JPH0643627B2 - 非晶質金属細線 - Google Patents
非晶質金属細線Info
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- JPH0643627B2 JPH0643627B2 JP60166561A JP16656185A JPH0643627B2 JP H0643627 B2 JPH0643627 B2 JP H0643627B2 JP 60166561 A JP60166561 A JP 60166561A JP 16656185 A JP16656185 A JP 16656185A JP H0643627 B2 JPH0643627 B2 JP H0643627B2
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- bias magnetic
- amorphous metal
- atomic
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C45/00—Amorphous alloys
- C22C45/04—Amorphous alloys with nickel or cobalt as the major constituent
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,Co 系非晶質合金が有する低磁歪,高透磁
率,高飽和磁束密度の優れた性質を維持しながら,バイ
アス磁場に対して安定な性質を有し,断面が円形な非晶
質金属細線に関するものである。
率,高飽和磁束密度の優れた性質を維持しながら,バイ
アス磁場に対して安定な性質を有し,断面が円形な非晶
質金属細線に関するものである。
(従来の技術) 非晶質磁性合金材料は,その材料の優れた電磁気特性か
ら種々の実用化研究が進められている。特にCo-Fe-S
i-B系非晶質合金は,特定の組成をとることによって極
めて低い磁歪を実現できるため,磁気ヘッド,磁気セン
サー等の構成材料としての期待が大きく,さらに透磁
率,磁束密度等を向上させるために,Co-Fe-Si-B系
非晶質合金に各種の元素を添加して電磁特性を改善する
ことが盛んに行われている。例えば,Nb,Ni,V,Ta,
Ti,Zr,Cr,Mo,W等の元素を適当量添加して透磁率を
向上させたリボン状の非晶質合金がある(特開昭54−
72715号公報,特開昭54−89918号公報,特
開昭54−107826号公報,特開昭54−1078
27号公報,特開昭57−13137号公報及び特開昭
58−31053号公報参照)。
ら種々の実用化研究が進められている。特にCo-Fe-S
i-B系非晶質合金は,特定の組成をとることによって極
めて低い磁歪を実現できるため,磁気ヘッド,磁気セン
サー等の構成材料としての期待が大きく,さらに透磁
率,磁束密度等を向上させるために,Co-Fe-Si-B系
非晶質合金に各種の元素を添加して電磁特性を改善する
ことが盛んに行われている。例えば,Nb,Ni,V,Ta,
Ti,Zr,Cr,Mo,W等の元素を適当量添加して透磁率を
向上させたリボン状の非晶質合金がある(特開昭54−
72715号公報,特開昭54−89918号公報,特
開昭54−107826号公報,特開昭54−1078
27号公報,特開昭57−13137号公報及び特開昭
58−31053号公報参照)。
一方,断面が円形なCo 系非晶質金属細線としては,特
開昭57−79052号公報がある。この公報には,真
円度が90%以上で,線径斑が4%以下の非常に均一な
形状を有する高品質の金属細線が記載されている。
開昭57−79052号公報がある。この公報には,真
円度が90%以上で,線径斑が4%以下の非常に均一な
形状を有する高品質の金属細線が記載されている。
(発明が解決しようとする問題点) 従来のCo 系非晶質金属,例えば前記した特開昭54−
107827号公報に記載されている(Co0.92Fe0.06Cr
0.02)75Si10B15からなる組成,及び特開昭57−13
137号公報に記載されている(Co0.92Fe0.06Ni0.02)
