JPH0644331Y2 - 水田作業機におけるサイドフロート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は代掻した圃場に苗を植付けたり、播種したり、
施肥したりする乗用型又は歩行型の水田作業機における
サイドフロートに関する。

（ロ）従来技術 従来、水田作業機におけるサイドフロートは作業機に略
水平に取付け、その外側後部寄りで植付、施肥又は播種
を行なうべく前部を外側方へ突出させて田面を均平して
いた。

（ハ）考案が解決せんとする問題点 前記既知の水田作業機におけるサイドフロートは枢支
軸、ブラケット、リンク等の間にガタを有しており、か
つ支持点は取付部材となる伝動ケースに支配されてサイ
ドフロートの内側寄りとなっているのに対し、土圧の作
用点はその幅の略中央であるので、外側が内側より大き
く浮き上がって外向きに傾斜し、それにより第４図
（ｄ）に示す如くサイドフロートが多量の泥土を外側方
へ押し出し、内側に深い溝を形成することとなり、前行
程で植付けた苗を倒伏乃至埋没させたり、施肥した肥料
又は播種した種子を移動させたりする等の問題点があっ
た。

（ニ）問題点を解決するための手段 本考案は作業機の下部に少なくとも左右一対のサイドフ
ロートを装着した水田作業機において、前記サイドフロ
ートを前後方向からみて内側より外側が低くなるように
取付けて該サイドフロートが泥土面に接地した状態で略
水平乃至内側へやゝ傾斜するように構成することにより
サイドフロートが多量の泥土を外側方へ押出さないよう
にして前述の問題点を解決した。

（ホ）作用 前後方向からみて取付状態で内向きに傾斜していたサイ
ドフロートを泥土面に接地させると、その下面の全幅に
亘って土圧を受ける。

その際、サイドフロートの前部は外側方へ突出してお
り、支持点は内側寄りであるので、サイドフロートはそ
の全幅に亘って土圧を受けると、外側が内側より大きく
浮き上がり、その結果、サイドフロートの底面は略水平
乃至外側がやゝ低い状態で安定し、滑走中泥土を外側方
へ多量に押出すことがない。

（ヘ）実施例 本考案の一実施例を図面に示す田植機の植付装置につい
て説明すると、植付装置１は従来のものと同様にアッパ
ーリンクと左右一対のロワリンクトにより昇降可能に装
着されていて、走行車の後部から突出したPTO軸の動力
は中央のドライブケース２に入力され、それが横軸によ
り左右のプランターケース3,3に分配され、前記ドライ
ブケース２の立上部は支持部材５等により横方向に摺動
可能に支持された苗載台６を左右に往復駆動し、前記ド
ライブケース２の下部から前方へ延出させた部分の両側
及び左右のプランターケース3,3の外側には夫々植付体
を装着してある。

また、ドライブケース２の下部に取付けたセンターフロ
ート７は前部が両側方へ突出していて後部のブラケット
８を支点ピン９で上下傾動自在に枢支し、前部のブラケ
ット10をリンクを介して昇降可能に連結してあり、プラ
ンターケース3,3の下部に取付けたサイドフロート11,11
は内側を前部から後部まで略一直線状となし、前部は外
側方へのみ突出させてあり、後部のブラケット12をプラ
ンターケース３の側面に支持したサポート13に支点ピン
15で連結し、前部のブラケット16は後部のブラケット12
より前後方向からみて僅かに外側寄りであるがその部位
の幅全体からみると第２図（ａ），（ｂ）に示す如く内
側寄りにあり、く字状のリンク17および連結ピン18によ
り昇降可能に連結してある。

前述の田植機において、植付装置１の各部を駆動しなが
ら機体を走行させると、各植付体は横方向に往復動する
苗載台６上のマット苗を１株分ずつ掻取ってセンターフ
ロート７及びサイドフロート11,11の前部から側方へ膨
出した部分により均平された部分ａ・・の泥土に植付け
る。

