信号遅延時間測定では、自動音場補正システム内のプロセッサが測定用パルスを出力するのと同時にプロセッサがマイク入力の取り込みを開始する。そして、マイク入力のレベルが、予め決められた所定の閾値を最初に超えた時点までの時間を信号遅延時間と判定していた。
しかし、システムが設置された環境における暗騒音により、実際の測定パルスの応答がプロセッサに到達する前に暗騒音レベルが閾値を超えてしまうことがあり、誤って実際の信号遅延時間より短い信号遅延時間が測定されてしまうという問題があった。
このような観点から、暗騒音の影響により判定に誤差が生じることを防止するため、事前に暗騒音のレベルを測定しておき、閾値をその暗騒音のレベルより少し高いレベルに設定することにより、暗騒音による誤判定を防止する手法が提案されている。
しかし、この方法を採用しても、実際にあるチャンネルの信号遅延時間を測定するときには、事前に暗騒音を測定したときより暗騒音のレベルが上がってしまっていることがあり、やはり誤判定を防止できないことがある。
特開2002−330499号公報
本発明が解決しようとする課題には、上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、暗騒音の影響を排除して正確な信号遅延時間の測定を行うことが可能な信号遅延時間測定装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、音響空間における信号遅延時間を測定する信号遅延時間測定装置であって、測定用信号を出力する測定用信号出力手段と、前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力手段と、前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出手段と、前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記信号遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、を備え、前記遅延時間算出手段は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間においては前記比較を行わないことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、音響空間における信号遅延時間を測定する信号遅延時間測定装置であって、測定用信号を出力する測定用信号出力手段と、前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力手段と、前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出手段と、前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記信号遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、前記信号遅延時間の毎回の算出前に、暗騒音測定期間において前記音響空間内の暗騒音を測定し、測定結果に基づいて前記所定の閾値を決定する閾値決定手段と、を備え、前記暗騒音測定期間は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間を含むことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、コンピュータプログラムであって、コンピュータ上で実行されることにより、前記コンピュータを、測定用信号を出力する測定用信号出力手段と、前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力手段と、前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出手段と、前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記音響空間における信号遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、を備える信号遅延時間測定装置として機能させ、前記遅延時間算出手段は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間においては前記比較を行わないことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、コンピュータプログラムであって、コンピュータ上で実行されることにより、前記コンピュータを、測定用信号を出力する測定用信号出力手段と、前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力手段と、前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出手段と、前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記音響空間における信号遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、前記信号遅延時間の毎回の算出前に、暗騒音測定期間において前記音響空間内の暗騒音を測定し、測定結果に基づいて前記所定の閾値を決定する閾値決定手段と、を備える信号遅延時間測定装置として機能させ、前記暗騒音測定期間は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間を含むことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、音響空間における信号遅延時間を測定する信号遅延時間測定方法であって、測定用信号を出力する測定用信号出力工程と、前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力工程と、前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出工程と、遅延時間算出手段により、前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記信号遅延時間を算出する遅延時間算出工程と、を備え、前記遅延時間算出工程は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間においては前記比較を行わないことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、音響空間における信号遅延時間を測定する信号遅延時間測定方法であって、測定用信号を出力する測定用信号出力工程と、前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力工程と、前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出工程と、遅延時間算出手段により、前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記信号遅延時間を算出する遅延時間算出工程と、前記信号遅延時間の毎回の算出前に、暗騒音測定期間において前記音響空間内の暗騒音を測定し、測定結果に基づいて前記所定の閾値を決定する閾値決定工程と、を備え、前記暗騒音測定期間は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間を含むことを特徴とする。
