JPH0645653B2 - フルオロアルキル基含有芳香族系重合体及びその製造方法 - Google Patents
フルオロアルキル基含有芳香族系重合体及びその製造方法Info
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- JPH0645653B2 JPH0645653B2 JP29967388A JP29967388A JPH0645653B2 JP H0645653 B2 JPH0645653 B2 JP H0645653B2 JP 29967388 A JP29967388 A JP 29967388A JP 29967388 A JP29967388 A JP 29967388A JP H0645653 B2 JPH0645653 B2 JP H0645653B2
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- polymer
- fluoroalkyl group
- group
- styrene
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F8/00—Chemical modification by after-treatment
- C08F8/18—Introducing halogen atoms or halogen-containing groups
- C08F8/24—Haloalkylation
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- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
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- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はフルオロアルキル基含有芳香族系重合体及びそ
の製造方法に関する。
の製造方法に関する。
<従来の技術> 有機化合物中にフルオロアルキル基が導入された化合物
は、生理活性作用や界面活性作用等を有するものとして
近年注目されている。特に芳香族系重合体にフルオロア
ルキル基を導入した化合物は、耐熱性、耐薬品性、撥水
撥油性等を有する材料として、特にレジスト材として注
目されている。そこで、高性能レジスト材を分子設計す
るためには、フルオロアルキル基と芳香族環とを同時に
分子中に有する重合体を合成することが有効と考えられ
る。このような試みとして、フルオロアルキルフェニル
ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートをフルオ
ロアルキル化剤と、ポリ−α−メチルスチレン中のベン
ゼン環にフルオロアルキル基を導入する方法が知られて
いる(特開昭60−212404号公報)。しかしなが
ら、前記方法に用いるフルオロアルキル化剤は、それ自
身の合成が困難であり、且つ、合成する際にフツ素ガス
を使用する必要があるため、工業的製造法としては有効
ではない。更に、従来スチレン単独重合体若しくはスチ
レン共重合体中のベンゼン環にフルオロアルキル基が置
換したフルオロアルキル基含有芳香族系重合体の製造方
法については知られていないのが現状である。
は、生理活性作用や界面活性作用等を有するものとして
近年注目されている。特に芳香族系重合体にフルオロア
ルキル基を導入した化合物は、耐熱性、耐薬品性、撥水
撥油性等を有する材料として、特にレジスト材として注
目されている。そこで、高性能レジスト材を分子設計す
るためには、フルオロアルキル基と芳香族環とを同時に
分子中に有する重合体を合成することが有効と考えられ
る。このような試みとして、フルオロアルキルフェニル
ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネートをフルオ
