JPH0643653A - ポジ型レジスト材料 - Google Patents

ポジ型レジスト材料

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JPH0643653A
JPH0643653A JP4218703A JP21870392A JPH0643653A JP H0643653 A JPH0643653 A JP H0643653A JP 4218703 A JP4218703 A JP 4218703A JP 21870392 A JP21870392 A JP 21870392A JP H0643653 A JPH0643653 A JP H0643653A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度、高解像性、プロセス適用性に優れた
高エネルギー線露光用ポジ型レジスト材料を提供する。 【構成】 ポリヒドロキシスチレンの水酸基の一部がt
−ブトキシカルボニルオキシ基で置換された樹脂
(A)、溶解阻害剤(B)、及び酸発生剤(C)の3成
分を含む、アルカリ水溶液で現像可能な高エネルギー線
感応ポジ型レジストにおいて、該(B)が1分子中に1
個以上のt−ブトキシカルボニルオキシ基を含み、該
(C)が、一般式(化1):(R)n AM(式中Rは同
一又は異なり芳香族基又は置換芳香族基を示し、Aはス
ルホニウム又はヨードニウムを示す。Mはトシレート基
あるいはトリフレート基を示し、nは2又は3を示す)
で表される酸発生剤を2種類以上混合したものであり、
重量分率が、0.07≦B≦0.40、0.005≦C
≦0.15、0.55≦A、A+B+C=1であるレジ
スト材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠紫外線、電子線やX
線等の高エネルギー線に対して高い感度を有し、アルカ
リ水溶液で現像することによりパタンを形成できる、微
細加工技術に適したポジ型レジスト材料に関する。
【0002】
【従来の技術】LSIの高集積化と高速度化に伴い、パ
タンルールの微細化が求められているが、現在汎用技術
として用いられている光露光では、光源の波長に由来す
る本質的な解像度の限界に近付きつつある。g線(43
6nm)若しくはi線(365nm)を光源とする光露光で
は、おおよそ0.5μmのパタンルールが限界とされて
おり、これを用いて製作したLSIの集積度は、16M
ビットDRAM相当までとなる。しかし、LSIの試作
は既にこの段階にまできており、更なる微細化技術の開
発が急務となっている。このような背景により、次世代
の微細加工技術として遠紫外線リソグラフィが有望視さ
れている。遠紫外線リソグラフィは、0.3〜0.4μ
mの加工も可能であり、光吸収の小さいレジストを用い
た場合、基板に対して垂直に近い側壁を有するパタンの
形成が可能である。また、一括にパタンを転写すること
ができるために、電子線リソグラフィよりもスループッ
トの点で有利である。近年、遠紫外線の光源として高輝
度なKrFエキシマレーザを利用する段になり、量産技
術として用いられるには、光吸収が小さく、そして高感
度なレジスト材料が要望されている。近年開発された、
酸を触媒として化学増幅( chemical amplification )
を行うレジスト材料〔例えば、リュー( Liu )ら、ジャ
ーナル オブ バキュームサイエンス アンド テクノ
ロジー(J.Vac. Sci. Technol. )、第B6巻、第37
9頁(1988)〕は、従来の高感度レジストと同等以
上の感度を有し、しかも解像性が高く、ドライエッチン
グ耐性も高い、優れた特徴を有する。そのため、遠紫外
線リソグラフィには特に有望なレジスト材料である。ネ
ガ型レジストとしてはシプリー( Shipley )社が、ノボ
ラック樹脂とメラミン化合物と酸発生剤からなる3成分
化学増幅レジスト(商品名SAL601ER7)を既に
商品化している。しかし、化学増幅系のポジ型レジスト
はいまだ商品化されたものはない。LSIの製造工程
上、配線やゲート形成などはネガ型レジストで対応でき
るが、コンタクトホール形成は、ネガ型レジストを用い
たのではカブリやすいために微細な加工はむずかしく、
ポジ型レジストがはるかに適している。そのため、高性
能なポジ型レジストが強く要望されている。従来、イト
ー(Ito)らは、ポリヒドロキシスチレンのOH基をt−
ブトキシカルボニル基(tBoc基)で保護したPBO
CSTという樹脂に、オニウム塩を加えてポジ型の化学
増幅レジストを開発している。しかし、用いているオニ
ウム塩は金属成分としてアンチモンを含む〔参考文献:
ポリマース イン エレクトロニクス、ACS シンポ
ジウム シリーズ( Polymers in Electronics, ACS
Symposium Series ) 第242回(アメリカ化学会、ワ
