JPH08107008A - Fe族基非晶質金属フィラメント - Google Patents

Fe族基非晶質金属フィラメント

Info

Publication number
JPH08107008A
JPH08107008A JP6240993A JP24099394A JPH08107008A JP H08107008 A JPH08107008 A JP H08107008A JP 6240993 A JP6240993 A JP 6240993A JP 24099394 A JP24099394 A JP 24099394A JP H08107008 A JPH08107008 A JP H08107008A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetostriction
group
filament
amorphous
amorphous metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6240993A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Ueno
修司 上埜
Isamu Ogasawara
勇 小笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP6240993A priority Critical patent/JPH08107008A/ja
Publication of JPH08107008A publication Critical patent/JPH08107008A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/14Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/147Alloys characterised by their composition
    • H01F1/153Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals
    • H01F1/15391Elongated structures, e.g. wires
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/0302Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity characterised by unspecified or heterogeneous hardness or specially adapted for magnetic hardness transitions
    • H01F1/0304Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity characterised by unspecified or heterogeneous hardness or specially adapted for magnetic hardness transitions adapted for large Barkhausen jumps or domain wall rotations, e.g. WIEGAND or MATTEUCCI effect

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型のパルス電圧発生素子として利用できる
線径が100μm以下の安定な双安定磁気特性を示すF
e族基非晶質金属フィラメントを提供する。 【構成】 次の組成、磁歪、線径及び断面を満足してな
ることを特徴とするFe族基非晶質金属フィラメント。 組成:Fe族基の元素が65原子%以上である。 磁歪:磁歪定数の絶対値が1×10-6以上である。 線径:100μm以下である。 断面形状:偏平度が30%以下(0%は含まない)であ
り、かつ円形度が70%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、安定な双安定磁気特性
を示し、パルス電圧発生特性に優れたFe族基非晶質金
属フィラメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融状態の合金を急冷することにより薄
帯状、フィラメント状、粉粒体状など種々の形状と特性
を有する非晶質金属材料が得られることはよく知られて
いる。中でも特開昭56−165016号公報並びに特
開昭57−79052号公報により開示されたFe及び
Co基の急冷凝固非晶質金属細線は、磁化過程において
ある特定の励磁磁界値(逆磁区形成限界磁界値)におい
て急速に磁化反転を生じる双安定磁気特性を示す磁性材
料として知られており、励磁磁界の変化速度に無関係に
検出コイルに鋭い誘導電圧パルスを発生するパルス電圧
発生素子として各種磁気マーカや磁気センサに広く応用
されている。
【0003】また、特開昭63−24003号公報に
は、Fe系の急冷凝固非晶質磁歪線を線引き後、張力下
熱処理を施し、次いで急冷することにより、100μm
以下の種々の線径からなる双安定磁気特性を示す非晶質
