JP2965565B2 - 映像管の消磁方法、その消磁装置、カラーテレビジョン受像機およびカラー受像管の試験方法 - Google Patents

映像管の消磁方法、その消磁装置、カラーテレビジョン受像機およびカラー受像管の試験方法

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JP2965565B2
JP2965565B2 JP63033915A JP3391588A JP2965565B2 JP 2965565 B2 JP2965565 B2 JP 2965565B2 JP 63033915 A JP63033915 A JP 63033915A JP 3391588 A JP3391588 A JP 3391588A JP 2965565 B2 JP2965565 B2 JP 2965565B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は、カラー受像管などの映像管の消磁方法、
その消磁装置、その消磁装置を備えるカラーテレビジョ
ン受像機および上記消磁装置により消磁しておこなうカ
ラー受像管の試験方法に関する。
(従来の技術) スクリーン上に画像や文字などを表示する映像管の一
例としてカラー受像管がある。このカラー受像管は、第
5図に示すように、パネル(1)およびファンネル
(2)からなる外囲器(3)を有し、そのパネル(1)
内面に、赤、青、緑に発光する3色蛍光体層からなるス
クリーン(4)が形成され、このスクリーン(4)と対
向しかつ所定間隔離間して、その内側にシャドウマスク
(5)が配設されている。通常、このシャドウマスク
(5)は、スクリーン(4)と対向する多数の電子ビー
ム通過孔が形成されたマスク本体(6)と、このマスク
本体(6)の周辺部を支持するマスクフレーム(7)と
からなる。また、上記ファンネル(2)のネック(8)
内に、3電子ビーム(9B),(9G),(9R)を放出する
電子銃(10)が配設されている。
そして、上記電子銃(10)から放出された電子ビーム
(9B),(9G),(9R)をファンネル(2)のコーン部
(11)とネック(8)との境界部外側に装着された偏向
ヨーク(12)により、水平および垂直方向に偏向し、そ
の偏向ビームによりシャドウマスク(5)の電子ビーム
通過孔を介してスクリーン(4)を走査することによ
り、スクリーン(4)上に画像や文字などを表示するよ
うになっている。
さらに、このスクリーン(4)上に正しく画像や文字
を表示するためには、上記電子ビーム(9B),(9G),
(9R)に対する地磁気などの外部磁気の影響を防止する
必要があり、そのために、ファンネル(2)のコーン部
(11)内側には、マスクフレーム(7)に取付けられた
内部磁気遮蔽体(13)が配設されている。
通常のカラー受像管においては、上記シャドウマスク
(5)のマウク本体(6)、これを支持するマスクフレ
ーム(7)および内部磁気遮蔽体(13)は、それぞれ低
炭素鋼などの磁性材料で形成されている。そのため、こ
れらマスク本体(6)、マスクフレーム(7)および磁
気遮蔽体(13)が外部磁気により磁化されると、その残
留磁気のために電子ビーム(9B),(9G),(9R)の軌
道が変化して、3色蛍光体層に正しく射突せず、色純度
の低下をおこす。したがって、色純度良好な画像を表示
するためには、その残留磁気を消磁する必要がある。
通常、その消磁は、製造されたカラー受像管の特性試
験時におこなわれる。すなわち、カラー受像管は、その
製造工程において、各種の特性試験がおこなわれ、特に
画質評価の一項目として色純度の測定がある。この色純
度の測定は、カラー受像管のコーン部(11)外側に消磁
コイル(14)を巻装して、後述の方法により上記残留磁