シントン DC.1984)、第11頁〕。基板への汚
染を避けるために、一般的には、レジスト材料中の金属
成分は嫌われる。そのためにPBOCSTレジストはプ
ロセス上好ましいものではない。上野らはポリ(p−ス
チレンオキシテトラヒドロピラニル)を主成分とし、酸
発生剤を加えた遠紫外線ポジ型レジストを発表している
(参考;第36回応用物理学会関連連合講演会、198
9年、1p−k−7)。しかし、本発明者らの検討によ
れば、この材料系は遠紫外線、電子線やX線に対しては
ポジネガ反転しやすかった。以上のような、OH基を保
護基で保護した樹脂と酸発生剤からなる2成分系ポジ型
レジストでは、現像液に溶解するようになるためには、
多くの保護基を分解する必要がある。その際に、膜厚変
化や膜内の応力あるいは気泡の発生等を引起こす可能性
が高い。化学増幅ポジ型レジストとしては、機能をより
分化させた3成分系、すなわち、アルカリ可溶性樹脂、
溶解阻害剤、酸発生剤からなる材料系の方が、酸が分解
すべき溶解阻害剤の量が小量でよいため、上述のような
膜厚変化や気泡発生等をより少なくすることが可能であ
り、精密な微細加工にはより有用と推定される。3成分
ポジ型レジストとしては、ヘキスト社がノボラック樹脂
に溶解阻害剤としてアセタール化合物を添加し、更に酸
発生剤を添加したレジスト材料−RAY/PF−をX線
リソグラフィ用に開発している。RAY/PFは室温で
化学増幅を行うために、レジトス感度はX線露光後の放
置時間に著しく依存する。実用に供するに当っては、露
光と現像の工程間の時間を定常的に厳密制御することに
は困難が伴うため、パタンの寸法制御性がむずかしい材
料と推定される。また、KrFエキシマレーザの露光波
長(248nm)での光吸収が大きいという問題点があっ
た。一般に化学増幅を行うためには、露光後熱処理( p
ost exposure baking ;PEB)を必要とするものが多
い。レジストプロセス工程は室温放置で化学増幅を行う
材料系よりも1工程増えるものの、露光と現像の間の時
間制御が緩くて良くなるため、レジスト特性の制御がよ
り容易であるという特徴がある。また、化学増幅過程で
加水分解を行う系では、加水分解反応に水を必要とする
ので、レジスト材料中に水分を含んでいることが必要と
なる。一般に、レジスト材料の塗布溶媒には酢酸エトキ
シエチルのような、水と混合しない有機溶媒を用いるこ
とが多く、レジストの樹脂自身も水と相溶しにくい材料
が多い。このような材料系に水を所定量混合させること
は容易ではなく、また、混合させることができるにして
も、制御すべき成分が増えることになるので、系がより
複雑になり好ましいものではない。一方、tBoc基の
分解反応は、tBoc基と触媒である酸の2成分で反応
が進み、第3成分としての水が必要としないため、反応
が単純であり、化学増幅に利用するには好都合である。
tBoc化した化合物の多くが、ノボラック樹脂の溶解
性を阻害する効果を有し、tBoc基が溶解阻害能を発
現させるのに有用であることは知られている。シュレゲ
ル( Schlegel ) らはノボラック樹脂と、ビスフェノー
ルAをtBoc化した溶解阻害剤と、ピロガロールメタ
ンスルホン酸エステルからなる3成分ポジ型レジストを
発表している(1990年春季 第37回応用物理学会
関連連合講演会 28p−ZE−4)。シュウォーム(
Schwalm ) らは、溶解阻害剤と酸発生剤を組合せた材料
として、ビス(p−t−ブトキシカルボニルオキシフェ
ニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートを開
発している〔ポリマー フォア マイクロエレクトロニ
クス( Polymer for Microelectronics )(東京、198
9)、セッションA38〕。これをノボラック樹脂と混
合して遠紫外線用ポジ型レジストとしている。しかし、
この材料系は金属を含む点及びノボラック樹脂の光吸収
が大きいので実用上好ましいものではない。また、従来
の化学増幅系ポジ型レジストは、遠紫外線、電子線やX
線でパタン形成を行うと、パタンがオーバーハング状に
なりやすい欠点を有していた。これは、レジスト表面の
溶解性が低下するためと推定される〔参考;K.G.チ
オン(K.G.Chiong )ら、ジャーナル オブ バキュ
ーム サイエンス アンド テクノロジー、第B7巻、
(6)、第1771頁(1989)〕。オーバーハング
形状は、パタン寸法制御をむずかしくし、ドライエッチ
ングを用いた基板加工に際しても、寸法制御性を損ね
る。また、パタン下部が細まるのでパタンの倒壊を招き
やすい。レジスト表面の溶解性を低下させない酸発生剤
を使用した場合、オーバーハングの問題は解決できる
が、現像時のレジストの膜減りが大きくなるなど別の問