ロアルキル化剤と、ポリ−α−メチルスチレン中のベン
ゼン環にフルオロアルキル基を導入する方法が知られて
いる(特開昭60−212404号公報)。しかしなが
ら、前記方法に用いるフルオロアルキル化剤は、それ自
身の合成が困難であり、且つ、合成する際にフツ素ガス
を使用する必要があるため、工業的製造法としては有効
ではない。更に、従来スチレン単独重合体若しくはスチ
レン共重合体中のベンゼン環にフルオロアルキル基が置
換したフルオロアルキル基含有芳香族系重合体の製造方
法については知られていないのが現状である。
<発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、撥水撥油剤、レジスト剤等に利用可能
である新規なフルオロアルキル基含有芳香族系重合体を
提供することにある。
である新規なフルオロアルキル基含有芳香族系重合体を
提供することにある。
本発明の別の目的は、反応触媒及び特殊な装置を必要と
せず、容易に、且つ工業的にも有利なフルオロアルキル
基含有芳香族系重合体の製造方法を提供することにあ
る。
せず、容易に、且つ工業的にも有利なフルオロアルキル
基含有芳香族系重合体の製造方法を提供することにあ
る。
<課題を解決するための手段> 本発明によれば、下記一般式(I) (式中、Yは水素原子,メチル基又はカルボヒドロキシ
メチル基を示し、Zは塩素原子,フッ素原子,フェニル
基,シアノ基, 又は−OR2を示す。但しR1及びR2は水素原子又は炭
素数1〜4のアルキル基を表わす。またnは10〜5000の
整数、mは0〜3000の整数を示す)で表わされる平均分
子量500〜500000のスチレン系重合体中におけるベンゼ
ン環の少なくとも1部に、下記一般式(II) X(CF2)n1-・・・(II) (式中Xは水素原子,フッ素原子又は塩素原子を示し、
n1は1〜10の整数を示す)で表わされるフルオロア
ルキル基を導入してなるフルオロアルキル基含有芳香族
系重合体が提供される。
メチル基を示し、Zは塩素原子,フッ素原子,フェニル
基,シアノ基, 又は−OR2を示す。但しR1及びR2は水素原子又は炭
素数1〜4のアルキル基を表わす。またnは10〜5000の
整数、mは0〜3000の整数を示す)で表わされる平均分
子量500〜500000のスチレン系重合体中におけるベンゼ
ン環の少なくとも1部に、下記一般式(II) X(CF2)n1-・・・(II) (式中Xは水素原子,フッ素原子又は塩素原子を示し、
n1は1〜10の整数を示す)で表わされるフルオロア
ルキル基を導入してなるフルオロアルキル基含有芳香族
系重合体が提供される。
また本発明によれば、下記一般式(III) (式中Xは水素原子,フッ素原子又は塩素を示し、n1
は1〜10の整数を示す)で表わされるジ(ハロアシ
ル)ペルオキシドと、スチレン系重合体とを反応させ
て、該スチレン系重合体中におけるベンゼン環の少なく
とも一部に、前記一般式(II)で表わされるフルオロアル
キル基を導入することを特徴とするフルオロアルキル基
含有芳香族系重合体の製造方法が提供される。
は1〜10の整数を示す)で表わされるジ(ハロアシ
ル)ペルオキシドと、スチレン系重合体とを反応させ
て、該スチレン系重合体中におけるベンゼン環の少なく
とも一部に、前記一般式(II)で表わされるフルオロアル
キル基を導入することを特徴とするフルオロアルキル基
含有芳香族系重合体の製造方法が提供される。
以下本発明を更に詳細に説明する。
本発明のフルオロアルキル基含有芳香族系重合体は、ス
チレン系重合体中におけるベンゼン環中の少なくとも1
部にフルオロアルキル基を導入してなる重合体である。
チレン系重合体中におけるベンゼン環中の少なくとも1
部にフルオロアルキル基を導入してなる重合体である。
本発明のフルオロアルキル基含有芳香族系重合体におい
て、前記スチレン系重合体は、平均分子量500〜500000