本発明の好適な実施形態では、音響空間における信号遅延時間を測定する信号遅延時間測定装置は、測定用信号を出力する測定用信号出力手段と、前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力手段と、前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出手段と、前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記信号遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、を備え、前記遅延時間算出手段は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間においては前記比較を行わない。
上記の信号遅延時間測定装置は、例えばパルス性信号などの測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間に出力し、その応答を示す応答信号を取得する。そして、その応答信号を所定の閾値と比較することにより、上記音響空間における信号遅延時間を測定する。ここで、上記音響空間における信号遅延時間には、音響空間を信号音が伝搬することにより生じる遅延時間以外の遅延時間が含まれ、その間には応答信号が信号遅延量算出手段に到達することは理論上ありえない。そこで遅延時間算出手段は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間においては前記比較を行わないこととする。これにより、未応答期間中に暗騒音などの影響を受けて信号遅延時間が誤って算出されることを防止することができる。
本発明の他の実施形態では、音響空間における信号遅延時間を測定する信号遅延時間測定装置は、測定用信号を出力する測定用信号出力手段と、前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力手段と、前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出手段と、前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記信号遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、前記信号遅延時間の毎回の算出前に、暗騒音測定期間において前記音響空間内の暗騒音を測定し、測定結果に基づいて前記所定の閾値を決定する閾値決定手段と、を備え、前記暗騒音測定期間は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間を含む。
上記の信号遅延時間測定装置は、例えばパルス性信号などの測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間に出力し、その応答を示す応答信号を取得する。そして、その応答信号を所定の閾値と比較することにより、上記音響空間における信号遅延時間を測定する。この閾値は、音響空間内の暗騒音レベルに基づいて決定される。ここで、上記音響空間における信号遅延時間には、音響空間を信号音が伝搬することにより生じる遅延時間以外の遅延時間が含まれ、その間には応答信号が信号遅延量算出手段に到達することは理論上ありえない。即ち、その期間は、実際の信号遅延時間算出処理の直前における音響空間内の暗騒音レベルを取得することができる期間である。そこで、閾値決定手段は、応答信号が遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間を含むように暗騒音測定期間を設定し、その期間内における暗騒音の測定結果に基づいて閾値を決定する。これにより、実際の信号遅延時間の直前に得た暗騒音に基づいて閾値が決定されるので、より正確に信号遅延時間を算出することが可能となる。
上記の信号遅延時間測定装置の一態様では、前記未応答期間は、前記測定用信号及び前記応答信号の前記信号遅延時間測定装置内での処理により生じる装置内遅延時間に相当する。上記の信号遅延時間は音響空間内における音響遅延時間と、測定用信号や応答信号が測定装置内で処理されることにより生じる装置内遅延時間とにより構成されるので、未応答期間を装置内遅延期間とすることができる。
また、他の一態様では、その装置内遅延時間を固定値として記憶する記憶手段を備え、前記未応答期間は前記測定用信号が出力された時点から前記装置内遅延時間が経過した時点までの期間に設定される。装置内遅延時間を固定値として記憶しておくことにより、迅速に信号遅延時間の測定を実行することが可能となる。
また、さらに他の一態様では、前記暗騒音測定期間は、前記測定用信号出力手段が前記測定用信号を出力する前の所定期間を含むことができる。このように暗騒音測定期間を広げることにより、暗騒音の短時間における変動分などを可能な限り測定して有効な閾値を決定することが可能となる。
本発明の他の実施形態では、コンピュータプログラムは、コンピュータ上で実行されることにより、前記コンピュータを、測定用信号を出力する測定用信号出力手段と、前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力手段と、前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出手段と、前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記音響空間における信号遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、を備える信号遅延時間測定装置として機能させる。ここで、前記遅延時間算出手段は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間においては前記比較を行わない。
また、他の実施形態では、コンピュータプログラムは、コンピュータ上で実行されることにより、前記コンピュータを、測定用信号を出力する測定用信号出力手段と、前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力手段と、前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出手段と、前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記音響空間における信号遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、前記信号遅延時間の毎回の算出前に、暗騒音測定期間において前記音響空間内の暗騒音を測定し、測定結果に基づいて前記所定の閾値を決定する閾値決定手段と、を備える信号遅延時間測定装置として機能させる。ここで、前記暗騒音測定期間は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間を含む。
