JP2880787B2 - 方向性聴音装置 - Google Patents

方向性聴音装置

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JP2880787B2 JP2282247A JP28224790A JP2880787B2 JP 2880787 B2 JP2880787 B2 JP 2880787B2 JP 2282247 A JP2282247 A JP 2282247A JP 28224790 A JP28224790 A JP 28224790A JP 2880787 B2 JP2880787 B2 JP 2880787B2
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は方向性聴音装置に関し,特に物体の放射する
音波を聴音し,物体の方向を計測する方向性聴音装置に
関する。
〔従来の技術〕
音波到来方向を検出し,水中で物体を捜索するソーナ
ー装置や,空中音響を集音する超指向性マイクロホン装
置などの聴音装置はよく知られている。
従来,この種の音波の到来方向を検出する装置は,一
般に複数の受音器を備えて構成され,受音器の出力電気
信号を移相合成して指向性ビームを作り,この指向性ビ
ームを介して物体の方位を知る方法がとられていた。こ
の方法によれば,周波数が低い信号については指向性ビ
ームが拡がって方向性の精度が低下するという欠陥があ
り,この問題を解決するには大型の受音器アレイが必要
とされていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述した従来の指向性ビームを利用する方向探知は,
その作動原理上,周波数により指向性ビームの特性が変
化するため,広い周波数の範囲を扱う水中聴音機や集音
効果が要求される超指向性マイクロホン装置において
は,低周波の方向性が劣るという欠点がある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の装置は、少なくとも2個の直線上に配列され
た複数の受音器と、前記受音器の音波信号をそれぞれ高
速フーリェ変換(FFT)して周波数領域を分析する複素F
FT分析回路と、前記複素FFT分析回路のうちのいずれか
の出力信号の位相を変化させる移相回路と、前記複素FF
T分析回路および前記移相回路の出力について特定の周
波数領域を選択する選択回路と、この選択回路の出力信
号を時間領域信号に変換する逆複素FFT分析回路と、こ
れら逆複素FFT分析回路の出力信号を加算増幅した後に
音波を聴音する拡声器と、前記複素FFT分析回路の出力
相互の周波数毎の位相差を検出する位相差検出回路と、
測定所望の方位を設定する方位ダイヤルと、前記方位ダ
イヤルにより設定された方位に基づきこの方位から音波
が入射したときに前記複数の受音器の出力の間で得られ
る位相差を基準位相差として発生する基準位相差発生回
路と、前記基準位相差発生回路からの基準位相差と前記
位相差検出回路からの位相差を周波数毎に比較し、両者
の差が予め設定した許容範囲以内のとき、その位相差の
データと周波数のデータとを出力する位相差比較回路と
を具備し、前記位相差比較回路からの位相差のデータに
基づき前記移相回路で前記位相差がなくなるように位相
を制御し、前記位相差比較回路からの周波数のデータに
基づき前記選択回路で前記周波数のデータに対応する特
定の周波数領域を選択することを特徴とする。
〔実施例〕
次に,本発明について図面を参照して説明する。
第1図は,本発明の一実施例の構成を示すブロック図
である。第1図の実施例は2台の受音器を利用する場合
を例とし,受音器11,12と,前置増幅器21,22と,信号処
理部30と,操作員が聴音方向を所望の方向に設定する方
位ダイアル73と,方位ダイヤル73により設定された方位
に基づきこの方位から音波が入射したときの複数の受音
器11、12の出力の間で得られる位相差を基準位相差信号
として発生する基準位相差発生回路74と、信号処理部30
で処理された受音器11,12の出力信号を加算増幅する加
算増幅回路75と,加算増幅回路75の出力により駆動され
る拡声器76とを備えて成る。