の重合体であって、下記一般式(I)で表わすことがで
き、 (式中Yは水素原子,メチル基又はカルボヒドロキシメ
チル基を示し、Zは塩素原子、フッ素原子、フェニル
基、シアノ基、 又は−OR2を示す。但し、R1及びR2は水素原子、炭
素数1〜4のアルキル基を表わす。またnは10〜5000の
整数、mは0〜3000の整数を示す。前記一般式(I)で
表わされるスチレン系重合体を構成するモノマーとして
は、例えばスチレン、α−メチルスチレン、(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニト
リル等を好ましく挙げることができ、スチレン系重合体
としては、前記モノマーの単独重合体、共重合体又は市
販のスチレン系樹脂等を用いることができる。
て、前記スチレン系重合体は、平均分子量500〜500000
の重合体であって、下記一般式(I)で表わすことがで
き、 (式中Yは水素原子,メチル基又はカルボヒドロキシメ
チル基を示し、Zは塩素原子、フッ素原子、フェニル
基、シアノ基、 又は−OR2を示す。但し、R1及びR2は水素原子、炭
素数1〜4のアルキル基を表わす。またnは10〜5000の
整数、mは0〜3000の整数を示す。前記一般式(I)で
表わされるスチレン系重合体を構成するモノマーとして
は、例えばスチレン、α−メチルスチレン、(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニト
リル等を好ましく挙げることができ、スチレン系重合体
としては、前記モノマーの単独重合体、共重合体又は市
販のスチレン系樹脂等を用いることができる。
また本発明において、前記スチレン系重合体におけるベ
ンゼン環の少なくとも一部に導入するフルオロアルキル
基は、下記一般式(II)で表わすことができ、 X(CF2)n1-・・・(II) 式中Xは水素原子、フッ素原子又は塩素原子を示し、n
1は1〜10の整数を示す。この際n1が11以上の場合に
は、溶媒に対する溶解性が低下するので使用できない。
前記一般式(II)で表わされるフルオロアルキル基として
は、例えばCF3−,F(CF2)2−,F(CF2)3−,
F(CF2)4−,F(CF2)5−,F(CF2)6−,F
(CF2)7−,F(CF2)8−,F(CF2)9−,F(C
F2)10−,ClCF2−,Cl(CF2)2−,Cl(CF
2)3−,Cl(CF2)4−,Cl(CF2)5−, Cl(CF2)6−,Cl(CF2)7−, Cl(CF2)8−,Cl(CF2)9−, Cl(CF2)10−,HCF2−,H(CF2)2−,H(C
F2)3−,H(CF2)4−,H(CF2)5−,H(CF2)6
−,H(CF2)7−,H(CF2)8−,H(CF2)9−,
H(CF2)10−等を挙げることができる。また前記フル
オロアルキル基をスチレン系重合体におけるベンゼン環
の少なくとも一部に導入するとは、該ベンゼン環にフル
オロアルキル基が導入されておればよく、好ましくは、
該ベンゼン環へのフルオロアルキル化率が2〜99%の
範囲である。即ち本発明のフルオロアルキル基含有芳香
族系重合体は、 下記一般式(IV) (式中X及びn1は、前記一般式(II)で示されるフルオ
ロアルキル基のX及びn1と同様である。)で示される
単量体単位と、 下記式(V) で示される単量体単位と、 下記式一般式(VI) (式中Y及びZは、前記一般式(I)で示されるスチレ
ン系重合体のY及びZと同様である。)で示される単量
体単位とが、夫々ブロック状、グラフト状又はランダム
に配列される重合体若しくはこれらが交互に配列される
重合体である。
ンゼン環の少なくとも一部に導入するフルオロアルキル
基は、下記一般式(II)で表わすことができ、 X(CF2)n1-・・・(II) 式中Xは水素原子、フッ素原子又は塩素原子を示し、n
1は1〜10の整数を示す。この際n1が11以上の場合に
は、溶媒に対する溶解性が低下するので使用できない。