題を生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
ノボラック樹脂やポリヒドロキシスチレンをベース樹脂
とした、遠紫外線、電子線及びX線に感度を有する化学
増幅系ポジ型レジストは、従来数多く発表されている
が、いずれのものも問題点を含んでおり、いまだ実用に
供することがむずかしいのが現状である。本発明の目的
は、従来技術を上回る、高感度、高解像性、プロセス適
用性に優れた高エネルギー線露光用ポジ型レジスト材料
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明はポジ型レジスト材料に関する発明であって、ポリ
ヒドロキシスチレンの水酸基の一部がt−ブトキシカル
ボニルオキシ(以下、tBoc−O−と略記する)基で
置換された樹脂(A)、溶解阻害剤(B)、及び酸発生
剤(C)の3成分を含む、アルカリ水溶液で現像可能な
高エネルギー線感応ポジ型レジストにおいて、該溶解阻
害剤(B)が1分子中に1個以上のtBoc−O−基を
含み、該酸発生剤(C)が下記式(化1):
【0005】
【化1】(R)n AM
【0006】(式中Rは同じでも異なってもよく芳香族
基あるいは置換芳香族基を示し、Aはスルホニウムある
いはヨードニウムを示す。Mはトシレート基あるいはト
リフレート基を示し、nは2又は3を示す)で表される
酸発生剤を2種類以上混合したものであり、重量分率
が、0.07≦B≦0.40、0.005≦C≦0.1
5、0.55≦A、A+B+C=1、であることを特徴
とする。
【0007】トシレート又はトリフレートなる酸発生剤
としては、1例として下記式(化2)、(化3)、(化
4)、(化5)、(化6)、(化7)、(化8)で表さ
れる化合物:
【0008】
【化2】(C6 5 2 +-3 SCF3
【0009】
【化3】(C6 5 3 +-3 SCF3
【0010】
【化4】 (C6 5 SC6 4 )(C6 5 2 +-3 SCF3
【0011】
【化5】 (t−C4 9 −C6 4 )(C6 5 )I+-3 SC6 4 CH3
【0012】
【化6】 (t−C4 9 −C6 4 2 +-3 SCF3
【0013】
【化7】 (C6 5 2 (C6 4 F)S+-3 SCF3
【0014】
【化8】 (HO−C6 4 2 (C6 5 )S+-3 SCF3
【0015】が知られている。しかし、(化2)はエチ
ルセロソルブアセテート、乳酸エチル、1−メトキシ−
2−プロパノール等のレジストの塗布に好適な溶媒に対
して溶解性が低いため、レジスト中に適量を混合するこ
とができない。(化3)の溶解性は比較的良いが、これ
を用いて3成分レジストを作製すると、溶解阻害剤の種
類によらず、1〜4μC/cm2 の露光量で膜減りするも
のの、露光部が完全に溶解する前にネガ反転してしま
い、ポジ型にはならなかった。このようなネガ反転に関
しては、シュレゲルらも発表しており(参考文献;前
述)、トリフレート系の酸発生剤はtBoc系溶解阻害
剤を含む3成分ポジ型レジストには適用できないこと
が、これまでの常識であった。(化4)は室温でオイル
状であるために精製がむずかしく、これを酸発生剤とし
て用いるレジスト材料はロット間で特性が変化しやす
い。(化5)は反応性が低く、実用感度を得ることがで
きない。また、現像におけるレジスト膜減りが大きい。
(化6)はオーバーハングのパタンが形成され、パタン
分離しにくい問題があった。(化7)と(化8)は現像
において膜減りが大きい問題がある。
【0016】従来、化学増幅レジスト用酸発生剤で最も
実用性のある酸発生剤は、芳香族スルホニウム塩である
とされている(参考;笈川ら、第37回応用物理学会関
連連合講演会、1990年、28p−PD−2)。しか
し、上述したように、トリフルオロメタンスルホン酸の
スルホニウム塩は、tBoc化合物を溶解阻害剤とする
3成分系ポジ型レジストの酸発生剤としては実用に供さ
ない。本発明者らは、有機の酸発生剤で、レジスト塗布
溶媒への溶解性が高く、ポリヒドロキシスチレン系樹脂
とtBoc溶解阻害剤と酸発生剤の3成分からなるポジ
型レジスト材料に用いた場合に良好なポジ型特性を示す
酸発生剤を鋭意検討した。その結果、溶解禁止効果の大
きな酸発生剤と溶解禁止効果の小さな酸発生剤を混合す
ることにより、オーバーハング形状のパタン形成の問題
と現像時のレジスト膜減りの問題を同時に解決し、良好
な特性を示すことを見出した。単独の酸発生剤では、溶
解禁止効果が大きいとオーバーハング形状のパタンにな
り易く、溶解禁止効果が小さいと現像時の膜減りを生じ
るため、良好な特性を示す材料を得ることができなかっ
た。混合酸発生剤は感度においても相乗効果が観測さ
れ、単独で使用した場合より高感度となり、良好な特性
が得られた。
【0017】また混合した酸発生剤は、ポリヒドロキシ
スチレン系樹脂とtBoc溶解阻害剤を含む3成分レジ
