JP3710226B2 - Fe基軟磁性金属ガラス合金よりなる急冷リボン - Google Patents
Fe基軟磁性金属ガラス合金よりなる急冷リボン Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、Fe基金属ガラス合金よりなる急冷リボンに関するもので、従来のアモルファス合金の薄帯に比べてはるかに大きな厚みを有するものが得られ、優れた磁気特性を有するとともに比抵抗が高いものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から多元素合金のある種のものは、結晶化の前の過冷却液体の状態においてある広い温度領域を有し、これらは、金属ガラス合金(glassy alloy)を構成するものとして知られている。そして、この種の金属ガラス合金は、従来公知の液体急冷法で製造したアモルファス合金の薄帯に比べてはるかに厚いバルク状の合金となることも知られている。
例えば従来、このような金属ガラス合金として、Ln-Al-TM、Mg-Ln-TM、Zr-Al-TM、Hf-Al-TM、Ti-Zr-Be-TM(ただしLnは希土類元素、TMは遷移金属を示す。)系等の組成のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来知られているこれらの金属ガラス合金は、いずれも、室温において磁性を持つことはなく、この点において磁性材料として見た場合に工業的には大きな制約があった。従って、従来より室温で磁性を有し、厚いバルク状のものを得ることができる金属ガラス合金の研究開発が進められていた。
【0004】
ここで各種の組成の合金において、過冷却液体状態を示すとしても、これらの過冷却液体の温度間隔ΔTx、即ち、結晶化開始温度(Tx)と、ガラス遷移温度(Tg)との差、即ち、(Tx−Tg)の値は一般に小さく、現実的には、金属ガラス形成能に乏しく、実用性のないものであることを考慮すると、前記の通りの広い過冷却液体の温度領域を持ち、冷却によって金属ガラスを構成することのできる合金の存在は、従来公知のアモルファス合金の薄帯としての厚さの制約を克服可能なことから、冶金学的には大いに注目されるものである。しかし、工業材料として発展できるか否かは、室温で強磁性を示す金属ガラス合金の発見が鍵となっている。
【0005】
本発明は前記の背景に鑑み、室温で軟磁性を有し、従来の液体急冷法で得られるアモルファス合金薄帯よりも厚く、バルク状のものが容易に得られるとともに、比抵抗が高いFe基金属ガラス合金よりなる急冷リボンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のFe基金属ガラス合金よりなる急冷リボンは、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが35K以上であり、組成が原子%でAl: 1 〜10%、Ga: 0.5〜 4%、P: 9 〜15%、C: 5 〜 7%、B: 2 〜10%、Si:1〜15%、Fe:72%以上、比抵抗が1.5μΩm以上であることを特徴とする。
本発明の急冷リボンにおいては、Feの含有量を72〜81 . 5原子%の範囲とすることができる。
【0007】
本発明の急冷リボンにおいて、前記組成に加えてGeを0.5〜4原子%の範囲で含有してなる構成でも良い。
本発明に係る急冷リボンにおいて、前記組成に加えてNb、Mo、Cr、Hf、W、Zrの少なくとも1種を7%以下含有してなる組成でも良い。
本発明の急冷リボンとして、板厚が20〜160μmの範囲のものとすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一例について説明する。
従来からFe系の合金として、Fe-P-C系、Fe-P-B系、Fe-Ni-Si-B系等の組成のものがガラス遷移を起こすものとして知られているが、これらの合金の過冷却液体の温度間隔ΔTxはいずれも25K以下と極めて小さく、実際的に金属ガラス合金として構成することはできない。
これに対して、本発明に係るFe基軟磁性金属ガラス合金は、この過冷却液体の温度間隔ΔTxが、35K以上、組成によっては40〜50K以上という顕著な温度間隔を有し、これまでの知見から知られるFe基合金からは全く予期されないものである。しかも、軟磁性についても室温で優れた特性を有する本発明に係るFe基軟磁性金属ガラス合金は、これまでの知見に見られない全く新規なもので、これまでアモルファス合金が薄帯としてしか実現できなかったのに対し、バルク状のものが得られ、遥かに実用性に優れたものとなる。
