JPH0642739B2 - テレビジョン受像機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 この発明はカラーテレビジヨン受像機の消磁、詳しく
は、切換モード型電源を持つた受像機中の消磁回路を付
勢するための電力を供給する構成に関するものである。

カラーテレビジヨン受像機は、受像管のシヤドウマスク
を含む金属部品が地球磁界や電気機器が生じる外部磁界
によつて磁化されることがあり、その結果、電子ビーム
のランデイング位置が変つて表示画面の色の質が低下し
てしまう。そのため、カラーテレビジヨン受像機に、受
像機のスイツチをオンするたび毎に動作する消磁回路を
設けるのが普通である。この消磁回路は通常シヤドウマ
スク近傍で受像管を囲むように配置された導体コイルを
備えている。受像機が初めにターンオンされると、交流
主電源からの電流が消磁コイルを流れる。通常この消磁
コイルに直列に接続されている正の温度係数を持つたサ
ーミスタが設けられ、消磁電流による加熱のためにその
抵抗が増大し、それによつて消磁電流が減少して、実質
的に零になる。この漸減交流消磁電流が実効的に管のシ
ヤドウマスク及び周辺の金属部品の消磁を行い、色純度
と画質を回復させる。サーミスタは受像機がオンの間は
高抵抗を維持し、また受像機を一旦オフした後は、再び
ターンオンした時に適正な消磁作用が行なわれるよう
に、このサーミスタを冷却するために受像機をある時間
ターンオフに保つことを必要とする。

遠隔制御を備えた受像機は、受像機がオフの時にも遠隔
制御受信回路と遠隔制御スタンドバイ（待機）電源とに
対して電力を供給するために、継続して交流主電流の電
力が受像機に供給されることにより、改変型消磁回路を
用いる必要がある。初めに説明した消磁回路は消磁用サ
ーミスタを冷却するために交流主電源を切る必要があ
る。

遠隔制御系を有する受像機で消磁を行うために、米国特
許第4,295,078号に示されているように、サーミスタと
消磁コイルに直列にリレーを設け、電源トランスの２次
巻線のような受像機の動作中のみに動作する受像機電源
からエネルギを受けるようにすることもある。この構成
では受像機がオフの間は消磁回路が交流主電源から切離
され、そのために、受像機が再びターンオンされると常
に有効な消磁が行われることになる。しかしながら、こ
の構成では、受像機がオンの間は常に消磁リレーコイル
が電流を必要とするために、受像機の消費電力が増加し
てしまう。

交流主電源と受像機回路の多くのものとの間を電気的に
分離して、ビデオ及び音声信号を直に受像機に導入した
りあるいは受像機から取出すことができるようにして、
家庭用コンピユータ、ビデオテープレコーダ、ビデオデ
イスクプレーヤなどの直接供給型ビデオ信号源や外部オ
ーデイオ部品と接続することが望まれる。電気的な分離
は、使用者が電気的シヨツクを受けることがないように
するために、また、相互接続された部分を不所望な電気
的ストレスから守るために必要となる。このような分離
は、交流主電源から取出された調整されていない電圧源
に結合されたホツトな１次巻線と外部装置に接続してい
る受像機回路に結合されたコールドな分離２次巻線とを
備えたパワートランスを持つた切換モード型電源を使用
することにより効果的に行うことができる。１次巻線は
未調整電源からの電流の流通によつて付勢され、その電
流導通が負荷回路に電力供給する２次巻線に電圧を誘起
する。１次巻線の電流導通期間は、２次巻線に発生する
電圧を調整するために制御される。

遠隔制御受像機においては、消磁回路を付勢するリレー
接点は通常ホツトな交流電源に結合されている。リレー
の構造を簡素化し、コストを下げるために、リレーのコ
イルを同様のホツトな電源で付勢することが望ましい。
このようなリレーを使う場合には、前述の切換モード型
電源の変成器２次巻線はコールド、即ち、交流主電源か
ら電気的に分離されているために、前述の米国特許第4,
295,078号に述べられているような形で使用することは
できない。変成器に別にホツトな巻線を設けることは、
コストが上がり変成器の構造を複雑にするので好ましく
ない。