78Si13B9または(Co0.91Fe0.06Mo0.03)78Si13B9からな
る組成等で本発明者らが,片ロール法を用いて非晶質金
属リボン材を作製したところ,低磁歪,高透磁率,高飽
和磁束密度であったが,バイアス磁場が印加されると透
磁率が急激に低下した。すなわち,Co-Fe-Cr-Si-B
系合金,Co-Fe-Mo-Si-B系合金またはCo-Fe-Ni-
Si-B系合金などの溶湯を銅等の熱伝導度の大きな材料
からなる回転冷却ロールに噴出し,厚さ約5〜100μ
m,幅2〜100mmの非晶質金属リボン材を作製したと
ころ,この非晶質金属リオン材は,バイアス磁場の影響
を受け,透磁率の低下が著しかった。
107827号公報に記載されている(Co0.92Fe0.06Cr
0.02)75Si10B15からなる組成,及び特開昭57−13
137号公報に記載されている(Co0.92Fe0.06Ni0.02)
78Si13B9または(Co0.91Fe0.06Mo0.03)78Si13B9からな
る組成等で本発明者らが,片ロール法を用いて非晶質金
属リボン材を作製したところ,低磁歪,高透磁率,高飽
和磁束密度であったが,バイアス磁場が印加されると透
磁率が急激に低下した。すなわち,Co-Fe-Cr-Si-B
系合金,Co-Fe-Mo-Si-B系合金またはCo-Fe-Ni-
Si-B系合金などの溶湯を銅等の熱伝導度の大きな材料
からなる回転冷却ロールに噴出し,厚さ約5〜100μ
m,幅2〜100mmの非晶質金属リボン材を作製したと
ころ,この非晶質金属リオン材は,バイアス磁場の影響
を受け,透磁率の低下が著しかった。
このように,バイアス磁場により透磁率が低下するリボ
ン材は,例えば,座標読取装置に適用すると,東西南北
の方角の相違による地磁気の影響及び計器付近の着磁体
による影響等,微弱なバイアス磁場によって得られる信
号が急激に弱くなるため,実用に供することはできなか
った。
ン材は,例えば,座標読取装置に適用すると,東西南北
の方角の相違による地磁気の影響及び計器付近の着磁体
による影響等,微弱なバイアス磁場によって得られる信
号が急激に弱くなるため,実用に供することはできなか
った。
一方,特開昭57−79052号公報に記載されている
Co 系非晶質金属細線は,電磁特性,耐食性等に優れて
いるが,これもバイアス磁場により透磁率が低下し,例
えば,前記した座標読取装置用の材料としては不充分で
あった。
Co 系非晶質金属細線は,電磁特性,耐食性等に優れて
いるが,これもバイアス磁場により透磁率が低下し,例
えば,前記した座標読取装置用の材料としては不充分で
あった。
(問題点を解決するための手段) そこで本発明者らは,これらの現状に鑑み,Co系非晶
質合金が有する低磁歪,高透磁率,高飽和磁束密度を維
持しながら,バイアス磁場の影響を受けにくい非晶質磁
性合金材料を提供することを目的として鋭意研究した結
果,特定のCo-Fe-Si-Bの合金組成に特定量のCr,M
o,Ni を添加し,断面を円形にすると,上記の目的が達
成される非晶質金属細線が得られるという事実,及び得
られた細線がバイアス磁場に対して安定であり,しかも
透磁率を向上させ,飽和磁束密度を下げないという優れ
た性質を有するという事実を見い出し,本発明に到達し
たものである。
質合金が有する低磁歪,高透磁率,高飽和磁束密度を維
持しながら,バイアス磁場の影響を受けにくい非晶質磁
性合金材料を提供することを目的として鋭意研究した結
果,特定のCo-Fe-Si-Bの合金組成に特定量のCr,M
o,Ni を添加し,断面を円形にすると,上記の目的が達
成される非晶質金属細線が得られるという事実,及び得
られた細線がバイアス磁場に対して安定であり,しかも
透磁率を向上させ,飽和磁束密度を下げないという優れ
た性質を有するという事実を見い出し,本発明に到達し
たものである。
すなわち,本発明は組成式 (Co1-a-bFeaMb)100-X-YSixBY (但し,MはCr,Mo,Ni のうちの少なくとも1種の元
素で,X<20原子%,7原子%≦Y<35原子%,7
原子%<X+Y≦35原子%,0.01≦a≦0.1,0.001≦
b≦0.05である。) で示される組成よりなり,バイアス磁場に対して安定な
性質を有し,断面が円形な非晶質金属細線である。