【0009】
本発明に係るFe基軟磁性金属ガラス合金は、その組成については、Feを主成分とし、更に、他の金属と半金属とを含有したものとして示すことができる。
このうち他の金属とは、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)である。前記半金属元素としては、P(リン)、C(炭素)、B(ほう素)、Si(ケイ素)を例示できる。 より具体的に例示すると、本発明では、その組成が原子%で、Al:1〜10%、Ga:0.5〜4%、P:9〜15%、C:5〜7%、B:2〜10%、Si:1〜15%、Fe:72%以上であって、不可避不純物が含有されていても良いFe基金属ガラス合金である。
【0010】
また、Siを加えることにより、過冷却液体の温度間隔ΔTxを向上させ、アモルファス単相となる臨界板厚を増大させることができる。その結果、室温で優れた軟磁気特性を有するバルク状のFe基軟磁性金属ガラス合金の厚さをさらに厚くすることが可能となる。Siの含有量は多すぎると過冷却液体領域ΔTxが消滅するので、1〜15%である必要がある。
【0011】
なお、前記の組成において、更にGeを0〜4%、好ましくは0.5〜4%の範囲で含有していても良い。また、前記組成において、更に、Nb、Mo、Cr、Hf、W、Zrの少なくとも1種を7%以下含有していても良い。これらのいずれの組成においても、本発明においては、過冷却液体の温度間隔ΔTxは、35K以上、組成によっては40〜50K以上が得られる。
【0012】
本発明に係るFe基軟磁性金属ガラス合金は、溶製してから鋳造法により、あるいは単ロールもしくは双ロールによる急冷法によって、さらには液中紡糸法や溶液抽出法によって、あるいは高圧ガス噴霧法によって、バルク状、リボン状、線状体、粉末等の種々の形状として製造される。これらの製造方法によって、従来公知のアモルファス合金の場合に比べて10倍以上の厚さと径の大きさのFe基軟磁性金属ガラス合金を得ることができる。
【0013】
これらの方法により得られた前記の組成のFe基軟磁性金属ガラス合金は、室温において磁性を有し、また、熱処理により、より良好な磁性を示す。このため、優れたSoft magnetic特性(軟磁気特性)を有する材料として各種の応用に有用なものとなる。
なお、製造方法について付言すると、合金の組成、そして製造のための手段と製品の大きさ、形状等によって、好適な冷却速度が決まるが、通常は1〜104K/s程度の範囲を目安とすることができる。そして、実際には、ガラス相(glassy phase)に、結晶相としてのFe3B、Fe2B、Fe3P等の相が析出するかどうかを確認することで決めることができる。
【0014】
【実施例】
ここで以下に、参考例と本発明の実施例を示し、本発明のFe基軟磁性金属ガラス合金について更に詳細に説明する。
「参考例1」
Fe、Al及びGaと、Fe-C合金、Fe-P合金及びBを原料としてそれぞれ所定量秤量し、減圧Ar雰囲気下においてこれらの原料を高周波誘導加熱装置で溶解し、原子組成比がFe73Al5Ga2P11C5B4のインゴットを作製した。このインゴットをるつぼ内に入れて溶解し、るつぼのノズルから回転しているロールに溶湯を吹き出して急冷する単ロール法によって、減圧Ar雰囲気下で急冷リボンを得た。製造時のノズル径と、ノズル先端とロール表面との距離(ギャップ)と、ロールの回転数と、射出圧力と、雰囲気圧力を以下の表1のように設定して製造したところ、厚さ35〜229μmのリボンを得ることができた。
【0015】
【表1】
【0016】
図1は表1に示す各リボン試料のX線回折パターンを示すものである。図1に示すX線回折パターンにより、板厚35〜135μmの試料にあってはいずれもハローなパターンとなっており、アモルファス単相組織を有していることが判明した。これに対し、板厚151μmと180μmの試料では、2θ=50゜付近にのみピークが観察された。このピークは、Fe2Bに帰属するピークであると考えられる。更に、229μmの板厚の試料では先のピーク以外にもFe3Bに帰属するピークが観察されるようになり、更に別の化合物が生成しているものと思われる。以上の結果から、前記の組成系の合金を単ロール法により製造することで、35〜135μmまでの範囲の板厚のアモルファス単相組織のリボンを得ることができることが判明した。
【0017】