これら信号遅延時間測定のためのコンピュータプログラムをコンピュータ上で実行することにより、信号遅延時間測定装置を実現することができる。
また、他の実施形態では、音響空間における信号遅延時間を測定する信号遅延時間測定方法は、測定用信号を出力する測定用信号出力工程と、前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力工程と、前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出工程と、遅延時間算出手段により、前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記信号遅延時間を算出する遅延時間算出工程と、を備え、前記遅延時間算出工程は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間においては前記比較を行わない。
さらに他の実施形態では、音響空間における信号遅延時間を測定する信号遅延時間測定方法は、測定用信号を出力する測定用信号出力工程と、前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力工程と、前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出工程と、遅延時間算出手段により、前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記信号遅延時間を算出する遅延時間算出工程と、前記信号遅延時間の毎回の算出前に、暗騒音測定期間において前記音響空間内の暗騒音を測定し、測定結果に基づいて前記所定の閾値を決定する閾値決定工程と、を備え、前記暗騒音測定期間は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間を含む。
上記の信号遅延時間測定方法により、未応答期間中における暗騒音などの影響を受けることなく、正確に信号遅延時間を算出することができる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
[基本原理]
まず、本発明による信号遅延時間測定の基本原理について説明する。図1(a)に、信号遅延時間測定のための基本的構成を模式的に示す。図示のように、信号遅延時間測定装置は、信号処理回路2と、測定用信号発生器3と、D/A変換器4と、スピーカ6と、マイク8と、A/D変換器10と、を備える。スピーカ6及びマイク8は音響空間260内に配置される。なお、音響空間260としては、例えばリスニングルーム、ホームシアターなどが挙げられる。
測定用信号発生器3は測定用信号211としてパルス性の信号(以下、「測定用パルス信号」と呼ぶ。)を発生し、信号処理回路2へ供給する。なお、測定用パルス信号はデジタル信号として測定用信号発生器3内のメモリなどに記憶しておくことができる。信号処理回路2は、測定用パルス信号211をD/A変換器4へ送る。D/A変換器4は測定用パルス信号211をアナログの測定用パルス信号212に変換し、スピーカ6へ供給する。スピーカ6は測定用パルス信号212に対応する測定用パルス音35を測定用信号音として音響空間260に出力する。
マイク8は音響空間260で測定用パルス音35を集音し、アナログの応答信号213としてA/D変換器10へ送る。この応答信号213には、測定用パルス音35に対する音響空間260の応答成分が含まれている。A/D変換器10は応答信号213をデジタルの応答信号214に変換し、信号処理回路2へ供給する。信号処理回路2は、応答信号214を所定の閾値と比較することにより、音響空間260における信号遅延時間Tdを算出する。
図1から理解されるように、信号処理回路2が測定する信号遅延時間Tdは、音響空間内における音響遅延時間Tspと、それ以外の遅延時間(主として遅延時間測定装置内における遅延時間、以下「装置内遅延時間Tp」と呼ぶ。)との和である。音響遅延時間Tspは、音響空間260内で測定用パルス音35がスピーカ6から出力されてから、マイク8により受信されるまでの遅延時間である。一方、装置内遅延時間Tpは、測定用パルス音の出力側の遅延時間Tp1と、応答信号の入力側の遅延時間Tp2とにより構成される。測定用パルス音の出力側の遅延時間Tp1は、測定用パルス音211が信号処理回路2からD/A変換器4へ伝送される時間、D/A変換器4による変換処理時間などを含んでいる。また、応答信号の入力側の遅延時間Tp2は、マイク8で集音された応答信号のA/D変換器10内における変換処理時間、A/D変換器10から信号処理回路2への伝送時間などを含んでいる。
従って、仮に音響遅延時間Tspがゼロである(即ち、スピーカ6とマイク8とが接している状態)であったとしても、装置内遅延時間Tpが存在するため、信号遅延時間Tdはゼロにはならない。言い換えれば、信号処理回路2から測定用パルス信号を出力した時点から、装置内遅延時間Tpに相当する期間内は、理論上応答信号が信号処理回路2に到達することはありえない。このような観点から、本発明では、測定用パルス信号の出力後、この装置内遅延時間Tpに対応する期間(以下、「未応答期間」と呼ぶ。)内は応答信号が信号処理回路2へ到達するはずがないとして、信号遅延時間Tdを算出するための閾値との比較処理を行わないこととする。
図2(a)〜(c)に信号処理回路2が受信した応答信号の波形例を示す。図2(a)は、信号遅延時間Tdをゼロと仮定した場合の応答信号波形を示す。横軸は時間を示すが、応答信号214がデジタル信号であるのでサンプル数で示してある。縦軸は応答信号のレベルを示す。時刻0において信号処理回路2が測定用パルス信号を出力し、仮に信号遅延時間Tdがゼロであるとすると、図2(a)に示すように、応答信号は指数関数的に減衰していく波形を示す。
図2(b)は一般的な音響空間の状態、即ち音響空間内においてスピーカとマイクとが数メートル離れている場合の応答信号波形を示す。測定用パルス信号は時刻0において信号処理回路2から出力される。応答信号は信号遅延時間Tdで信号処理回路2へ入力されている。
図2(c)は音響空間内でスピーカとマイクを接して配置した場合の応答信号波形を示す。スピーカとマイクが接しているため音響遅延時間Tspはゼロであり、応答信号の遅延時間は装置内遅延時間Tpに相当する。図2(b)及び(c)に示すように、通常の状態における信号遅延時間Tdは、装置内遅延時間Tpと音響遅延時間Tspの和である。また、信号処理回路2が測定用パルス信号を出力した時刻0から装置内遅延時間Tpの間は、測定用パルス音の応答が信号処理回路2に到達するはずがない期間であることがわかる。そこで、本実施例では、この装置内遅延時間Tpを上述の未応答期間に設定し、未応答期間内では、信号遅延時間Tdを算出するための応答信号と閾値との比較処理を行わないこととする。