気を消磁したのちにおこなわれる。また、上記残留磁気
の消磁は、カラー受像管を受像機に組込むときの色調整
時にもおこなわれる。そのために、特に消磁コイルを取
付けたカラーテレビジョン受像機がある。
一般に、上記残留磁気の消磁は、電子銃(10)から放
出された電子ビーム(9B),(9G),(9R)を偏向ヨー
ク(12)により偏向してスクリーン(4)を走査させな
がら、消磁コイル(14)に交流過渡減衰電流を流すこと
によりおこなわれる。従来、この交流過渡減衰電流によ
る消磁は、商用電源周波数と同一周波数でおこなわれて
いる。一方、偏向ヨーク(12)の垂直偏向コイルに流す
垂直偏向電流の周波数も、世界のほとんどの地域で商用
電源周波数と同一である。したがって、実際にこのよう
に垂直偏向電流と同一周波数の過渡減衰電流を流して消
磁をおこなうと、第6図に消磁電流の波形を(16)、垂
直偏向電流の波形を(17)で示したように、両者の位相
がうまく合って対称的なヒステリシス曲線を生ずること
は確率論的に少なく、多くの場合、両者間に位相差を生
ずる。そしてその位相のずれは一定しない。しかも、カ
ラー受像管に装着された偏向ヨーク(12)の垂直偏向磁
界は、第7図に曲線(18)で示すように磁界分布をな
し、そのスクリーン(4)側は磁気遮蔽体(13)にも及
んでおり、破線(19)で示す磁気遮蔽体(13)のネック
(8)側端部で5G程度の磁界となっているので、磁気遮
蔽体(13)では、垂直偏向磁界と消磁磁界とが重畳し、
消磁後も上位位相差のために残留磁気を生ずる。
すなわち、本来、磁気遮蔽体(13)のヒステリシス曲
線は、第8図に破線で示すように、回転対称的なもので
あるが、上記のように消磁磁界に垂直偏向磁界が重畳す
ると、実線で示すように、横軸(磁界の強さHを示す
軸)に対して上下にアンバランスな曲線(20)となる。
これをさらに詳しく説明すると、第9図(A)および
(B)図にそれぞれヒステリシス曲線(20)、およびそ
れに対応して消磁磁界(21)と垂直偏向磁界(22)の関
係(同一位相)を示すように、垂直偏向磁界がない場
合、本来縦軸(磁化の強さBを示す軸)上の位置にある
ヒステリシス曲線(20)上の点(a),(c)が垂直偏
向磁界(22)の存在によって縦軸上からずれた位置に移
動して、縦軸上の点は(a1),(c1)となり、点
(b),(d)における磁界の強さHb,Hdも、垂直偏向
磁界がない場合にくらべて小さくなるが、その小さくな
り方が点bにくらべて点dの方が大きくなる(Hb>H
d)。しかも、このアンバランスは、消磁磁界(21)と
垂直偏向磁界(22)が同一周波数の場合は、消磁を通じ
て常に同じ傾向に生ずる。その結果、同一周波数で常に
一定の位相差をもつ消磁磁界(21)と垂直偏向磁界(2
2)とを重畳した状態で消磁をおこなうと、ヒステリシ
ス曲線(20)は、点(r)に収束し、Brで示す大きさの
残留磁気を生ずる。しかも、その収束の位置は、消磁磁
界(21)と垂直偏向磁界(22)との位相差、すなわち消
磁のタイミングによって変化するため、位相差の大きさ
に応じて縦軸上を動き、残留磁気の大きさBrは、その位
相差に応じて変化するようになる。
第10図に同一周波数の消磁磁界(21)と垂直偏向磁界
(22)とを重畳して消磁した場合のスクリーン(4)四
隅部におけるビームランディングのずれ量を示す。横軸
のデータ取得回数は、測定ごとに消磁をおこなって実施
したものである。
このビームランディングのずれ量の測定結果からわか
るように、同一周波数の消磁磁界(21)と垂直偏向磁界
(22)とが重畳した状態で消磁をおこなうと、両磁界の
位相差が一定しないためにビームランディングが大きく
ばらつく。しかも、残留磁気のばらつきによって、最大
33μm、平均11μmのビームランディングのずれが発生
している。
