JPH0644872B2 - 発酵法によるl−スレオニンの製造方法 - Google Patents
発酵法によるl−スレオニンの製造方法Info
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- JPH0644872B2 JPH0644872B2 JP500187A JP500187A JPH0644872B2 JP H0644872 B2 JPH0644872 B2 JP H0644872B2 JP 500187 A JP500187 A JP 500187A JP 500187 A JP500187 A JP 500187A JP H0644872 B2 JPH0644872 B2 JP H0644872B2
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- Japan
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- threonine
- producing
- microorganism
- auxotrophy
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、発酵法によるL−スレオニンの製造方法に関
する。L−スレオニンは輸液などの医薬あるいは医薬原
料として使用される必須アミノ酸の一つである。
する。L−スレオニンは輸液などの医薬あるいは医薬原
料として使用される必須アミノ酸の一つである。
従来の技術及び発明が解決しようとしている問題点 従来L−スレオニンの糖からの直接発酵法に使用される
菌株は、ブレビバクテリウム属(特公昭45-26708他)、
コリネバクテリウム属(特公昭47-34956他)、エシエリヒ
ア属(特公昭45−26709他)、セラチア属(特開昭52-74
88他)、プロテウス属(特開昭60-180597他)、プロビ
デンシア属(特開昭61-216698他)などが知られてい
る。
菌株は、ブレビバクテリウム属(特公昭45-26708他)、
コリネバクテリウム属(特公昭47-34956他)、エシエリヒ
ア属(特公昭45−26709他)、セラチア属(特開昭52-74
88他)、プロテウス属(特開昭60-180597他)、プロビ
デンシア属(特開昭61-216698他)などが知られてい
る。
またバチルス(Bacillus)属に属する微生物を使用して
L−スレオニンを得る方法は、L−スレオニン生合成の
前駆物質であるL−ホモセリンを培地中に添加してこれ
よりL−スレオニンを蓄積変換させる方法(日本農芸化
学会誌39巻(′65年)p216〜221)は知られているもの
の、バチルス属に属する微生物を用いて、糖類培地中で
直接発酵によりL−スレオニンを得ることは全く知られ
ていなかった。
L−スレオニンを得る方法は、L−スレオニン生合成の
前駆物質であるL−ホモセリンを培地中に添加してこれ
よりL−スレオニンを蓄積変換させる方法(日本農芸化
学会誌39巻(′65年)p216〜221)は知られているもの
の、バチルス属に属する微生物を用いて、糖類培地中で
直接発酵によりL−スレオニンを得ることは全く知られ
ていなかった。
これらの従来方法によるL−スレオニンの生成蓄積濃度
は満足すべきものではなく、また発酵技術としても困難
な点が多かった。また発酵技術の比較的容易なバチルス
属の微生物を用いる場合では、先に述べた通り高価な前
駆物質を原料とせねばならず安価な糖類により直接発酵
による方法が望まれていた。
は満足すべきものではなく、また発酵技術としても困難
な点が多かった。また発酵技術の比較的容易なバチルス
属の微生物を用いる場合では、先に述べた通り高価な前
駆物質を原料とせねばならず安価な糖類により直接発酵
による方法が望まれていた。
問題点を解決するための手段および作用 本発明者らは鋭意検討の結果、バチルス属に属し、L−
アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−バリ
ン、L−リジン、L−メチオニンのうち少なくともいず
れか一つのアミン酸を栄養要求性として有する菌株を用
いてL−スレオニンを糖からの直接発酵により蓄積する
菌株を見い出し本発明に達した。
アラニン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−バリ
ン、L−リジン、L−メチオニンのうち少なくともいず
れか一つのアミン酸を栄養要求性として有する菌株を用
いてL−スレオニンを糖からの直接発酵により蓄積する
菌株を見い出し本発明に達した。
本発明において使用する微生物は具体的には例えば以下
のものがあげられる。
のものがあげられる。
バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis) OMT−3011(微工研菌寄第9105 FERM P-9105) (L−アラニン、L−ロイシン要求性) バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis) OMT−3012(FERM P−9115) (L−イソロイシン、L−メチオニン要求性) バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis) OMT−3013(FERM P−9116) (L−アラニン、L−リジン、L−メチオニン要求性) バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis) OMT−3014(FERM P−9117) (L−ロイシン、L−イソロイシン、L−バリン、L−