図1(b)に、信号処理回路2内の時間遅延測定に関連する構成を示す。A/D変換器10から信号処理回路2に入力された応答信号214は微分回路251に入力される。微分回路251は応答信号214を微分して絶対値(ABS)を算出し、比較器252へ供給する。
暗騒音測定部253は、後述する暗騒音測定期間Tmにおいて応答信号214から暗騒音レベルを検出し、その最大レベル値を閾値決定部254へ供給する。閾値決定部254は、暗騒音の最大レベル値より所定値だけ大きい閾値THを決定し、比較器252へ入力する。
メモリ255は、装置内遅延時間Tpを記憶しており、この値を比較器252へ入力する。比較器252は、微分回路251から入力された応答信号の微分信号を、閾値決定部254から入力された閾値と比較して信号遅延時間Tdを算出する。但し、比較器252は、メモリ255から供給された装置内遅延時間Tpに基づいて、信号処理回路2が測定用信号211を出力した時刻から、上記装置内遅延時間Tpまでの期間である未応答期間では、応答信号の微分値と閾値THとの比較処理を行わない。
図2(d)〜(f)に比較器252における比較処理の様子を示す。図2(d)は微分回路251から出力される応答信号の微分波形を示す。横軸は時間であり、縦軸は微分値(絶対値:ABS)である。図2(b)に示す応答信号波形の立上り時間に、その微分波形70が現れている。
図2(e)は図2(d)の波形図に暗騒音の波形例を加えて示したものである。図示のように暗騒音80中に閾値THを超える暗騒音成分75が含まれていると、比較器252はこれを応答信号70と誤判定する可能性がある。しかし、本発明では、図2(e)に示すように、装置内遅延時間Tpを未応答期間として設定し、未応答期間内では応答信号に対応するパルス70が到来するはずはないとして、比較器252は比較処理を行わない。よって、未応答期間内において閾値を超える暗騒音成分75が含まれていても、それを応答信号であると誤判定することが防止される。
次に、暗騒音測定部253における測定について説明する。上述のように、測定用パルス音を出力した時刻0から装置内遅延時間Tpの間は測定用パルス音の応答が到来するはずのない期間であり、かつ、その直後に応答信号が到来するはずの時間である。よってこの期間は、応答期間の比較処理を実行する直前の暗騒音レベルを取得することができるので、閾値TH決定の元になる暗騒音レベルを検出する期間としては非常に好ましいといえる。そこで、本発明の実施例では、暗騒音測定部253は、時刻0から装置内遅延時間Tp内に暗騒音レベルを測定し、閾値決定手段254はそれに基づいて、その直後の比較処理において比較器252が使用する閾値THを決定する。
具体的には、図3に示すように、暗騒音測定部253はメモリ255から装置内遅延時間Tpを受け取り、信号処理回路2が測定用パルス音信号を出力した時刻0から装置内遅延時間Tpの期間を暗騒音測定期間Tmとして設定する。そして、その暗騒音測定期間Tm内に暗騒音を測定し、その最大レベルを閾値決定部254へ供給する。これにより、各回の信号遅延時間の測定時における暗騒音レベルに基づいて決定された閾値を使用して、信号遅延時間を正確に測定することが可能となる。
なお、上記の例では、暗騒音測定期間Tmを、時刻0から装置内遅延時間Tpまでとしたが、暗騒音レベルの測定は時刻0より以前に開始しても構わない。即ち、図2(f)に示すように、暗騒音測定期間Tmを、信号処理回路2が測定用パルス音信号を出力する前の所定時刻t1から開始し、時刻0から装置内遅延時間Tpの経過後までとしてもよい(期間Tm’を参照)。このように、暗騒音測定期間Tmを広げることにより、暗騒音の短時間での変動分も含めて測定することができ、実際に音響空間に生じている暗騒音の最大レベルをより正確に測定することができる。但し、本来の趣旨は、応答信号の比較処理の直前に発生している暗騒音レベルを検出してその直後の比較処理に使用する閾値を決定することにあるので、暗騒音測定期間Tmは必ず時刻0から装置内遅延時間Tpの期間を含むように決定される。
[自動音場補正システム]
次に、本発明を適用した自動音場補正システムの実施例を図面を参照して説明する。
(I)システム構成
図3は、本実施例の自動音場補正システムを備えたオーディオシステムの構成を示すブロック図である。
図3において、本オーディオシステム100には、CD(Compact disc)プレーヤやDVD(Digital Video Disc又はDigital Versatile Disc)プレーヤ等の音源1から複数チャンネルの信号伝送路を通じてデジタルオーディオ信号SFL,SFR,SC,SRL,SRR,SWF,SSBL及びSSBRが供給される信号処理回路2と、測定用信号発生器3とが設けられている。
なお、本オーディオシステムは複数チャンネルの信号伝送路を含むが、以下の説明では各チャンネルをそれぞれ「FLチャンネル」、「FRチャンネル」などと表現することがある。また、信号及び構成要素の表現において複数チャンネルの全てについて言及する時は参照符号の添え字を省略する場合がある。また、個別チャンネルの信号及び構成要素に言及する時はチャンネルを特定する添え字を参照符号に付す。例えば、「デジタルオーディオ信号S」と言った場合は全チャンネルのデジタルオーディオ信号SFL〜SSBRを意味し、「デジタルオーディオ信号SFL」と言った場合はFLチャンネルのみのデジタルオーディオ信号を意味するものとする。
更に、オーディオシステム100は、信号処理回路2によりチャンネル毎に信号処理されたデジタル出力DFL〜DSBRをアナログ信号に変換するD/A変換器4FL〜4SBRと、これらのD/A変換器4FL〜4SBRから出力される各アナログオーディオ信号を増幅する増幅器5FL〜5SBRとを備えている。これらの増幅器5で増幅した各アナログオーディオ信号SPFL〜SPSBRを、図8に例示するようなリスニングルーム7等に配置された複数チャンネルのスピーカ6FL〜6SBRに供給して鳴動させるようになっている。
また、オーディオシステム100は、受聴位置RVにおける再生音を集音するマイクロホン8と、マイクロホン8から出力される集音信号SMを増幅する増幅器9と、増幅器9の出力をデジタルの集音データDMに変換して信号処理回路2に供給するA/D変換器10とを備えている。
ここで、オーディオシステム100は、オーディオ周波数帯域のほぼ全域にわたって再生可能な周波数特性を有する全帯域型のスピーカ6FL,6FR,6C,6RL,6RRと、所謂重低音だけを再生するための周波数特性を有する低域再生専用のスピーカ6WFと、受聴者の背後に配置されるサラウンドスピーカ6SBL及び6SBRを鳴動させることで、受聴位置RVにおける受聴者に対して臨場感のある音響空間を提供する。
各スピーカの配置としては、例えば、図8に示すように、受聴者が好みに応じて、受聴位置RVの前方に、左右2チャンネルのフロントスピーカ(前方左側スピーカ、前方右側スピーカ)6FL,6FRとセンタースピーカ6Cを配置する。また、受聴位置RVの後方に、左右2チャンネルのスピーカ(後方左側スピーカ、後方右側スピーカ)6RL,6RRと左右2チャンネルのサラウンドスピーカ6SBL,6SBRを配置し、更に、任意の位置に低域再生専用のサブウーハ6WFを配置する。オーディオシステム100に備えられた自動音場補正システムは、周波数特性、各チャンネルの信号レベル及び信号到達遅延特性を補正したアナログオーディオ信号SPFL〜SPSBRをこれら8個のスピーカ6FL〜6SBRに供給して鳴動させることで、臨場感のある音響空間を実現する。
