JPH09320827A - Fe基軟磁性金属ガラス合金 - Google Patents

Fe基軟磁性金属ガラス合金

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JPH09320827A
JPH09320827A JP8243756A JP24375696A JPH09320827A JP H09320827 A JPH09320827 A JP H09320827A JP 8243756 A JP8243756 A JP 8243756A JP 24375696 A JP24375696 A JP 24375696A JP H09320827 A JPH09320827 A JP H09320827A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、室温で軟磁性を有し、従来の液体
急冷法で得られるアモルファス合金薄帯よりも厚く、バ
ルク状のものが容易に得られるとともに、比抵抗が高い
Fe基金属ガラス合金を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のFe基金属ガラス合金は、ΔT
x=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開始温度、Tgはガラ
ス遷移温度を示す)の式で表される過冷却液体の温度間
隔ΔTxが35K以上であり、比抵抗が1.5μΩm以上
のものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Fe基金属ガラス
合金に関するもので、従来のアモルファス合金の薄帯に
比べてはるかに大きな厚みを有するものが得られ、優れ
た磁気特性を有するとともに比抵抗が高いものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から多元素合金のある種のものは、
結晶化の前の過冷却液体の状態においてある広い温度領
域を有し、これらは、金属ガラス合金(glassy alloy)
を構成するものとして知られている。そして、この種の
金属ガラス合金は、従来公知の液体急冷法で製造したア
モルファス合金の薄帯に比べてはるかに厚いバルク状の
合金となることも知られている。例えば従来、このよう
な金属ガラス合金として、Ln-Al-TM、Mg-Ln-
TM、Zr-Al-TM、Hf-Al-TM、Ti-Zr-B
e-TM(ただしLnは希土類元素、TMは遷移金属を
示す。)系等の組成のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来知
られているこれらの金属ガラス合金は、いずれも、室温
において磁性を持つことはなく、この点において磁性材
料として見た場合に工業的には大きな制約があった。従
って、従来より室温で磁性を有し、厚いバルク状のもの
を得ることができる金属ガラス合金の研究開発が進めら
れていた。
【0004】ここで各種の組成の合金において、過冷却
液体状態を示すとしても、これらの過冷却液体の温度間
隔ΔTx、即ち、結晶化開始温度(Tx)と、ガラス遷移
温度(Tg)との差、即ち、(Tx−Tg)の値は一般に
小さく、現実的には、金属ガラス形成能に乏しく、実用
性のないものであることを考慮すると、前記の通りの広
い過冷却液体の温度領域を持ち、冷却によって金属ガラ
スを構成することのできる合金の存在は、従来公知のア
モルファス合金の薄帯としての厚さの制約を克服可能な
ことから、冶金学的には大いに注目されるものである。
しかし、工業材料として発展できるか否かは、室温で強
磁性を示す金属ガラス合金の発見が鍵となっている。
【0005】本発明は前記の背景に鑑み、室温で軟磁性
を有し、従来の液体急冷法で得られるアモルファス合金
薄帯よりも厚く、バルク状のものが容易に得られるとと
もに、比抵抗が高いFe基金属ガラス合金を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のFe基金属ガラ
ス合金は、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開始温
度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される過
冷却液体の温度間隔ΔTxが、35K以上であり、比抵
抗が1.5μΩm以上であることを特徴とするものであ
る。なお、ΔTは40K以上であることがより好まし
く、50K以上であればさらに好ましい。本発明におい
て、前記Fe基軟磁性金属ガラス合金はFe以外の他の
金属元素と半金属元素とを含有することを特徴とする。
本発明において、半金属元素は、P、C、B及びGeの
うちの少なくとも1種以上であることが好ましい。ま
た、半金属元素として、P、C、B及びGeのうちの少
なくとも1種以上およびSiを含有していてもよい。本
発明において、他の金属元素は周期律表IIIB族及び
IVB族の金属元素のうちの少なくとも1種以上である
ことが好ましい。具体的には、他の金属元素は、Al、