図2と図3は、表1に示す各リボン試料のDSC(示差走査熱量測定)曲線を示す。これらの図から、結晶化温度以下の広い温度領域で過冷却液体域が存在しΔTx=Tx−Tgで示される値が大きく、この系の組成の合金が高いアモルファス形成能を有することがわかる。また、これらの図の結果から、229μmの板厚の試料であってもアモルファス相を有することが明らかになった。
図4は、図2と図3に示す各リボン試料のDSC曲線から求めたTx、Tg、ΔTxの板厚依存性について示したものである。図4に示す結果から、Txの値は板厚に依存して変化する傾向は見られず、約506℃を示した。Tgについては、229μm厚の試料において若干上昇している以外はほぼ一定値(Tg=458℃)を示していることがわかる。Tx、Tgから求めたΔTxについては、Tgが上昇した229μm厚の試料以外はほぼ一定値(ΔTx=47℃)を示した。
【0018】
次に前記各リボン試料について、300〜450℃の温度範囲で熱処理した場合の磁気特性を測定した。熱処理条件は、赤外線イメージ炉を用い、真空中で昇降温速度180℃/分、保持温度10分の条件として測定した。
図5は、前記各リボン試料における磁気特性の熱処理温度依存性について示したものである。また、図6は図5に示すデータの中から必要数抜粋したデータのみを記載したものである。
これらの図から、35〜180μmの範囲の板厚試料のσs(飽和磁化)については、熱処理なしの試料と変わらずに400℃までほぼ一定の値を示したが、450℃熱処理においては、劣化する傾向を示した。一方、229μmの板厚の試料については、400℃でピークを示した後、劣化する傾向を示した。この傾向については、実際に229μmの板厚試料について、熱処理なしの試料と熱処理後の試料のX線回折パターンを比較した。
【0019】
また、図7は板厚229μmの試料について400℃×10分の熱処理を行った後のX線回折パターンと熱処理なしの試料のX線回折パターンを比較して示すものである。これらのX線回折パターンのうち、2θ=50゜付近に観察されるFe2B、Fe3Bに帰属すると考えられる2つのピークの相対強度から考えた場合、熱処理なしの試料では2つのピークがほぼ同じであるのに対し、400℃×10分の熱処理後においてはFe2Bに帰属すると思われるピークのみが強くなっている。従って、熱処理無しの試料において存在する各結晶のうち、Fe2Bのみが低温側で成長しているものと推察される。このため、400℃付近でσsが最大値を示したものと認められる。そして、この温度以上になると、Fe3B等の結晶が成長したために再び劣化したものと考えられる。一方、151、180μmの板厚試料では図7に示す結果を参考にすると、熱処理無しの場合に存在する結晶粒(X線回折からFe2B)のみが400℃まで成長するためσsに差は観察されないが、それ以上の温度になると他の結晶も成長し始めたため劣化したものと考えられる。
【0020】
次に、保磁力Hcについては、各板厚試料とも、350℃熱処理において最小値を示し、熱処理なしの試料よりも特性が向上する結果となった。更に、熱処理温度を上昇させると保磁力は増大する傾向を示した。また、熱処理無しの試料で結晶が存在すると思われる151、180μmの板厚試料については、アモルファス単相のものに比較して若干大きな値を示している。なお、229μm板厚の試料についての保磁力は測定不能であった。次に、透磁率μ'(1kHz)については、熱処理を施すことによって向上し、350℃で最大値を示した。
【0021】
次に、図8は、各リボン試料の各熱処理温度における磁気特性の板厚依存性を示す。また、図9は傾向を見やすくするために図8に示すデータのうち、熱処理温度350℃のデータと熱処理無しのデータを抜粋して記載したものである。
これらの図から明らかなように、σsについては、熱処理無しの場合において、180μm板厚まではほぼ一定の値を示し、それ以上の板厚で劣化する傾向を示した。保磁力Hcについては、熱処理無しの試料でアモルファス単相である125μmの板厚の試料までほぼ一定の値を示し、それ以上の板厚においては増大する傾向を示した。また、熱処理により、400℃まで低下する傾向を示す。
次に、透磁率μ'(1kHz)については、熱処理無しの試料でアモルファス単相である135μmまでほぼ一定の値を示し、それ以上の板厚において減少する傾向を示した。熱処理による効果は、400℃まで向上する傾向を示しているが、板厚増加に従ってその効果は小さくなる。また、450℃熱処理において大幅に劣化する傾向を示した。
【0022】