素で,X<20原子%,7原子%≦Y<35原子%,7
原子%<X+Y≦35原子%,0.01≦a≦0.1,0.001≦
b≦0.05である。) で示される組成よりなり,バイアス磁場に対して安定な
性質を有し,断面が円形な非晶質金属細線である。
本発明の非晶質金属細線は,低磁歪,高透磁率,高飽和
磁束密度を有し,バイアス磁場の影響を受けにくい,靭
性の優れた材料であり,その合金組成は上記の特性を満
足するために以下のように限定することが必要である。
磁束密度を有し,バイアス磁場の影響を受けにくい,靭
性の優れた材料であり,その合金組成は上記の特性を満
足するために以下のように限定することが必要である。
すなわち,Si とBの飽和は7原子%を超え,35原子
%以下であることが必要で,15原子%以上,32原子
%以下であることが好ましい。SiとBの総和が7原子
%以下,あるいは35原子%を超えると,非晶質単相の
金属細線は得られず,靭性に乏しくなり,後加工の段階
で大きな問題を生じ,工業的に好ましくない。
%以下であることが必要で,15原子%以上,32原子
%以下であることが好ましい。SiとBの総和が7原子
%以下,あるいは35原子%を超えると,非晶質単相の
金属細線は得られず,靭性に乏しくなり,後加工の段階
で大きな問題を生じ,工業的に好ましくない。
また,上記したようなSi とBの総和の適正量範囲内で
あっても,Si は20原子%未満であることが必要で,
7.5原子%以上,17.5原子%以下であることが好
ましい。Si の量が20原子%以上の場合には,非晶質
単相の金属細線は得られず,靭性に乏しくなる。同様
に,Bに関しても7.5原子%以上で25原子%以下で
あることが好ましい。Bの量が7原子%未満あるいは3
5原子%以上であると,靭性に乏しくなる。
あっても,Si は20原子%未満であることが必要で,
7.5原子%以上,17.5原子%以下であることが好
ましい。Si の量が20原子%以上の場合には,非晶質
単相の金属細線は得られず,靭性に乏しくなる。同様
に,Bに関しても7.5原子%以上で25原子%以下で
あることが好ましい。Bの量が7原子%未満あるいは3
5原子%以上であると,靭性に乏しくなる。
次に,CoとFeとMの総和を1とした場合,Feの比率
は0.01以上0.1以下であることが必要である。Fe 量
が0.1を超えた場合は,磁歪は正に大きくなり,また
Fe が0.01未満の場合は,磁歪は負に大きくなる。
は0.01以上0.1以下であることが必要である。Fe 量
が0.1を超えた場合は,磁歪は正に大きくなり,また
Fe が0.01未満の場合は,磁歪は負に大きくなる。
また,Mに関してはCr,Mo,Ni のうち少なくとも1種
の元素で, 0.001以上で0.05以下であることが必要で,
0.003以上で0.04以下であることが好ましい。0.05を超
えると,透磁率は極めて低下して実用に供さず, 0.001
未満では,添加元素の効果はみられず,バイアス磁場の
影響により透磁率の低下が大きくなる。さらに,通常の
工業材料中に存在する程度の不純物が含まれていてもよ
い。
の元素で, 0.001以上で0.05以下であることが必要で,
0.003以上で0.04以下であることが好ましい。0.05を超
えると,透磁率は極めて低下して実用に供さず, 0.001
未満では,添加元素の効果はみられず,バイアス磁場の
影響により透磁率の低下が大きくなる。さらに,通常の
工業材料中に存在する程度の不純物が含まれていてもよ
い。
本発明の細線を製造するのには,前記合金組成を用い,
製造法として特に好ましい回転液中紡糸法により急冷固
化させればよい。回転液中紡糸法としては,特開昭56
−165016号公報や特開昭57−79052号公報
に記載されているように,回転ドラムの中に水を入れ,
遠心力でドラム内壁に水膜を形成させ,この水膜中に溶
融した合金を約80〜200μm径の紡糸ノズルより噴
出し,円形断面を有する細線を得る方法があげられる。
特に,均一な連続細線を得るには,回転ドラムの周速度
を紡糸ノズルより噴出される溶融金属流の速度と同速度
にするか,またはそれ以上にすることが望まれ,特に回
転ドラムの周速度を紡糸ノズルより噴出される溶融金属
