JP2004193782A - スピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来より、スピーカとマイクロホンとの間の音波の伝搬時間をパルスを用いて測定する測定方向が提案されているが、パルス音はその振幅に対してエネルギーが小さく、よってS/N比が良好な状態でマイクロホンで受音することは困難である。
【解決手段】音波伝搬時間測定装置1は、音源手段11と、演算手段12とを備える。音源手段11はスピーカ3に入力するための音源信号として時間引き延ばしパルスを出力する。演算手段12は、時間引き延ばしパルスと、スピーカ3からの出力音を受音したマイクロホン4からの受音信号との相互相関関数を算出する。そして、この相互相関関数に基づいてスピーカ3とマイクロホン4との間の音波の伝搬時間を求める。
【選択図】 図1
【解決手段】音波伝搬時間測定装置1は、音源手段11と、演算手段12とを備える。音源手段11はスピーカ3に入力するための音源信号として時間引き延ばしパルスを出力する。演算手段12は、時間引き延ばしパルスと、スピーカ3からの出力音を受音したマイクロホン4からの受音信号との相互相関関数を算出する。そして、この相互相関関数に基づいてスピーカ3とマイクロホン4との間の音波の伝搬時間を求める。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願に係る発明は、スピーカとマイクロホンとの間での音波の伝搬時間を測定する方法・装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
音響システムが配置された空間において、スピーカからマイクロホンまでの音波の伝搬時間を測定したいような場合がある。例えば、該音響システムの周波数特性を聴取位置において測定しようとするときであって、測定用音源信号として周波数特性が時間的に変化するような信号を用いる場合である。かかる場合には、聴取位置に設置したマイクロホンからの信号をそのままとりこむよりも、マイクロホンからの信号に対して、測定用音源信号の周波数特性の時間的変化に対応して周波数特性が時間的に変化するようなフィルターを通過させてからとりこむ方が、精度の高い測定ができる場合がある。この場合、測定用音源信号側の周波数特性の変化と、フィルター側の周波数特性の変化とを、同時に進行させるのではなく、スピーカから聴取位置までの距離を音波が伝搬する時間分だけフィルター側の変化を遅らせる必要がある。そのためには、スピーカから聴取位置に置かれたマイクロホンまでの音波の伝搬時間を知る必要があるのである。
【0003】
そして従来より、スピーカとマイクロホンとの間の音波の伝搬時間をパルスを用いて測定する測定方向が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、スピーカからパルスを出力し、このパルス音のマイクロホンまでの到来時間を求めるのである。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−112100号公報(第3頁、図1、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
パルス音を用いる測定は、ノイズの影響を受けない限りは、比較的精度の高い測定を可能とする。しかしパルス音はその振幅に対してエネルギーが小さく、よってS/N比が良好な状態でマイクロホンで受音することは困難である。従って、この方法では必ずしも正確な測定を行うことができない。
【0006】
出願人はこの点を改善すべく、振幅に対して比較的大きなエネルギーを有する信号として、スイープ信号を音源とする音波の伝搬時間測定を試みた。すなわち、短時間で周波数スイープがなされるスイープ信号をスピーカに入力してスピーカからスイープ音を出力させ、これをマイクロホンで受音するのである。そして、各周波数帯域毎に、音波到来時間を求めるのである。
【0007】
音源信号たるスイープ信号が既知であれば、いつの時点で各周波数帯域の成分がスピーカから発せられるかを知ることができる。また、マイクロホンで受けた信号をバンドパスフィルターで処理することにより、各周波数帯域毎の成分の到来時間を知ることができる。
【0008】
マイクロホンで受けた各周波数帯域毎の信号において、時間起点をわずかづつ移動させながら一定時間幅における実行値を求めることにより、時間起点の関数としての実行値(RMS)を求め、この実行値が最大になる時点を、各周波数帯域毎の成分の到来時間であるとすることもできる。これにより、より正確な距離測定が可能となる。
【0009】
この方法は、▲1▼複数の周波数帯域を用いるので、レベルの高い周波数帯域を選ぶことができる、▲2▼バンドパスフィルターを用いているのでノイズによる妨害が少ない、▲3▼スイープ信号はパルスに比べて大きなエネルギーを有するのでノイズに強い、という利点がある。
【0010】