メチオニン要求性) これらの変異株の変異誘導方法は、紫外線照射またはN
−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジンにて
処理する通常の方法が適応される。
メチオニン要求性) これらの変異株の変異誘導方法は、紫外線照射またはN
−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジンにて
処理する通常の方法が適応される。
変異株の選別は、栄養培地(例えばNutrient agar plat
e)生育後、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロ
イシン、L−バリン、L−リジン、L−メチオニンの全
種を添加した最小培地(例えばSpizizen agar plate)
及び上記アミノ酸のうち一種類ずつを除いた5種のアミ
ノ酸を添加した最小培地にレプリカを行い、目的のアミ
ノ酸を含まない最小培地では生育できず、六種のアミノ
酸全種を添加した最小培地には生育したコロニーより採
取することにより行うことができる。
e)生育後、L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロ
イシン、L−バリン、L−リジン、L−メチオニンの全
種を添加した最小培地(例えばSpizizen agar plate)
及び上記アミノ酸のうち一種類ずつを除いた5種のアミ
ノ酸を添加した最小培地にレプリカを行い、目的のアミ
ノ酸を含まない最小培地では生育できず、六種のアミノ
酸全種を添加した最小培地には生育したコロニーより採
取することにより行うことができる。
また2つ以上のアミノ酸要求性の付与は、1回の変異操
作によって得られた場合もあるが、これらの菌株の中に
は数回の繰り返しによって得られた菌株もある。
作によって得られた場合もあるが、これらの菌株の中に
は数回の繰り返しによって得られた菌株もある。
親株としては例えばバチルス スブチリス ATCC-605
1、バチルス ズブチリス ATCC-23857などが使用でき
る。
1、バチルス ズブチリス ATCC-23857などが使用でき
る。
また本発明においては、前記以外のアミノ酸、ビタミ
ン、核酸などの栄養要求性を付与した変異株を親株とし
て用いるとさらに好結果が得られる場合が多い。さらに
は抗生物質などの薬剤耐性、α−アミノ−β−ヒドロキ
シ吉草酸などのアナログ耐性をもつ菌株も使用できる。
ン、核酸などの栄養要求性を付与した変異株を親株とし
て用いるとさらに好結果が得られる場合が多い。さらに
は抗生物質などの薬剤耐性、α−アミノ−β−ヒドロキ
シ吉草酸などのアナログ耐性をもつ菌株も使用できる。
本発明の変異株の各アミノ酸に対する生育度は第2表に
示すとおりであり、その実験は以下のようにして行なつ
た。
示すとおりであり、その実験は以下のようにして行なつ
た。
各菌株を栄養寒天培地(Nutrient agar)で培養後第1
表に示す最小培地で洗浄し、その懸濁液を第2表に記載
した量の各アミノ酸を添加した、第1表の最小培地の液
体培地10mlにそれぞれ接種し、30℃にて20時間培養し生
育度を調べた。
表に示す最小培地で洗浄し、その懸濁液を第2表に記載
した量の各アミノ酸を添加した、第1表の最小培地の液
体培地10mlにそれぞれ接種し、30℃にて20時間培養し生
育度を調べた。
尚、第2表での各段における生育度は、公知のバチルス
ズブチリス ATCC-6051菌株にアミノ酸無添加の最小
培地で培養した時の生育度を100とした相対値である。
ズブチリス ATCC-6051菌株にアミノ酸無添加の最小
培地で培養した時の生育度を100とした相対値である。
本発明において、培養法については特に制限はなく、こ
れらの微生物を培養する培地は炭素源、窒素源、無機イ
オン及び更に必要に応じその他の有機微量栄養素を含有
する通常の培地である。
れらの微生物を培養する培地は炭素源、窒素源、無機イ
オン及び更に必要に応じその他の有機微量栄養素を含有
する通常の培地である。
炭素源としてはグルコース、シユクロース及びこれらを
含有する炭水化物、酢酸などの有機酸、エタノールなど
のアルコール類が使用できる。窒素源としてはアンモニ
ア水、アンモニアガス、アンモニウム塩類などが使用で
きる。無機イオンとしてはカリイオン、リン酸イオン、
マグネシウムイオンなどが必要に応じて添加される。さ
らに生育に必要な有機微量栄養素が必要に応じて添加さ
れる。培養は好気的な条件が好ましく、PHは6ないし
8に、温度は25〜45℃で良好な結果が得られる。
含有する炭水化物、酢酸などの有機酸、エタノールなど
のアルコール類が使用できる。窒素源としてはアンモニ
ア水、アンモニアガス、アンモニウム塩類などが使用で
きる。無機イオンとしてはカリイオン、リン酸イオン、
マグネシウムイオンなどが必要に応じて添加される。さ
らに生育に必要な有機微量栄養素が必要に応じて添加さ
れる。培養は好気的な条件が好ましく、PHは6ないし
8に、温度は25〜45℃で良好な結果が得られる。
以下に実施例を示す。
なおL−スレオニンの蓄積量については、ストレプトコ
ッカス・ファシウム(Streptococcus faecium,ATCC 8
043)を用いた微生物定量法〔ジャーナル・オブ・バイ
オロジカル・ケミストリィ Vol 160,35頁、(1945)〕に
より調べた。即ち、グルコース、無機塩類、ビタミン、
核酸塩基、スレオニン以外の各種アミノ酸を含む基本培
地に等量の試料を加え殺菌した後、これに上記菌株を接
種し、35℃、72時間静置培養の後、N/20NaOHにてブロ