流の速度よりも5〜30%速くすることが好ましい。ま
た,紡糸ノズルより噴出される溶融金属流とドラム内壁
に形成された水膜との角度は20゜以上が好ましい。
製造法として特に好ましい回転液中紡糸法により急冷固
化させればよい。回転液中紡糸法としては,特開昭56
−165016号公報や特開昭57−79052号公報
に記載されているように,回転ドラムの中に水を入れ,
遠心力でドラム内壁に水膜を形成させ,この水膜中に溶
融した合金を約80〜200μm径の紡糸ノズルより噴
出し,円形断面を有する細線を得る方法があげられる。
特に,均一な連続細線を得るには,回転ドラムの周速度
を紡糸ノズルより噴出される溶融金属流の速度と同速度
にするか,またはそれ以上にすることが望まれ,特に回
転ドラムの周速度を紡糸ノズルより噴出される溶融金属
流の速度よりも5〜30%速くすることが好ましい。ま
た,紡糸ノズルより噴出される溶融金属流とドラム内壁
に形成された水膜との角度は20゜以上が好ましい。
本発明の細線は,線径が約50〜250μmであり,し
かも60%以上,好ましくは80%以上,特に好ましく
は90%以上の真円度を有し,好ましくは線径斑が4%
以下の均一な形状を有する細線である。
かも60%以上,好ましくは80%以上,特に好ましく
は90%以上の真円度を有し,好ましくは線径斑が4%
以下の均一な形状を有する細線である。
本発明の非晶質金属細線は,低磁歪,高透磁率,高飽和
磁束密度を有し,靭性に優れ,かつバイアス磁場による
透磁率の低下のほとんどない材料である。例えば,円形
断面を有する高品質の(Co0.91Fe0.06Mo0.03)72.5Si
12.5B15からなる非晶質磁性金属細線は,180゜密着
曲げが可能で靭性に優れ,磁場を20e 印加した時の
磁束密度(B20)は7.3KGであり,周波数100k
Hzにおける透磁率(μ100)も1805と高く,磁歪も
ほとんど零であった。さらに,Hcも0.064e と従来の
(Co0.94Fe0.06)72.5Si12.5B15非晶質金属細線のHc
0.036e よりも大きく,バイアス磁場による影響を受
けにくく,磁気的に安定であった。ところが,同一組成
である(Co0.91Fe0.06Mo0.03)72.5Si12.5B
15非晶質リボン材では,靭性及びB20は上記の同組成の
本発明の非晶質金属細線と同程度であるが,μ100は8
00と低く,またHc も0.007eと非常に小さいため,
地磁気等微弱なバイアス磁場にも影響を受け,透磁率が
大きく低下し,例えば座標読取装置等に用いる場合,得
られる信号が極めて小さくなる場合もあり,安定性が非
常に欠落していた。
磁束密度を有し,靭性に優れ,かつバイアス磁場による
透磁率の低下のほとんどない材料である。例えば,円形
断面を有する高品質の(Co0.91Fe0.06Mo0.03)72.5Si
12.5B15からなる非晶質磁性金属細線は,180゜密着
曲げが可能で靭性に優れ,磁場を20e 印加した時の
磁束密度(B20)は7.3KGであり,周波数100k
Hzにおける透磁率(μ100)も1805と高く,磁歪も
ほとんど零であった。さらに,Hcも0.064e と従来の
(Co0.94Fe0.06)72.5Si12.5B15非晶質金属細線のHc
0.036e よりも大きく,バイアス磁場による影響を受
けにくく,磁気的に安定であった。ところが,同一組成
である(Co0.91Fe0.06Mo0.03)72.5Si12.5B
15非晶質リボン材では,靭性及びB20は上記の同組成の
本発明の非晶質金属細線と同程度であるが,μ100は8
00と低く,またHc も0.007eと非常に小さいため,
地磁気等微弱なバイアス磁場にも影響を受け,透磁率が
大きく低下し,例えば座標読取装置等に用いる場合,得
られる信号が極めて小さくなる場合もあり,安定性が非
常に欠落していた。
(実施例) 以下,本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1〜9,比較例1〜13 表−1に示す各種組成からなるCo 系合金をアルゴンガ
ス雰囲気中で溶融した後,アルゴンガス噴出圧4.5kg
/cm2で孔径0.13mmの石英ガラス製紡糸ノズルにより,