これらの熱処理による軟磁気特性の変化については、熱処理無しの試料において存在する内部応力が熱処理を行うことによって緩和されるためであると思われる。また、最適熱処理温度Taは、今回の試験においては350℃付近にあると言える。なお、キュリー温度Tc以下の熱処理では、磁区固着による特性劣化が起こる可能性があるので、熱処理温度は少なくとも300℃以上必要であると思われる。また、450℃における熱処理では、熱処理なしの試料の値よりも劣化する傾向にあるので、この系の結晶化温度(約500℃)に近く、結晶核の生成開始(構造的短範囲秩化序)または結晶析出開始による磁壁のピンニングに起因して劣化するものと思われる。従って、熱処理する場合の温度は300〜500℃、換言すると、300℃〜結晶化開始温度の範囲であることが好ましく、300〜450℃がより好ましいことが判明した。
【0023】
また、これまで得られた表1に示す各板厚の試料におけるσs(飽和磁化)と保磁力(Hc)と透磁率(μ')と組織構造を表2にまとめて示す。構造はXRD(X線回折法)で構造解析した結果を示し、amoはアモルファス単相、amo+cryはアモルファス相+結晶相の構造を有することを示す。
【0024】
【表2】
【0025】
図10は、Fe78Si9B13なる組成の比較試料について熱処理なしの試料と370℃で120分間熱処理した試料、Fe73Al 5Ga2P11C5B4なる組成の試料について熱処理無しの試料と350℃で10分間熱処理した試料のそれぞれに対し、飽和磁化σsと保磁力Hcと透磁率μ'のそれぞれの板厚依存性を測定した結果を示す。何れの試料においても板厚30〜200μmの範囲であれば、磁気特性の劣化も少なく、優れた特性が得られた。
【0026】
図11は、Fe78Si9B13なる組成の比較試料について370℃で120分間熱処理した試料と、Fe73Al5Ga2P11C5B4なる組成の試料について350℃で10分間熱処理した試料のそれぞれに対し、曲げ試験を行い、最大歪を測定した結果を示す。曲げ試験は、2本のロッドと薄帯試料を用い、2本のロッドの先端部の間にロッドと平行に配置した薄帯を挟み、2本のロッドを徐々に接近させて薄帯を山状に折り曲げるものとし、このように山状に折り曲げていった場合にリボンが折れて切れたときのロッドの端面間の幅をLとし、薄帯の厚さをtとした場合、t/(L−t)の値を最大歪(λf)と定義することにした。
図11に示す結果から、Fe78Si9B13なる組成の比較試料は板厚が増加するにつれて急激に折り曲げに弱くなる(換言すると脆くなる)が、前記組成系の試料では板厚が増加しても折り曲げに弱くなり難い性質(換言すると脆くなり難い)を有している。また、板厚が60μm以上の場合は比較試料よりも前記組成系の組成の試料の方が折り曲げに強くなることも明らかになった。
【0027】
図12は、Fe78Si9B13なる組成の従来のFe基アモルファス材料と、Fe73Al5Ga2P11C5B4なる組成の参考例に係るFe基金属ガラス合金試料の透磁率における板厚依存性を比較して示す図である。この図の結果から、参考例に係る試料において、軟磁気特性に関し、厚さ60μmまで遜色無い程度の透磁率が得られ、80μm以上の厚さであれば従来材料よりも優れた値が得られることが明らかである。また、軟磁性の面からのみ見ると、透磁率5000以上を得るためには、20〜180μmの厚さの範囲が好ましいことが明らかである。
【0028】
図13は、Fe78Si9B13なる組成の比較試料と、Fe73Al5Ga2P11C5B4なる組成の試料について、比抵抗の板厚依存性を測定した結果を示す。参考例の組成系の試料にあっては、比較例の試料よりも比抵抗が高く、18μm厚〜235μm厚の試料まで1.5μΩcm以上の値を示した。従って本参考例の組成系の試料にあっては高周波での渦電流損失が少なく、高周波損失の少ないものを提供できることが判明した。
【0029】
「参考例2」
次に、Fe70+XAl5Ga2(P55C25B20)23-Xなる組成において、Fe濃度を変化させてリボン試料をそれぞれ作製し、各リボン試料について構造および特性を調べた。リボン試料の作製は上記参考例1と同様にして行い、試料の板厚は30μmとした。図14は、各リボン試料のX線回折パターンを示すものである。この図に示されるように、Fe濃度が71〜75原子%(X=1〜5)の試料にあってはいずれもハローなパターンとなっており、アモルファス単相組織を有していることがわかる。これに対し、Fe濃度が76原子%(X=6)の試料では、bcc−Feと思われるピークが観察され(図中○で示す)、結晶が生成していることが認められる。
