JP4900502B2 - ダマが起きにくい泡立器 - Google Patents

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本発明は小麦粉等のような粘度と重量のある材料を攪拌する際、未熟な人が行なうと発生する、ダマと呼ばれる、水分と混ざらないで出来る小さな粒状の粉の発生防止と解消を計り、初心者でも熟練者同様に攪拌が早く出来、洗浄作業も容易となる泡立器に関するものである。
図13のごときループ状の攪拌部の泡立器は、攪拌する為の線材部と線材基部を埋め込んだ握り部からなる。手動、電動共に線材部は複数本の線材を握り部から先端に向かって広がり、折り返して握り部に埋め込まれる。先端部は球状の外観に膨張拡大させ、各線材は先端部で段階状に交差している。先端部に向かう線材同士は握り部縁で横に一定等間隔を設け並列し、円を描いて放射状に並ぶ為、泡立器の断面は図12のごとくになる。線材が握り部の縁側だけの配置であり、中央に向かって設けられていないため、図6の断面図のごとく線材が内側に並んでいない。
従来、攪拌部の複数本の線材を握り部に埋め込む配置として、図9のごとく握り部縁の内周に等間隔に放射状に埋め込む。あるいは、図10のごとく長四角枠を設け、その中に複数本の線材を固定帯を挟んで向かい合うように並列させている。又、図11のごとく線材をワイヤーで束ね、握り部とした小さな泡立器もある。図9、10、11はいずれも握り部上面図であるが、線材は握り部の縁側のみであり、その握り部の内側となる中央部に線材は設けられていない。そして、故意に2〜3本の線材同士を繋ぐ事は無く、線材の断面が楕円型、角型等の形をした商品は無い。又、板状の線材を用いた先願物はあるが、ねじりを加えている事で製造高原価や洗浄作業で問題が有り、握り部の中央側にも線材を設けたものではない。
攪拌部は多様な形態のものが市場に出回っているが、多くは卵や生クリーム等を主婦が簡単にできる事を目的としている為、重量や粘りのある粉を溶くには不向きな構造であり、洗浄も面倒であった。
又、線材が握り部から先端に向かい、折り返して握り部に埋め込まれる際に、先端折り曲げ部位で自転の為に線材を中心部で分断し、保持軸を設け、各線材は保持軸に同位置に溶接させ、羽根の骨格様に構成させた先願品もあるが、ステンレス材を溶接させる部位が多く、超高コストとなり、攪拌部の全体が硬直化するため手動式には向かず、ダマを捉える事は困難な構成である。仮に、樹脂材に変更した場合では、強度が乏しく、洗浄も大変で、業務用の粉の攪拌には無理があった。
特許4071904 実開平6−17644
泡立器は少ない線材数で操作し、異なる用途にも対応でき、出来るだけ単純な構造が軽量で扱い易い。洗浄、価格等の条件に加え、熟練の操作性を必要とせず、初心者でも手作業や電動式に用いても操作が容易であり、できたダマを簡単に解消出来る泡立器が求められている。
従来粉を溶く際、ダマを防ぐ為に粉を漉す網を用いていた。粉の中に空気を含ませる事で粉の固まりを無くし、水の浸透が容易になる事で攪拌が促進され、ダマを防いでいた。不得手な人には欠かせない事前作業の道具であり、余分な労力と時間であった。
ダマが出来る原因は、線材同士が重なる先端部の操作性に有る。熟練者は、線材が段階的に重なる先端部の操作で粉を薄く切り、水や空気を含ませ、早く溶き、ダマはできにくくなる。未熟な人は、この線材が重なる先端部操作を習得する必要があった。又線材は適度にシナリ、粘りや重量抵抗を受け乍ら被溶材を渦巻き状に攪拌できなければ、早く達成出来ない。
ダマを解消出来ない原因は、線材の動きで生じる波に押され、ダマは線材に当らず横に逃げていた。ダマを線材に直接当てる事は困難であり、出来たダマは長時間寝かせても馴染む事が無く、ダマとして残る事が多くあった。
手動式と電動式は同一の形状でも操作は別のものである。例えば、電動式は自転し、容器内を移動させる。この工程で粉は溶く事は出来るが、初心者ではダマが出来、高速回転や逆回転等に切り替えてもダマは解消出来ない。仮に8本の線材を埋め込むと16本の線材を円回転させる事となる。同じ位置で回転させると、自転の円運動の為1本の線材の繰り返しの為16本設けても効果は10本や6本と大差はない。ダマが出来ないように行なう操作性の問題であった。
一方、手作業では泡立器は自転の円回転ではなく、手首を効かし、握り部を起点として線材部全体を使って、上下の円から楕円の運動をさせる事で攪拌している。線材部は常に移動し、線材自体も粉や水の重み抵抗でシナリ、静止状態ではない形状となる。特に手動での操作性でダマの発生が顕著にみられる。