金属フィラメントが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た特開昭56−165016号公報及び特開昭57−7
9052号公報に開示されたFe及びCo基の円形断面
を有する非晶質金属フィラメントは、回転液中紡糸法と
呼ばれる製造方法により作製されるため、回転冷却液中
において細線形態を形成する特定の合金組成のものに限
定されるという問題点を有していた。また、100μm
以下の細孔を有するノズルから溶湯を回転冷却液中に安
定して噴出させることが困難なため、100μm以下の
線径を有するFe及びCo基の急冷凝固非晶質金属フィ
ラメントが得られにくいという問題点も有していた。さ
らに、回転液中紡糸法により作製された円形断面を有す
る非晶質金属フィラメントを用いて、前記の特開昭63
−24003号公報に基づき100μm以下の種々の線
径からなる双安定磁気特性を有する非晶質金属フィラメ
ントを得るには、伸線工程と張力制御された複雑な熱処
理工程を利用する必要があり、得られた非晶質金属フィ
ラメントが高価な材料になるという問題点も有してい
た。
【0005】すなわち、従来の非晶質金属フィラメント
は、いずれも双安定磁気特性のバラックが生じ、パルス
電圧発生特性も十分でなかった。したがって、本発明
は、小型のパルス電圧発生素子として利用できる線径が
100μm以下の安定な双安定磁気特性を示すFe族基
非晶質金属フィラメントを提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、特定の磁歪と特定
の断面形状を有するFe族基非晶質金属フィラメントが
上記課題を解決することができるという知見を得、この
知見に基づいて本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、次の組成、磁歪、線
径及び断面を満足してなることを特徴とするFe族基非
晶質金属フィラメントを要旨とするものである。 組成:Fe族基の元素が65原子%以上である。 磁歪:磁歪定数の絶対値が1×10-6以上である。 線径:100μm以下である。 断面形状:偏平度が30%以下(0%は含まない)であ
り、かつ円形度が70%以上である。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
非晶質金属フィラメントは、X線回折法により確認され
る非晶質構造を有することが必要であるが、磁気特性と
して双安定磁気特性を発現する限りにおいては結晶質相
が若干含まれていてもよい。
【0009】本発明の非晶質金属フィラメントは、F
e、Co及びNiの少なくとも1種を65原子%以上含
むことが必要であるが、非晶質単相を形成し、かつ、室
温において磁歪定数の絶対値が1×10-6以上の磁歪を
有するものであれば、特に組成に限定されない。特に、
本発明においてはNiが35原子%以下の範囲で、F
e、Co及びNiから選ばれた1種又は2種以上のFe
族基の元素の合計が65原子%以上90原子%以下で、
非晶質形成を促進する元素としてB、P、C、Si、Z
r、Nb及びTaからなる群より選ばれた1種又は2種
以上の元素を合計で10原子%以上35原子%以下であ
ることが望ましい。
【0010】さらに本発明においては合金組成に耐食性
を改善する目的でCr、CuやMo10原子%以下含ま
れていても双安定磁気特性を失わない範囲であれば特に
問題はない。本発明においてFe族基の元素の合計含有
量が65原子%未満になると、磁気特性が劣化し室温に
おいて双安定磁気特性を示さなくなる。また、Fe族基
の元素の合計含有量が90原子%を越える場合、非晶質
形成を促進する元素の合計が10原子%未満の場合、あ
るいは35原子%を越える場合には、非晶質形成能が低
下し非晶質単相を形成しにくくなり、双安定磁気特性を
示す非晶質金属フィラメントが得られにくくなる。
【0011】本発明の非晶質金属フィラメントは、急冷
凝固された状態において室温で双安定磁気特性を示す。
そのためには、磁歪定数の絶対値が1×10-6以上の磁
歪を有することが必要であり、磁歪定数の絶対値が3×
10-6以上の磁歪を有することがより好ましい。磁歪定
数の絶対値が1×10-6より小さい磁歪を有するものに
なると、フィラメントの断面が以下に規定する断面を有
していても双安定磁気特性を示さなくなりパルス電圧発
生特性が大幅に悪化する。
【0012】本発明の非晶質金属フィラメントは、線径
が100μm以下であることが必要であり、線径が90
μm以下であることが好ましい。線径が100μmを越
えると、以下に示す融液抽出法を用いて作製されたフィ
ラメントの円形度が以下の条件を満足しなくなる。本発
明の非晶質金属フィラメントは、パルス電圧発生特性か
ら線径が40μm以上であることが好ましく,特に、線
径が50μm以上であることが好ましい。線径が40μ
mより小さくなると、磁化反転に伴う磁性体の体積(磁
性体の断面積)が小さくなり、検出コイルにおいて検出
される誘導電圧値は低いものとなり、検出パルスの高調
波成分も線径が40μm以上もと比べて少なくなるので
好ましくない。本発明における線径とは、任意の断面に
おける最大径(最大寸法)と最小径(最小寸法)の平均
値をいう。
【0013】本発明の非晶質金属フィラメントは、偏平
度が0%より大きく、かつ30%以下であることが必要
であり、20%以下であることが好ましい。偏平度が3