信号処理回路2は、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)等で形成されており、図4に示すように、大別して信号処理部20と、係数演算部30とから構成される。信号処理部20は、CD、DVD、その他の各種音楽ソースを再生する音源1から複数チャンネルのデジタルオーディオ信号を受け取り、各チャンネル毎に周波数特性補正、レベル補正及び遅延特性補正を施してデジタル出力信号DFL〜DSBRを出力する。
係数演算部30は、マイクロホン8で集音された信号をデジタルの集音データDMとして受け取り、周波数特性補正、レベル補正及び遅延特性補正のための係数信号SF1〜SF8、SG1〜SG8、SDL1〜SDL8をそれぞれ生成して信号処理部20へ供給する。マイクロホン8からの集音データDMに基づいて信号処理部20が適切な周波数特性補正、レベル補正及び遅延特性補正を行うことにより、各スピーカ6から最適な信号が出力される。
信号処理部20は、図5に示すようにグラフィックイコライザGEQと、チャンネル間アッテネータATG1〜ATG8と、遅延回路DLY1〜DLY8とを備えている。一方、係数演算部30は、図6に示すように、システムコントローラMPUと、周波数特性補正部11と、チャンネル間レベル補正部12と、遅延特性補正部13とを備えている。周波数特性補正部11、チャンネル間レベル補正部12及び遅延特性補正部13はDSPを構成している。
周波数特性補正部11がグラフィックイコライザGEQの各チャンネルに対応するイコライザEQ1〜EQ8の周波数特性を調整し、チャンネル間レベル補正部12がチャンネル間アッテネータATG1〜ATG8の減衰率を調整し、遅延特性補正部13が遅延回路DLY1〜DLY8の遅延時間を調整することで、適切な音場補正を行うように構成されている。
ここで、各チャンネルのイコライザEQ1〜EQ5、EQ7及びEQ8は、それぞれ帯域毎に周波数特性補正を行うように構成されている。即ち、オーディオ周波数帯域を例えば9つの帯域(各帯域の中心周波数をf1〜f9とする。)に分割し、帯域毎にイコライザEQの係数を決定して周波数特性補正を行う。なお、イコライザEQ6は、低域の周波数特性を調整するように構成されている。
オーディオシステム100は、動作モードとして自動音場補正モードと音源信号再生モードの2つのモードを有する。自動音場補正モードは、音源1からの信号再生に先だって行われる調整モードであり、システム100の設置された環境について自動音場補正を行う。その後、音源信号再生モードでCDなどの音源1からの音響信号が再生される。本発明は、主として自動音場補正モードにおける補正処理に関するものである。
図5を参照すると、FLチャンネルのイコライザEQ1には、音源1からのデジタルオーディオ信号SFLの入力をオン/オフ制御するスイッチ素子SW12と、測定用信号発生器3からの測定用信号DNの入力をオン/オフ制御するスイッチ素子SW11が接続され、スイッチ素子SW11はスイッチ素子SWNを介して測定用信号発生器3に接続されている。
スイッチ素子SW11,SW12,SWNは、図6に示すマイクロプロセッサで形成されたシステムコントローラMPUによって制御され、音源信号再生時には、スイッチ素子SW12がオン(導通)、スイッチ素子SW11とSWNがオフ(非導通)となり、音場補正時には、スイッチ素子SW12がオフ、スイッチ素子SW11とSWNがオンとなる。
また、イコライザEQ1の出力接点には、チャンネル間アッテネータATG1が接続され、チャンネル間アッテネータATG1の出力接点には遅延回路DLY1が接続されている。そして、遅延回路DLY1の出力DFLが、図3中のD/A変換器4FLに供給される。
他のチャンネルもFLチャンネルと同様の構成となっており、スイッチ素子SW11に相当するスイッチ素子SW21〜SW81と、スイッチ素子SW12に相当するスイッチ素子SW22〜SW82が設けられている。そして、これらのスイッチ素子SW21〜SW82に続いて、イコライザEQ2〜EQ8と、チャンネル間アッテネータATG2〜ATG8と、遅延回路DLY2〜DLY8が備えられ、遅延回路DLY2〜DLY8の出力DFR〜DSBRが図3中のD/A変換器4FR〜4SBRに供給される。
更に、各チャンネル間アッテネータATG1〜ATG8は、チャンネル間レベル補正部12からの調整信号SG1〜SG8に従って0dBからマイナス側の範囲で減衰率を変化させる。また、各チャンネルの遅延回路DLY1〜DLY8は、位相特性補正部13からの調整信号SDL1〜SDL8に従って入力信号の遅延時間を変化させる。
周波数特性補正部11は、各チャンネルの周波数特性を所望の特性となるように調整する機能を有する。図7(A)に示すように、周波数特性補正部11は、バンドパスフィルタ11a、係数テーブル11b、利得演算部11c、係数決定部11d、及び係数テーブル11eを備えて構成される。
バンドパスフィルタ11aは、イコライザEQ1〜EQ8に設定されている9個の帯域を通過させる複数の狭帯域デジタルフィルタで構成されており、A/D変換器10からの集音データDMを周波数f1〜f9と中心とする9つの周波数帯域に弁別することにより、各周波数帯域のレベルを示すデータ[PxJ]を利得演算部11cに供給する。なお、バンドパスフィルタ11aの周波数弁別特性は、係数テーブル11bに予め記憶されているフィルタ係数データによって設定される。
利得演算部11cは、帯域毎のレベルを示すデータ[PxJ]に基づいて、自動音場補正時のイコライザEQ1〜EQ8の利得(ゲイン)を周波数帯域毎に演算し、演算した利得データ[GxJ]を係数決定部11dに供給する。即ち、予め既知となっているイコライザEQ1〜EQ8の伝達関数にデータ[PxJ]を適用することで、イコライザEQ1〜EQ8の周波数帯域毎の利得(ゲイン)を逆算する。
係数決定部11dは、図6に示すシステムコントローラMPUの制御下でイコライザEQ1〜EQ8の周波数特性を調節するためのフィルタ係数調整信号SF1〜SF8を生成する。(なお、音場補正の際に、受聴者の指示する条件に応じて、フィルタ係数調整信号SF1〜SF8を生成するように構成されている。)
受聴者が音場補正の条件を指示せず、本音場補正システムに予め設定されている標準の音場補正を行う場合には、利得演算部11cから供給される周波数帯域毎の利得データ[GxJ]によって係数テーブル11eからイコライザEQ1〜EQ8の周波数特性を調節するためのフィルタ係数データを読み出し、このフィルタ係数データのフィルタ係数調整信号SF1〜SF8によりイコライザEQ1〜EQ8の周波数特性を調節する。