(発明が解決しようとする課題) 上記のようにカラー受像管においては、外囲器内に配
設されたシャドウマスクや磁気遮蔽体などの磁性部材が
外部磁気により磁化され、その残留磁気のために電子ビ
ームの軌道が変化してスクリーンに正しく射突せず、色
純度の低下をおこす。そのため、その残留磁気を消磁す
る必要がある。従来、その残留磁気の消磁は、電子銃か
ら放出された電子ビームの偏向ヨークにより偏向してス
クリーンを走査させながら、カラー受像管のコーン部外
側に巻装された消磁コイルに、偏向ヨークの垂直偏向コ
イルに流す電流と同一周波数の交流過渡減衰電流を流し
ておこなわれていた。
しかし、上記のように偏向ヨークの垂直偏向ヨークに
流す電流と同一周波数の交流過渡減衰電流を流して消磁
をおこなうと、それらの位相が一致することは少なく、
むしろ多くの場合位相差を生じ、しかもその位相差が一
定しないために、消磁後も大きさが一定しない残留磁気
が残り、ビームランディングに悪影響を与えている。
この発明は、上記問題点を解決するためになされたも
のであり、第1には、磁性部材が使用されている映像管
において、残留磁気を有効確実に消磁しうる消磁方法を
得ることを目的とする。
第2には、残留磁気を有効確実に消磁しうる消磁装置
を構成することを目的とする。
第3には、残留磁気を有効確実に消磁しうる消磁装置
を備えるカラーテレビジョン受像機を構成することを目
的とする。
第4には、残留磁気を有効確実に消磁しうる消磁方法
を利用して、画質を正しく評価することができるカラー
受像管の試験方法を得ることを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 偏向ヨークの垂直偏向磁界が及ぶ領域に配設された磁
性部材の着磁を、電子銃から放出される電子ビームを上
記垂直偏向磁界により偏向しながら、消磁コイルに交流
過渡減衰電流を流すことにより得られる磁界により消磁
する映像管の消磁方法において、消磁コイルの消磁周波
数をL[Hz]、偏向ヨークの垂直偏向周波数をM[Hz]
として、消磁中コイルに整数でなく、1<M/L<100の関
係を満たし、かつ消磁中のM/Lが一定となるような交流
過渡減衰電流を流して消磁するようにした。
また、その消磁装置を、消磁コイルと、この消磁コイ
ルにM/Lが整数でなく、1<M/L<100の関係を満たし、
かつ消磁中のM/Lが一定となるような交流過渡減衰電流
を供給する電源とで構成した。
さらに、カラーテレビジョン受像機において、受像機
にM/Lが整数でなく、1<M/L<100の関係を満たし、か
つ消磁中のM/Lが一定となるような交流過渡減衰電流を
流す消磁コイルを設けた。
さらにまた、カラー受像管の試験方法において、消磁
コイルにM/Lが整数でなく、1<M/L<100の関係を満た
し、かつ消磁中のM/Lが一定となるような交流過渡減衰
電流を流して消磁したのちに、スクリーン上の画質を評
価するようにした。
(作用) 上記のように消磁コイルにM/Lが整数でなく、1<M/L
<100の関係を満たし、かつ消磁中のM/Lが一定となるよ
うな交流過渡減衰電流を流すと、消磁中に消磁コイルに
流れる電流と垂直偏向電流との位相差を徐々に変化させ
ることが可能となり、アンバランスなヒステリシス曲線
を周期ごとに異ならしめて平均化することにより、残留
磁気をなくすことができ、消磁を有効確実におこなうこ
とができる。
(実施例) 以下、図面を参照してこの発明を実施例に基づいて説
明する。
まず、消磁装置について述べる。
この消磁装置は、たとえばカラー受像管の内部磁気遮
蔽体に対応してコーン部外側に巻装される消磁コイル
と、この消磁コイルに後述する交流過渡減衰電流を供給
する電源とからなる。この構成は、消磁コイルに流す電
流を除いて、従来の消磁装置と同じである。