その一方で、次のような問題点がある。すなわち、バンドパスフィルターを用いるため応答が遅くなるのである。応答時間の遅れを知った上で、測定値を補正する方法もあるが、パンドパスフィルターの応答時間が、スピーカ・マイクロホン間での音波伝搬時間に対して大きければ、測定精度を確保することができない。バンドパスフィルターの周波数帯域が狭いほど、ノイズの影響を受けにくくはなるが、バンドパスフィルターの応答時間は長くなる。
【0011】
バンドパスフィルターの周波数帯域が広ければ、応答時間は短くなるが、ノイズの影響を受けやすく、さらには、その周波数範囲における音響系の周波数特性が表れてしまい、目的とする周波数以外の周波数における受音信号のピーク値を検出してしまう可能性があり、結果として正確な測定が保証されなくなる。
【0012】
本願発明は上記問題点に鑑み、ノイズの影響や器機の遅れ時間の影響を受けにくく、その結果、正確な測定を行うことができるような、音波の伝搬時間の測定方法・装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この出願発明に係るスピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定方法は、時間引き延ばしパルスをスピーカから出力する第1工程と、該スピーカからの出力音をマイクロホンで受音してその受音信号を取り込む第2工程と、該時間引き延ばしパルスと、該第2工程で取り込まれた受音信号との相互相関関数を算出する第3工程とを備え、該相互相関関数に基づいて該スピーカと該マイクロホンとの間の音波の伝搬時間を求める(請求項1)。また、上記課題を解決するために、この出願発明に係るスピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定装置は、音源手段と、演算手段とを備え、該音源手段はスピーカに入力するための音源信号として時間引き延ばしパルスを出力し、該演算手段は、該スピーカからの出力音を受音したマイクロホンからの受音信号を取り込み、該時間引き延ばしパルスと、取り込んだ受音信号との相互相関関数を算出し、該相互相関関数に基づいて該スピーカと該マイクロホンとの間の音波の伝搬時間を求める(請求項4)。
【0014】
かかる方法・装置では、音源信号として時間引き延ばしパルスが用いられる。時間引き延ばしパルスは、振幅に対して比較的大きなエネルギーを有しているのでノイズの影響を受けにくい。よって、上記方法・装置による音波伝搬時間の測定値は信頼性の高いものとなる。また、時間引き延ばしパルスと、この時間引き延ばしパルスが入力された系の応答波形との相互相関関数は、その系のインパルスレスポンスに一致することが知られている。よって、インパルスで測定したときと同様の精度での測定が可能となる。
【0015】
上記スピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定方法において、該相互相関関数において最大値を示す時間、該相互相関関数において最小値を示す時間、又は、該相互相関関数において絶対値が最大となる時間を検出する第4工程を備えてもよいし(請求項2)、上記スピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定装置において、該演算手段が、該相互相関関数において最大値を示す時間、該相互相関関数において最小値を示す時間、又は、該相互相関関数において絶対値が最大となる時間を検出してもよい(請求項5)。
【0016】
また上記スピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定方法において、該第1工程、該第2工程 および 該第3工程が複数回実行され、複数回の該第3工程によって得られた複数の相互相関関数を同期加算する第5工程を備え、該同期加算された相互相関関数に基づいて該スピーカと該マイクロホンとの間の音波の伝搬時間を求めてもよいし(請求項3)、上記スピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定装置において、該音源手段は該時間引き延ばしパルスを複数回出力し、該演算手段は該音源手段からの時間引き延ばしパルスの各回の出力毎に、相互相関関数を算出して同期加算し、該同期加算した相互相関関数に基づいて該スピーカと該マイクロホンとの間の音波の伝搬時間を求めてもよい(請求項6)。
【0017】
かかる方法・装置によれば、同期加算されることにより、より信頼性の高い測定が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
この出願発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本願発明の係る装置および測定対象となる音響システムの一実施形態の概略構成図である。図1の装置(スピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定装置)1により、本願発明に係る方法(スピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定方法)の一実施形態を実施することができる。