Ga、In及びSnのうちの少なくとも1種以上である
ことが好ましい。本発明において、Fe基軟磁性金属ガ
ラス合金の組成は原子%で、Al:1〜10%、Ga:
0.5〜4%、P:9〜15%、C:5〜7%、B:2
〜10%、Fe:残部であることを特徴とする。あるい
は、Fe基軟磁性金属ガラス合金の組成が原子%で、A
l:1〜10%、Ga:0.5〜4%、P:9〜15
%、C:5〜7%、B:2〜10%、Si:0〜15
%、Fe:残部であってもよい。
【0007】本発明では、前記Fe基軟磁性金属ガラス
合金の組成に原子%でGeが0〜4%、より好ましくは
0.5〜4%含有されていてもよい。本発明では、前記
Fe基軟磁性金属ガラス合金の組成に原子%でNb、M
o、Hf、Ta、W及びCrの少なくとも1種以上が7
%以下含有されていてもよい。本発明では、前記Fe基
軟磁性金属ガラス合金の組成に原子%で10%以下のN
iと30%以下のCoの少なくとも一方が含有されてい
てもよい。本発明においては、前記Fe基軟磁性金属ガ
ラス合金が薄帯状であり、その板厚が20μm以上であ
るものが得られる。本発明においては、前記Fe基軟磁
性金属ガラス合金が薄帯状であり、その板厚が20μm
以上、200μm以下のものを得ることができる。また
Siを含有する場合には、前記Fe基軟磁性金属ガラス
合金が薄帯状であり、その板厚が20μm以上、250
μm以下であるものを得ることができる。本発明におい
て、前記Fe基軟磁性金属ガラス合金のX線回折像はハ
ローパターンを具備することを特徴とする。本発明で
は、前記Fe基軟磁性金属ガラス合金に、300〜50
0℃の温度範囲の熱処理を施してもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
例について説明する。従来からFe系の合金として、F
e-P-C系、Fe-P-B系、Fe-Ni-Si-B系等の
組成のものがガラス遷移を起こすものとして知られてい
るが、これらの合金の過冷却液体の温度間隔ΔTxはい
ずれも25K以下と極めて小さく、実際的に金属ガラス
合金として構成することはできない。これに対して、本
発明に係るFe基軟磁性金属ガラス合金は、この過冷却
液体の温度間隔ΔTxが、35K以上、組成によっては
40〜50K以上という顕著な温度間隔を有し、これま
での知見から知られるFe基合金からは全く予期されな
いものである。しかも、軟磁性についても室温で優れた
特性を有する本発明に係るFe基軟磁性金属ガラス合金
は、これまでの知見に見られない全く新規なもので、こ
れまでアモルファス合金が薄帯としてしか実現できなか
ったのに対し、バルク状のものが得られ、遥かに実用性
に優れたものとなる。
【0009】本発明に係るFe基軟磁性金属ガラス合金
は、その組成については、Feを主成分とし、更に、他
の金属と半金属とを含有したものとして示すことができ
る。このうち他の金属とは、周期律表のIIA族、II
IA族及びIIIB族、IVA族及びIVB族、VA
族、VIA族、VIIA族のうちか選択できるものであ
るが、中でも、IIIB族、IVB族の金属元素が好適
なものとして示される。例えば、Al(アルミニウ
ム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Sn
(スズ)である。また、本発明に係るFe基軟磁性金属
ガラス合金に対し、Ti、Hf、Cu、Mn、Nb、M
o、Cr、Ni、Co、Ta、W、Zrの中から選択さ
れる1種以上の金属元素を配合することができる。前記
半金属元素としては、例えば、P(リン)、C(炭
素)、B(ほう素)、Si(ケイ素)、Ge(ゲルマニ
ウム)を例示できる。より具体的に例示すると、本発明
では、その組成が原子%で、Al:1〜10%、Ga:
0.5〜4%、P:9〜15%、C:5〜7%、B:2
〜10%、Fe:残部であって、不可避不純物が含有さ
れていても良いFe基金属ガラス合金である。
【0010】また、更にSiを加えることにより、過冷
却液体の温度間隔ΔTxを向上させ、アモルファス単相
となる臨界板厚を増大させることができる。その結果、
室温で優れた軟磁気特性を有するバルク状のFe基軟磁
性金属ガラス合金の厚さをさらに厚くすることが可能と
なる。Siの含有量は多すぎると過冷却液体領域ΔT x
が消滅するので、15%以下が好ましい。より具体的に
例示すると、本発明のFe基金属ガラス合金は、その組
成が原子%で、Al:1〜10%、Ga:0.5〜4
%、P:9〜15%、C:5〜7%、B:2〜10%、
Si:0〜15%、Fe:残部であって、不可避不純物
が含有されていても良い。
【0011】なお、前記の組成において、更にGeを0
〜4%、好ましくは0.5〜4%の範囲で含有していて
も良い。また、前記組成において、更に、Nb、Mo、
Cr、Hf、W、Zrの少なくとも1種を7%以下含有
していても良く、更に、Ni10%以下、Co30%以
下を含んでいても良い。これらのいずれの場合の組成に
おいても、本発明においては、過冷却液体の温度間隔Δ
xは、35K以上、組成によっては40〜50K以上
が得られる。
【0012】本発明に係るFe基軟磁性金属ガラス合金