前記一般式(II)で表わされるフルオロアルキル基として
は、例えばCF3−,F(CF2)2−,F(CF2)3−,
F(CF2)4−,F(CF2)5−,F(CF2)6−,F
(CF2)7−,F(CF2)8−,F(CF2)9−,F(C
F2)10−,ClCF2−,Cl(CF2)2−,Cl(CF
2)3−,Cl(CF2)4−,Cl(CF2)5−, Cl(CF2)6−,Cl(CF2)7−, Cl(CF2)8−,Cl(CF2)9−, Cl(CF2)10−,HCF2−,H(CF2)2−,H(C
F2)3−,H(CF2)4−,H(CF2)5−,H(CF2)6
−,H(CF2)7−,H(CF2)8−,H(CF2)9−,
H(CF2)10−等を挙げることができる。また前記フル
オロアルキル基をスチレン系重合体におけるベンゼン環
の少なくとも一部に導入するとは、該ベンゼン環にフル
オロアルキル基が導入されておればよく、好ましくは、
該ベンゼン環へのフルオロアルキル化率が2〜99%の
範囲である。即ち本発明のフルオロアルキル基含有芳香
族系重合体は、 下記一般式(IV) (式中X及びn1は、前記一般式(II)で示されるフルオ
ロアルキル基のX及びn1と同様である。)で示される
単量体単位と、 下記式(V) で示される単量体単位と、 下記式一般式(VI) (式中Y及びZは、前記一般式(I)で示されるスチレ
ン系重合体のY及びZと同様である。)で示される単量
体単位とが、夫々ブロック状、グラフト状又はランダム
に配列される重合体若しくはこれらが交互に配列される
重合体である。
本発明のフルオロアルキル基含有芳香族系重合体を製造
するには、特定のジ(ハロアシル)ペルオキシドとスチ
レン系重合体とを反応させることにより得ることができ
る。
するには、特定のジ(ハロアシル)ペルオキシドとスチ
レン系重合体とを反応させることにより得ることができ
る。
本発明の製造方法において、前記特定のジ(ハロアシ
ル)ペルオキシドは、下記一般式(III)で表わすことが
できる。
ル)ペルオキシドは、下記一般式(III)で表わすことが
できる。
式中X及びn1は、前記一般式(II)で示されるフルオロ
アルキル基のX及びn1と同様であって、前記一般式(II
I)で表わされるジ(ハロアシル)ペルオキシドに適用可
能なフルオロアルキル基としては、例えば前記一般式(I
I)で示されるフルオロアルキル基として具体的に列挙し
たフルオロアルキル基を好ましく挙げることができる。
アルキル基のX及びn1と同様であって、前記一般式(II
I)で表わされるジ(ハロアシル)ペルオキシドに適用可
能なフルオロアルキル基としては、例えば前記一般式(I
I)で示されるフルオロアルキル基として具体的に列挙し
たフルオロアルキル基を好ましく挙げることができる。
また本発明の製造法に用いるスチレン系重合体として
は、前記一般式(I)で示されるスチレン系重合体を好
ましく挙げることができる。
は、前記一般式(I)で示されるスチレン系重合体を好
ましく挙げることができる。
本発明の製造方法において、前記ジ(ハロアシル)ペル
オキシドと、スチレン系重合体とを反応させるには、例
えば常圧にて反応温度0〜150℃、特に好ましくは、
10〜100℃、反応時間30分〜20時間、実用的に
は3〜10時間の範囲で行なうのが好ましい。この際前
記反応温度が0℃未満では、反応時間が長くなり、また
150℃を超えると、反応時の圧力が高くなって、反応
操作が困難となるので好ましくない。更に前記反応にお
いて、ジ(ハロアシル)ペルオキシドの取り扱い及び反
応をよりすみやかに行うために溶媒を用いることが好ま
しい。該溶媒しては、水素原子を含有しないハロゲン化
脂肪族溶媒が特に好ましく、具体的には例えば、2−ク
ロロ−1,2−ジブロモ−1,1,2−トリフルオロエ
タン、1,2−ジブロモヘキサフルオロプロパン、1,
2−ジブロモテトラフルオロエタン、1,1−ジフルオ
ロテトラクロロエタン、1,2−ジフルオロテトラクロ