【0020】
この装置1は、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)、A/D変換器、D/A変換器等により構成されているのであるが、図1では装置1の主な機能に着目して、音源部11と演算・制御部12とを有する装置として表わしている。
【0021】
装置1は、スピーカ3とマイクロホン4との間の音波の伝搬時間を測定するための装置である。アンプ2とスピーカ3は、ある音響空間(例えば、音楽ホール、体育館、競技場など)に設置された音響システムの一部である。マイクロホン4は、この音響空間の聴取位置(例えば、聴衆が着座すべき座席の位置)に置かれている。このマイクロホン4として騒音計を用いても良い。マイクロホン4は、スピーカ3から距離Lを隔てている。距離Lは未知であるが、スピーカ3とマイクロホン4との間の音波の伝搬時間を測定することができれば、算出することができる。
【0022】
音源部11から出力された音源信号は、アンプ2へ送出される。アンプ2で電力増幅されたこの信号は、スピーカ3へ送出されてスピーカ3から拡声音として放射される。マイクロホン4はスピーカ3から出力された拡声音を受音することができる。マイクロホン4の出力信号は演算・制御部12へ送出される。
【0023】
演算・制御部12は、音源部11を制御している。つまり音源部11は、演算・制御部12からの指令信号を受けて、音源信号として時間引き延ばしパルス(Time Stretched Pulse:以下「TSP」と略す)を出力する。TSPとは、インパルスの位相を周波数の2乗に比例して変化させることにより、時間軸方向に引き伸ばした信号である。
【0024】
図2は演算・制御部12の演算内容を模式的に示す図である。
【0025】
演算・制御部12は、TSPの波形を予め記憶しており、このTSPを音源部11から出力させる。図2の符号Xで示す波形は、このTSPの波形である。このTSPは、128サンプルのデータとして演算・制御部12に記憶されている。サンプリング周波数は48kHzである。よって、このTSPの時間幅は約2.7m秒である。このTSPは5kHzまでの平坦な振幅特性を有する。
【0026】
演算・制御部12は、音源部11に対してTSPのデータを送出して、これ(TSP)を出力するように指令信号を音源部11に発し、同時にマイクロホン4の出力信号(図2中、符号Yで示される信号)のサンプリングを開始する。サンプリング周波数は48kHzであり、サンプング期間は0.5秒である。
【0027】
演算・制御部12が音源部11に対してTSPを出力するように指令信号を発してから時間tsが経過したときに、音源部11からTSPが出力される。換言すれば、演算・制御部12がマイクロホン4の出力信号のサンプリングを開始してから時間tsが経過したときに、音源部11からTSPが出力される。この遅れ時間tsは、音源部11の有するA/D変換器およびD/A変換器等に起因して発生するものであるが、演算・制御部12はこの時間tsを予め知っている(記憶している)。以下、この時間tsを、「音源出力遅れ時間ts」という。
【0028】
演算・制御部12は、予め記憶しているTSPの波形と、サンプリングして得たマイクロホン4の出力信号波形との相互相関関数を演算する。
【0029】
次式は相互相関関数の演算式である。
【0030】
【数1】
【0031】
上式において、Nはサンプリング数、δx,δyはX(n),Y(n)における標準偏差である。
【0032】
図2において、符号Rで示すものが、上式の演算によって得られた相互相関関数である。
【0033】
相互相関関数の演算は、マイクロホン4の出力信号を0.5秒間に渡りサンプリングし、この0.5秒分のデータを全てサンプリングし終わった後に行っても良いし、マイクロホン4の出力信号のサンプリングを行いつつ、直近にサンプリングした128サンプルのデータを用いて、1サンプリング毎に行っても良い。音源部11から発せられるTSPが128サンプルであるから、少なくともマイクロホン4の出力信号の128サンプルのサンプリングデータが蓄積された時点で、相互相関関数の演算を開始できるからである。
【0034】
なお、ある系にTSPを入力してその応答波形を得た場合、TSPとその応答波形との相互相関関数は、その系のインパルスレスポンスに一致する。よって、演算・制御部12によって、系のインパルスレスポンスを演算したと考えることもできる。
【0035】
相互相関関数Rは、音源部11からの1回のTSP出力に関してのみ求めても良いが、複数回(例えば数回)のTSP出力に関して各回毎に求め、これらを同期加算したほうが精度が向上する。図2において、符号Raで示すものは、数回分の相互相関関数Rを同期加算して平均したものである。
【0036】