この発明は電気的な分離を行う切換モード型電源を持つ
た遠隔制御されるカラーテレビジヨン受像機中の消磁回
路リレーを付勢するための構成を提供するものである。

〔発明の概要〕

この発明によれば、映像感の消磁のための消磁回路を持
つたテレビジヨン受像機で使用するための切換モード型
電源は、第１と第２の巻線を有する変成器を有し、その
第１の巻線は電圧源に、また、第２の巻線は少くとも１
つの受像機負荷回路に結合されている。上記第１の巻線
には上記電源用のスイッチが結合されており、このスイ
ッチが導通すると第１の巻線から第２の巻線にエネルギ
が転送され、それによって、第２の巻線の両端間に電圧
が発生し、負荷回路を付勢する電圧が生じる。このスイ
ッチを制御するための手段が設けられている。第１の巻
線から第２の巻線へのエネルギの不完全転送によって生
ずる不都合な過大電圧に対して上記のスイッチ用保護す
る回路があり、この回路は第１の巻線と消磁回路とに結
合されており、第１の巻線から第２の巻線へ転送されな
かったエネルギを第１の巻線から取除いてその少なくと
も一部を消磁回路に付勢電力として供給する手段を持っ
ている。

〔詳細な説明〕

添付の図には切換モード型電源10を備えたカラーテレビ
ジヨン受像機の一部が示されている。交流主電源11から
得られた受像機動作電力はブリツジ形整流器12とフイル
タキヤパシタ13とに加えられ、端子14に未調整直流電圧
と未調整直流電流の供給源が形成される。交流主電源は
さらに、消磁回路19中の消磁コイル15、正の温度係数を
持つたサーミスタ16、及び消磁回路付勢リレー17のスイ
ツチ接点18とに結合されている。更に、待機電源変成器
21の１次巻線20も交流主電源に結合されている。一般的
に、消磁コイルはカラーテレビジヨン映像管（図示せ
ず）のシヤドウマスク（有孔マスク）あるいはグリル近
傍で管を取囲こむように配置される。

端子14の未調整直流電圧はパワートランス23の１次巻線
２２に加えられる。この未調整電源からの電流が１次巻
線２２を流れると、パワートランス23の２次巻線24と25
のそれぞれの両端間に電圧が誘起される。巻線２４に誘
起された電圧はダイオード２６よつて整流され、キヤパ
シタ27によつて濾波されて端子30に、例えば、＋16.5Ｖ
程度の直流電圧を発生させる。巻線25に発生した電圧が
ダイオード31によつて整流され、キャパシタ32によつて
濾波されて端子33に127Ｖ程度の直流電圧を発生させ
る。この電圧は高電圧変成器35の１次巻線34の一端に供
給される。１次巻線34の付勢によつて高電圧巻線36の両
端間に約２５KVのアルタ電圧が発生し、また、水平偏向
出力回路40に電力が供給される。

出力回路40は、映像管の構造に基因する対称走査歪みの
補正を行うＳ字修正キヤパシタ42に直列に結合された水
平偏向ヨーク巻線41を備えている。この水平偏向出力回
路40は更にリトレースキヤパシタ43、ダンパダイオード
44及び水平出力トランジスタ45を備えている。水平出力
トランジスタ45を適当なタイミングでスイツチングする
ことにより、出力回路40は偏向ヨーク巻線41に水平偏向
電流を生じさせ、それによつて、映像管の電子ビームを
偏向させるための適当な磁界が発生する。

水平出力トランジスタ45は、水平発振回路47によつて制
御される水平駆動回路46からベースに加えられるスイツ
チング信号によつてスイツチングを行う。水平駆動回路
46は端子33の127Ｖ電源から給電されるものとして示し
てある。また、水平発振回路47は端子30における＋16.5
Ｖの電源から電力供給されるものとして示してある。