そして、前記サイドフロート11,11は泥土面に接地して
土圧を受けると、その前部はブラケット16、連結ピン1
8、リンク17等のガタ及びリンク17の撓み等により外側
が内側よりやゝ大きく浮上するが、最初に外側が低くな
るように設定してあるので、略水平になるか乃至は第２
図（ｂ）に示す如くやゝ下がるので、サイドフロート11
の前部が押し込む泥土は左右に押出されるが第２図
（ｂ）に示す状態では下面に沿って内側へ移行すること
となって外側がやゝ少なくなり、前行程で植付けた苗ｂ
・・を押倒したり、埋没したりすることがない。

第５〜８図は乗用水田作業機用の橇体を示すものであ
る。

通常、歩行型水田作業機では機体の重量を車輪とフロー
トとで分担して支持するので、コスト高ではあるがフロ
ートを合成樹脂によりブロー成型して浮力を有するよう
に構成し、実公昭45-8669号公報又は実公昭44-25296号
公報に示す橇体は使用されていない。

しかし、乗用型は作業機を走行車によりトップリンク及
びロワリンク並びに油圧シリンダを介して支持するの
で、格別浮力を必要とせず、均平作用を有する橇体20で
も良い。

この橇体20は、前部の幅広部20aと、後部の幅狭部20b
と、幅広部20aの前部から両側縁に亘る部位の立上部21
と、幅広部20aの後部寄りに設ける幅狭部20bよりやゝ広
い矩形状の大きな開口部22と、該開口部22の後縁に沿っ
ていて前方からみて低い門型をなすように斜め前方上方
へ立上がった誘導片23と、上記開口部22の両側の取付部
25,25と、幅狭部20bの中央の取付部26と１枚の板から一
度に成型し、前記取付部25,25,26にブラケット27・・を
取付けることにより構成されている。従って安価に得る
ことができる。

作業中橇体20の幅広部20aの下面に押し込まれた空気や
泥水は、第７図に示す如く大部分幅の広い開口部22から
一旦排出され、泥水のみが誘導片23に案内されて幅狭部
20bの下面に向けて導入排出されることとなり、苗等を
挿入する部分ａを泥水の少ない均平面にすることができ
る。

（ト）考案の効果 本考案は前述のように作業機の下部に少なくとも左右一
対のサイドフロート11,11を装着した水田作業機におい
て、前記サイドフロート11,11を前後方向からみて内側
より外側が低くなるように取付けて該サイドフロート1
1,11が泥土面に接地した状態で略水平乃至内側へやゝ傾
斜するように構成したので、サイドフロート11,11から
外側方へ多量の泥土が押し出されることがなく、その側
方の前行程で植付けた苗を押し倒したり埋没したり、播
種した種子、施肥した肥料等を押し流したりするのを防
止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
植付装置の背面図、第２図（ａ）は要部の平面図、
（ｂ）は同上作用を示す正面図、（ｃ）は均平後を示す
断面図、第３図は同上側面図、第４図（ａ）は従来例の
平面図、（ｂ）は同上正面図、（ｃ）は同上作用図、
（ｄ）は均平後を示す断面図、第５図は乗用水田作業機
のみに使用する橇体の平面図、第６図（ａ）は第５図の
Ａ−Ａ断面図、（ｂ）は同上側面図、第７図は同上作用
を示す断面図、第８図は乗用施肥田植機の側面図であ
る。 １……植付装置、３……プランターケース、７……セン
ターフロート、11……サイドフロート、12,16……ブラ
ケット、17……リンク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】作業機の下部に少なくとも左右一対のサイ
   ドフロート11,11を装着した水田作業機において、前記
   サイドフロート11,11を前後方向からみて内側より外側
   が低くなるように取付けて該サイドフロート11,11が泥
   土面に接地した状態で略水平乃至内側へやゝ傾斜するよ
   うに構成したことを特徴とする水田作業機におけるサイ
   ドフロート。