即ち、係数テーブル11eには、イコライザEQ1〜EQ8の周波数特性を様々に調節するためのフィルタ係数データが予めルックアップテーブルとして記憶されており、係数決定部11dが利得データ[GxJ]に対応するフィルタ係数データを読み出し、その読み出したフィルタ係数データをフィルタ係数調整信号SF1〜SF8として各イコライザEQ1〜EQ8に供給することで、チャンネル毎に周波数特性を調整する。
次に、チャンネル間レベル補正部12について説明する。チャンネル間レベル補正部12は、各チャンネルを通じて出力される音響信号の音圧レベルを均一にする役割を有する。具体的には、測定用信号発生器3から出力される測定用信号(ピンクノイズ)DNによって各スピーカ6FL〜6SBRを個別に鳴動させたときに得られる集音データDMを順に入力し、その集音データDMに基づいて、受聴位置RVにおける各スピーカの再生音のレベルを測定する。
チャンネル間レベル補正部12の概略構成を図7(B)に示す。A/D変換器10から出力される集音データDMはレベル検出部12aに入力される。なお、チャンネル間レベル補正部12は、基本的に各チャンネルの信号の全帯域に対して一律にレベルの減衰処理を行うので帯域分割は不要であり、よって図7(A)の周波数特性補正部11に見られるようなバンドバスフィルタを含まない。
レベル検出部12aは集音データDMのレベルを検出し、各チャンネルについての出力オーディオ信号レベルが一定となるように利得調整を行う。具体的には、レベル検出部12aは検出した集音データのレベルと基準レベルとの差を示すレベル調整量を生成し、調整量決定部12bへ出力する。調整量決定部12bはレベル検出部12aから受け取ったレベル調整量に対応する利得調整信号SG1〜SG8を生成して各チャンネル間アッテネータATG1〜ATG8へ供給する。各チャンネル間アッテネータATG1〜ATG8は、利得調整信号SG1〜SG8に応じて各チャンネルのオーディオ信号の減衰率を調整する。このチャンネル間レベル補正部12の減衰率調整により、各チャンネル間のレベル調整(利得調整)が行われ、各チャンネルの出力オーディオ信号レベルが均一となる。
遅延特性補正部13は、各スピーカの位置と受聴位置RVとの間の距離差に起因する信号遅延を調整する、即ち、本来同時に受聴者が聴くべき各スピーカ6からの出力信号が受聴位置RVに到達する時刻がずれることを防止する役割を有する。よって、遅延特性補正部13は、測定用信号発生器3から出力される測定用信号DNによって各スピーカ6を個別に鳴動させたときに得られる集音データDMに基づいて各チャンネルの遅延特性を測定し、その測定結果に基づいて音響空間の位相特性を補正する。
具体的には、図5に示すスイッチSW11〜SW82を順次切り換えることにより、測定用信号発生器3から発生された測定用信号DNを各チャンネル毎に各スピーカ6から出力し、これをマイクロホン8により集音して対応する集音データDMを生成する。測定用信号を例えばインパルスなどのパルス性信号とすると、スピーカ8からパルス性の測定用信号を出力した時刻と、それに対応するパルス信号がマイクロホン8により受信された時刻との差は、各チャンネルのスピーカ6とマイクロホン8との距離に比例することになる。よって、測定より得られた各チャンネルの遅延時間のうち、最も遅延量の大きいチャンネルの遅延時間に残りのチャンネルの遅延時間を合わせることにより、各チャンネルのスピーカ6と受聴位置RVとの距離差を吸収することができる。よって、各チャンネルのスピーカ6から発生する信号間の遅延を等しくすることができ、複数のスピーカ6から出力された時間軸上で一致する時刻の音響が同時に受聴位置RVに到達することになる。
図7(C)に遅延特性補正部13の構成を示す。遅延量演算部13aは集音データDMを受け取り、パルス性測定用信号と集音データとの間のパルス遅延量に基づいて、各チャンネル毎に音場環境による信号遅延量(時間)を演算する。遅延量決定部13bは遅延量演算部13aから各チャンネル毎に信号遅延量を受け取り、一時的にメモリ13cに記憶する。全てのチャンネルについての信号遅延量が演算され、メモリ13cに記憶された状態で、調整量決定部13bは最も大きい信号遅延量を有するチャンネルの再生信号が受聴位置RVに到達するのと同時に他のチャンネルの再生信号が受聴位置RVに到達するように、各チャンネルの調整量を決定し、調整信号SDL1〜SDL8を各チャンネルの遅延回路DLY1〜DLY8に供給する。各遅延回路DLY1〜DLY8は調整信号SDL1〜SDL8に応じて遅延量を調整する。こうして、各チャンネルの遅延特性の調整が行われる。なお、上記の例では遅延調整のための測定用信号としてパルス性信号を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の測定用信号を用いてもよい。
本発明では、遅延量演算部13aは図1(b)に示す各構成要素を備えている。暗騒音測定部253は装置内遅延時間Tpを含む暗騒音測定機関Tm内に暗騒音の最大レベルを測定し、閾値決定部254はその最大レベルに基づいて閾値THを決定する。また、微分回路251は各チャンネルの再生信号を微分して絶対値を算出する。比較器252は未応答期間、即ち測定用信号の出力時刻から装置内遅延時間Tpが経過するまでの期間は比較処理を行わず、未応答期間の経過後に再生信号の絶対値と閾値を比較して信号遅延量Tpを決定する。この処理は各チャンネルについて行われる。
(II)自動音場補正
次に、かかる構成を有する自動音場補正システムによる自動音場補正の動作について説明する。
まず、オーディオシステム100を使用する環境としては、受聴者が、例えば図8に示したように複数のスピーカ6FL〜6SBRをリスニングルーム7等に配置し、図3に示すようにオーディオシステム100に接続する。そして、受聴者がオーディオシステム100に備えられているリモートコントローラ(図示省略)等を操作して自動音場補正開始の指示をすると、システムコントローラMPUがこの指示に従って自動音場補正処理を実行する。
次に、本発明の自動音場補正における基本的な原理を説明する。先に述べたように、自動音場補正において行う処理は、各チャンネルの周波数特性補正、音圧レベルの補正及び遅延特性補正がある。自動音場補正処理の概要を図9のフローチャートを参照して説明する。
始めに、ステップS10で、周波数特性補正部11がイコライザEQ1〜EQ8の周波数特性を調整する処理が行われる。次に、ステップS20のチャンネル間レベル補正処理で、チャンネル間レベル補正部12により、各チャンネルに設けられているチャンネル間アッテネータATG1〜ATG8の減衰率を調節する処理が行われる。次に、ステップS30の遅延特性補正処理で、遅延特性補正部13により、全チャンネルの遅延回路DLY1〜DLY8の遅延時間を調整する処理が行われる。この順序で本発明による自動音場補正が行われる。
次に、各処理段階の動作を順に詳述する。まず、ステップS10の周波数特性補正処理について、図10を参照して説明する。図10は本実施例による周波数特性補正処理のフローチャートである。なお、図10に示す周波数特性補正処理は、各チャンネルの周波数特性補正処理に先だって、各チャンネルの遅延測定を行う。ここで、遅延測定とは、測定用信号を信号処理回路2が出力してから、それに対応する集音データが信号処理回路2に到達するまでの遅延時間Tdを各チャンネル毎に事前に測定する処理である。図10においては、ステップS100〜S106がこの遅延測定処理に対応し、ステップS108〜S115が実際の周波数特性補正処理に対応している。