演算・制御部12は、この同期加算した相互相関関数Raの波形において、最大値を示す時間を検出する。図2の相互相関関数Raの波形では、時間t1において、最大値を示している。演算・制御部12は、この最大値を示す時間t1を検出する。この時間t1が、図1の系全体の遅れ時間であると考えることができる。以下では、相互相関関数において最大値を示す時間t1を「全遅れ時間t1」という。
【0037】
この全遅れ時間t1には、上述した音源出力遅れ時間tsと、スピーカ3からマイクロホン4までの空間を音波が伝搬する時間tb(以下、この時間tbを「空間遅れ時間tb」という)とが含まれる。なお、アンプ2が信号を入力してからこの信号がスピーカ3の振動板を振動させるまでの遅れ時間や、マイクロホン4の振動板が振動してからこの振動による信号がマイクロホン4の出力端子に表れるまでの遅れ時間は、空間遅れ時間tbに比べて非常に小さいので無視できる。また、アンプ2やスピーカ3を含む音響システムの調整や測定を行うために空間遅れ時間tbを測定しようとするのであれば、アンプ2が信号を入力してからこの信号がスピーカの振動板を振動させるまでの遅れ時間を空間遅れ時間tbに含めておく方が都合がよい。
【0038】
前述したように、演算・制御部12は音源出力遅れ時間tsを予め知っているので、全遅れ時間t1を検出することにより、空間遅れ時間tbを算出することができる。すなわち、図2に示した手順により、同期加算した相互相関関数Raを演算し、そこで最大値を示す時間t1を検出し、この全遅れ時間t1から音源出力遅れ時間tsを減じた値が、空間遅れ時間tbである。これを式で示すと、「tb=t1−ts」となる。この空間遅れ時間tbに音速cを乗じた乗算結果は、スピーカ3が設置された地点とマイクロホン4が設置された地点との間の距離である。
【0039】
なお、音源出力遅れ時間tsが空間遅れ時間tbに比べて無視できるほど小さいのであれば、全遅れ時間t1を空間遅れ時間tbと考えてもよい。また、音源部11がTSPの出力を開始すると同時に、演算・制御部12がマイクロホン4の出力信号のサンプリングを開始するようにすると、音源出力遅れ時間tsを0とすることもできる。
【0040】
前述したように、ある系にTSPを入力してその応答波形を得た場合、TSPとその応答波形との相互相関関数は、その系のインパルスレスポンスに一致するので、演算・制御部12によって、系のインパルスレスポンスを演算したと考えることもできる。従って、図1の音波伝搬時間測定装置1では、インパルスで測定したときと同様の高い精度で、スピーカ3とマイクロホン4との間の音波の伝搬時間を測定することができる。しかも、音源信号のエネルギーが比較的大きいためにノイズの影響を受けにくく、高い信頼性でスピーカ3とマイクロホン4との間の音波の伝搬時間を測定することができる。
【0041】
以上、本願発明の一実施形態を説明した。上記実施形態では、式1によって相互相関関数を演算する例を示したが、式1における正規化のための計算部分((1/N・δx・δy)の部分)を省略した次式によって、相違相関関数を演算してもよい。
【0042】
【数2】
【0043】
また、上記実施形態では、同期加算した相互相関関数(又はこれを平均化したもの)において最大値を示す時間を検出して全遅れ時間としたが、同期加算を行うことなく、音源部11からの1回のTSP出力に関してのみ求めた相互相関関数において最大値を示す時間を検出して全遅れ時間としてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、相互相関関数において、プラス側にピークが表れる時間を求めるべく、最大値を示す時間を検出して全遅れ時間としたが、マイナス側にピークが表れる時間を求めるべく、最小値を示す時間を検出して全遅れ時間としてもよい。さらには、相互相関関数において絶対値が最大となる時間を検出して全遅れ時間としてもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、スピーカとマイクロホンとの間の音波の伝搬時間を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】音波伝搬時間測定装置および音響システムの概略構成図である。
【図2】演算・制御部の演算内容を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 音波伝搬時間測定装置
2 アンプ
3 スピーカ
4 マイクロホン
11 音源部
12 演算・制御部
【発明の属する技術分野】
この出願に係る発明は、スピーカとマイクロホンとの間での音波の伝搬時間を測定する方法・装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