300rpm で回転している内径500mmの円筒ドラム内
に形成された温度4℃,深さ25mmの冷却液中に噴出し
て急冷凝固させ,円形断面を有する直径120μmの連
続した非晶質金属細線を作製した。
ス雰囲気中で溶融した後,アルゴンガス噴出圧4.5kg
/cm2で孔径0.13mmの石英ガラス製紡糸ノズルにより,
300rpm で回転している内径500mmの円筒ドラム内
に形成された温度4℃,深さ25mmの冷却液中に噴出し
て急冷凝固させ,円形断面を有する直径120μmの連
続した非晶質金属細線を作製した。
このとき,紡糸ノズルと回転冷却液面との距離を3mmに
保持し,紡糸ノズルより噴出された溶融金属流とその回
転冷却液面とのなす角は約65゜であった。
保持し,紡糸ノズルより噴出された溶融金属流とその回
転冷却液面とのなす角は約65゜であった。
また,比較のため,表−1に示す組成で,銅からなる回
転冷却ロールに噴出して,断面が偏平な非晶質合金(リ
ボン材)を作製した(比較例3,4,7,10)。
転冷却ロールに噴出して,断面が偏平な非晶質合金(リ
ボン材)を作製した(比較例3,4,7,10)。
得られた非晶質合金の電磁特性,180゜密着曲げ性及
び形状について測定し,その結果を表−1にまとめて示
す。ここで,真円度として連続した細線の長さ方向を1
0点選び,その各点の断面の長径(R)と短径(r)との比
r/R×100(%)の平均値で求めたものであり,ま
た,線径斑としてレーザー線径測定機により細線を50
m走行させ,連続的な平均線径を測定させることにより
得られた平均線径の変動率を求めたものである。また,
交流50Hzにおける保磁力Hc及び20eにおける磁束
密度B20の測定は,理研電子社製BHカーブトレーサー
により交流磁化曲線から行い,透磁率μ(10me,
100KHz)の測定は,長さ40cmの細線材またはリボ
ン材試料をコイル中に挿入し,YHP社製インピーダン
スアナライザーを用いて測定した。磁歪に関しては,成
瀬科学機械社製磁歪測定装置を用いて低磁歪であること
を確認した。
び形状について測定し,その結果を表−1にまとめて示
す。ここで,真円度として連続した細線の長さ方向を1
0点選び,その各点の断面の長径(R)と短径(r)との比
r/R×100(%)の平均値で求めたものであり,ま
た,線径斑としてレーザー線径測定機により細線を50
m走行させ,連続的な平均線径を測定させることにより
得られた平均線径の変動率を求めたものである。また,
交流50Hzにおける保磁力Hc及び20eにおける磁束
密度B20の測定は,理研電子社製BHカーブトレーサー
により交流磁化曲線から行い,透磁率μ(10me,
100KHz)の測定は,長さ40cmの細線材またはリボ
ン材試料をコイル中に挿入し,YHP社製インピーダン
スアナライザーを用いて測定した。磁歪に関しては,成
瀬科学機械社製磁歪測定装置を用いて低磁歪であること
を確認した。
表中でVHで示されているバイアス磁場に対する安定度
は,次の様にして決定した。すなわち,インピーダンス
アナライザーを用いて,試料の繊維軸方向にバイアス磁
場を0eから0.4eまで連続的に変化させながら透
磁率μ(100KHz)を測定し,バイアス磁場−透磁率
曲線から下記の式を用いてバイアス磁場に対する透磁率
の変化率VHを算出した。
は,次の様にして決定した。すなわち,インピーダンス
アナライザーを用いて,試料の繊維軸方向にバイアス磁
場を0eから0.4eまで連続的に変化させながら透
磁率μ(100KHz)を測定し,バイアス磁場−透磁率
曲線から下記の式を用いてバイアス磁場に対する透磁率
の変化率VHを算出した。
(μ100)0;バイアス磁場の印加されていないときの
透磁率 (μ100)0.4;バイアス磁場が0.4e印加された
ときの透磁率 表−1より,実施例1,2,4,6は,同組成の比較例
3,4,7,10と比較して,VHの値は非常に小さいこ
とが明らかである。すなわち,同一組成の合金であって
も非晶質金属リボン材の場合は,VHの値が大きく,バ
イアス磁場に対する安定性が本発明の円形断面である非
晶質金属細線特有なものであることを示している。
透磁率 (μ100)0.4;バイアス磁場が0.4e印加された
ときの透磁率 表−1より,実施例1,2,4,6は,同組成の比較例