は、溶製してから鋳造法により、あるいは単ロールもし
くは双ロールによる急冷法によって、さらには液中紡糸
法や溶液抽出法によって、あるいは高圧ガス噴霧法によ
って、バルク状、リボン状、線状体、粉末等の種々の形
状として製造される。これらの製造方法によって、従来
公知のアモルファス合金の場合に比べて10倍以上の厚
さと径の大きさのFe基軟磁性金属ガラス合金を得るこ
とができる。
【0013】これらの方法により得られた前記の組成の
Fe基軟磁性金属ガラス合金は、室温において磁性を有
し、また、熱処理により、より良好な磁性を示す。この
ため、優れたSoft magnetic特性(軟磁気特性)を有す
る材料として各種の応用に有用なものとなる。なお、製
造方法について付言すると、合金の組成、そして製造の
ための手段と製品の大きさ、形状等によって、好適な冷
却速度が決まるが、通常は1〜104K/s程度の範囲
を目安とすることができる。そして、実際には、ガラス
相(glassy phase)に、結晶相としてのFe3B、Fe2
B、Fe3P等の相が析出するかどうかを確認すること
で決めることができる。
【0014】
【実施例】ここで以下に、本発明の実施例を示し、本発
明のFe基軟磁性金属ガラス合金について更に詳細に説
明する。 「実施例1」Fe、Al及びGaと、Fe-C合金、F
e-P合金及びBを原料としてそれぞれ所定量秤量し、
減圧Ar雰囲気下においてこれらの原料を高周波誘導加
熱装置で溶解し、原子組成比がFe73Al5Ga211
54のインゴットを作製した。このインゴットをるつぼ
内に入れて溶解し、るつぼのノズルから回転しているロ
ールに溶湯を吹き出して急冷する単ロール法によって、
減圧Ar雰囲気下で急冷リボンを得た。製造時のノズル
径と、ノズル先端とロール表面との距離(ギャップ)
と、ロールの回転数と、射出圧力と、雰囲気圧力を以下
の表1のように設定して製造したところ、厚さ35〜2
29μmのリボンを得ることができた。
【0015】
【表1】
【0016】図1は表1に示す各リボン試料のX線回折
パターンを示すものである。図1に示すX線回折パター
ンにより、板厚35〜135μmの試料にあってはいず
れもハローなパターンとなっており、アモルファス単相
組織を有していることが判明した。これに対し、板厚1
51μmと180μmの試料では、2θ=50゜付近に
のみピークが観察された。このピークは、Fe2Bに帰
属するピークであると考えられる。更に、229μmの
板厚の試料では先のピーク以外にもFe3Bに帰属する
ピークが観察されるようになり、更に別の化合物が生成
しているものと思われる。以上の結果から、本発明の組
成系の合金を単ロール法により製造することで、35〜
135μmまでの範囲の板厚のアモルファス単相組織の
リボンを得ることができることが判明した。
【0017】図2と図3は、表1に示す各リボン試料の
DSC(示差走査熱量測定)曲線を示す。これらの図か
ら、結晶化温度以下の広い温度領域で過冷却液体域が存
在しΔTx=Tx−Tgで示される値が大きく、この系の
組成の合金が高いアモルファス形成能を有することがわ
かる。また、これらの図の結果から、229μmの板厚
の試料であってもアモルファス相を有することが明らか
になった。図4は、図2と図3に示す各リボン試料のD
SC曲線から求めたTx、Tg、ΔTxの板厚依存性につ
いて示したものである。図4に示す結果から、Txの値
は板厚に依存して変化する傾向は見られず、約506℃
を示した。Tgについては、229μm厚の試料におい
て若干上昇している以外はほぼ一定値(Tg=458
℃)を示していることがわかる。Tx、Tgから求めたΔ
xについては、Tgが上昇した229μm厚の試料以外
はほぼ一定値(ΔTx=47℃)を示した。
【0018】次に前記各リボン試料について、300〜
450℃の温度範囲で熱処理した場合の磁気特性を測定
した。熱処理条件は、赤外線イメージ炉を用い、真空中
で昇降温速度180℃/分、保持温度10分の条件とし
て測定した。図5は、前記各リボン試料における磁気特
性の熱処理温度依存性について示したものである。ま
た、図6は図5に示すデータの中から必要数抜粋したデ
ータのみを記載したものである。これらの図から、35
〜180μmの範囲の板厚試料のσs(飽和磁化)につ
いては、熱処理なしの試料と変わらずに400℃までほ
ぼ一定の値を示したが、450℃熱処理においては、劣
化する傾向を示した。一方、229μmの板厚の試料に
ついては、400℃でピークを示した後、劣化する傾向
を示した。この傾向については、実際に229μmの板
厚試料について、熱処理なしの試料と熱処理後の試料の
X線回折パターンを比較した。
【0019】また、図7は板厚229μmの試料につい
て400℃×10分の熱処理を行った後のX線回折パタ
ーンと熱処理なしの試料のX線回折パターンを比較して
示すものである。これらのX線回折パターンのうち、2
θ=50゜付近に観察されるFe2B、Fe3Bに帰属す
ると考えられる2つのピークの相対強度から考えた場
合、熱処理なしの試料では2つのピークがほぼ同じであ
るのに対し、400℃×10分の熱処理後においてはF