変成器21の１次巻線20へ加えられる交流主電源電圧は待
機電源51に電力を供給する２次巻線50を付勢する。待機
電源51は、受像機がオフの時に受像機を遠隔制御によつ
てターンオンすることができるようにするために、遠隔
制御受信回路52に電力を供給する。遠隔制御送信回路53
が、選択される受像機機能（例えば、オン・オフ、チヤ
ンネル切換、ボリユーム調整等）に応じた周波数の超音
波信号あるいは、普通は赤外線信号54を発生する。遠隔
制御受信回路はこれらの信号54に応答して、選択された
機能を遂行するために適当なテレビジヨン受像機回路を
制御する。

詳述すると、遠隔制御のオン・オフ機能についていえ
ば、遠隔制御受信回路52が「受像機オン」信号を受信す
ると、待機電源51から導体56を通して電圧調整器制御回
路55、例えば、松下電子社製の集積回路AN5900に電力供
給が行われる。遠隔制御受信回路52はさらに導体57を通
して電圧調整器制御回路55に信号を供給する。この信号
は制御回路55の通常動作制御信号が存在しない時、この
制御回路55を動作状態にする。

電圧調整器制御回路55は駆動変成器61の１次巻線60を付
勢するパルスを発生する。変成器61は変成器21と23と共
に、外部素子と接続している受像機回路と交流主電源と
の間の電気的分離を与える。図において、交流主電源か
ら分離されていない「ホツト」な素子と分離されている
「コールド」な素子とは別々の接地記号で示されてい
る。変成器61の１次巻線60の付勢により、ダイオード63
と抵抗64とを介してスイツチングトランジスタ65のベー
スに電圧を供給して該トランジスタ65を導通状態とする
２次巻線62に電圧が誘起される。

トランジスタ65の導通によつて、未調整電源から変成器
23の１次巻線22とトランジスタ65を介して電流がアース
に流れ、１次巻線22が付勢され、変成器機能によつて２
次巻線24と25に電圧が発生する。前に述べたように、こ
れらの電圧は整流濾波されて、種々の受像機回路に対し
て動作電力を与える。例えば、端子30における＋16.5Ｖ
は電圧調整器制御回路55に対する通常動作電源となる。

端子33における＋127Ｖ電源の電圧レベルは、抵抗66と6
7からなる分圧器を介して電圧調整器制御回路55によつ
てサンプルされて、変成器23の２次巻線に結合されてい
る回路に対する正確に調整された動作電圧レベルを維持
するために１次巻線60に加えられるパルスの幅すなわち
持続時間を調整するための制御信号が調整器制御回路55
に供給される。

変成器61の２次巻線70は巻線60を流れる電流の停止に応
答して付勢される。巻線70の両端間に生成された電圧は
トランジスタ71をターンオンさせ、これによつてトラン
ジスタ65の逆ベース電流に対する低インピーダンス電路
が形成されてトランジスタ65のターンオフを早める。キ
ヤパシタ72はトランジスタ65のベース領域中の蓄積電荷
の除去を促進する負のバイアス源となる。ダイオード73
はキヤパシタ72の電流に対する電路を提供する。抵抗74
とキヤパシタ75はトランジスタ71のベース駆動を制御す
る。

トランジスタ65がスイツチオフされると、巻線22のイン
ダクタンス中に蓄積されていたエネルギが２次巻線24と
25に転送され、前述したように負荷回路の電源電圧が発
生する。しかし、交流主電源と受像機負荷回路との間の
電気的分離を与えるために変成器23に要求される物理的
分離のために、変成器23の１次巻線と２次巻線との磁気
的結合は完全なものにはならず、その結果として、１次
巻線22に蓄えられたエネルギのいくらかは、２次巻線24
と25によつてその関連負荷回路へ転送されずに残る。こ
のエネルギを除かないと、巻線22の両端間の電圧が上昇
して過大となり、トランジスタ65にストレスを与え、損
傷を与える可能性が生じる。トランジスタ65の損傷を防
止するために、キヤパシタ80、ダイオード81及び抵抗82
から成る保護回路76が設けられており、これが、巻線22
中の蓄積エネルギの一部を取除く。