【0030】
図15は、各リボン試料のDSC曲線(図示略)から求めたTx、TgのFe濃度依存性について示したものである。この図の結果から、Fe濃度が70〜75原子%(X=0〜5)の範囲において、Txの値はFe濃度の増加に伴って減少している。また、Tgの値は、Fe濃度が70〜73原子%ではFe濃度の増加に伴って減少し、これよりもFe濃度が増加すると増加する傾向が見られるが、Tx、Tgから求められるΔTxについては、35〜70℃程度の大きな値が得られている。
【0031】
図16は、各リボン試料(熱処理無し)の磁気特性を測定した結果を示したものである。またこの図には、比較試料として従来のFe−Si−B系アモルファス材料(板厚25μm、真空中で370℃×120分間の熱処理後)の飽和磁化σsと保磁力Hcと透磁率μ'の値をそれぞれ破線で示す。この図から明らかなように、σsについては、Fe濃度の増加に伴って向上することがわかる。そして、アモルファス単相組織を有するFe濃度範囲においては、Fe濃度が75原子%のときに、Fe−Si−B系の比較試料(σs=183emu/g)とほぼ同等のσs=150emu/gの値が得られた。また保磁力Hcについては、アモルファス単相組織を有するFe濃度=75原子%までの試料でほぼ一定の値を示し、それ以上のFe濃度においては大きく増大した。透磁率μ'(1kHz)については、Fe濃度の増加に伴って減少する傾向が見られるものの、Fe濃度が70〜76原子%の範囲で、透磁率5000以上の優れた軟磁気特性が得られた。この結果より本参考例のFe基軟磁性金属ガラス合金において、Feを増加させることによってσsを向上させることができ、Fe75Al5Ga2P9.9C4.5B3.6なる組成において、従来のFe−Si−B系アモルファス材料とほぼ同等のσsを有するFe基軟磁性金属ガラス合金が、単ロール液体急冷法により得られることがわかった。
【0032】
「実施例1」
次に、上記参考例1の組成にSiを添加してなるFe基軟磁性金属ガラス合金について実施例を挙げ、その効果を明らかにする。
原子組成比がFe72Al5Ga2P10C6B4Siのインゴットを作製し、これをるつぼ内に入れて溶解し、るつぼのノズルから回転しているロールに溶湯を吹き出して急冷する単ロール法によって、減圧Ar雰囲気下で急冷リボンを得た。製造時の条件を、ノズル径0.4〜0.5mm、ノズル先端とロール表面との距離(ギャップ)0.3mm、ロールの回転数200〜2500r.p.m.、射出圧力0.35〜0.40kgf/cm2、雰囲気圧力−10cmHg、ロール表面状態#1000に設定して製造したところ、厚さ20〜250μmのリボンを得ることができた。得られたリボン試料の両表面のうち、作製時にロール表面に接する側をロール面側、その反対側を自由面側という。
【0033】
図17は上記で得られた各リボン試料のX線回折パターンを示すものである。測定はリボン試料の自由面側で行った。この図に示すX線回折パターンにより、板厚20〜160μmの試料にあってはいずれも、2θ=40〜60゜にハローなパターンを有しており、アモルファス単相組織を有していることがわかる。これに対し、板厚170μm以上の試料では、2θ=50゜付近にのみピークが観察された。このピークは、Fe3C、Fe3Bのものに帰属するピークであると考えられる。
以上の結果から、本実施例によれば、単ロール法により、20〜160μmまでの範囲の板厚のアモルファス単相組織のリボンが得られることがわかった。上記参考例1の合金組成では、板厚135μm程度まではアモルファス単相組織が得られ、板厚151μmになると結晶析出によるピークが見られたことから、Siを添加することによってアモルファス単相組織が得られる板厚、すなわち臨界板厚が増大することが認められる。
【0034】
図18は、上記リボン試料と同様の組成Fe72Al5Ga2P10C6B4Siを有し、板厚が約470μmのリボン試料(熱処理なし)のX線回折パターンを示すものである。測定はリボン試料の自由面側とロール面側でそれぞれ行った。Siが添加された合金はアモルファスが形成され易いが、このように臨界板厚を越えた試料にあっては、自由面側、ロール面側ともに結晶化していることがわかる。
【0035】
図19は、上記で得られた板厚22〜220μmの各リボン試料のDSC(示差走査熱量測定)曲線を示すものである。昇温速度は0.67K/秒とした。この図から、上記参考例1と同様に、結晶化温度以下の広い温度領域で過冷却液体域が存在しΔTx=Tx−Tgで示される値が大きく、この系の組成の合金が高いアモルファス形成能を有することがわかる。