図10において、信号処理回路2は、まず複数のチャンネルのうちの1つのチャンネルについて例えばパルス性の遅延測定用信号を出力し、これがスピーカ6から測定用信号音として出力される(ステップS100)。この測定用信号音は、マイクロホン8により集音され、集音データDMが信号処理回路2へ供給される(ステップS102)。信号処理回路2内の周波数特性補正部11は遅延時間Tdを演算し、内部メモリなどに記憶する(ステップS104)。これらステップS100〜S104の処理を全てのチャンネルについて行うことにより(ステップS106:Yes)、全てのチャンネルについての遅延時間Tdがメモリに格納されたことになる。こうして、遅延時間測定が完了する。
次に、各チャンネルについて、周波数特性補正を行う。即ち、信号処理回路2は1つのチャンネルについてピンクノイズなどの周波数特性測定用信号を出力し、これがスピーカ6から測定用信号音として出力される(ステップS108)。この測定用信号音はマイクロホン8により集音され、集音データが信号処理回路2の周波数特性補正部11内で取得される(ステップS110)。そして、周波数特性補正部11内の利得演算部11cが集音データを分析し、係数決定部11dがイコライザ係数を設定し(ステップS112)、そのイコライザ係数に基づいてイコライザが調整される(ステップS114)。こうして、1つのチャンネルについて、集音データに基づいて周波数特性の補正が完了する。この処理を全てのチャンネルについて行い(ステップS116;Yes)、周波数特性補正処理が終了する。
次に、ステップS20のチャンネル間レベル補正処理が行われる。チャンネル間レベル補正処理は、図11に示すフローに従って行われる。なお、チャンネル間レベル補正処理では、先の周波数特性補正処理により設定されたグラフィックイコライザGEQの周波数特性を上記周波数特性補正処理で調整した状態に維持して行う。
図5に示す信号処理部20において、まずスイッチSW11をオンにすると同時にスイッチSW1をオフとすることにより、1つのチャンネル(例えばFLチャンネル)に測定用信号DN(ピンクノイズ)が供給され、その測定用信号DNがスピーカ6FLから出力される(ステップS120)。マイクロホン8はその信号を集音し、増幅器9及びA/D変換器10を通じて集音データDMが係数演算部30内のチャンネル間レベル補正部12へ供給される(ステップS122)。チャンネル間レベル補正部12では、レベル検出部12aが集音データDMの音圧レベルを検出し、調整量決定部12bへ送る。調整量決定部12bは、目標レベルテーブル12cに予め設定されている所定の音圧レベルと一致するようにチャンネル間アッテネータATG1の調整信号SG1を生成し、チャンネル間アッテネータATG1へ供給する(ステップS124)。こうして、1つのチャンネルのレベルが所定のレベルと一致するように補正される。この処理を、各チャンネルに対して順に行い、全てのチャンネルについてレベル補正が完了した時点で(ステップS126:Yes)、処理は図9のメインルーチンへ戻る。
次に、ステップS30の遅延特性補正処理が図12に示すフローに従って行われる。まず、1つのチャンネル(例えばFLチャンネル)について、SW11をオンにすると同時にSW12をオフとして、測定用信号DNをスピーカ6から出力する(ステップS130)。次に、出力された測定用信号DNをマイクで集音し、集音データDMが係数演算部30内の遅延特性補正部13に入力される(ステップS132)。
遅延量演算部13aは、前述のように図1(b)に示す各構成要素を含んでいる。遅延量演算部13a内部では、まず暗騒音測定部253が暗騒音レベルを測定する(ステップS134)。この測定は、暗騒音測定期間Tmが終了するまで、即ち測定用信号の出力時刻から、所定の装置内遅延時間Tpを経過するまでの期間にわたり行われる。なお、この時間は未応答時間にも設定されており、その間は比較器252における比較処理は行われない。
そして、装置内遅延時間Tpが経過すると(ステップS136;Yes)、未応答期間が終了する。よって、閾値決定部254は閾値を決定し(ステップS138)、比較器252は比較処理を実行して信号遅延量Tdを算出する(ステップS140)。
この処理が他の全てのチャンネルについて実行される。全てのチャンネルについて処理が完了した時点で(ステップS142:Yes)、メモリ13cには全てのチャンネルの遅延量が記憶されることになる。次に、係数演算部13bはメモリ13cの記憶内容に基づいて、全てのチャンネルのうち最大遅延量を有するチャンネルを基準とし、他の全てのチャンネルの信号が同時に受聴位置RVに到達するように各チャンネルの遅延回路DLY1〜DLY8の係数を決定し、各遅延回路DLYに供給する(ステップS138)。これにより、遅延特性補正が完了する。
こうして、周波数特性、チャンネル間レベル及び遅延特性が補正され、自動音場補正が完了する。
[変形例]
なお、上記実施例においては本発明に係る信号処理を信号処理回路により実現する例を示したが、その代わりに、同一の信号処理をコンピュータ上で実行されるプログラムとして構成し、コンピュータ上で実行することにより実現することも可能である。この場合、該プログラムはCD−ROM、DVDなどの記録媒体の形態で、又はネットワークなどを利用した通信により供給される。コンピュータとしては、例えばパーソナルコンピュータなどを利用することができ、周辺機器として複数のチャンネルに対応するオーディオインターフェース、複数のスピーカ及びマイクなどを接続する。パーソナルコンピュータ上で上記プログラムを実行することにより、コンピュータ内部又は外部に設けた音源を利用して測定用信号を発生し、これをオーディオインターフェース及びスピーカを介して出力し、マイクで集音することにより、コンピュータを使用して、上述の音響特性測定装置及び自動音場補正装置を実現することができる。
信号遅延時間測定のための基本的構成を模式的に示すブロック図である。 信号遅延時間測定方法を説明するための波形図である。 本発明の実施例の自動音場補正システムを備えるオーディオシステムの構成を示すブロック図である。 図3に示す信号処理回路の内部構成を示すブロック図である。 図4に示す信号処理部の構成を示すブロック図である。 図2に示す係数演算部の構成を示すブロック図である。 図6に示す周波数特性補正部、チャンネル間レベル補正部及び遅延特性補正部の構成を示すブロック図である。 ある音場環境におけるスピーカの配置例を示す図である。 自動音場補正処理のメインルーチンを示すフローチャートである。 周波数特性補正処理を示すフローチャートである。 チャンネル間レベル補正処理を示すフローチャートである。 遅延補正処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 音源
2 信号処理回路
3 測定用信号発生器
4 D/A変換器
6 スピーカ
8 マイクロホン
9 増幅器
10 A/D変換器
251 微分回路
252 比較器