音響システムが配置された空間において、スピーカからマイクロホンまでの音波の伝搬時間を測定したいような場合がある。例えば、該音響システムの周波数特性を聴取位置において測定しようとするときであって、測定用音源信号として周波数特性が時間的に変化するような信号を用いる場合である。かかる場合には、聴取位置に設置したマイクロホンからの信号をそのままとりこむよりも、マイクロホンからの信号に対して、測定用音源信号の周波数特性の時間的変化に対応して周波数特性が時間的に変化するようなフィルターを通過させてからとりこむ方が、精度の高い測定ができる場合がある。この場合、測定用音源信号側の周波数特性の変化と、フィルター側の周波数特性の変化とを、同時に進行させるのではなく、スピーカから聴取位置までの距離を音波が伝搬する時間分だけフィルター側の変化を遅らせる必要がある。そのためには、スピーカから聴取位置に置かれたマイクロホンまでの音波の伝搬時間を知る必要があるのである。
【0003】
そして従来より、スピーカとマイクロホンとの間の音波の伝搬時間をパルスを用いて測定する測定方向が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、スピーカからパルスを出力し、このパルス音のマイクロホンまでの到来時間を求めるのである。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−112100号公報(第3頁、図1、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
パルス音を用いる測定は、ノイズの影響を受けない限りは、比較的精度の高い測定を可能とする。しかしパルス音はその振幅に対してエネルギーが小さく、よってS/N比が良好な状態でマイクロホンで受音することは困難である。従って、この方法では必ずしも正確な測定を行うことができない。
【0006】
出願人はこの点を改善すべく、振幅に対して比較的大きなエネルギーを有する信号として、スイープ信号を音源とする音波の伝搬時間測定を試みた。すなわち、短時間で周波数スイープがなされるスイープ信号をスピーカに入力してスピーカからスイープ音を出力させ、これをマイクロホンで受音するのである。そして、各周波数帯域毎に、音波到来時間を求めるのである。
【0007】
音源信号たるスイープ信号が既知であれば、いつの時点で各周波数帯域の成分がスピーカから発せられるかを知ることができる。また、マイクロホンで受けた信号をバンドパスフィルターで処理することにより、各周波数帯域毎の成分の到来時間を知ることができる。
【0008】
マイクロホンで受けた各周波数帯域毎の信号において、時間起点をわずかづつ移動させながら一定時間幅における実行値を求めることにより、時間起点の関数としての実行値(RMS)を求め、この実行値が最大になる時点を、各周波数帯域毎の成分の到来時間であるとすることもできる。これにより、より正確な距離測定が可能となる。
【0009】
この方法は、▲1▼複数の周波数帯域を用いるので、レベルの高い周波数帯域を選ぶことができる、▲2▼バンドパスフィルターを用いているのでノイズによる妨害が少ない、▲3▼スイープ信号はパルスに比べて大きなエネルギーを有するのでノイズに強い、という利点がある。
【0010】
その一方で、次のような問題点がある。すなわち、バンドパスフィルターを用いるため応答が遅くなるのである。応答時間の遅れを知った上で、測定値を補正する方法もあるが、パンドパスフィルターの応答時間が、スピーカ・マイクロホン間での音波伝搬時間に対して大きければ、測定精度を確保することができない。バンドパスフィルターの周波数帯域が狭いほど、ノイズの影響を受けにくくはなるが、バンドパスフィルターの応答時間は長くなる。
【0011】
バンドパスフィルターの周波数帯域が広ければ、応答時間は短くなるが、ノイズの影響を受けやすく、さらには、その周波数範囲における音響系の周波数特性が表れてしまい、目的とする周波数以外の周波数における受音信号のピーク値を検出してしまう可能性があり、結果として正確な測定が保証されなくなる。
【0012】
本願発明は上記問題点に鑑み、ノイズの影響や器機の遅れ時間の影響を受けにくく、その結果、正確な測定を行うことができるような、音波の伝搬時間の測定方法・装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この出願発明に係るスピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定方法は、時間引き延ばしパルスをスピーカから出力する第1工程と、該スピーカからの出力音をマイクロホンで受音してその受音信号を取り込む第2工程と、該時間引き延ばしパルスと、該第2工程で取り込まれた受音信号との相互相関関数を算出する第3工程とを備え、該相互相関関数に基づいて該スピーカと該マイクロホンとの間の音波の伝搬時間を求める(請求項1)。また、上記課題を解決するために、この出願発明に係るスピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定装置は、音源手段と、演算手段とを備え、該音源手段はスピーカに入力するための音源信号として時間引き延ばしパルスを出力し、該演算手段は、該スピーカからの出力音を受音したマイクロホンからの受音信号を取り込み、該時間引き延ばしパルスと、取り込んだ受音信号との相互相関関数を算出し、該相互相関関数に基づいて該スピーカと該マイクロホンとの間の音波の伝搬時間を求める(請求項4)。