0%を越えると、たとえ磁歪定数の絶対値が1×10-6
以上の磁歪を有するものであっても、双安定磁気特性を
示さなくなりパルス電圧発生特性が大幅に悪化する。ま
た、本発明の非晶質金属フィラメントは、円形度が70
%以上であることが必要であり、80%以上であること
が好ましい。円形度が70%未満になると、たとえ磁歪
定数の絶対値が1×10-6以上の磁歪を有するものであ
っても、双安定磁気特性を示さなくなりパルス電圧発生
特性が大幅に悪化する。
【0014】本発明における偏平度とは、線径の0.8
5倍以上の曲率半径を持つ曲線部分又は凹曲線からなる
部分の断面周囲全体に対する長さの割合(百分率)をい
い、本発明における円形度とは、線径の0.25倍以上
0.75倍以下の範囲の曲率半径を持つ曲線部分の断面
周囲全体に対する長さの割合(百分率)をいう。本発明
の非晶質金属フィラメントの断面形状を、図1及び図2
に基づいて説明すると、図中の1は、本発明の非晶質金
属フィラメントであり、その非晶質金属フィラメント1
の断面は、線径の0.85倍以上の曲率半径からなる周
部分2又は凹曲線からなる周部分4を有し、かつ線径の
0.25倍以上0.75倍以下の範囲の曲率半径を持つ
曲線部分3により構成されている。
【0015】本発明の非晶質金属フィラメントを製造す
るには、例えば、前記したFe族基の合金を溶融し、そ
の溶湯を高速運動する固体冷媒に接触させると、同時
か、又は接触させた後に、溶融合金の表面張力により円
形断面を形成させる融液抽出法により作製される。この
融液抽出法としては、例えば、〔J.Vac.Sci.Technol.,V
ol.11,No.6(1974)1067-1071 〕に記載の方法があげられ
る。この方法は、坩堝中で合金を溶融し、その溶融合金
に回転している先端の鋭利なロールを接触させることに
より、微少量の合金をロール回転方向に連続して抽出さ
せ、かつ合金の表面張力により円形断面を有するフィラ
メントを製造する方法である。また、特開昭48−43
40号公報,特公昭52−22897号公報に記載の方
法でも製造することができる。例えば、特開昭48−4
340号公報に記載の方法によれば、真空あるいはアル
ゴン等の不活性ガス雰囲気下で、合金をセラミック製の
坩堝中で溶融した後、1000〜8000rpmで回転
しているCu、Fe、Mo、Wなどの金属あるいはその
合金からなる直径10〜100cmの先端の鋭利なロー
ルと接触させ、ロール回転方向にフィラメントを連続し
て抽出することにより本発明の非晶質金属フィラメント
を得ることができる。
【0016】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。なお、実施例及び比較例中の組織、磁
歪、円形度、偏平度、線径(平均線径)、パルス電圧及
び双安定磁気特性を次のようにして評価した。組織につ
いては、X線回折法により非晶質相特有のハローパター
ンが得られた状態を非晶質と判定し、非晶質と結晶質が
混在する状態を結晶質と判定した。また、断面を光学顕
微鏡により10点観察し、各断面の外周部分において曲
率半径が線径の0.25倍以上0.75倍以下の範囲で
ある部分の断面周囲に対する長さの割合(百分率)を求
め、10断面の平均値を円形度とした。さらに線径の
0.85倍以上の曲率半径からなる周部分又は凹曲線か
らなる周部分の断面周囲に対する長さの割合(百分率)
も求め、10断面の平均値を偏平度とした。なお、急冷
フィラメントの平均線径については、それぞれの断面に
ついて最大径と最小径の平均値を線径とし、10点の断
面についておのおの線径を測定し、その平均値をフィラ
メントの平均線径とした。
【0017】作製した非晶質金属フィラメントの磁歪
は、試料長20cmのフィラメントを線径より10〜2
0%程度大きい内径の石英ガラス管内に挿入し、フィラ
メントの長手方向に圧縮力あるいは張力を負荷しながら
磁気ヒステリシスループを10本の試料について測定す
ることにより求めた。このとき、印加磁界は60Hzの
交流電源を用いた。また、試料長20cmのフィラメン
トについて励磁磁界0.01〜1Oe、周波数60Hz
において交流磁気ヒステリシスループを測定し、双安定
磁気特性の有無を判定した。さらに作製された非晶質金
属フィラメントのパルス電圧発生特性は、周波数50H
z、印加最大磁界1Oeの正弦波で試料長10cmのフ
ィラメントを励磁し、非晶質金属フィラメントの周囲に
巻かれた長さ3.5cm、590ターン、内径3cmの
検出コイルにて検出されるパルス電圧を10本について
測定し、平均値を求めた。
【0018】実施例1〜14、比較例1〜7 表1に示す各種組成からなる合金を、アルゴン雰囲気下
でセラミックルツボ中で溶融させた。次に、ロール外周
先端を断面角度60度を有する突起状に加工した直径2
0cmの銅ロールを1500〜2500rpmで回転さ
せて溶融合金に接触させ、ロール回転方向に溶融合金を
連続して抽出することにより金属フィラメントを作製し
た。次に、作製したこれらのフィラメントの組織、磁
歪、円形度、偏平度、線径(平均線径)、パルス電圧及
び双安定磁気特性の有無を測定した。その結果を表1に
示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1に示すように、本発明の非晶質フィラ