253 暗騒音測定部
254 閾値決定部
255 メモリ

Claims (10)

  1. 音響空間における信号遅延時間を測定する信号遅延時間測定装置であって、
    測定用信号を出力する測定用信号出力手段と、
    前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力手段と、
    前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出手段と、
    前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記信号遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、を備え、
    前記遅延時間算出手段は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間においては前記比較を行わないことを特徴とする信号遅延時間測定装置。
  2. 前記信号遅延時間の毎回の算出前に、暗騒音測定期間において前記音響空間内の暗騒音を測定し、測定結果に基づいて前記所定の閾値を決定する閾値決定手段を備え、
    前記暗騒音測定期間は、前記未応答期間を含むことを特徴とする請求項1に記載の信号遅延時間測定装置。
  3. 音響空間における信号遅延時間を測定する信号遅延時間測定装置であって、
    測定用信号を出力する測定用信号出力手段と、
    前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力手段と、
    前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出手段と、
    前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記信号遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、
    前記信号遅延時間の毎回の算出前に、暗騒音測定期間において前記音響空間内の暗騒音を測定し、測定結果に基づいて前記所定の閾値を決定する閾値決定手段と、を備え、
    前記暗騒音測定期間は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間を含むことを特徴とする信号遅延時間測定装置。
  4. 前記未応答期間は、前記測定用信号及び前記応答信号の前記信号遅延時間測定装置内での処理により生じる装置内遅延時間に相当することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の信号遅延時間測定装置。
  5. 前記装置内遅延時間を固定値として記憶する記憶手段を備え、前記未応答期間は前記測定用信号が出力された時点から前記装置内遅延時間が経過した時点までの期間に設定されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の信号遅延時間測定装置。
  6. 前記暗騒音測定期間は、前記測定用信号出力手段が前記測定用信号を出力する前の所定期間を含むことを特徴とする請求項3に記載の信号遅延時間測定装置。
  7. コンピュータ上で実行されることにより、前記コンピュータを、
    測定用信号を出力する測定用信号出力手段と、
    前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力手段と、
    前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出手段と、
    前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記音響空間における信号遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、を備える信号遅延時間測定装置として機能させ、
    前記遅延時間算出手段は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間においては前記比較を行わないことを特徴とするコンピュータプログラム。
  8. コンピュータ上で実行されることにより、前記コンピュータを、
    測定用信号を出力する測定用信号出力手段と、
    前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力手段と、
    前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出手段と、
    前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記音響空間における信号遅延時間を算出する遅延時間算出手段と、
    前記信号遅延時間の毎回の算出前に、暗騒音測定期間において前記音響空間内の暗騒音を測定し、測定結果に基づいて前記所定の閾値を決定する閾値決定手段と、を備える信号遅延時間測定装置として機能させ、
    前記暗騒音測定期間は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
  9. 音響空間における信号遅延時間を測定する信号遅延時間測定方法であって、
    測定用信号を出力する測定用信号出力工程と、
    前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力工程と、
    前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出工程と、
    遅延時間算出手段により、前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記信号遅延時間を算出する遅延時間算出工程と、を備え、
    前記遅延時間算出工程は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間においては前記比較を行わないことを特徴とする信号遅延時間測定方法。
  10. 音響空間における信号遅延時間を測定する信号遅延時間測定方法であって、
    測定用信号を出力する測定用信号出力工程と、
    前記測定用信号に対応する測定用信号音を音響空間内に出力する信号音出力工程と、
    前記測定用信号音に対する前記音響空間の応答を示す応答信号を出力する応答検出工程と、
    遅延時間算出手段により、前記応答信号と所定の閾値との比較を行い、前記信号遅延時間を算出する遅延時間算出工程と、
    前記信号遅延時間の毎回の算出前に、暗騒音測定期間において前記音響空間内の暗騒音を測定し、測定結果に基づいて前記所定の閾値を決定する閾値決定工程と、を備え、
    前記暗騒音測定期間は、前記応答信号が前記遅延時間算出手段に未だ到達しない期間である未応答期間を含むことを特徴とする信号遅延時間測定方法。
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