2Bに帰属すると思われるピークのみが強くなってい
る。従って、熱処理無しの試料において存在する各結晶
のうち、Fe2Bのみが低温側で成長しているものと推
察される。このため、400℃付近でσsが最大値を示
したものと認められる。そして、この温度以上になる
と、Fe3B等の結晶が成長したために再び劣化したも
のと考えられる。一方、151、180μmの板厚試料
では図7に示す結果を参考にすると、熱処理無しの場合
に存在する結晶粒(X線回折からFe2B)のみが40
0℃まで成長するためσsに差は観察されないが、それ
以上の温度になると他の結晶も成長し始めたため劣化し
たものと考えられる。
【0020】次に、保磁力Hcについては、各板厚試料
とも、350℃熱処理において最小値を示し、熱処理な
しの試料よりも特性が向上する結果となった。更に、熱
処理温度を上昇させると保磁力は増大する傾向を示し
た。また、熱処理無しの試料で結晶が存在すると思われ
る151、180μmの板厚試料については、アモルフ
ァス単相のものに比較して若干大きな値を示している。
なお、229μm板厚の試料についての保磁力は測定不
能であった。次に、透磁率μ'(1kHz)について
は、熱処理を施すことによって向上し、350℃で最大
値を示した。
【0021】次に、図8は、各リボン試料の各熱処理温
度における磁気特性の板厚依存性を示す。また、図9は
傾向を見やすくするために図8に示すデータのうち、熱
処理温度350℃のデータと熱処理無しのデータを抜粋
して記載したものである。これらの図から明らかなよう
に、σsについては、熱処理無しの場合において、18
0μm板厚まではほぼ一定の値を示し、それ以上の板厚
で劣化する傾向を示した。保磁力Hcについては、熱処
理無しの試料でアモルファス単相である125μmの板
厚の試料までほぼ一定の値を示し、それ以上の板厚にお
いては増大する傾向を示した。また、熱処理により、4
00℃まで低下する傾向を示す。次に、透磁率μ'(1
kHz)については、熱処理無しの試料でアモルファス
単相である135μmまでほぼ一定の値を示し、それ以
上の板厚において減少する傾向を示した。熱処理による
効果は、400℃まで向上する傾向を示しているが、板
厚増加に従ってその効果は小さくなる。また、450℃
熱処理において大幅に劣化する傾向を示した。
【0022】これらの熱処理による軟磁気特性の変化に
ついては、熱処理無しの試料において存在する内部応力
が熱処理を行うことによって緩和されるためであると思
われる。また、最適熱処理温度Taは、今回の試験にお
いては350℃付近にあると言える。なお、キュリー温
度Tc以下の熱処理では、磁区固着による特性劣化が起
こる可能性があるので、熱処理温度は少なくとも300
℃以上必要であると思われる。また、450℃における
熱処理では、熱処理なしの試料の値よりも劣化する傾向
にあるので、この系の結晶化温度(約500℃)に近
く、結晶核の生成開始(構造的短範囲秩化序)または結
晶析出開始による磁壁のピンニングに起因して劣化する
ものと思われる。従って、熱処理する場合の温度は30
0〜500℃、換言すると、300℃〜結晶化開始温度
の範囲であることが好ましく、300〜450℃がより
好ましいことが判明した。
【0023】また、これまで得られた表1に示す各板厚
の試料におけるσs(飽和磁化)と保磁力(Hc)と透磁
率(μ')と組織構造を表2にまとめて示す。構造はX
RD(X線回折法)で構造解析した結果を示し、amoは
アモルファス単相、amo+cryはアモルファス相+結晶相
の構造を有することを示す。
【0024】
【表2】
【0025】図10は、Fe78Si913なる組成の比
較試料について熱処理なしの試料と370℃で120分
間熱処理した試料、Fe73Al5Ga21154なる組
成の試料について熱処理無しの試料と350℃で10分
間熱処理した試料のそれぞれに対し、飽和磁化σsと保
磁力Hcと透磁率μ'のそれぞれの板厚依存性を測定した
結果を示す。何れの試料においても板厚30〜200μ
mの範囲であれば、磁気特性の劣化も少なく、優れた特
性が得られた。
【0026】図11は、Fe78Si913なる組成の比
較試料について370℃で120分間熱処理した試料
と、Fe73Al5Ga21154なる組成の試料につい
て350℃で10分間熱処理した試料のそれぞれに対
し、曲げ試験を行い、最大歪を測定した結果を示す。曲
げ試験は、2本のロッドと薄帯試料を用い、2本のロッ
ドの先端部の間にロッドと平行に配置した薄帯を挟み、
2本のロッドを徐々に接近させて薄帯を山状に折り曲げ
るものとし、このように山状に折り曲げていった場合に
リボンが折れて切れたときのロッドの端面間の幅をLと
し、薄帯の厚さをtとした場合、t/(L−t)の値を
最大歪(λf)と定義することにした。図11に示す結
果から、Fe78Si913なる組成の比較試料は板厚が
増加するにつれて急激に折り曲げに弱くなる(換言する
と脆くなる)が、本発明に係る組成系の試料では板厚が
増加しても折り曲げに弱くなり難い性質(換言すると脆
くなり難い)を有している。また、板厚が60μm以上