メントは、実施例1〜14にあるように安定な双安定磁
気特性を示し、検出コイルに発生する誘導パルス電圧も
いずれも70mV以上の優れたパルス電圧発生特性を有
している。しかしながら、比較例1及び2に示す、線径
が100μmを越え、偏平度が30%を越え、円形度が
70%未満の断面形状を有するフィラメントでは、たと
え1×10-6以上の磁歪を有し、非晶質構造であっても
双安定磁気特性を示さず、発生するパルス電圧も実施例
1〜14に比べて格段に低いものになる。また、比較例
3及び4に示すように、磁歪定数の絶対値が1×10-6
より小さくなると、非晶質構造であっても双安定磁気特
性を示さず、発生するパルス電圧も実施例1〜14に比
べて格段に低いものになる。次に、比較例5及び6に示
すように、Fe族基の元素の合計含有量が65原子%よ
り少なくなると、磁気特性が劣化し、非磁性のフィラメ
ントになっている。さらに比較例7は、非晶質形成を促
進する元素の含有量が多すぎるため、かえって非晶質構
造が形成できず、磁歪を有する強磁性体結晶質であり、
双安定磁気特性を示さず、発生するパルス電圧も明確に
観測されていない。
【0021】比較例8(回転液中紡糸法) Fe83Zr7 6 Cu1 Nb3 (原子%)の組成からな
る合金を、石英管中でアルゴン雰囲気下にて溶融した
後、孔径90μmφの石英製紡糸ノズルを用い、350
rpmで回転している内径500mmφの円筒ドラム内
に形成された温度4℃、深さ2.5cmの冷却水の膜中
にアルゴンガス噴出圧5kg/cm2 で噴出して急冷凝
固させた。このときの紡糸ノズルと回転冷却液面との距
離は1mm以下であり、紡糸ノズルより噴出された溶融
金属流とその回転冷却液面とのなす角は45度であっ
た。その結果、フィラメント状の試料は得られず、非晶
質構造からなる粉末状の試料が得られた。すなわち、比
較例8は、従来の回転液中紡糸法を用いて実施例14と
同じ組成の非晶質フィラメントを得ようとしたものであ
るが、回転冷却液中ではフィラメント状態のものが得ら
れず、非晶質粉末になっている。
【0022】比較例9(回転液中紡糸法) Fe78Si9 13(原子%)の組成からなる合金を、石
英管中でアルゴン雰囲気下にて溶融した後、孔径85μ
mφの石英製紡糸ノズルを用い、390rpmで回転し
ている内径500mmφの円筒ドラム内に形成された温
度4℃、深さ2.5cmの冷却水の膜中にアルゴンガス
噴出圧5.5kg/cm2 で噴出して急冷凝固させた。
このときの紡糸ノズルと回転冷却液面との距離は1mm
以下であり、紡糸ノズルより噴出された溶融金属流とそ
の回転冷却液面とのなす角は45度であった。その結
果、得られた試料は、平均線径80μmのフィラメント
状の非晶質材料であり、これを実施例1と同様にして磁
歪、円形度、偏平度、パルス電圧及び双安定磁気特性の
有無を測定したところ、円形度は100%で、偏平度は
0%であり、磁歪(磁歪定数の絶対値)は35×10-6
であった。ところが、10本の試料中7本は、双安定磁
気特性を示したが、残りの3本は、双安定磁気特性を示
さず、発生するパルス電圧も平均値で48mVであっ
た。すなわち、比較例9は、従来の回転液中紡糸法を用
いて実施例1と同じ組成の非晶質フィラメントを得よう
としたものであるが、得られたフィラメントは、磁歪定
数の絶対値が1×10-6以上であっても双安定磁気特性
を示すものと示さないものとがあり、発生するパルス電
圧も実施例1に比べて低いものになっている。
【0023】比較例10(単ロール法) Fe78Si9 13(原子%)の組成からなる合金を、石
英管中でアルゴン雰囲気下にて溶融した後、孔径300
μmφの石英製ノズルを用い、1500rpmで回転し
ている直径200mmφの銅製ロール上にアルゴンガス
噴出圧0.4kg/cm2 で噴出して急冷凝固させた。
このときの石英ノズルと回転冷却ロール面との距離は1
mm以下であった。その結果、得られた試料は、幅が4
00μm、厚さ45μmの薄帯状の非晶質材料であり、
これを実施例1と同様にして断面の真円度、偏平度、磁
歪、パルス電圧及び双安定磁気特性の有無を測定したと
ころ、真円度は12%、偏平度は88%で、磁歪(磁歪
定数の絶対値)は35×10-6であったが、双安定磁気
特性を示さず、発生するパルス電圧も38mVと低いも
のであった。すなわち、比較例10は、単ロール法で作
製した薄帯であり、かなり幅の狭いものでも真円度は、
12%程度であり、円形断面を有しておらず、双安定磁
気特性を示さず、発生するパルス電圧も実施例1に比べ
て格段に低いものになっている。
【0024】
【発明の効果】本発明の非晶質金属フィラメントは、安
定な(バラッキのない)双安定磁気特性を示し、パルス
電圧発生特性に優れたものであり、特に,急冷凝固状態
において逆磁区形成限界磁界値H* が0.05〜0.4
5Oeの双安定磁気特性を示す新しい磁性材料である。
また、本発明の非晶質金属フィラメントは、従来の回転
液中紡糸法を利用した製造技術では提供されないような
合金組成を持つものもある。そのため、交番磁界中で急
峻な磁化反転を生じ、検出コイルに鋭い誘導電圧パルス
を発生するパルス電圧発生素子、特に、励磁磁界の変化
速度によらない誘導パルス電圧の発生特性を利用して、
盗難防止用磁気マーカなどの各種磁気マー1や回転セン