ロエタン、フルオロトリクロロメタン、ヘプタフルオロ
−2,3,3−トリクロロブタン、1,1,1,3−テ
トラクロロテトラフルオロプロパン、1,1,1−トリ
クロロペンタフルオロプロパン、1,1,2−トリクロ
ロトリフルオロエタン等を用いることができ、特に工業
的には、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタンを
好ましく挙げることができる。前記溶媒を使用する場
合、通常溶媒中の前記ジ(ハロアシル)ペルオキシドの
濃度は、2〜30%程度であることが望ましい。本発明
の製造方法における反応では、フルオロアルキル基含有
芳香族系重合体の生成とともに、フルオロアルカンカル
ボン酸の生成が認められるが、反応終了後に、得られた
重合体を分別し、アルカリ水溶液等で充分に洗浄を行な
う等の処理をすることにより、目的の重合体を精製する
ことができる。
オキシドと、スチレン系重合体とを反応させるには、例
えば常圧にて反応温度0〜150℃、特に好ましくは、
10〜100℃、反応時間30分〜20時間、実用的に
は3〜10時間の範囲で行なうのが好ましい。この際前
記反応温度が0℃未満では、反応時間が長くなり、また
150℃を超えると、反応時の圧力が高くなって、反応
操作が困難となるので好ましくない。更に前記反応にお
いて、ジ(ハロアシル)ペルオキシドの取り扱い及び反
応をよりすみやかに行うために溶媒を用いることが好ま
しい。該溶媒しては、水素原子を含有しないハロゲン化
脂肪族溶媒が特に好ましく、具体的には例えば、2−ク
ロロ−1,2−ジブロモ−1,1,2−トリフルオロエ
タン、1,2−ジブロモヘキサフルオロプロパン、1,
2−ジブロモテトラフルオロエタン、1,1−ジフルオ
ロテトラクロロエタン、1,2−ジフルオロテトラクロ
ロエタン、フルオロトリクロロメタン、ヘプタフルオロ
−2,3,3−トリクロロブタン、1,1,1,3−テ
トラクロロテトラフルオロプロパン、1,1,1−トリ
クロロペンタフルオロプロパン、1,1,2−トリクロ
ロトリフルオロエタン等を用いることができ、特に工業
的には、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタンを
好ましく挙げることができる。前記溶媒を使用する場
合、通常溶媒中の前記ジ(ハロアシル)ペルオキシドの
濃度は、2〜30%程度であることが望ましい。本発明
の製造方法における反応では、フルオロアルキル基含有
芳香族系重合体の生成とともに、フルオロアルカンカル
ボン酸の生成が認められるが、反応終了後に、得られた
重合体を分別し、アルカリ水溶液等で充分に洗浄を行な
う等の処理をすることにより、目的の重合体を精製する
ことができる。
<発明の効果> 本発明のフルオロアルキル基含有芳香族系重合体は、重
合体中のベンゼン環上にフルオロアルキル基が化学結合
により直接置換されているため、フルオロアルキル基に
起因する撥水撥油効果を極めて永続的に持続されること
ができる。従ってポリマーの改質剤として有用であり、
さらにはレジスト材としても有用である。また本発明の
製造方法によりフルオロアルキル基含有芳香族系重合体
を、短時間で容易に、しかも反応触媒及び特殊な装置を
使用せずに製造することができる。
合体中のベンゼン環上にフルオロアルキル基が化学結合
により直接置換されているため、フルオロアルキル基に
起因する撥水撥油効果を極めて永続的に持続されること
ができる。従ってポリマーの改質剤として有用であり、
さらにはレジスト材としても有用である。また本発明の
製造方法によりフルオロアルキル基含有芳香族系重合体
を、短時間で容易に、しかも反応触媒及び特殊な装置を
使用せずに製造することができる。
<実施例> 以下本発明を実施例及び比較例に基づいて具体的に説明
する。
する。
実施例1 ビス(ヘプタフルオロブチリル)ペルオキシド0.43
g(1mmol)を含む1,1,2−トリクロロトリフルオ