トランジスタ65がスイツチオフされると、巻線22からダ
イオード81を通つて電流が流れ、キヤパシタ80を充電す
る。この発明によれば、保護回路76の抵抗82が映像管消
磁回路のリレー17の付勢コイル83に結合されている。ダ
イオード81がカツトオフになると、キヤパシタ80が抵抗
82とリレーの付勢コイル83を通して放電を開始する。リ
レー付勢コイル83を流れる電流によつてリレー17のスイ
ツチ接点18が閉じ、交流主電源からの電流が消磁コイル
15とサーミスタ16とを流れることを可能にする。サーミ
スタ16の温度が上昇すると、その抵抗も上昇し、そのた
めに、消磁電流は零に向つて減少する。受像機がターン
オフされると、キヤパシタ80の電圧、従つてコイル83の
電流が減少し、スイツチ接点18が開く。サーミスタ16は
冷え始め、受像機が再びターンオンされた時に充分な消
磁電流を流し得る状態となる。

キヤパシタ80の容量は、受像機がターンオンしている期
間中スイツチ接点18を閉じたままにしておくためのリレ
ー付勢コイル83のコイル付勢電流を維持する例えば、15
0Ｖ程度の実質的に一定の直流電圧を抵抗82とコイル83
の直列回路に供給するに充分な大きさを持つている。

前に述べたように、１次巻線22の導電期間は、調整され
た２次巻線電圧を維持するために制御される。この巻線
22の調整制御によつてキヤパシタ80の両端間電圧、従つ
てコイル83を流れる電流も実質的に調整され、それによ
つて、信頼性のある回路動作が確保される。

消磁回路19にトランジスタ保護回路76を結合したことに
よつて、通常浪費される巻線22に蓄積されたエネルギが
利用できる。さらには、交流主電源と受像機負荷回路と
の間の電気的分離を有効に維持する一方で、余分な消磁
回路付勢用回路成分及びそれによる電力消費を不要にし
たことにより経済性が更に向上する。

【図面の簡単な説明】

図は、この発明に従つて構成した、切換モード型電源を
備えたテレビジヨン受像機の一部の概略ブロツク図であ
る。 10…交流主電源（切換モード型電源）、12…ブリツジ整
流器（電圧源）、19…消磁回路、23…変成器、22…変成
器１次巻線（第１の巻線）、25…変成器２次巻線（第２
の巻線）、40…水平偏向出力回路（負荷回路）、65…ト
ランジスタ（スイツチ手段）、55…電圧調整制御回路
（スイツチ手段導通制御手段）、76…トランジスタ保護
回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電圧源に結合された第１の巻線と、テレビ
   ジョン受像機の少なくとも１つの負荷回路に結合された
   第２の巻線とを備えた変成器と、 上記第１の巻線に結合されており、導通すると上記第１
   の巻線から上記第２の巻線にエネルギを転送する上記電
   圧源のスイッチ手段であって、上記第２の巻線がこの第
   １の巻線の付勢に応答して、その両端間に、上記負荷回
   路に供給されるべき電圧を生成するための電圧を発生す
   るように構成されているスイッチ手段と、 上記スイッチ手段の導通を制御する手段と、 上記第１の巻線から上記第２の巻線へのエネルギの不完
   全な転送によって生ずる過大電圧に対して上記スイッチ
   手段を保護する手段と、を具備して成り、 上記保護する手段は、上記第１の巻線と映像管消磁回路
   とに結合されており、また、上記第２の巻線に転送され
   なかったエネルギを上記第１の巻線から取除いてその転
   送されなかったエネルギの少なくとも一部を上記消磁回
   路を付勢するために供給する手段を含むものである、映
   像管消磁回路と切換モード型電源とを備えたテレビジョ
   ン受像機。