消磁方法は、上記消磁コイルをカラー受像管に組込ま
れているシャドウマスクや内部磁気遮蔽体などの磁性部
材に対応して、コーン部外側の所定位置に配置し、電子
銃から放出される電子ビームを偏向ヨークの水平および
垂直偏向磁界により偏向してスクリーンを走査させなが
ら、上記コーン部外側に配置された消磁コイルに交流過
渡減衰電流を流すことによりおこなわれる。この交流過
渡減衰電流の周波数は、偏向ヨークの垂直偏向周波数と
異なる。第1図(A)および(B)図にそれぞれ対応し
てこの場合の内部磁気遮蔽体のヒステリシス曲線および
垂直偏向磁界と消磁磁界との関係を示す。この場合、
(B)図に点(a)ないし(h)で示したように、消磁
磁界(30)の最初の消磁周期の点(a),(b),
(c),(d)における垂直偏向磁界(31)に対して、
つぎの消磁周期の対応点(e),(f),(g),
(h)では、垂直偏向磁界(31)の大きさが異なる。し
かも、各消磁周期の対応点における垂直偏向磁界(31)
の大きさは徐々に変化してゆく。そのため、(A)図に
示したヒステリシス曲線(32)は、その各周期ともアン
バランスを生ずるが、そのアンバランスなパターンは各
周期ごとに変化し、結果的に各消磁周期のヒステリシス
曲線(32)を平均化して、点(r)で示すように残留磁
気を生じない消磁をおこなうことができる。
具体的には、たとえば垂直偏向周波数Mを60Hzとし、
消磁コイルに流す交流過渡減衰電流の消磁周波数Lをそ
れより低い50Hzとして消磁をおこなったのち、スクリー
ンの四隅部でビームランディングを測定した結果、30イ
ンチ110度、偏向カラー受像管で第2図に示す値となっ
た。すなわち、上記周波数で消磁をおこなうと、ビーム
ランディングのずれを最大5μm、平均3μmとするこ
とができ、従来の同一周波数の垂直偏向磁界と消磁磁界
とを重畳した状態で消磁した場合に最大33μm、平均11
μmのずれを生じたのに対して、いちじるしく小さくす
ることができた。
また、他の例として、垂直偏向周波数Mを50Hzとし、
消磁周波数Lをそれより大きい60Hzとして消磁をおこっ
た結果、スクリーン四隅部のビームランディングは、最
大17μm、平均6μmとすることができた。この値は、
上記垂直偏向周波数Mが60Hz、消磁周波数Lが50Hzの場
合にくらべて大きいが、従来の同一周波数の場合にくら
べて大幅に小さく、消磁が有効におこなわれることを示
している。
これらの結果は、垂直偏向周波数M(Hz)に対して、
これと異なる消磁周波数L(Hz)で消磁をおこなうと、
特に垂直偏向周波数Mに対して消磁周波数Lが低い場合
は、磁性部材内の磁区の動きが消磁に追従しやすくな
り、残留磁気の磁気方向が安定して消磁を容易におこな
うことができることを示している。しかし、この場合で
も、M/Lが100以上(M/L>100)になると、消磁コイルに
流れる電流が交流した直流に近くなり、所要の消磁が困
難になる。また逆に、消磁周波数Lが垂直偏向周波数M
よりも高くなると、磁性部材内の磁区の動きが消磁に追
従しにくくなることを示しており、有効確実に所要の消
磁をおこなうことができる範囲は、 1/10≦M/L<100、好ましくは、1<M/L<100である。
しかし、たとえば第3図に示すように、消磁磁界(3
0)の消磁周波数Lが垂直偏向磁界(31)の垂直偏向周
波数Mの1/2、すなわちM/L=2であると、消磁磁界(3
0)の最初の周期の点(a),(b),(c),(d)
で示す位置に対して、つぎの周期の点(e),(f),
(g),(h)で示す対応位置における垂直偏向磁界
(31)の大きさがそれぞれ同一となる。このような場合
は、ヒステリシス曲線は、常に同一のアンバランスなパ
ターンを生じ、消磁をおこなっても残留磁気を生ずるよ
うになる。
第4図は、消磁磁界(30)の消磁周波数Lが垂直偏向