ロエタン溶液10g中に、ポリスチレン(三洋化成株式
会社製、商品名「ハイマーSB−125」,Mw=60
000,Mw/MN=1.62)0.12gを加え、窒
素気流下、40℃、5時間攪拌下において反応させた。反
応後、得られた重合体をクロロホルムに加え、水洗、5
%水酸化ナトリウム水溶液洗浄をそれぞれ2回繰り返
し、硫酸マグネシウムで乾燥を行なった。乾燥後、クロ
ロホルムを除去し、真空乾燥により乾燥して白色重合体
0.14gを得た。得られた重合体についてIRスペク
トル、19F−NMRスペクトル、さらには内部標準とし
てトリフルオロメチルベンゼンを用い、ヘプタフルオロ
プロピル化率を測定した。その結果を下記に示す。
g(1mmol)を含む1,1,2−トリクロロトリフルオ
ロエタン溶液10g中に、ポリスチレン(三洋化成株式
会社製、商品名「ハイマーSB−125」,Mw=60
000,Mw/MN=1.62)0.12gを加え、窒
素気流下、40℃、5時間攪拌下において反応させた。反
応後、得られた重合体をクロロホルムに加え、水洗、5
%水酸化ナトリウム水溶液洗浄をそれぞれ2回繰り返
し、硫酸マグネシウムで乾燥を行なった。乾燥後、クロ
ロホルムを除去し、真空乾燥により乾燥して白色重合体
0.14gを得た。得られた重合体についてIRスペク
トル、19F−NMRスペクトル、さらには内部標準とし
てトリフルオロメチルベンゼンを用い、ヘプタフルオロ
プロピル化率を測定した。その結果を下記に示す。
IR(cm-1):1350(CF3),1220(CF2).
19F−NMR(CDCl3,外部標準CF3CO2H)δ
−4.4(CF3),−36.1(−CF ),−5
0.8(−CF2). ペンタフルオロプロピル化率 ヘプタフルオロプロピル化率の結果から明らかなよう
に、本発明におけるフルオロアルキル基含有芳香族系重
合体は、フルオロアルキル基が効率良く置換されている
ことがわかった。
19F−NMR(CDCl3,外部標準CF3CO2H)δ
−4.4(CF3),−36.1(−CF ),−5
0.8(−CF2). ペンタフルオロプロピル化率 ヘプタフルオロプロピル化率の結果から明らかなよう
に、本発明におけるフルオロアルキル基含有芳香族系重
合体は、フルオロアルキル基が効率良く置換されている
ことがわかった。
実施例2 ビス(ヘプタフルオロブチリル)ペルオキシドをビス
(ペンタデカフルオロオクタノニル)ペルオキシドに代
えた以外は、実施例1と同様に反応を行ない、白色重合
体0.16gを得た。得られた重合体を実施例1と同様
に測定したところ、ペンタデカフルオロヘプチル基がベ
ンゼン環に置換された割合(ペンタデカフルオロヘプチ
ル化率)は70%であった。その結果を以下に示す。
(ペンタデカフルオロオクタノニル)ペルオキシドに代
えた以外は、実施例1と同様に反応を行ない、白色重合
体0.16gを得た。得られた重合体を実施例1と同様
に測定したところ、ペンタデカフルオロヘプチル基がベ
ンゼン環に置換された割合(ペンタデカフルオロヘプチ
ル化率)は70%であった。その結果を以下に示す。
IR(cm-1):1360(CF3),1240(CF2).
19F−NMR(CDCl3,外部標準CF3CO2H)δ
−4.9(CF3),−32.1(−CF2),−39.
3(−CF2),−40.6(−CF2CF2),−4
1.5(CF2),−50.1(−CF2). ペンタデカフルオロペプチル化率 実施例3 ポリスチレンを、三洋化成株式会社製,商品名「ハイマ
ーST−120」,(Mw=10000,Mw/MN=
1.40)に代えた以外は、実施例1と同様に反応を行
ない、白色重合体0.13gを得た。得られた重合体を
実施例1と同様に測定したところ、ペンタフルオロプロ
ピル基が重合体中のベンゼン環に置換したことが確認さ
れた。その結果を下記に示す。
19F−NMR(CDCl3,外部標準CF3CO2H)δ
−4.9(CF3),−32.1(−CF2),−39.