の場合は比較試料よりも本発明系の組成の試料の方が折
り曲げに強くなることも明らかになった。
【0027】図12は、Fe78Si913なる組成の従
来のFe基アモルファス材料と、Fe73Al5Ga211
54なる組成の本発明に係るFe基金属ガラス合金試
料の透磁率における板厚依存性を比較して示す図であ
る。この図の結果から、本発明に係る試料において、軟
磁気特性に関し、厚さ60μmまで遜色無い程度の透磁
率が得られ、80μm以上の厚さであれば従来材料より
も優れた値が得られることが明らかである。また、軟磁
性の面からのみ見ると、透磁率5000以上を得るため
には、20〜180μmの厚さの範囲が好ましいことが
明らかである。
【0028】図13は、Fe78Si913なる組成の比
較試料と、Fe73Al5Ga21154なる組成の試料
について、比抵抗の板厚依存性を測定した結果を示す。
本発明組成系の試料にあっては、比較例の試料よりも比
抵抗が高く、18μm厚〜235μm厚の試料まで1.
5μΩcm以上の値を示した。従って本発明組成系の試
料にあっては高周波での渦電流損失が少なく、高周波損
失の少ないものを提供できることが判明した。
【0029】「実施例2」次に、Fe70+XAl5Ga
2(P55252023-Xなる組成において、Fe濃度を
変化させてリボン試料をそれぞれ作製し、各リボン試料
について構造および特性を調べた。リボン試料の作製は
上記実施例1と同様にして行い、試料の板厚は30μm
とした。図14は、各リボン試料のX線回折パターンを
示すものである。この図に示されるように、Fe濃度が
71〜75原子%(X=1〜5)の試料にあってはいず
れもハローなパターンとなっており、アモルファス単相
組織を有していることがわかる。これに対し、Fe濃度
が76原子%(X=6)の試料では、bcc−Feと思
われるピークが観察され(図中○で示す)、結晶が生成
していることが認められる。
【0030】図15は、各リボン試料のDSC曲線(図
示略)から求めたTx、TgのFe濃度依存性について示
したものである。この図の結果から、Fe濃度が70〜
75原子%(X=0〜5)の範囲において、Txの値は
Fe濃度の増加に伴って減少している。また、Tgの値
は、Fe濃度が70〜73原子%ではFe濃度の増加に
伴って減少し、これよりもFe濃度が増加すると増加す
る傾向が見られるが、Tx、Tgから求められるΔTx
ついては、35〜70℃程度の大きな値が得られてい
る。
【0031】図16は、各リボン試料(熱処理無し)の
磁気特性を測定した結果を示したものである。またこの
図には、比較試料として従来のFe−Si−B系アモル
ファス材料(板厚25μm、真空中で370℃×120
分間の熱処理後)の飽和磁化σsと保磁力Hcと透磁率
μ'の値をそれぞれ破線で示す。この図から明らかなよ
うに、σsについては、Fe濃度の増加に伴って向上す
ることがわかる。そして、アモルファス単相組織を有す
るFe濃度範囲においては、Fe濃度が75原子%のと
きに、Fe−Si−B系の比較試料(σs=183em
u/g)とほぼ同等のσs=150emu/gの値が得
られた。また保磁力Hcについては、アモルファス単相
組織を有するFe濃度=75原子%までの試料でほぼ一
定の値を示し、それ以上のFe濃度においては大きく増
大した。透磁率μ'(1kHz)については、Fe濃度
の増加に伴って減少する傾向が見られるものの、Fe濃
度が70〜76原子%の範囲で、透磁率5000以上の
優れた軟磁気特性が得られた。この結果より本発明のF
e基軟磁性金属ガラス合金において、Feを増加させる
ことによってσsを向上させることができ、Fe75Al5
Ga29.94.53.6なる組成において、従来のFe−
Si−B系アモルファス材料とほぼ同等のσsを有する
Fe基軟磁性金属ガラス合金が、単ロール液体急冷法に
より得られることがわかった。
【0032】「実施例3」次に、上記実施例1の組成に
Siを添加してなるFe基軟磁性金属ガラス合金につい
て実施例を挙げ、その効果を明らかにする。原子組成比
がFe72Al5Ga21064Siのインゴットを作製
し、これをるつぼ内に入れて溶解し、るつぼのノズルか
ら回転しているロールに溶湯を吹き出して急冷する単ロ
ール法によって、減圧Ar雰囲気下で急冷リボンを得
た。製造時の条件を、ノズル径0.4〜0.5mm、ノ
ズル先端とロール表面との距離(ギャップ)0.3m
m、ロールの回転数200〜2500r.p.m.、射出圧力
0.35〜0.40kgf/cm2、雰囲気圧力−10cmHg、
ロール表面状態#1000に設定して製造したところ、
厚さ20〜250μmのリボンを得ることができた。得
られたリボン試料の両表面のうち、作製時にロール表面
に接する側をロール面側、その反対側を自由面側とい
う。
【0033】図17は上記で得られた各リボン試料のX
線回折パターンを示すものである。測定はリボン試料の
自由面側で行った。この図に示すX線回折パターンによ
り、板厚20〜160μmの試料にあってはいずれも、
2θ=40〜60゜にハローなパターンを有しており、
アモルファス単相組織を有していることがわかる。これ