従来の泡立器は図9、10のごとく線材同士が握り部縁に円を描いた配置や束ねる為に、ループ状になる線材は横に等間隔の放射状に並列し、図12断面図のごとくになる。結果、線材先端から握り部にかけての中空内部に粉がそのまま残り、攪拌は線材の外側を溶いている。この構造がダマの発生する原因の一つであり、できたダマに当る線材が構造上一本での繰り返しになり、解消できない構造であった。特に水分が少ない生地を溶く場合はダマが顕著に生じる。
又、線材の数は多い程良く、一部の線材を短くする事で線材列の内側に線材を設ける構成の場合は先端中空の空白部に粉が残りにくくなるが、ダマを解消させる発想ではない為粉は溶けてもダマの解消を促進させる事が困難であった。そして、洗浄しにくい問題点がある。特に粉系は洗浄を丁寧に行なわなければ乾燥後、粉が線材に皮膜のように残り、大変不衛生であり、洗浄が容易にできる構造は必須条件である。線材の本数が多くても、生じた米粒大のダマを、解消させる事ができなければ、粉を溶いた事にならなかった。
攪拌作業での線材は抵抗でシナリ、各線材は不均衡に広がる。此の為、均一に粉を薄く切る事が出来ず、ダマを発生させていた。そして、粘りの中で漂うダマを単独の線材に当てようとしても、丸形棒状の線材の場合、抵抗で生じる波に押されてダマは横に流れ、線材に当らず、破裂出来ないでいた。
図1、2、3、4、5、7、8の握り部上面図のごとく線材を握り部の縁から一部の線材を中央側に向けて設け、図6断面図のごとく線材が並び、握り部基部から各線材が内側に一定の間隔を保つようにする。
各線材は図14の線材部の一部側面図のごとく樹脂材8等で繋ぎ、線材の過度なシナリで広がる線材間の等間隔配置を維持する。
丸型断面の線材では抵抗で波が生じる。その波でダマを横に逃がさなくする為に線材断面を楕円型系、角型系、板型系等にする事でダマに直接当てる事や、後ろに導き、並列群内で挟み、破裂を容易にさせる。
同じ線材数であっても、一部の線材の配置を握り部の中央に向かって設ける構成に組み替えただけで、攪拌が促進され、ダマができにくくなり、出来たダマを容易に破裂できるので、熟練性が不用となり、不得手な人や初心者でも熟練者並みの即戦力となり、粘りがある材料からメレンゲ等異なる用途でも早く達成できる。
少ない本数でも線材が握り部の中央に向けて設ける事で、攪拌部の内側の空白部が減少する。この事は先端中空部内に残る粉が無いという効果である。このように、先端部以外でも線材の重なる部分が増加し、攪拌部のどの位置でも粉を薄く切る機会が拡大して早く溶くことができる。又、線材間で挟む事で、出来たダマは通過時に破裂し易くなる。
通常、泡立器は被泡立部のボールや容器等に対して寝かし気味に使用して攪拌する。複数本の線材が前後に群となり、先頭の線材の波で横後ろに逃げたダマは少し後ろの線材とに挟まれて破裂され、線材が二枚刃あるいは三枚刃となる。仮に線材を図2のごとく十文字状に設けた場合、線材列は、一つの列ではダマを挟み破裂し、他の三列でも寝かせる為に、列の角度が変化し、粘りの中で漂うダマを捉え、破裂出来る。線材の本数を増加させる必要が無く、熟練者の操作性を必要とせず、不得手な初心者でもすぐに達成できる。
間接効果として、従来攪拌を促進させ、ダマを防ぐ為にボールに粉を直接入れないで、網を用いたこし器で振るいを掛け、空気を含ませ、水が入り易くしていた。初心者用のこれらの器具も不用となる。
粉系より水分が多く、軽いホイップやメレンゲ等は空気を早く混ぜ込む事ができ、作業がより早く出来る。又、粉で生じるダマの大きさは米粒大前後が一般的であるが、お米を研ぐ場合でも線材に当る機会が上昇し、短時間で達成出来る。終了後にお米が引っかかっても研ぐ為に使用したボール等の角に軽く打ち当てればお米は落ちる。
線材断面が丸形以外で、楕円型系や角型系、板型系等の形であれば、攪拌開始後から生地を薄く切る事ができ、作業が早くできる。動きで生じる波の発生を押さえ、直接当り易くなる。さらに、漂うダマを横でなく、後ろに移動させ易くなり、並んだ線材間に、より挟み易くなり、解消が促進される。電動式のドリルタイプから、ハンドミキサーにも使用できる。又数本の線材同士を繋ぐ事で、線材を太くしなくても粘りに対応し易く、粉を均一に切る事ができ、重量抵抗での過度なシナリや、線材間の広がり、並列が崩れる事を防ぐ事ができる。
以下の通りである。