ストに対し、KrFエキシマレーザあるいは30kVの加
速電圧で電子線描画を行うと、多くのtBoc溶解阻害
剤に対して、良好な酸発生剤として機能し、D0 感度が
10〜50mJ/cm2 、あるいは3〜20μC/cm2 程度
になり、少なくとも100μC/cm2 まではポジネガ反
転しなかった。本発明のレジストにおける酸発生剤の最
適混合比は現像液濃度及びレジストの溶解性で変化する
が、おおむね等しい重量比で良好な結果が得られる。混
合酸発生剤の含量は0.5〜15wt%が好適である。
0.5%未満でもポジ型のレジスト特性を示すが感度が
低い。酸発生剤の含量が増加すると、レジスト感度は高
感度化する傾向を示し、コントラスト(γ)は向上し
た。15%より多くてもポジ型のレジスト特性を示す
が、含量の増加による更なる高感度化が期待できないこ
と、酸発生剤は高価な試薬であること、レジスト内の低
分子成分の増加はレジスト膜の機械的強度を低下させる
こと、等により酸発生剤の含量は15%以下が好適であ
る。
【0018】酸発生剤を用いた、本発明によるところの
レジスト材料は、溶解阻害剤として、1分子中に1個以
上のtBoc−O−基を含むことを必須とする。溶解阻
害剤の含量は、7〜40wt%がよい。7%未満では溶解
阻害効果が小さく、40%より多くては、レジストの機
械的強度や耐熱性が低下する。
【0019】従来、発表されているポジ型レジスト溶解
阻害剤としてのtBoc化合物は、ビスフェノールAの
OH基をtBoc化した材料がほとんど唯一であった。
しかし、本発明者らは、鋭意検討した結果、フロログル
シンやテトラヒドロキシベンゾフェノン等をtBoc化
したものでも溶解阻害剤として有用であることを見出し
た。
【0020】ベース樹脂としてノボラック樹脂を用いた
場合、KrFレーザ光での吸収が大きい問題があり、吸
収の小さいポリヒドロキシスチレンを使用することとし
たが、溶解阻害剤を添加したときの溶解阻害効果が小さ
い。これはポリヒドロキシスチレンの溶解性が高いため
であり、溶解性を制御するため、水酸基の一部をtBo
c基で置換したところ1桁以上の溶解阻害効果が得られ
た。tBocの置換率は10から50モル%が好まし
い。50モル%より以上になるとアルカリ水溶液への溶
解性は低下するため、一般に使用されている現像液では
感度が極度に低下する、また10モル%未満では溶解阻
害効果が小さい。
【0021】ポリヒドロキシスチレンの重量平均分子量
は形成されたレジストパタンの耐熱性の観点から一万以
上であることが好ましいが、ラジカル重合で得られるも
のは分子量分布が大きいため、アルカリ水溶液に溶解し
にくい分子量の大きいものを含み、これはパタン形成後
の裾ひきの原因となる。このため、分子量は大きく、分
子量分布はできる限り小さい方が、高精度のパタン形成
に有利である。本発明ではリビング重合により得られる
ポリヒドロキシスチレン(分子量1.4万、分子量分布
1.1)を使用したところ、0.2μmライン&スペー
スのパタンが裾ひきなく精度良く形成することができ
た。しかも、耐熱性については、150℃で10分間ベ
ークしてもパタン変性は認められなかった。ラジカル重
合で得られた分子量1.2万のものは、分子量分布が
3.0であり、0.5μmライン&スペースのパタンで
もパタン裾ひきがみられた。
【0022】この様な狭分子量分布のポリマーを得る方
法は一般にラジカル重合法等で重合した広い分子量分布
を持ったポリマーを分別処理によって重合度ごとに分別
することで狭分子量化する方法と、リビング重合法によ
り分子量規制して重合する方法が挙げられるが、前者の
分別法では工程の煩雑化、得率の低下を来してしまうた
め、リビング重合法が好適に用いられる。
【0023】しかし本発明のパラヒドロキシスチレンポ
リマーでは、パラヒドロキシスチレンポリマーをそのま
まリビング重合させようとすると、モノマーの水酸基と
重合開始剤とが反応してしまうので重合は進行しない。
このために水酸基を保護する保護基をつけたモノマーを
リビング重合させ、重合後に保護基を脱離して目的のパ
ラヒドロキシスチレンポリマーを得る手法が用いられ
る。これらの保護基としては第三級ブチル基、ジメチル
フェニルカルビニルジメチルシリル基、tBoc基、テ
トラヒドロピラニル基、第三級ブチルジメチルシリル基
などが挙げられる。
【0024】これを具体的に述べると、本発明のレジス
ト材のベース樹脂である狭分散のポリヒドロキシスチレ
ンは、例えば構造式(化9)又は構造式(化10):
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】で示されるモノマーをリビング重合させた
後、構造式(化9)ではジメチルフェニルカルビニルジ
メチルシリル基を脱離、構造式(化10)ではt−ブチ
ル基を脱離して得られる。上記のモノマーのリビング重
合には重合開始剤を用いるが、重合開始剤としては有機