3(−CF2),−40.6(−CF2CF2),−4
1.5(CF2),−50.1(−CF2). ペンタデカフルオロペプチル化率 実施例3 ポリスチレンを、三洋化成株式会社製,商品名「ハイマ
ーST−120」,(Mw=10000,Mw/MN=
1.40)に代えた以外は、実施例1と同様に反応を行
ない、白色重合体0.13gを得た。得られた重合体を
実施例1と同様に測定したところ、ペンタフルオロプロ
ピル基が重合体中のベンゼン環に置換したことが確認さ
れた。その結果を下記に示す。
IR(cm-1):1350(CF3),1220(CF2).
19F−NMR(CDCl3,外部標準CF3CO2H)δ
−4.4(CF3),−36.3(−CF2),−50.
9(−CF2). ペンタフルオロプロピル化率 50% 実施例4 ベンゾイルペルオキシドを重合開始剤として、スチレン
とアクリル酸メチルとを共重合させ、スチレンとアクリ
ル酸メチルとの組成比が70:30の重合体を合成した(M
N=70000,Mw/MN=2.30)。得られた重合体
0.12gをポリスチレンの代わりに用いた以外は実施
例1と同様に反応を行ない、白色重合体0.15gを得
た。得られた白色重合体を実施例1と同様に測定したと
ころ、ペンタフルオロプロピル基が重合体中のベンゼン
環に置換していることが確認された。その結果を以下に
示す。
19F−NMR(CDCl3,外部標準CF3CO2H)δ
−4.4(CF3),−36.3(−CF2),−50.
9(−CF2). ペンタフルオロプロピル化率 50% 実施例4 ベンゾイルペルオキシドを重合開始剤として、スチレン
とアクリル酸メチルとを共重合させ、スチレンとアクリ
ル酸メチルとの組成比が70:30の重合体を合成した(M
N=70000,Mw/MN=2.30)。得られた重合体
0.12gをポリスチレンの代わりに用いた以外は実施
例1と同様に反応を行ない、白色重合体0.15gを得
た。得られた白色重合体を実施例1と同様に測定したと
ころ、ペンタフルオロプロピル基が重合体中のベンゼン
環に置換していることが確認された。その結果を以下に
示す。
IR(cm-1):1350(CF3),1240(CF2).
19F−NMR(CDCl3,外部標準CF3CO2H)δ
−4.2(CF3),−35.9(−CF2),−50.
6(−CF2). ペンタフルオロプロピル化率 55% 実施例5 ベンゾイルペルオキシドを重合開始剤として、スチレン
とメチルメタクリレートとを共重合させ、スチレンとメ
チルメタクリレートとの組成比が55:45の重合体を
合成した(MN=95000,Mw/MN=2.60)。得
られた重合体0.11gをポリスチレンの代わりに用い
た以外は実施例1と同様に反応を行ない、白色重合体
0.10gを得た。得られた白色重合体を実施例1と同
様に測定したところ、ペンタフルオロプロピル基が重合
体中のベンゼン環に置換していることが確認された。そ
の結果を以下に示す。
19F−NMR(CDCl3,外部標準CF3CO2H)δ
−4.2(CF3),−35.9(−CF2),−50.
6(−CF2). ペンタフルオロプロピル化率 55% 実施例5 ベンゾイルペルオキシドを重合開始剤として、スチレン
とメチルメタクリレートとを共重合させ、スチレンとメ
チルメタクリレートとの組成比が55:45の重合体を
合成した(MN=95000,Mw/MN=2.60)。得
られた重合体0.11gをポリスチレンの代わりに用い
た以外は実施例1と同様に反応を行ない、白色重合体
0.10gを得た。得られた白色重合体を実施例1と同
様に測定したところ、ペンタフルオロプロピル基が重合
体中のベンゼン環に置換していることが確認された。そ
の結果を以下に示す。
IR(cm-1):1355(CF3),1225(CF2).