ムチモールブルーとニュトラルレッドの混合指示薬を用
いて滴定し、生成酸量を測定した。以上の方法で標準曲
線を作製し、試料中のスレオニンを分析した。
ッカス・ファシウム(Streptococcus faecium,ATCC 8
043)を用いた微生物定量法〔ジャーナル・オブ・バイ
オロジカル・ケミストリィ Vol 160,35頁、(1945)〕に
より調べた。即ち、グルコース、無機塩類、ビタミン、
核酸塩基、スレオニン以外の各種アミノ酸を含む基本培
地に等量の試料を加え殺菌した後、これに上記菌株を接
種し、35℃、72時間静置培養の後、N/20NaOHにてブロ
ムチモールブルーとニュトラルレッドの混合指示薬を用
いて滴定し、生成酸量を測定した。以上の方法で標準曲
線を作製し、試料中のスレオニンを分析した。
実施例 第3表に示した組成の培地に第4表に示す各菌株に対し
てアミノ酸を添加した培地を100mlずつ500ml容坂口フラ
スコに分注し、オートクレーブ殺菌後(120℃、20分)栄
養培地プレートより各菌株を1白菌耳ずつ接種し、30℃
にて72時間しんとう培養した。培地中には第5表に示す
量のL−スレオニンが蓄積していた。
てアミノ酸を添加した培地を100mlずつ500ml容坂口フラ
スコに分注し、オートクレーブ殺菌後(120℃、20分)栄
養培地プレートより各菌株を1白菌耳ずつ接種し、30℃
にて72時間しんとう培養した。培地中には第5表に示す
量のL−スレオニンが蓄積していた。
培養終了後、バチルス ズブチリス OMT−3012の培
養液2を遠心分離して菌体残渣を除去し、上澄液を強
酸性イオン交換樹脂レバチツトS−100のカラムに流し1
0%アンモニア水で溶離した。
養液2を遠心分離して菌体残渣を除去し、上澄液を強
酸性イオン交換樹脂レバチツトS−100のカラムに流し1
0%アンモニア水で溶離した。
溶離液を活性炭処理して減圧濃縮し、中和後エタノール
を加えて冷却晶出後ヌツチエを用いて真空ろ別し、得ら
れた湿体を乾燥して2.8gのL−スレオニン結晶を得
た。
を加えて冷却晶出後ヌツチエを用いて真空ろ別し、得ら
れた湿体を乾燥して2.8gのL−スレオニン結晶を得
た。
Claims (5)
- 【請求項1】L−アラニン、L−ロイシン、L−イソロ
イシン、L−バリン、L−リジン及びL−メチオニンの
少なくともいずれか一つのアミノ酸を栄養要求性として
有する、L−スレオニンの生産能を有するバチルス属に
属する微生物を、該菌株が資化し得る炭素源、窒素源、
無機物及びその他の栄養源を含有する培地に培養して、
培地中にL−スレオニンを生成蓄積させ、培養物からL
−スレオニンを単離採取するL−スレオニンの製造方
法。 - 【請求項2】微生物が、L−アラニン、L−ロイシンを
同時に栄養要求性として有する微生物である、特許請求
の範囲第(1)項に記載のL−スレオニンの製造方法。 - 【請求項3】微生物が、L−イソロイシン、L−メチオ
ニンを同時に栄養要求性として有する微生物である、特
許請求の範囲第(1)項に記載のL−スレオニンの製造方
法。 - 【請求項4】微生物が、L−アラニン、L−リジン、L
−メチオニンを同時に栄養要求性として有する微生物で
ある、特許請求の範囲第(1)項に記載のL−スレオニン
の製造方法。 - 【請求項5】微生物が、L−ロイシン、L−イソロイシ
ン、L−バリン、L−メチオニンを同時に栄養要求性と
して有する微生物である、特許請求の範囲第(1)項に記
載のL−スレオニンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP500187A JPH0644872B2 (ja) | 1987-01-14 | 1987-01-14 | 発酵法によるl−スレオニンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP500187A JPH0644872B2 (ja) | 1987-01-14 | 1987-01-14 | 発酵法によるl−スレオニンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63173592A JPS63173592A (ja) | 1988-07-18 |
JPH0644872B2 true JPH0644872B2 (ja) | 1994-06-15 |
Family
ID=11599338
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP500187A Expired - Lifetime JPH0644872B2 (ja) | 1987-01-14 | 1987-01-14 | 発酵法によるl−スレオニンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0644872B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
MXPA02001174A (es) | 1999-08-02 | 2002-07-30 | Archer Daniels Midland Co | Ingenieria metabolica de la produccion de aminoacidos. |
-
1987
- 1987-01-14 JP JP500187A patent/JPH0644872B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63173592A (ja) | 1988-07-18 |
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