に対し、板厚170μm以上の試料では、2θ=50゜
付近にのみピークが観察された。このピークは、Fe3
C、Fe3Bのものに帰属するピークであると考えられ
る。以上の結果から、本実施例によれば、単ロール法に
より、20〜160μmまでの範囲の板厚のアモルファ
ス単相組織のリボンが得られることがわかった。上記実
施例1の合金組成では、板厚135μm程度まではアモ
ルファス単相組織が得られ、板厚151μmになると結
晶析出によるピークが見られたことから、Siを添加す
ることによってアモルファス単相組織が得られる板厚、
すなわち臨界板厚が増大することが認められる。
【0034】図18は、上記リボン試料と同様の組成F
72Al5Ga21064Siを有し、板厚が約470
μmのリボン試料(熱処理なし)のX線回折パターンを
示すものである。測定はリボン試料の自由面側とロール
面側でそれぞれ行った。Siが添加された合金はアモル
ファスが形成され易いが、このように臨界板厚を越えた
試料にあっては、自由面側、ロール面側ともに結晶化し
ていることがわかる。
【0035】図19は、上記で得られた板厚22〜22
0μmの各リボン試料のDSC(示差走査熱量測定)曲
線を示すものである。昇温速度は0.67K/秒とし
た。この図から、上記実施例1と同様に、結晶化温度以
下の広い温度領域で過冷却液体域が存在しΔTx=Tx
gで示される値が大きく、この系の組成の合金が高い
アモルファス形成能を有することがわかる。
【0036】図20は、図19に示す各リボン試料、お
よびSiを添加しないリボン試料について、DSC曲線
から求められるTx、Tg、ΔTxの板厚依存性を調べた
結果を示したものである。この図において、△、●、▽
は、Tx、Tg、ΔTxをそれぞれ示している。この図の
結果から、いずれの試料においても、Tx、Tg、ΔTx
ともに、板厚に依存して変化する傾向は見られなかっ
た。また、Siを含有するリボン試料の△Txの値は約
51Kであり、Siを含有しないリボン試料の△Tx
値が約47Kであるのに比べて、4K程度向上している
ことが認められる。
【0037】次に、前記で得られた厚さ20〜250μ
mの各リボン試料について、熱処理を行わない場合と、
熱処理した場合の磁気特性をそれぞれ測定した。図21
は、各リボン試料の磁気特性の板厚依存性を示す。熱処
理条件は、赤外線イメージ炉を用い、真空中で、上記実
施例1のSiを添加しない試料において最適条件であっ
た昇降温速度180℃/分、保持温度350℃、保持時
間30分の条件とした。この図から明らかなように、飽
和磁化σsについては、熱処理無しの場合において、板
厚にかかわらずほぼ一定で145emu/g程度の値を
示した。熱処理後のσsは、アモルファス単相構造を維
持している板厚160μmまでは熱処理無しのものと大
きく変わらないが、それ以上の板厚で熱処理無しのもの
に比べて劣化する傾向を示した。これは、熱処理によっ
てFe3B、Fe3C等の結晶が成長したことが原因であ
ると考えられる。
【0038】保磁力Hcについては、熱処理無しの試料
では板厚の増加に伴って増大する傾向を示した。また、
熱処理後の試料は熱処理無しのものに比べてHcが低下
しており、いずれの板厚においても0.625〜0.1
25 Oeの値を示した。このように熱処理によってHc
が低下したのは、上記実施例1と同様に、熱処理無しの
試料において存在する内部応力が熱処理を行うことによ
って緩和されたためであると思われる。またこの図と図
9とを比較すると、本実施例ではSiを添加したことに
より、上記実施例1のSiを含有しないFe基軟磁性金
属ガラス合金に比べて、熱処理無しの場合はいずれの板
厚においてもHcが増大している。しかし、熱処理を施
すことでHcは低下し、Siを含有しないFe基軟磁性
金属ガラス合金とほぼ同程度となった。
【0039】次に、透磁率μ'(1kHz)について
は、熱処理無しの試料では板厚の増加に伴って減少する
傾向を示した。また熱処理によってμ'は向上し、上記
実施例1のSiを含有しない組成のFe基軟磁性金属ガ
ラス合金とほぼ同等の値が得られた。なお、上記実施例
1と同様に、熱処理による効果が板厚増加に従って小さ
くなる傾向は本実施例でも見られた。
【0040】また、本実施例で得られた各板厚の試料
(熱処理無し)におけるσs(飽和磁化)と保磁力
(Hc)と透磁率(μ')と組織構造を表3にまとめて示
す。構造はXRD(X線回折法)で構造解析した結果を
示し、amoはアモルファス単相、amo+cryはアモルファ
ス相+結晶相の構造を有することを示す。
【0041】
【表3】
【0042】図22は、Fe78Si913なる組成の比
較試料について370℃で120分間熱処理した試料
と、Fe72Al5Ga21064Si1なる組成の試料
について350℃で30分間熱処理した試料のそれぞれ
に対し、飽和磁化σsと保磁力Hcと透磁率μ'のそれぞ
れの板厚依存性を測定した結果を示す。この結果より、
Fe72Al5Ga21064Si1なる組成の本発明に
係るFe基金属ガラス合金試料は、Fe78Si913
る組成の従来の比較試料と比べて、板厚20〜250μ