【0014】
かかる方法・装置では、音源信号として時間引き延ばしパルスが用いられる。時間引き延ばしパルスは、振幅に対して比較的大きなエネルギーを有しているのでノイズの影響を受けにくい。よって、上記方法・装置による音波伝搬時間の測定値は信頼性の高いものとなる。また、時間引き延ばしパルスと、この時間引き延ばしパルスが入力された系の応答波形との相互相関関数は、その系のインパルスレスポンスに一致することが知られている。よって、インパルスで測定したときと同様の精度での測定が可能となる。
【0015】
上記スピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定方法において、該相互相関関数において最大値を示す時間、該相互相関関数において最小値を示す時間、又は、該相互相関関数において絶対値が最大となる時間を検出する第4工程を備えてもよいし(請求項2)、上記スピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定装置において、該演算手段が、該相互相関関数において最大値を示す時間、該相互相関関数において最小値を示す時間、又は、該相互相関関数において絶対値が最大となる時間を検出してもよい(請求項5)。
【0016】
また上記スピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定方法において、該第1工程、該第2工程 および 該第3工程が複数回実行され、複数回の該第3工程によって得られた複数の相互相関関数を同期加算する第5工程を備え、該同期加算された相互相関関数に基づいて該スピーカと該マイクロホンとの間の音波の伝搬時間を求めてもよいし(請求項3)、上記スピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定装置において、該音源手段は該時間引き延ばしパルスを複数回出力し、該演算手段は該音源手段からの時間引き延ばしパルスの各回の出力毎に、相互相関関数を算出して同期加算し、該同期加算した相互相関関数に基づいて該スピーカと該マイクロホンとの間の音波の伝搬時間を求めてもよい(請求項6)。
【0017】
かかる方法・装置によれば、同期加算されることにより、より信頼性の高い測定が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
この出願発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本願発明の係る装置および測定対象となる音響システムの一実施形態の概略構成図である。図1の装置(スピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定装置)1により、本願発明に係る方法(スピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定方法)の一実施形態を実施することができる。
【0020】
この装置1は、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)、A/D変換器、D/A変換器等により構成されているのであるが、図1では装置1の主な機能に着目して、音源部11と演算・制御部12とを有する装置として表わしている。
【0021】
装置1は、スピーカ3とマイクロホン4との間の音波の伝搬時間を測定するための装置である。アンプ2とスピーカ3は、ある音響空間(例えば、音楽ホール、体育館、競技場など)に設置された音響システムの一部である。マイクロホン4は、この音響空間の聴取位置(例えば、聴衆が着座すべき座席の位置)に置かれている。このマイクロホン4として騒音計を用いても良い。マイクロホン4は、スピーカ3から距離Lを隔てている。距離Lは未知であるが、スピーカ3とマイクロホン4との間の音波の伝搬時間を測定することができれば、算出することができる。
【0022】
音源部11から出力された音源信号は、アンプ2へ送出される。アンプ2で電力増幅されたこの信号は、スピーカ3へ送出されてスピーカ3から拡声音として放射される。マイクロホン4はスピーカ3から出力された拡声音を受音することができる。マイクロホン4の出力信号は演算・制御部12へ送出される。
【0023】
演算・制御部12は、音源部11を制御している。つまり音源部11は、演算・制御部12からの指令信号を受けて、音源信号として時間引き延ばしパルス(Time Stretched Pulse:以下「TSP」と略す)を出力する。TSPとは、インパルスの位相を周波数の2乗に比例して変化させることにより、時間軸方向に引き伸ばした信号である。
【0024】
図2は演算・制御部12の演算内容を模式的に示す図である。
【0025】