金属化合物が用いられる。例えばn−ブチルリチウム、
sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ナトリ
ウムナフタレン、アントラセンナトリウム、α−メチル
スチレンテトラマージナトリウム、クミルカリウム、ク
ミルセシウム等の有機アルカリ金属等が挙げられる。
【0028】上記モノマーのリビング重合は、一般に、
有機溶媒中で行われる。この場合に用いられる有機溶媒
としては芳香族炭化水素、環状エーテル、脂肪族炭化水
素溶媒であり、これらの具体例としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テト
ラヒドロピラン、ジメトキシエタン、n−ヘキサン、シ
クロヘキサン等が挙げられる。これらの有機溶媒はその
1種を単独で使用しても2種以上を組合せても良い。
【0029】重合に際するモノマーの濃度は1〜50重
量%、特に1〜30重量%が好適であり、反応は高真空
下又はアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下でかくは
んして行う。反応温度は−100℃から使用した有機溶
媒の沸点温度まで自由に選択することができるが、特に
テトラヒドロフラン溶媒では−78℃〜0℃、ベンゼン
溶媒では室温が好ましい。
【0030】重合は通常、約10分〜7時間の重合反応
を行うことによりビニル基のみが選択的に反応して重合
し構造式(化9)では下記構造式(化11)、構造式
(化10)では下記構造式(化12)で表されるポリマ
ーが得られる。
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】その後、例えば、メタノール、水、メチル
ブロマイド等の停止剤を反応系に添加して反応を停止さ
せる。更に、得られた反応混合溶液を適当な溶剤、例え
ばメタノールを用いて沈殿させ、洗浄、乾燥することに
より精製、単離することができる。こうして得られた高
分子化合物は分子量分布の点で単分散(1.00<Mw
/Mn≦1.50)である。
【0034】なお、ポリマーの収率は、反応に供したモ
ノマーに基づいてほぼ100%であり、このポリマーの
分子量は使用したモノマーの重量と重合開始剤のモル数
(分子数)から容易に計算できる。また、数平均分子量
(Mn)は膜浸透圧計を用いて測定から求めることがで
き、分子量分布の評価はゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)で行って、得られたポリマーが目
的とするポリマーであるか否かを評価することができ
る。
【0035】更に前記の構造式(化11)のジメチルフ
ェニルカルビニルジメチルシリル基、あるいは構造式
(化12)のt−ブチル基を脱離し下記構造式(化1
3):
【0036】
【化13】
【0037】で表されるフェノール残基構造単位を有す
るポリヒドロキシスチレンを得ることができる。
【0038】エーテル結合の切断反応は、ジオキサン、
アセトン、アセトニトリル、ベンゼン等の混合溶媒中で
塩酸、臭化水素酸等の酸を滴下することによって容易に
行うことができる。これらの反応中、高分子の主鎖が切
断されたり、分子間に架橋反応が起こるということがな
いので、容易に分子量分布の狭い単分散のポリヒドロキ
シスチレンを得ることができる。
【0039】なお、OH基のtBoc化はペプチド合成
では良く用いられる官能基の保護方法であり、ピリジン
溶液中で二炭酸ジt−ブチルと反応させることにより簡
単に行うことができる。
【0040】本発明のレジストを用いたパタン形成は以
下のようにして行うことができる。本レジストの溶液を
基板にスピン塗布し、プリベークを行う。高エネルギー
線を照射する。この際、酸発生剤が分解して酸を生成す
る。PEBを行うことにより、酸を触媒としてtBoc
基が分解し、溶解阻害効果が消失する。アルカリ水溶液
で現像し、水でリンスすることによりポジ型パタンを得
る。
【0041】以下に本発明で使用する原料の合成例を示
すが、これらに限定されない。
【0042】 合成例1 狭分散のポリヒドロキシスチレンの合成 反応器にp−ビニルフェノールに対して等モルのジメチ
ルフェニルカルビニルジメチルクロロシランを入れイミ
ダゾールの存在下、ジメチルホルムアミド溶媒中、室温
下で6時間反応させた。生成物を減圧蒸留してp−ビニ
ルフェノキシジメチルフェニルカルビニルジメチルシラ
ンを70%の収率で得た。このp−ビニルフェノキシジ
メチルフェニルカルビニルジメチルシランは130℃/
0.1mmHgの沸点を有していた。上記モノマーから水分
等の不純物を取除くためにCaH2 、ベンゾフェノンナ
トリウム等の精製剤を用いて精製し蒸留を行った。重合
は1リットルのフラスコに、溶媒としてテトラヒドロフ
ラン550ml、重合開始剤としてn−ブチルリチウム