【0036】
図20は、図19に示す各リボン試料、およびSiを添加しないリボン試料について、DSC曲線から求められるTx、Tg、ΔTxの板厚依存性を調べた結果を示したものである。この図において、△、●、▽は、Tx、Tg、ΔTxをそれぞれ示している。この図の結果から、いずれの試料においても、Tx、Tg、ΔTxともに、板厚に依存して変化する傾向は見られなかった。また、Siを含有するリボン試料の△Txの値は約51Kであり、Siを含有しないリボン試料の△Txの値が約47Kであるのに比べて、4K程度向上していることが認められる。
【0037】
次に、前記で得られた厚さ20〜250μmの各リボン試料について、熱処理を行わない場合と、熱処理した場合の磁気特性をそれぞれ測定した。図21は、各リボン試料の磁気特性の板厚依存性を示す。熱処理条件は、赤外線イメージ炉を用い、真空中で、上記参考例1のSiを添加しない試料において最適条件であった昇降温速度180℃/分、保持温度350℃、保持時間30分の条件とした。この図から明らかなように、飽和磁化σsについては、熱処理無しの場合において、板厚にかかわらずほぼ一定で145emu/g程度の値を示した。熱処理後のσsは、アモルファス単相構造を維持している板厚160μmまでは熱処理無しのものと大きく変わらないが、それ以上の板厚で熱処理無しのものに比べて劣化する傾向を示した。これは、熱処理によってFe3B、Fe3C等の結晶が成長したことが原因であると考えられる。
【0038】
保磁力Hcについては、熱処理無しの試料では板厚の増加に伴って増大する傾向を示した。また、熱処理後の試料は熱処理無しのものに比べてHcが低下しており、いずれの板厚においても0.625〜0.125 Oeの値を示した。このように熱処理によってHcが低下したのは、上記参考例1と同様に、熱処理無しの試料において存在する内部応力が熱処理を行うことによって緩和されたためであると思われる。
また、この図と図9とを比較すると、本実施例ではSiを添加したことにより、上記参考例1のSiを含有しないFe基軟磁性金属ガラス合金に比べて、熱処理無しの場合はいずれの板厚においてもHcが増大している。しかし、熱処理を施すことでHcは低下し、Siを含有しないFe基軟磁性金属ガラス合金とほぼ同程度となった。
【0039】
次に、透磁率μ'(1kHz)については、熱処理無しの試料では板厚の増加に伴って減少する傾向を示した。また熱処理によってμ'は向上し、上記参考例1のSiを含有しない組成のFe基軟磁性金属ガラス合金とほぼ同等の値が得られた。なお、上記参考例1と同様に、熱処理による効果が板厚増加に従って小さくなる傾向は本実施例でも見られた。
【0040】
また、本実施例で得られた各板厚の試料(熱処理無し)におけるσs(飽和磁化)と保磁力(Hc)と透磁率(μ')と組織構造を表3にまとめて示す。構造はXRD(X線回折法)で構造解析した結果を示し、amoはアモルファス単相、amo+cryはアモルファス相+結晶相の構造を有することを示す。
【0041】
【表3】
【0042】
図22は、Fe78Si9B13なる組成の比較試料について370℃で120分間熱処理した試料と、Fe72Al5Ga2P10C6B4Si1なる組成の試料について350℃で30分間熱処理した試料のそれぞれに対し、飽和磁化σsと保磁力Hcと透磁率μ'のそれぞれの板厚依存性を測定した結果を示す。
この結果より、Fe72Al5Ga2P10C6B4Si1なる組成の本発明に係るFe基金属ガラス合金試料は、Fe78Si9B13なる組成の従来の比較試料と比べて、板厚20〜250μmの範囲であれば、磁気特性の劣化も少なく、優れた特性が得られることが認められた。特に軟磁気特性に関しては、本発明に係る試料において、従来材料よりも優れた透磁率の値が得られており、板厚20〜250μmの範囲で透磁率5000以上の優れた軟磁気特性が得られることが認められる。なお、この発明は、以上の例によって何ら限定されるものではなく、その組成、製造方法、熱処理条件、形状等について様々な態様が可能であることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の金属ガラス合金からなる急冷リボンによれば、Al: 1 〜10%、Ga: 0 . 5〜 4%、P: 9 〜15%、C: 5 〜 7%、B: 2 〜10%、Si:1〜15原子%、Fe:72%以上の組成であり、過冷却液体の温度間隔ΔT x が35K以上であり、比抵抗が1 . 5μΩm以上であるので、従来のアモルファス合金薄帯の厚みの制約を克服し、20〜160μmの厚さのバルク状体としての提供が可能であって、しかも室温で軟磁気特性を有し、高い比抵抗を有するFe基金属ガラス合金の急冷リボンを提供できる。