19F−NMR(CDCl3,外部標準CF3CO2H)δ
−4.4(CF3),−36.3(−CF2−),−5
0.8(−CF2). ペンタフルオロプロピル化率 40% 実施例6 ポリスチレンをピコ(Picco)社製,商品名「ピコラティ
スティックA5」(Mw=650,Mw/MN=1.2
9)に代えた以外は、実施例1と同様に反応を行ない白
色重合体0.11gを得た。得られた重合体を実施例1
と同様に測定したところ、ペンタフルオロプロピル基が
重合体中のベンゼン環に置換していることが確認され
た。その結果を以下に示す。
19F−NMR(CDCl3,外部標準CF3CO2H)δ
−4.4(CF3),−36.3(−CF2−),−5
0.8(−CF2). ペンタフルオロプロピル化率 40% 実施例6 ポリスチレンをピコ(Picco)社製,商品名「ピコラティ
スティックA5」(Mw=650,Mw/MN=1.2
9)に代えた以外は、実施例1と同様に反応を行ない白
色重合体0.11gを得た。得られた重合体を実施例1
と同様に測定したところ、ペンタフルオロプロピル基が
重合体中のベンゼン環に置換していることが確認され
た。その結果を以下に示す。
IR(cm-1):1350(CF3),1220(CF2).
19F−NMR(CDCl3,外部標準CF3CO2H)δ
−4.3(CF3),−35.8(−CF2),−50.
8(CF2). ペンタフルオロプロピル化率 53%
19F−NMR(CDCl3,外部標準CF3CO2H)δ
−4.3(CF3),−35.8(−CF2),−50.
8(CF2). ペンタフルオロプロピル化率 53%
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 216/16 MKY 6904−4J 220/12 MLZ 7242−4J
Claims (2)
- 【請求項1】下記一般式(I) (式中、Yは水素原子,メチル基又はカルボヒドロキシ
メチル基を示し、Zは塩素原子,フッ素原子,フェニル
基,シアノ基, 又は−OR2を示す。但しR1及びR2は水素原子又は炭
素数1〜4のアルキル基を表わす。またnは10〜5000の
整数、mは0〜3000の整数を示す)で表わされる平均分
子量500〜500000のスチレン系重合体中におけるベンゼ
ン環の少なくとも1部に、下記一般式(II) X(CF2)n1-・・・(II) (式中Xは水素原子,フッ素原子又は塩素原子を示し、
n1は1〜10の整数を示す)で表わされるフルオロア
ルキル基を導入してなるフルオロアルキル基含有芳香族
系重合体。 - 【請求項2】下記一般式(III) (式中Xは水素原子,フッ素原子又は塩素原子を示し、
n1は1〜10の整数を示す)で表わされるジ(ハロア
シル)ペルオキシドと、スチレン系重合体とを反応させ
て、該スチレン系重合体中におけるベンゼン環の少くと
も一部に、下記一般式(II) X(CF2)n1-・・・(II) (式中Xは水素原子,フッ素原子又は塩素原子を示し、
n1は1〜10の整数を示す)で表わされるフルオロア
ルキル基を導入することを特徴とするフルオロアルキル
基含有芳香族系重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29967388A JPH0645653B2 (ja) | 1988-11-29 | 1988-11-29 | フルオロアルキル基含有芳香族系重合体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29967388A JPH0645653B2 (ja) | 1988-11-29 | 1988-11-29 | フルオロアルキル基含有芳香族系重合体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02147606A JPH02147606A (ja) | 1990-06-06 |
JPH0645653B2 true JPH0645653B2 (ja) | 1994-06-15 |
Family
ID=17875589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29967388A Expired - Lifetime JPH0645653B2 (ja) | 1988-11-29 | 1988-11-29 | フルオロアルキル基含有芳香族系重合体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0645653B2 (ja) |
-
1988
- 1988-11-29 JP JP29967388A patent/JPH0645653B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02147606A (ja) | 1990-06-06 |
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