8.5×10-4mol を仕込んだ後、この混合溶液に−7
8℃で50mlのテトラヒドロフランで希釈したp−ビニ
ルフェノキシジメチルフェニルカルビニルジメチルシラ
ンを30g添加し、1時間重合させたところ、溶液は赤
色を呈した。重合終了は反応溶液にメタノールを添加し
て行った。次に反応混合物をメタノール中に注ぎ、得ら
れた重合体を沈殿させた後、分離し、乾燥して24.5
gの白色重合体を得た。得られた重合体の 1H−NMR
を測定したところ下記表1に示す結果を得た。
【0043】
【表1】 表 1 1H−NMR 0.0ppm :基準(S、6H、O−Si−CH3 ) 1〜2ppm : (ブロード、6H、Si−C−CH3 ) 1〜2ppm : (ブロード、3H、CH2 、−CH) 6〜7ppm : (ブロード、5H、Si−C−C6 5 ) 6〜7ppm : (ブロード、4H、C6 5
【0044】1H−NMRからエーテルに結合している
ジメチルフェニルカルビニルジメチルシリル基に活性末
端が反応せずに残存すると共に、スチレン部のビニル基
のみが反応していることが確認された。
【0045】次に得られたポリ(p−ビニルフェノキシ
ジメチルフェニルカルビニルジメチルシラン)20gを
アセトン250mlに溶解し、60℃で少量の濃塩酸を加
え6時間かくはん後、水に注ぎポリマーを沈殿させ洗
浄、乾燥して8gのポリマーを得た。得られたポリマー
の数平均分子量は1.4×10-4g/mol であった。G
PC溶出曲線は図1に示すように非常に単分散性の高い
重合体であることが確認され、分子量分布は1.10で
あった。なお、図1は時間(分、横軸)と強度(縦軸)
との関係を示す図である。更に、 1H−NMRからジメ
チルフェニルカルビニルジメチルシリル基に由来するピ
ークが観測されないことから、得られたポリマーが分子
量分布の狭いポリヒドロキシスチレンであることが確認
された。
【0046】 合成例2 狭分散のポリヒドロキシスチレンの合成 原料のp−t−ブトキシスチレンモノマーを合成例1と
同様の方法で脱水、精製処理した。重合は2リットルの
フラスコに、溶媒としてテトラヒドロフラン1500m
l、開始剤n−ブチルリチウム4×10-3mol を仕込ん
だ。この混合溶液に−78℃で50mlのテトラヒドロフ
ランで希釈したp−t−ブトキシスチレンを80g添加
し、2時間重合させたところ、この溶液は赤色を呈し
た。所望の重合に達したことを確認した後、反応溶液に
メタノールを添加して重合反応を終了させた。次に反応
混合物をメタノール中に注ぎ、得られた重合体を沈殿さ
せた後、分離し、乾燥して80gの白色重合体を得た。
1H−NMRの結果から、エーテルに結合しているt−
ブチル基に活性末端が反応せずに残存すると共に、スチ
レン部分のビニル基のみが反応していることが確認され
た。
【0047】次に得られたポリ(p−t−ブトキシスチ
レン)12gをアセトン250mlに溶解し、60℃で少
量の濃塩酸を加え6時間かくはん後、水に注いでポリマ
ーを沈殿させ、洗浄、乾燥して8gのポリマーを得た。
得られたポリマーの数平均分子量は1.4×10-4g/
mol であった。GPC溶出曲線は図2に示すとおりであ
り、非常に単分散性の高い重合体であることが確認さ
れ、分子量分布は1.08であった。なお、図2は時間
(分、横軸)と強度(縦軸)との関係を示す図である。
また、 1H−NMRからtert−ブチル基に由来するピー
クが観測されないことから、得られたポリマーが分子量
分布の狭いポリヒドロキシスチレンであることが確認さ
れた。
【0048】 合成例3 ポリヒドロキシスチレンのtBoc化 合成例1のリビング重合で得られたポリヒドロキシスチ
レン5gをピリジン40mlに溶解させ、45℃でかくは
んしながら二炭酸ジ−t−ブチルを1g(約20 mol
%)添加する。添加と同時にガスが発生するが、N2
流中で1時間反応させる。濃塩酸20gを含む水1リッ
トルに反応液を滴下し、白色の沈殿を得る。ろ過したの
ち、アセトン50mlに沈殿を溶解させ、水1リットルに
滴下した。沈殿をろ過したのち、40℃以下で真空乾燥
した。 1H−NMRにおける8ppmのOH基のピークを
用いてtBocの導入率を求めた結果、19.6%であ
った。
【0049】
【実施例】本発明を以下の実施例で説明するが、本発明
はこれら実施例に限定されない。なお、実施例1〜23
では合成例3で得られたポリヒドロキシスチレンのtB
oc化率が20モル%の樹脂をベース樹脂として用い、
実施例24ではtBoc化率が40モル%の樹脂をベー
ス樹脂として用いた。また、実施例25及び26では合
成例2のポリマーをtBoc化した樹脂をベース樹脂と
して用いた。