3,4,7,10と比較して,VHの値は非常に小さいこ
とが明らかである。すなわち,同一組成の合金であって
も非晶質金属リボン材の場合は,VHの値が大きく,バ
イアス磁場に対する安定性が本発明の円形断面である非
晶質金属細線特有なものであることを示している。
また,実施例1〜9は,VHの値が0.2〜0.4であ
り,添加元素のない比較例1のVHの値2.01と比較
して非常に小さく,バイアス磁場に対して非常に安定し
ていることを示している。例えば,比較例1,実施例
2,比較例4のバイアス磁場の影響による透磁率の低下
は,比較例1ではバイアス磁場のない場合μ100=18
20であったものが,バイアス磁場が0.4e印加さ
れるとμ100=286に低下した。また,比較例3は,
バイアス磁場のない場合μ100=800であったもの
が,バイアス磁場が0.4e印加されるとμ100=70
に低下した。これらに対し実施例2は,バイアス磁場の
ない場合にはμ100=1805であったものが,バイア
ス磁場が0.4e印加されてもμ100=1370と透磁
率の低下は極めて小さかった。
り,添加元素のない比較例1のVHの値2.01と比較
して非常に小さく,バイアス磁場に対して非常に安定し
ていることを示している。例えば,比較例1,実施例
2,比較例4のバイアス磁場の影響による透磁率の低下
は,比較例1ではバイアス磁場のない場合μ100=18
20であったものが,バイアス磁場が0.4e印加さ
れるとμ100=286に低下した。また,比較例3は,
バイアス磁場のない場合μ100=800であったもの
が,バイアス磁場が0.4e印加されるとμ100=70
に低下した。これらに対し実施例2は,バイアス磁場の
ない場合にはμ100=1805であったものが,バイア
ス磁場が0.4e印加されてもμ100=1370と透磁
率の低下は極めて小さかった。
次に,比較例8,11は,組成が本発明の範囲外であるた
め,バイアス磁場による透磁率の低下が大きく,従って
VHの値も大きくなっている。また,比較例5,12,13
は,組成が本発明の範囲外であるため,靭性に乏しく,
180゜密着曲げが不可能であった。中でも比較例12,
13は,非晶質相とはならず,結晶化をおこし,脆く,軟
磁性をも示さなかった。
め,バイアス磁場による透磁率の低下が大きく,従って
VHの値も大きくなっている。また,比較例5,12,13
は,組成が本発明の範囲外であるため,靭性に乏しく,
180゜密着曲げが不可能であった。中でも比較例12,
13は,非晶質相とはならず,結晶化をおこし,脆く,軟
磁性をも示さなかった。
(発明の効果) 本発明の非晶質金属細線は,低磁歪,高透磁率,高飽和
磁束密度であり,しかも靭性に優れ,バイアス磁場に対
して安定な性質を有している。そのため,従来適用が困
難であった座標読取装置,電流センサー,うず電流セン
サー,磁気センサー,変位センサー等の電磁用材料とし
て用いることができる。
磁束密度であり,しかも靭性に優れ,バイアス磁場に対
して安定な性質を有している。そのため,従来適用が困
難であった座標読取装置,電流センサー,うず電流セン
サー,磁気センサー,変位センサー等の電磁用材料とし
て用いることができる。
さらに本発明の非晶質金属細線は,耐食性,疲労特性に
も優れ,腐食性雰囲気あるいは歪のかかるような箇所に
おいても,その使用に何ら支障をきたさないという特長
も有している。
も優れ,腐食性雰囲気あるいは歪のかかるような箇所に
おいても,その使用に何ら支障をきたさないという特長
も有している。
Claims (1)
- 【請求項1】組成式 (Co1-a-bFeaMb)100-X-YSixBY (但し,MはCr,Mo,Ni のうちの少なくとも1種の元
素で,X<20原子%,7原子%≦Y<35原子%,7
原子%<X+Y≦35原子%,0.01≦a≦0.1,0.001≦
b≦0.05である。) で示される組成よりなり,バイアス磁場に対して安定な
性質を有し,断面が円形な非晶質金属細線。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60166561A JPH0643627B2 (ja) | 1985-07-26 | 1985-07-26 | 非晶質金属細線 |