また信号処理部30は,周波数領域処理のため複素高速
フーリェ変換によって受音器11,12の出力の周波数分析
を行なう複素FFT分析回路31,32と,複素FFT分析回路31,
32の出力にもとづき,分析された周波数成分ごとの位相
差を検出する位相差検出回路71と,位相差検出回路71の
出力と基準位相差発生回路74の出力する基準位相差信号
とを位相比較して許容値以内の入力音波の位相差と周波
数成分を出力する位相比較回路72と,位相比較回路72の
出力に対応して複素FFT分析回路32の出力を位相差を零
とするように移相する移相回路43と,位相比較回路72の
出力にもとづいて所望方位に対する周波数成分を選択抽
出する選択回路51,52および選択した信号を時間領域信
号とする逆複素FFT回路61,62とを備えて構成される。
次に,本実施例の動作について説明する。第1図にも
とづいて実施例の具体的動作の説明に入るに先立ち,第
2図を参照して本発明の動作原理について説明する。
受音器11,12は間隔2aで配置される。この2つの受音
器に対し,第2図に示す如く入射角θで到来音波50が入
射した場合を想定する。この場合,両受音器の到来音波
の位相は,中点Oを基準とすると,次の(1),(2)
式で表現される。
受音器11の到来音波の位相 φ11=(ω0/C)a sinθ …(1) 受音器12の到来音波の位相 φ12=−(ω0/C)a sinθ …(2) 従って,両受音器の位相差Δφは,次の(3)式で示
される。
Δφ=φ11−φ12=(2ω0a/C)sinθ …(3) (1),(2)及び(3)式において,ωは到来音
波の角周波数,Cは音波の伝播速度である。
上述した(3)式において,受音器の間隔2a及び音速
Cは一定であると考えることができ,受音器間の到来音
波の位相差Δφは次の(4)式で示される。
Δφ=f(ω0,θ) …(4) すなわち位相差Δφは角周波数ωと入射角θの関数
として表現される。
次に,各受音器の出力信号の位相差は,受音器の方式
を圧力型とし,且つ有効周波数帯域内を想定すると,入
力音波と出力信号との位相差は無視できるので,(3)
式もしくは(4)式と全く同一の式で表現できる。
次に,第1図に戻って実施例の説明を続行する。第1
図は本発明の一実施例の構成を示すブロック図であり,
本実施例も説明を容易にするため2台の受音器11,12で
構成した場合を例としている。受音器11,12の出力はそ
れぞれ,前記増幅器21,22で増幅されて信号処理部30に
供給される。また,基準位相発生回路74は方位ダイアル
73によって設定される所望の方位の出力信号θを入力
し,(3)式にもとづいて,信号処理部30で分析される
周波数成分ωに対応する次の(5)式で示す基準位相
差信号Δφを出力する。即ち, Δφ=(2ωia/C)sin θ …(5) 次に,信号処理部30の詳細を説明する。前置増幅器2
1,22で増幅されたそれぞれの受音器出力信号を複素FFT
分析回路31,32で周波数分析し,その出力は位相差検出
回路71に供給され,分析された各周波数成分ω毎に入
力音波の位相差ΔΦを検出する。
位相比較回路72は基準位相差信号Δφiと実測の入力
音波位相差ΔΦiを比較し、その差が規定された許容値
αの範囲にあるか否かを判定し、その範囲内にある周波
数成分の入力音波位相差ΔΦiは前述した(1)式〜
(4)式で説明されている。一方、第2図に示す入射角
θに対応する受音器11、12の主ローブ13、14により形成
される合成ローブが受音器11、12の配列線上の中央Oか
ら引かれた線上の到来音波方向に形成される。このロー
ブを入射角θの変化に応じて操作員が方位ダイヤル73を
回して基準位相差発生回路74により第2図上のO中点か
ら到来音波への方向を等価的に変える。具体的にはロー
ブ14の入射ラインをΔθ分ずらして行くことに相当す
る。移相回路43にはこのΔθの移相の機能も有してい
る。したがって限定された入射角範囲ではあるが連続的
に音波の入射方位角を探知することができる。また、そ
の範囲内にある周波数成分の周波数成分の周波数データ
Ωiは選択回路51、52に出力する。
移相回路43は,位相比較回路72で許容値αの範囲内に
あると判定された周波数成分の複素FFT分析回路32の出