mの範囲であれば、磁気特性の劣化も少なく、優れた特
性が得られることが認められた。特に軟磁気特性に関し
ては、本発明に係る試料において、従来材料よりも優れ
た透磁率の値が得られており、板厚20〜250μmの
範囲で透磁率5000以上の優れた軟磁気特性が得られ
ることが認められる。なお、この発明は、以上の例によ
って何ら限定されるものではなく、その組成、製造方
法、熱処理条件、形状等について様々な態様が可能であ
ることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、過
冷却液体の温度間隔ΔTxが35K以上であり、比抵抗
が1.5μΩm以上であるので、従来のアモルファス合
金薄帯の厚みの制約を克服し、バルク状体としての提供
が可能であって、しかも室温で軟磁気特性を有し、高い
比抵抗を有するFe基金属ガラス合金を提供できる。ま
た、好ましい組成系として、Fe以外の他の金属元素と
半金属元素とを含有すること、添加する半金属元素とし
て、P、C、B及びGeのうちの少なくとも1種以上と
すること、あるいはP、C、B及びGeのうちの少なく
とも1種以上およびSiとすること、他の金属元素とし
て、周期律表IIIB族及びIVB族の金属元素のうち
の少なくとも1種以上とすることができ、他の金属元素
として、Al、Ga、In及びSnのうちの少なくとも
1種以上とすることができる。
【0044】次に本発明によれば、薄帯状で20μm以
上の厚さ、あるいは20〜200μmの厚さ、特にSi
を添加する場合には20〜250μmの厚さであって、
比抵抗が1.5μΩm以上であり、しかも室温で軟磁気
特性を有するバルク状のFe基軟磁性金属ガラス合金を
提供することができる。また、前記軟磁気特性におい
て、飽和磁化が高く、保磁力が低く、透磁率が高いもの
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 板厚35μm〜229μmの試料におけるX
線回折図形を示す図である。
【図2】 板厚35μm〜135μmの試料のDSC曲
線を示す図である。
【図3】 板厚151μm〜229μmの試料のDSC
曲線を示す図である。
【図4】 結晶化開始温度Txとガラス遷移温度Tgおよ
びΔTxの値の板厚依存性を示す図である。
【図5】 飽和磁化と保磁力と透磁率の板厚依存性を示
す図である。
【図6】 図5に示す板厚依存性のデータの一部を抜粋
して示す図である。
【図7】 板厚229μmの試料における熱処理なしの
場合と熱処理後のX線回折図形を示す図である。
【図8】 熱処理条件を変えた各試料の飽和磁化と保磁
力と透磁率の板厚依存性を示す図である。
【図9】 図8に示す板厚依存性のデータの一部を抜粋
して示す図である。
【図10】 組成の異なる各試料の飽和磁化と保磁力と
透磁率の板厚依存性を示す図である。
【図11】 組成の異なる試料の最大歪と板厚の関係を
示す図である。
【図12】 従来のFe基アモルファス材料と本発明に
係る組成の金属ガラス合金の透磁率の板厚依存性を示す
図である。
【図13】 従来のFe基アモルファス材料と本発明に
係る組成の金属ガラス合金の比抵抗の板厚依存性を示す
図である。
【図14】 Fe濃度71〜76原子%の試料における
X線回折図形を示す図である。
【図15】 結晶化開始温度Txおよびガラス遷移温度
gの値のFe濃度依存性を示す図である。
【図16】 飽和磁化と保磁力と透磁率のFe濃度依存
性を示す図である。
【図17】 Siを添加した、板厚20〜250μmの
試料におけるX線回折図形を示す図である。
【図18】 Siを添加した、板厚470μmの試料に
おけるX線回折図形を示す図である。
【図19】 Siを添加した試料のDSC曲線を示す図
である。
【図20】 結晶化開始温度Txとガラス遷移温度Tg
よびΔTxの値の板厚依存性を示す図である。
【図21】 Siを添加した試料における熱処理なしの
場合と熱処理後の飽和磁化と保磁力と透磁率の板厚依存
性を示す図である。
【図22】 従来のFe基アモルファス材料と本発明に
係るSiを添加した金属ガラス合金の飽和磁化と保磁力
と透磁率の板厚依存性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35番地 川 内住宅11−806 (72)発明者 水嶋 隆夫 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 藤田 浩一 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 山口 巨樹 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開
    始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表され
    る過冷却液体の温度間隔ΔTxが35K以上であり、比
    抵抗が1.5μΩm以上であることを特徴とするFe基
    軟磁性金属ガラス合金。