演算・制御部12は、TSPの波形を予め記憶しており、このTSPを音源部11から出力させる。図2の符号Xで示す波形は、このTSPの波形である。このTSPは、128サンプルのデータとして演算・制御部12に記憶されている。サンプリング周波数は48kHzである。よって、このTSPの時間幅は約2.7m秒である。このTSPは5kHzまでの平坦な振幅特性を有する。
【0026】
演算・制御部12は、音源部11に対してTSPのデータを送出して、これ(TSP)を出力するように指令信号を音源部11に発し、同時にマイクロホン4の出力信号(図2中、符号Yで示される信号)のサンプリングを開始する。サンプリング周波数は48kHzであり、サンプング期間は0.5秒である。
【0027】
演算・制御部12が音源部11に対してTSPを出力するように指令信号を発してから時間tsが経過したときに、音源部11からTSPが出力される。換言すれば、演算・制御部12がマイクロホン4の出力信号のサンプリングを開始してから時間tsが経過したときに、音源部11からTSPが出力される。この遅れ時間tsは、音源部11の有するA/D変換器およびD/A変換器等に起因して発生するものであるが、演算・制御部12はこの時間tsを予め知っている(記憶している)。以下、この時間tsを、「音源出力遅れ時間ts」という。
【0028】
演算・制御部12は、予め記憶しているTSPの波形と、サンプリングして得たマイクロホン4の出力信号波形との相互相関関数を演算する。
【0029】
次式は相互相関関数の演算式である。
【0030】
【数1】
【0031】
上式において、Nはサンプリング数、δx,δyはX(n),Y(n)における標準偏差である。
【0032】
図2において、符号Rで示すものが、上式の演算によって得られた相互相関関数である。
【0033】
相互相関関数の演算は、マイクロホン4の出力信号を0.5秒間に渡りサンプリングし、この0.5秒分のデータを全てサンプリングし終わった後に行っても良いし、マイクロホン4の出力信号のサンプリングを行いつつ、直近にサンプリングした128サンプルのデータを用いて、1サンプリング毎に行っても良い。音源部11から発せられるTSPが128サンプルであるから、少なくともマイクロホン4の出力信号の128サンプルのサンプリングデータが蓄積された時点で、相互相関関数の演算を開始できるからである。
【0034】
なお、ある系にTSPを入力してその応答波形を得た場合、TSPとその応答波形との相互相関関数は、その系のインパルスレスポンスに一致する。よって、演算・制御部12によって、系のインパルスレスポンスを演算したと考えることもできる。
【0035】
相互相関関数Rは、音源部11からの1回のTSP出力に関してのみ求めても良いが、複数回(例えば数回)のTSP出力に関して各回毎に求め、これらを同期加算したほうが精度が向上する。図2において、符号Raで示すものは、数回分の相互相関関数Rを同期加算して平均したものである。
【0036】
演算・制御部12は、この同期加算した相互相関関数Raの波形において、最大値を示す時間を検出する。図2の相互相関関数Raの波形では、時間t1において、最大値を示している。演算・制御部12は、この最大値を示す時間t1を検出する。この時間t1が、図1の系全体の遅れ時間であると考えることができる。以下では、相互相関関数において最大値を示す時間t1を「全遅れ時間t1」という。
【0037】
この全遅れ時間t1には、上述した音源出力遅れ時間tsと、スピーカ3からマイクロホン4までの空間を音波が伝搬する時間tb(以下、この時間tbを「空間遅れ時間tb」という)とが含まれる。なお、アンプ2が信号を入力してからこの信号がスピーカ3の振動板を振動させるまでの遅れ時間や、マイクロホン4の振動板が振動してからこの振動による信号がマイクロホン4の出力端子に表れるまでの遅れ時間は、空間遅れ時間tbに比べて非常に小さいので無視できる。また、アンプ2やスピーカ3を含む音響システムの調整や測定を行うために空間遅れ時間tbを測定しようとするのであれば、アンプ2が信号を入力してからこの信号がスピーカの振動板を振動させるまでの遅れ時間を空間遅れ時間tbに含めておく方が都合がよい。
【0038】
前述したように、演算・制御部12は音源出力遅れ時間tsを予め知っているので、全遅れ時間t1を検出することにより、空間遅れ時間tbを算出することができる。すなわち、図2に示した手順により、同期加算した相互相関関数Raを演算し、そこで最大値を示す時間t1を検出し、この全遅れ時間t1から音源出力遅れ時間tsを減じた値が、空間遅れ時間tbである。これを式で示すと、「tb=t1−ts」となる。この空間遅れ時間tbに音速cを乗じた乗算結果は、スピーカ3が設置された地点とマイクロホン4が設置された地点との間の距離である。
【0039】
なお、音源出力遅れ時間tsが空間遅れ時間tbに比べて無視できるほど小さいのであれば、全遅れ時間t1を空間遅れ時間tbと考えてもよい。また、音源部11がTSPの出力を開始すると同時に、演算・制御部12がマイクロホン4の出力信号のサンプリングを開始するようにすると、音源出力遅れ時間tsを0とすることもできる。
【0040】