力をΔΦ移相して複素FFT分析回路31との位相差が零
となるように,すなわち同位相となるようにし選択回路
52に送出する。
選択回路51,52は,位相比較回路72の出力する周波数
データΩの供給を受け,このΩに対応する周波数成
分だけをそれぞれ複素FFT分析回路31と移相回路43の出
力から選択出力する。こうして,選択回路51,52から出
力される信号は,所望の方位θにおける受音器間の位
相差を許容値αの範囲で保持する2つの受音器の出力の
位相差を零としたものである。
選択回路51,52の出力はそれぞれ,逆複素FFT回路61,6
2によって逆複素FFTを受けて時間領域の信号に変換され
加算増幅回路75に供給される。
加算増幅回路75は2つの入力を加算合成,増幅し,所
望の方位に対応して配列受音器から得られるアナログ出
力として拡声器76を駆動し,聴音による所望方位出力の
表現を行なう。
こうして,受音器の大型化に移行することなく,低周
波の特性の劣化を解消し,周波数に無関係に正確に所望
の方位の出力を表現することができる。
なお,上述した実施例では,受音器が2つの場合を例
として説明したが,2つ以上の場合であっても受音器相互
間の位相差を零として加算合成して出力することは容易
に実施できることは明らかである。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明は,配列受音器で捕捉した
入力音波を周波数領域信号に変換し,分析された周波数
成分毎の受音器間の位相差によりその信号が所望の方向
から到来した音波か否かを判定し,所望の方位の信号に
ついて位相合せを行って所望方位の周波数成分のみを選
択したあと時間領域の信号に逆変換して表示することに
より,受音器配列の大型化を避け,従来の指向性ビーム
を利用する方式の低周波特性の劣化を解消し,周波数に
無関係に精度の高い聴音出力が得られるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例のブロック図,第2図は本発
明の動作原理図である。 11,12……受音器,21,22……前置増幅器,30……信号処理
部,31,32……複素FFT回路,43……移相回路,51,52……選
択回路,61,62……逆複素FFT回路,71……位相差検出回
路,72……位相比較回路,73……方位ダイアル,74……基
準位相発生回路,75……加算増幅回路,76……拡声器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2個の直線上に配列された複数
    の受音器と、 前記受音器の音波信号をそれぞれ高速フーリェ変換(FF
    T)して周波数領域を分析する複素FFT分析回路と、 前記複素FFT分析回路のうちのいずれかの出力信号の位
    相を変化させる移相回路と、 前記複素FFT分析回路および前記移相回路の出力につい
    て特定の周波数領域を選択する選択回路と、 この選択回路の出力信号を時間領域信号に変換する逆複
    素FFT分析回路と、 これら逆複素FFT分析回路の出力信号を加算増幅した後
    に音波を聴音する拡声器と、 前記複素FFT分析回路の出力相互の周波数毎の位相差を
    検出する位相差検出回路と、 測定所望の方位を設定する方位ダイヤルと、 前記方位ダイヤルにより設定された方位に基づきこの方
    位から音波が入射したときに前記複数の受音器の出力の
    間で得られる位相差を基準位相差として発生する基準位
    相差発生回路と、 前記基準位相差発生回路からの基準位相差と前記位相差
    検出回路からの位相差を周波数毎に比較し、両者の差が
    予め設定した許容範囲以内のとき、その位相差のデータ
    と周波数のデータとを出力する位相差比較回路とを具備
    し、 前記位相差比較回路からの位相差のデータに基づき前記
    移相回路で前記位相差がなくなるように位相を制御し、
    前記位相差比較回路からの周波数のデータに基づき前記
    選択回路で前記周波数のデータに対応する特定の周波数
    領域を選択することを特徴とする方向性聴音装置。
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