【0044】
次に本発明によれば、薄帯状で20μm以上の厚さ、あるいは20〜200μmの厚さ、特にSiを添加する場合には20〜250μmの厚さであって、比抵抗が1.5μΩm以上であり、しかも室温で軟磁気特性を有するバルク状のFe基軟磁性金属ガラス合金を提供することができる。また、前記軟磁気特性において、飽和磁化が高く、保磁力が低く、透磁率が高いものを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 板厚35μm〜229μmの試料におけるX線回折図形を示す図である。
【図2】 板厚35μm〜135μmの試料のDSC曲線を示す図である。
【図3】 板厚151μm〜229μmの試料のDSC曲線を示す図である。
【図4】 結晶化開始温度Txとガラス遷移温度TgおよびΔTxの値の板厚依存性を示す図である。
【図5】 飽和磁化と保磁力と透磁率の板厚依存性を示す図である。
【図6】 図5に示す板厚依存性のデータの一部を抜粋して示す図である。
【図7】 板厚229μmの試料における熱処理なしの場合と熱処理後のX線回折図形を示す図である。
【図8】 熱処理条件を変えた各試料の飽和磁化と保磁力と透磁率の板厚依存性を示す図である。
【図9】 図8に示す板厚依存性のデータの一部を抜粋して示す図である。
【図10】 組成の異なる各試料の飽和磁化と保磁力と透磁率の板厚依存性を示す図である。
【図11】 組成の異なる試料の最大歪と板厚の関係を示す図である。
【図12】 従来のFe基アモルファス材料と本発明に係る組成の金属ガラス合金の透磁率の板厚依存性を示す図である。
【図13】 従来のFe基アモルファス材料と本発明に係る組成の金属ガラス合金の比抵抗の板厚依存性を示す図である。
【図14】 Fe濃度71〜76原子%の試料におけるX線回折図形を示す図である。
【図15】 結晶化開始温度Txおよびガラス遷移温度Tgの値のFe濃度依存性を示す図である。
【図16】 飽和磁化と保磁力と透磁率のFe濃度依存性を示す図である。
【図17】 Siを添加した、板厚20〜250μmの試料におけるX線回折図形を示す図である。
【図18】 Siを添加した、板厚470μmの試料におけるX線回折図形を示す図である。
【図19】 Siを添加した試料のDSC曲線を示す図である。
【図20】 結晶化開始温度Txとガラス遷移温度TgおよびΔTxの値の板厚依存性を示す図である。
【図21】 Siを添加した試料における熱処理なしの場合と熱処理後の飽和磁化と保磁力と透磁率の板厚依存性を示す図である。
【図22】 従来のFe基アモルファス材料と本発明に係るSiを添加した金属ガラス合金の飽和磁化と保磁力と透磁率の板厚依存性を示す図である。
Claims (6)
- ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが35K以上であり、組成が原子%で、
Al: 1 〜10%
Ga: 0.5〜 4%
P: 9 〜15%
C: 5 〜 7%
B: 2 〜10%
Si:1〜15%
Fe:72%以上、
比抵抗が1.5μΩm以上であることを特徴とするFe基軟磁性金属ガラス合金よりなる急冷リボン。 - 前記Feの含有量を72〜81 . 5原子%の範囲としたことを特徴とする請求項1に記載のFe基軟磁性金属ガラス合金よりなる急冷リボン。
- 前記Siの含有量を1原子%としたことを特徴とする請求項1に記載のFe基軟磁性金属ガラス合金よりなる急冷リボン。
- 前記組成に加えてGeを0.5〜4原子%の範囲で含有してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の急冷リボン。
- 前記組成に加えてNb、Mo、Cr、Hf、W、Zrの少なくとも1種を7%以下含有してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の急冷リボン。
- 板厚が20〜160μmの範囲とされたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の急冷リボン。
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