前述したように、ある系にTSPを入力してその応答波形を得た場合、TSPとその応答波形との相互相関関数は、その系のインパルスレスポンスに一致するので、演算・制御部12によって、系のインパルスレスポンスを演算したと考えることもできる。従って、図1の音波伝搬時間測定装置1では、インパルスで測定したときと同様の高い精度で、スピーカ3とマイクロホン4との間の音波の伝搬時間を測定することができる。しかも、音源信号のエネルギーが比較的大きいためにノイズの影響を受けにくく、高い信頼性でスピーカ3とマイクロホン4との間の音波の伝搬時間を測定することができる。
【0041】
以上、本願発明の一実施形態を説明した。上記実施形態では、式1によって相互相関関数を演算する例を示したが、式1における正規化のための計算部分((1/N・δx・δy)の部分)を省略した次式によって、相違相関関数を演算してもよい。
【0042】
【数2】
【0043】
また、上記実施形態では、同期加算した相互相関関数(又はこれを平均化したもの)において最大値を示す時間を検出して全遅れ時間としたが、同期加算を行うことなく、音源部11からの1回のTSP出力に関してのみ求めた相互相関関数において最大値を示す時間を検出して全遅れ時間としてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、相互相関関数において、プラス側にピークが表れる時間を求めるべく、最大値を示す時間を検出して全遅れ時間としたが、マイナス側にピークが表れる時間を求めるべく、最小値を示す時間を検出して全遅れ時間としてもよい。さらには、相互相関関数において絶対値が最大となる時間を検出して全遅れ時間としてもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、スピーカとマイクロホンとの間の音波の伝搬時間を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】音波伝搬時間測定装置および音響システムの概略構成図である。
【図2】演算・制御部の演算内容を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 音波伝搬時間測定装置
2 アンプ
3 スピーカ
4 マイクロホン
11 音源部
12 演算・制御部
Claims (6)
- 時間引き延ばしパルスをスピーカから出力する第1工程と、
該スピーカからの出力音をマイクロホンで受音してその受音信号を取り込む第2工程と、
該時間引き延ばしパルスと、該第2工程で取り込まれた受音信号との相互相関関数を算出する第3工程とを備え、
該相互相関関数に基づいて該スピーカと該マイクロホンとの間の音波の伝搬時間を求める、スピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定方法。 - 該相互相関関数において最大値を示す時間、該相互相関関数において最小値を示す時間、又は、該相互相関関数において絶対値が最大となる時間を検出する第4工程を備えた、請求項1記載のスピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定方法。
- 該第1工程、該第2工程 および 該第3工程が複数回実行され、
複数回の該第3工程によって得られた複数の相互相関関数を同期加算する第5工程を備え、
該同期加算された相互相関関数に基づいて該スピーカと該マイクロホンとの間の音波の伝搬時間を求める、請求項1又は2記載のスピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定方法。 - 音源手段と、演算手段とを備え、
該音源手段はスピーカに入力するための音源信号として時間引き延ばしパルスを出力し、
該演算手段は、該スピーカからの出力音を受音したマイクロホンからの受音信号を取り込み、該時間引き延ばしパルスと、取り込んだ受音信号との相互相関関数を算出し、該相互相関関数に基づいて該スピーカと該マイクロホンとの間の音波の伝搬時間を求める、スピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定装置。 - 該演算手段が、該相互相関関数において最大値を示す時間、該相互相関関数において最小値を示す時間、又は、該相互相関関数において絶対値が最大となる時間を検出する、請求項4記載のスピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定装置。
- 該音源手段は該時間引き延ばしパルスを複数回出力し、
該演算手段は該音源手段からの時間引き延ばしパルスの各回の出力毎に、相互相関関数を算出して同期加算し、該同期加算した相互相関関数に基づいて該スピーカと該マイクロホンとの間の音波の伝搬時間を求める、請求項4又は5記載のスピーカとマイクロホン間の音波伝搬時間測定装置。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070116 |