【0050】実施例1 ベース樹脂 81重量部 2,2−ビス〔p−(tBoc−O−)フェニル〕プロパン 14重量部 ジフェニル(p−メトキシフェニル)スルホニウム トリフレート 2.5重量部 ジフェニル(p−フルオロフェニル)スルホニウム トリフレート 2.5重量部 酢酸エトキシエチル 400重量部 からなるレジスト溶液をシリコン基板に2000rpm で
スピン塗布し、ホットプレート上にて85℃で1分間プ
リべークした。膜厚は0.7μmであった。KrFエキ
シマレーザあるいは加速電圧30kVの電子線で描画した
のち、85℃で3分間PEBを行った。2.4%のテト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の水溶
液で1分間現像を行い、水で30秒間リンスした。現像
後の膜減りは0.01μm以下であった。膜減り量は
0.03μm以下に抑えられればプロセス上問題はな
い。
【0051】ポジ型の特性を示し、D0 感度は4μC/
cm2 であった。電子線に代えて、遠紫外線であるKrF
エキシマレーザ光(波長248nm)で評価した場合のD
0 感度は12mJ/cm2 であった。PEBを85℃で5分
間行った場合は、電子線感度は2.5μC/cm2 であっ
た。ここで用いたベース樹脂は、現像液に対して35nm
/sの溶解速度を示した。本レジストは未露光部は約
0.15nm/sの溶解速度を有し、露光部はPEB後、
26nm/sの溶解速度を有した。KrFエキシマレーザ
露光では、0.25μmライン&スペースパタンやホー
ルパタンが解像し、垂直な側壁を持つパタンを形成する
ことができた。また、電子線描画では0.2μmが解像
した。
【0052】実施例2〜5 実施例1における酸発生剤ジフェニル(p−メトキシフ
ェニル)スルホニウムトリフレートに代えて、ジ(t−
ブチルフェニル)ヨードニウムトリフレート(実施例
2)、トリフェニルスルホニウムトリフレート(実施例
3)、(p−チオフェノキシフェニル)ジフェニルスル
ホニウムトリフレート(実施例4)、フェニル(p−メ
トキシフェニル)ヨードニウムトリフレートを用いたレ
ジスト溶液を作製し、実施例1と同様に評価した。実施
例2の結果、電子線感度は4.6μC/cm2 、KrF感
度は50mJ/cm2 であった。本レジストの膜減りはいず
れも0.03μm以下であり問題はない。KrF露光や
電子線描画によって実施例1と同程度の解像性を有して
いることを確認し、KrF露光ではオーバーハングのな
い基板に垂直な側壁をもつパタンを形成することができ
た。実施例3と4と5は電子線感度はそれぞれ2.5μ
C、3.1μC、4.5μC/cm2 、そしてKrFエキ
シマレーザに対する感度は30、40、45mJ/cm2
あった。いずれも実施例2と同様にオーバーハングのな
い基板に垂直な側壁をもつパタンを形成することができ
た。
【0053】実施例6〜10 実施例1における混合酸発生剤に代えて、フェニル(ジ
−p−ヒドロキシフェニル)スルホニウムトリフレート
と下記表2の酸発生剤との組合せの混合酸発生剤を使用
し、実施例1と同様の方法でKrFレジスト特性を評価
した。添加量は共に実施例1と同じ組成で2.5重量部
ずつとした。
【0054】
【表2】
【0055】I:ヨードニウム、 S:スルホニウム O3 SCF3 :トリフレート
【0056】実施例1〜5までと比較して高感度であっ
たが、ジフェニル(p−フルオロフェニル)スルホニウ
ムトリフレートよりもフェニル(ジ−p−ヒドロキシフ
ェニル)スルホニウムトリフレートが溶解性が優れてい
るためである。解像性については、いずれも0.25μ
m幅のパタンをKrFエキシマレーザで分離解像でき、
オーバーハングは認められなかった。
【0057】実施例11 ベース樹脂 81重量部 2,2−ビス〔p−(tBoc−O−)フェニル〕プロパン 14重量部 フェニル(p−メトキシフェニル)ヨードニウムトシレート 2.5重量部 フェニル(p−フルオロフェニル)ヨードニウムトシレート 2.5重量部 酢酸エトキシエチル 400重量部 からなるレジストを実施例1と同様の方法で特性を評価
した結果、感度は電子線に対し、8μC/cm2 であっ
た。KrFエキシマレーザ光の場合の感度は25mJ/cm
2 であった。感度は低いが、同じ解像性のパタンをオー
バーハングなく形成することができた。
【0058】実施例12〜19 実施例1の溶解阻害剤を代えて表3及び表4に示す溶解
阻害剤を用いてKrFエキシマレーザ感度を評価した。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】実施例20〜23 ベース樹脂 81重量部 2,2−ビス〔p−(tBoc−O−)フェニル〕プロパン 14重量部 ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフレート x重量部 ジフェニル(p−フルオロフェニル)スルホニウムトリフレート y重量部 酢酸エトキシエチル 400重量部 を含むレジスト溶液を用い、酸発生剤の混合量(x,