磁界(31)の垂直偏向周波数Mの1/3、すなわちM/L=3
の場合である。この場合もヒステリシス曲線は、常に同
一のアンバランスなパターンを生じ、消磁をおこなって
も上記場合と同様に残留磁気を生ずる。
つまり、消磁磁界(30)の消磁周波数Lが垂直偏向磁
界(31)の垂直偏向周波数Mの約数の場合は、周期的に
同一のアンバランスなパターンを生じ、従来の同一周波
数の消磁磁界と垂直偏向磁界とを重畳して消磁する場合
と同様に残留磁気を生じ、消磁をおこなっても、ビーム
ランディングのずれが比較的大きくなる。
しかも、このような現象は、一般に、消磁磁界(30)
の消磁周波数Lが垂直偏向磁界(31)の垂直偏向周波数
Mの整数倍の場合に同様におこる。
以上総合すると、消磁磁界(30)を垂直偏向磁界(3
1)に重畳して消磁をおこなう場合、消磁磁界(30)の
消磁周波数Lと垂直偏向磁界(31)の垂直偏向周波数M
とは、基本的には、M/Lが整数でない関係にするとよ
く、その関係を保持して、 1/10≦M/L<100、好ましくは、1<M/L<100の範囲に
なるように設定することが最も良好である。
以上、内部磁気遮蔽体およびシャドウマスクを備える
カラー受像管の消磁について述べたが、上記実施例に示
した消磁方法および消磁装置は、内部磁気遮蔽体を備え
ず、ジャドウマスク、すなわちマスク本体とこれを支持
するマスクフレームまたはマスクフレームのみが磁性材
料からなるカラー受像管にも適用できるし、またカラー
受像管に限らず、垂直偏向磁界の及ぶ領域に磁性材料が
配設された映像管全般に適用できる。
また、この発明は、カラーテレビジョン受像機に消磁
コイルを設け、カラー受像管を受像機に組込んで色調整
する場合の消磁にも適用でき、受像機に組込まれるカラ
ー受像管の色純度を容易に調整することができ、かつ画
質良好なカラーテレビジョン受像機を製造することがで
きる。
さらに、この発明は、カラー受像管の製造工程におけ
る特性試験、特にその画質評価試験に適用して、製造さ
れたカラー受像管の画質を的確に把握することができ、
品質良好にして信頼性の高いカラー受像管を供給するこ
とができる。
〔発明の効果〕
垂直偏向磁界の及ぶ領域に磁性部材が配設された映像
管に対して、消磁コイルに、消磁周波数Lと垂直偏向周
波数Mとの比M/Lが整数でなく、1<M/L<100の関係を
満たし、かつ消磁中のM/Lが一定となるような交流過渡
減衰電流を流して消磁をおこなうと、消磁中に消磁コイ
ルに流れる電流と垂直偏向電流との位相差を変化させる
ことが可能となり、アンバランスなヒステリシス曲線を
一周期ごとに異ならしめて平均化することにより、残留
磁気をなくすことができ、有効確実な消磁をおこなうこ
とができる。したがって、その消磁方法、消磁装置を、
映像管、カラーテレビジョン受像機、カラー受像管の試
験方法などに適用すると、良好な結果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図はこの発明の実施例の説明図で、第
1図(A)および(B)図はそれぞれその一実施例であ
る消磁周波数Lが垂直偏向周波数Mと異なる消磁方法を
内部磁気遮蔽体を備えるカラー受像管に適用した場合の
ヒステリシス曲線および消磁磁界と垂直偏向磁界との関
係を示す図、第2図は特に消磁周波数を50Hz、垂直偏向
周波数を60Hzとして消磁した場合のスクリーン四隅部に
おけるビームランディングのずれを示す図、第3図は垂
直偏向周波数Mと消磁周波数Lとの比M/Lが2である場
合の消磁磁界と垂直偏向磁界との関係を示す図、第4図
は垂直偏向周波数Mと消磁周波数Lとの比M/Lが3であ
る場合の消磁磁界と垂直偏向磁界との関係を示す図、第
5図はカラー受像管の構成を示す図、第6図は従来のカ
ラー受像管の消磁における消磁磁界と垂直偏向磁界との