CA000514392A CA1281561C (en) | 1985-07-26 | 1986-07-22 | Fine amorphous metallic wires |
DE8686305696T DE3662404D1 (en) | 1985-07-26 | 1986-07-24 | Fine amorphous metallic wires |
EP86305696A EP0212863B1 (en) | 1985-07-26 | 1986-07-24 | Fine amorphous metallic wires |
US06/889,709 US4657604A (en) | 1985-07-26 | 1986-07-28 | Fine amorphous metal wires |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60166561A JPH0643627B2 (ja) | 1985-07-26 | 1985-07-26 | 非晶質金属細線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6227540A JPS6227540A (ja) | 1987-02-05 |
JPH0643627B2 true JPH0643627B2 (ja) | 1994-06-08 |
Family
ID=15833543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60166561A Expired - Lifetime JPH0643627B2 (ja) | 1985-07-26 | 1985-07-26 | 非晶質金属細線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0643627B2 (ja) |
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JP4900502B2 (ja) * | 2010-06-09 | 2012-03-21 | 玉留 綿村 | ダマが起きにくい泡立器 |
CN104087877A (zh) * | 2014-07-29 | 2014-10-08 | 上海理工大学 | 一种Co-Fe-Si-B-Cr非晶合金及其制备方法 |
EP3118641B8 (en) * | 2015-07-15 | 2019-03-20 | Indian Oil Corporation Limited | An improved giant magneto-impedance (gmi) based sensing device for the detection of carburization in austenitic stainless steel |
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JP2021150632A (ja) * | 2020-03-24 | 2021-09-27 | 愛知製鋼株式会社 | 感磁ワイヤおよびその製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5779052A (en) * | 1980-10-16 | 1982-05-18 | Takeshi Masumoto | Production of amorphous metallic filament |
JPS58123851A (ja) * | 1982-01-18 | 1983-07-23 | アライド・コ−ポレ−シヨン | 高い磁気的および熱的安定性を有し磁気歪がほとんど零のガラス質金属合金 |
-
1985
- 1985-07-26 JP JP60166561A patent/JPH0643627B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6227540A (ja) | 1987-02-05 |
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