y)を変えて、KrFエキシマレーザによるレジスト特
性を検討した。表5に結果を示す。85℃で2分間PE
Bし、現像は2.4%TMAH水溶液を用いて1分間行
った。いずれも、オーバーハングがなく0.25μm幅
のパタンが解像できた。膜減りが大きいほど感度が高
い。
【0062】
【表5】
【0063】実施例24 実施例1におけるベース樹脂tBoc化率20モル%の
ポリヒドロキシスチレンに代えて、tBoc化率40モ
ル%のポリヒドロキシスチレンをベース樹脂として用い
たレジスト溶液を調整し、KrFエキシマレーザによる
レジスト特性を実施例1と同様にして評価した。ベース
樹脂のtBoc化率が40モル%になったため、溶解阻
害効果が大きくなり、アルカリ水溶液に対する溶解性が
低下した。このため、感度は20mJ/cm 2 と低くなって
いるが、しかし、解像性は0.25μmライン&スペー
スの解像が可能であり、パタン上部での形状がtBoc
化率が20モル%のベース樹脂を用いた場合より矩形に
近い。電子線で評価した結果では、0.2μm以下のパ
タンが解像できた。
【0064】実施例25〜26 ベース樹脂 81重量部 2,2−ビス〔p−(tBoc−O−)フェニル〕プロパン 14重量部 ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフレート 2.5重量部 ジフェニル(p−フルオロフェニル)スルホニウム トリフレート 2.5重量部 酢酸エトキシエチル 400重量部 からなるレジスト溶液をシリコン基板に2000rpm で
スピン塗布し、ホットプレート上にて85℃で1分間プ
リベークした。ベース樹脂のtBoc化率は20%(実
施例25)と40%(実施例26)であった。実施例1
と同様の方法でレジスト特性を評価した結果、電子線感
度は実施例25及び26共に8μC/cm2 であった。K
rFエキシマレーザ光での感度は共に20mJ/cm2 と2
5mJ/cm2 であった。この結果から、合成例1で得られ
るポリマーを用いた場合よりも合成例2のポリマーの方
が低感度であることが分かった。KrFエキシマレーザ
露光では、実施例25、26共に0.3μmライン&ス
ペースパタンやホールパタンが解像し、垂直な側壁を持
つパタンを形成することができた。また、電子線描画で
は0.2μmが解像した。解像性については合成例1の
ポリマーと合成例2のポリマーでの違いが認められなか
った。
【0065】
【発明の効果】本発明により得られるポジ型レジスト
は、高エネルギー線に感応し、感度、解像性、プラズマ
エッチング耐性に優れている。しかも、レジストパタン
の耐熱性が優れている。また、現像時のレジスト膜減り
が小さい、パタンがオーバーハング状になりにくく、寸
法制御性に優れている。金属元素を含まない材料系であ
ること、化学増幅過程でPEBを必要とするためにレジ
スト特性の露光後経時依存性が小さいこと、化学増幅過
程で水を必要としないため系がより単純であること、等
の特徴を有する。これらより、特に電子線や遠紫外線に
よる微細加工に有用である。特にKrFエキシマレーザ
の露光波長での吸収が小さいため、微細でしかも基板に
対し垂直なパタンを容易に形成することができる特徴が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】狭分散ポリヒドロキシスチレンのGPC溶出曲
線を示す図である。
【図2】他の狭分散のポリヒドロキシスチレンのGPC
溶出曲線を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリヒドロキシスチレンの水酸基の一部
    がt−ブトキシカルボニルオキシ基で置換された樹脂
    (A)、溶解阻害剤(B)、及び酸発生剤(C)の3成
    分を含む、アルカリ水溶液で現像可能な高エネルギー線
    感応ポジ型レジストにおいて、該溶解阻害剤(B)が1
    分子中に1個以上のt−ブトキシカルボニルオキシ基を
    含み、該酸発生剤(C)が下記式(化1): 【化1】(R)n AM (式中Rは同じでも異なってもよく芳香族基あるいは置
    換芳香族基を示し、Aはスルホニウムあるいはヨードニ
    ウムを示す。Mはトシレート基あるいはトリフレート基
    を示し、nは2又は3を示す)で表される酸発生剤を2
    種類以上混合したものであり、重量分率が、0.07≦
    B≦0.40、0.005≦C≦0.15、0.55≦
    A、A+B+C=1、であることを特徴とするレジスト
    材料。
  2. 【請求項2】 該ポリヒドロキシスチレンが、リビング
    重合で得られるものであることを特徴とする請求項1に
    記載のレジスト材料。
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