  2. 【請求項2】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金が、F
    e以外の他の金属元素と半金属元素とを含有することを
    特徴とする請求項1に記載のFe基軟磁性金属ガラス合
    金。
  3. 【請求項3】 半金属元素として、P、C、B及びGe
    のうちの少なくとも1種以上を含有してなることを特徴
    とする請求項2に記載のFe基軟磁性金属ガラス合金。
  4. 【請求項4】 半金属元素として、P、C、B及びGe
    のうちの少なくとも1種以上およびSiを含有してなる
    ことを特徴とする請求項2に記載のFe基軟磁性金属ガ
    ラス合金。
  5. 【請求項5】 他の金属元素が、周期律表IIIB族及
    びIVB族の金属元素のうちの少なくとも1種以上であ
    ることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のF
    e基軟磁性金属ガラス合金。
  6. 【請求項6】 他の金属元素が、Al、Ga、In及び
    Snのうちの少なくとも1種以上であることを特徴とす
    る請求項5に記載のFe基軟磁性金属ガラス合金。
  7. 【請求項7】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金の組成
    が原子%で Al: 1 〜10% Ga: 0.5〜 4% P: 9 〜15% C: 5 〜 7% B: 2 〜10% Fe: 残部 であることを特徴とする請求項1,2,3,5,6のい
    ずれかに記載のFe基軟磁性金属ガラス合金。
  8. 【請求項8】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金の組成
    が原子%で Al: 1 〜10% Ga: 0.5〜 4% P: 9 〜15% C: 5 〜 7% B: 2 〜10% Si: 0 〜15% Fe: 残部 であることを特徴とする請求項1,2,4,5,6のい
    ずれかに記載のFe基軟磁性金属ガラス合金。
  9. 【請求項9】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金の組成
    に、原子%でGeが0〜4%含有されていることを特徴
    とする請求項7または8に記載のFe基軟磁性金属ガラ
    ス合金。
  10. 【請求項10】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金の組
    成に、原子%でNb、Mo、Hf、Ta、W、Zr及び
    Crの少なくとも1種以上が7%以下含有されているこ
    とを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のFe基
    軟磁性金属ガラス合金。
  11. 【請求項11】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金の組
    成に、原子%で10%以下のNiと30%以下のCoの
    少なくとも一方が含有されていることを特徴とする請求
    項7〜10のいずれかに記載のFe基軟磁性金属ガラス
    合金。
  12. 【請求項12】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金が薄
    帯状であり、その板厚が20μm以上であることを特徴
    とする請求項1〜11のいずれかに記載のFe基軟磁性
    金属ガラス合金。
  13. 【請求項13】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金が薄
    帯状であり、その板厚が20μm以上、200μm以下
    であることを特徴とする請求項l,2,3,5,6,
    7,9,10,11のいずれかに記載のFe基軟磁性金
    属ガラス合金。
  14. 【請求項14】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金が薄
    帯状であり、その板厚が20μm以上、250μm以下
    であることを特徴とする請求項l,2,4,5,6,
    8,9,10,11のいずれかに記載のFe基軟磁性金
    属ガラス合金。
  15. 【請求項15】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金のX
    線回折像がハローパターンを具備することを特徴とする
    請求項1〜14のいずれかに記載のFe基軟磁性金属ガ
    ラス合金。
  16. 【請求項16】 前記Fe基軟磁性金属ガラス合金に、
    300〜500℃の温度範囲の熱処理が施されてなるこ
    とを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のFe
    基軟磁性金属ガラス合金。
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