サー等の各種磁気センサーとして広く用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非晶質金属フィラメントの断面形状を
示す概略断面図である。
【図2】本発明の非晶質金属フィラメントの断面形状を
示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 非晶質金属フィラメント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01R 33/02 B 9307−2G

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の組成、磁歪、線径及び断面を満足し
    てなることを特徴とするFe族基非晶質金属フィラメン
    ト。 組成:Fe族基の元素が65原子%以上である。 磁歪:磁歪定数の絶対値が1×10-6以上である。 線径:100μm以下である。 断面形状:偏平度が30%以下(0%は含まない)であ
    り、かつ円形度が70%以上である。
JP6240993A 1994-10-05 1994-10-05 Fe族基非晶質金属フィラメント Pending JPH08107008A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6240993A JPH08107008A (ja) 1994-10-05 1994-10-05 Fe族基非晶質金属フィラメント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6240993A JPH08107008A (ja) 1994-10-05 1994-10-05 Fe族基非晶質金属フィラメント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08107008A true JPH08107008A (ja) 1996-04-23

Family

ID=17067733

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6240993A Pending JPH08107008A (ja) 1994-10-05 1994-10-05 Fe族基非晶質金属フィラメント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08107008A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6749700B2 (en) Method for producing amorphous alloy ribbon, and method for producing nano-crystalline alloy ribbon with same
US5252144A (en) Heat treatment process and soft magnetic alloys produced thereby
JP6191908B2 (ja) ナノ結晶軟磁性合金及びこれを用いた磁性部品
EP0833351B1 (en) Fe group-based amorphous alloy ribbon and magnetic marker
JP2007182594A (ja) 非晶質合金薄帯、ナノ結晶軟磁性合金ならびにナノ結晶軟磁性合金からなる磁心
Inoue et al. Preparation of amorphous Fe–Si–B and Co–Si–B alloy wires by a melt extraction method and their mechanical and magnetic properties
JP2001001113A (ja) 合金薄帯並びにそれを用いた部材、及びその製造方法
JP3494371B2 (ja) アモルファス合金薄帯の製造方法、およびこれを用いたナノ結晶合金薄帯の製造方法
JPH08269647A (ja) Ni基非晶質金属フィラメント
JP3364299B2 (ja) 非晶質金属細線
Sato et al. Production and properties of melt-spun Fe-6.5 wt.% Si ribbons
JPH08107008A (ja) Fe族基非晶質金属フィラメント
US4657604A (en) Fine amorphous metal wires
JP4097748B2 (ja) Fe族基非晶質金属薄帯及び磁気マーカ
JP3954660B2 (ja) Fe族基非晶質金属薄帯
JPS6358902B2 (ja)
JPS5848652A (ja) 高透磁率アモルフアス合金
JP2021037543A (ja) 金属ストリップ、アモルファス金属ストリップを製造するための方法およびナノ結晶金属ストリップを製造するための方法
JPS6059034A (ja) Cu−Ζr系非晶質金属細線
JPS6227540A (ja) 非晶質金属細線
JPH0651900B2 (ja) 非晶質金属細線
JPS6052557A (ja) 低損失非晶質磁性合金
JPH1046301A (ja) Fe基磁性合金薄帯ならびに磁心
JP2000080413A (ja) Fe族基非晶質金属薄帯の製造方法
JPS5942069B2 (ja) 実効透磁率の大きい非晶質合金の製造方法