図1は握り部上面図であり、本願線材の配置を示す一例である。1は握り部であり、2は線材である。5はダマの流れる方向を示し、線材内の数字3は線材を埋め込む順の一例である。1〜1、2〜2、3〜3、4〜4、5〜5、6〜6の順に交差して埋め込まれ、各3本をくの字状に配置してダマを引き込み易くできる。握り部内周縁から中央に向けて線材を設け、各線材間は握り部から先端部で折り返し、握り部に戻るまでほぼ一定の間隔を保つ。この間隔は米粒大のダマを挟む為に都合の良い幅であり、2ミリ前後の間隔が望ましく、この構成で先端部に向かう途中でも粉を薄く切り、水分を早く容易に含ませる事が出来、できたダマを挟む事も出来る。線材が握り部中央部に向かって構成されることで攪拌部の内側に粉の固まりが残る事も防げる。
図4,5は束ねた線材の中央側に線材を配置するタイプである。線材2を囲む枠4で束ねた攪拌部を樹脂材等の握り部に埋め込む。あるいは、ワイヤーで束ね、握り部とする事もできる。線材内の数字3は線材を配置する順の一例である。
(参考例3)
図4、5は束ねた線材の中央側に線材を配置するタイプである。線材2を囲む枠4で束ねた攪拌部を樹脂材等の握り部に埋め込む。あるいは、ワイヤーで束ね、握り部とする事もできる。線材内の数字3は線材を配置する順の一例である。
図6は図2の断面図であり、握り部1に線材2が中央側に並ぶ。線材の間隔は2ミリ前後の幅が好ましく、最内側の線材を短くする事や攪拌部のループ形状を膨張させる事で断面状態、線材間は変化する。
図7は握り部が細いサイズの場合の線材の配置上面図であり、握り部1の縁の線材2と中央部の線材が必ずしも等間隔ではない一例である。
図8は請求項3に関わる板型線材7を用いた握り部1の上面図である。一般的な丸型線材の径は約1ミリから用いられているが、線材の動きで波が生じ、ダマに直接当てる事が出来ずにいた。板型線材の場合は線材の厚みを出来るだけ薄くする事で、ダマに直接当り易くなる。線材の幅も2ミリ前後で良く、配置角度を変える事でダマを挟み易くできる。楕円型や菱型もダマに当り易くなる。
図14は請求項2に関わる側面図であり、樹脂材8で線材2を繋ぎ、攪拌作業時にシナリすぎる線材間を維持する事で、均等な攪拌を計る。すべての線材群毎を繋が無くてもよく、握り部の径を小さくした場合は握り部の縁側の一部を繋ぐ方法も良い。又数本の線材同士を繋ぐ事で、線材を太くしなくても粘りに対応し易く、重量抵抗での過度なシナリや、線材間の広がり、並列が崩れる事を防ぐ。
線材を中央に向かってくの字状に配置した握り部上面図であり、ダマの流れを矢印で示す。 線材を90度の間隔で握り部中央に向かって埋め込んだ握り部上面図である。(参考例1) 線材を60度の対タイプとした握り部上面図であり、ダマの流れを矢印で示す。 縁から中央に線材を設け、その線材を枠の中に束ねたタイプの握り部上面図である。 縁から中央に線材を設け、その線材をワイヤーで束ねたタイプの握り部上面図である。 図2の断面図であり、線材が握り部の中央側に向かって並んでいる。(参考例2) 細い握り部や小型の泡立器の場合に用いる線材の配置方法で、線材が変則配置された、握り部 上面図である。 板状線材を用いた、握り部上面図である。 握り部の縁に線材が配置された従来型の上面図。 線材が枠内で囲まれ、線材を中央側に設けず、縁側のみとした従来型の握り部上面図。 線材をワイヤーで束ねた従来型の握り部上面図。 従来型泡立器の断面図。 従来型泡立器の全体斜視図。 線材を樹脂材で繋いだ一部側面図。
1. 握り部
2. 線材
2A. 攪拌部
3. 線材を埋め込む順の番号
4, 線材を囲む枠
5. ダマの流れる方向を示す矢印
6. 線材基部の固定帯
7. 板型線材
8. 線材を繋ぐ樹脂材
9. 攪拌中空部














Claims (3)

  1. ループ状の複数の丸型線材を先端で交差させて成る攪拌部と、この複数の線材の基部埋め込まれて攪拌部を支える握り部からなる泡立器において、握り部に配置する線材を中央に向かって縁側、縁側と中央側の間、中央側に各一本を始端として配置し、終端の線材基部はその握り部の対向位置に配置され、その始端から終端に配置される各線材の埋め込み方法は縁側から中央側に、縁側と中央側の間から縁側と中央側の間に、中央側から縁側に設けられた事を特徴とした泡立器。
  2. 攪拌部の線材同士を、2本あるいは3本毎に繋いだ事を特徴とした請求項1記載の泡立器。
  3. 攪拌部の線材の断面が丸型に代えて楕円型系、あるいは板型系の形状を用いる事を特徴とした請求項1、2
    のいずれかに記載の泡立器。
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