関係を説明するための図、第7図はカラー受像管用偏向
ヨークの垂直偏向磁界分布図、第8図は磁気遮蔽体のヒ
ステリシス曲線を示す図、第9図(A)および(B)図
はそれぞれ従来の消磁方法によりカラー受像管の消磁を
おこなった場合のヒステリシス曲線および消磁磁界と垂
直偏向磁界との関係を示す図、第10図は同一周波数の消
磁磁界と垂直偏向磁界とを重畳する従来の消磁方法によ
り消磁した場合のスクリーン四隅部におけるビームラン
ディングのずれを示す図である。 30……ヒステリシス曲線 31……消磁磁界 32……垂直偏向磁界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 毅 埼玉県深谷市幡羅町1―9―2 株式会 社東芝深谷ブラウン管工場内 (56)参考文献 特開 昭63−290089(JP,A) 特公 昭60−7869(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04N 9/29 H04N 17/04 H01J 29/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】映像管に装着された偏向ヨークの垂直偏向
    磁界の及ぶ領域に配置された上記映像管の磁性部材の着
    磁を、電子銃から放出される電子ビームを上記垂直偏向
    磁界により偏向しながら、消磁コイルに交流過渡減衰電
    流を流すことにより得られる磁界により消磁する映像管
    の消磁方法において、 上記消磁コイルの消磁周波数をL[Hz]、上記偏向ヨー
    クの垂直偏向周波数をM[Hz]として、上記消磁コイル
    にM/Lが整数でなく、 1<M/L<100 の関係を満たし、かつ消磁中のM/Lが一定になるような
    交流過渡減衰電流を流すことを特徴とする映像管の消磁
    方法。
  2. 【請求項2】映像管に装着された偏向ヨークの垂直偏向
    磁界の及ぶ領域に配置された上記映像管の磁性部材の着
    磁を消磁する消磁コイルと、この消磁コイルに交流過渡
    減衰電流を供給する電源とを有する映像管用消磁装置に
    おいて、 上記電源は上記消磁コイルの消磁周波数をL[Hz]、上
    記偏向ヨークの垂直偏向周波数をM[Hz]として、上記
    消磁コイルにM/Lが整数でなく、 1<M/L<100 の関係を満たし、かつ消磁中のM/Lが一定となるような
    交流過渡減衰電流を供給するものであることを特徴とす
    る映像管用消磁装置。
  3. 【請求項3】カラー受像管に装着された偏向ヨークの垂
    直偏向磁界の及ぶ領域に配置された上記カラー受像管の
    磁性部材の着磁を消磁する消磁コイルの消磁周波数をL
    [Hz]、上記偏向ヨークの垂直偏向周波数をM[Hz]と
    して、M/Lが整数でなく、 1<M/L<100 の関係を満たし、かつ消磁中のM/Lが一定になるような
    交流過渡減衰電流を流す消磁コイルを設けたことを特徴
    とするカラーテレビジョン受像機。
  4. 【請求項4】カラー受像管に消磁コイルを装着し、この
    カラー受像管の電子銃から放出される電子ビームを偏向
    ヨークの垂直偏向磁界により偏向しながら、上記消磁コ
    イルの消磁周波数をL[Hz]、上記偏向ヨークの垂直偏
    向周波数をM[Hz]として、上記消磁コイルにM/Lが整
    数でなく、 1<M/L<100 の関係を満たし、かつ消磁中のM/Lが一定となるような
    交流過渡減衰電流を流して消磁したのち、スクリーン上
    の画質を評価することを特徴とするカラー受像管の試験
    方法。
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