JPH0642688Y2 - 消火用ホースの巻取りリール装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本案は、消火用ホースの巻取りリール装置に係るもの
で、ビル等の通路壁面その他に設置された消火栓に用い
られる。

〔従来の技術〕

従来、前記壁面などに消火栓箱を埋め込み、この箱内に
回転自在なリールを設置し、通水可能に接続した保形ホ
ースを巻き込むようにしたものは公知である。これは、
火災発生時に消火栓箱の扉を開き、保形ホース先端の放
水筒を持って引っ張るとリールが回転し、保形ホースが
引き出されるようになっている。

〔本案が解決しようとする問題点〕

しかし、従来の保形ホースの巻取りリールには、その回
転を制御するブレーキ機構が設けられていないのが多
い。このため、バルブを開弁した場合には、１cm²当り
約10kgの水圧でドラムに巻き込まれた保形ホースに水が
流入するから、水圧によって保形ホースには棒状に伸び
ようとする反力が生じ、この反力によって保形ホースが
緩み出してリールの支持フレームなどに引っ張るとか、
又は先端の放水筒が付勢されてリールから飛び出ること
が多く、保形ホースの迅速、円滑な引き出しが阻害され
て非常時の消火活動に支障を来たすことがあった。

また、保形ホースの引き出し中にその引き出しを止める
と、牽引力によって回転しているリールが慣性で回転す
るために保形ホースが同様にリールからはみ出してフレ
ームなどに引っ掛り、その後の操作を困難にすることが
あった。このようなトラブルは、とくにジャケット保形
ホースを用いた場合に多い。

本案は上記の問題点を解決するもので、通水時における
保形ホース、とくにジャケット保形ホースの先端の放水
筒の飛び出しを防止し、且つホースの引き出しの停止と
連動してリールの回転を停止させることのできる消火用
ホースの巻取りリール装置を提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決する本案の装置は、消火栓の箱内に
支持筒体が回動可能に装着され、これに固着したフレー
ムの先端部に角エルボが固定されてその通水可能な突出
軸にジャケット保形ホースの巻取りリールが回転自在に
枢着された消火栓において、前記フレームに斜め下方へ
のアームを固着してその下端に作動板を枢着し、作動板
のホース引き出し側における一端には一方のリールの外
周縁に当接する位置にブレーキ材を、他端にはリール間
に突出する受け棒を設けるとともに、フレームと作動板
間に縮性バネを張設して常時は受け棒をリール側に牽引
させ、前記角エルボの上面には抑え棒を立設してその折
曲部をリールの直上部に臨ませたことを特徴としてい
る。

〔作用〕

火災発生時に消火栓箱の扉を開き、リールを手前に引く
と支持筒体が回り、フレーム及びリールの全体は箱の前
面側に回動してくる。

次いで、開閉バルブを開いてジャケットホース内に通水
させる。これにより、ホースには水圧によって棒状にな
ろうとする反力が生じ、とくに先端の放水筒がリールか
ら飛び出そうとするが、これは抑え棒を折曲しリールの
直上部に臨ませた先端部によって抑止されるから、直ち
にこの放水筒を持ってホースを引き出すことができる。

上記の引き出し作業中にホースの引き出しを止めると、
リールは慣性によって回転を続けるので、引き出そうと
するホースが通水による自重で緩んで垂れ下がり、受け
棒に当接してこれを押圧する。このため、作動板が縮性
バネの弾性に抗して軸を支点に回動し、ブレーキ材が一
方のリールの外周縁に当接してこれに圧接し、リールの
回転がストップされる。

〔実施例〕 以下、本案の一実施例を示す図面について具体的に説明
する。

図において１は消火栓箱、２は台板、３は台板に立設し
た支軸であり、第１図に示すように、この支軸３には支
持筒体４が回動可能に嵌め込まれている。支持筒体４の
一側にはフレーム５が熔接などで固着されて斜め上方に
伸びており、その先端の台座６には公知の構成の角エル
ボ７が固定して取り付けられ、角エルボ７から突出する
通水可能な軸（図示しない）にリール８が回転自在に枢
着されていて、常態下では、この軸の通水接続口に接続
したジャケット保形ホース（ｈ）をリール８内に巻き込
み、先端の放水筒（ｍ）をその最上部に位置させておく
（第２図の２点鎖線）。

前記フレーム５には斜め下方に伸びるアーム９が固着さ
れ、その先端に軸10で作動板11が回動自在に枢着されて
いる。この作動板11のホース引き出し側における一端に
は、硬質ゴムなどからなるブレーキ材12が取り付けられ
て一方のリール8aの外周縁に当接する位置に臨ませてあ
り、他端には、受け棒13が固着されてリール８の巻取り
幅の間に突出させてあり、アーム９と作動板11との間に
は縮性バネ14が張設され、常時は受け棒13がリール８側
に牽引されるように作用させてある。

また、角エルボ７の上面には抑え棒15が立設してあり、
直角に折曲した先端部15aをリール８の直上部に臨ませ
てある。

なお、図中16は角エルボ７に通水するための接続用エル
ボ、17は送水管、18は開閉バルブ、19はニップルであ
り、接続用エルボ16とニップル19は送水ホース（Ｈ）で
接続されている。

第２図は消火栓箱１内における平常時の状態を示してい
るが、この状態から、火災発生時に箱の扉（図示しな
い）を開いてリール８を手前に引くと支持筒体４が回
り、フレーム５、リール８の全体が箱の前面側に回動し
てくる。

次いで、開閉バルブ18を開くとジャケット保形ホース
（ｈ）内に通水され、このホースには水圧によって棒状
になろうとする反力が生じ、とくに先端の放水筒（ｍ）
がリールから飛び出そうとするが、これは抑え棒15の折
曲した先端部15aによって抑止されるから、直ちにこの
放水筒（ｍ）を持ってホース（ｈ）を引き出すことがで
きる。

そして、上記の引き出し作業中にホースの引き出しを止
めると、リール８は慣性によって回転を続けるので引き
出そうとするホースが通水による自重で緩んで垂れ下が
り、第４図に示すように受け棒13に当接してこれを押圧
する。このため、作動板11が縮性バネ14の弾性に抗して
軸10を支点に回動し、ブレーキ材12が一方のリール8aの
外周縁に当接してこれを押圧するから、リール８の回転
はストップされる。

〔効果〕 上記のごとく、本案によれば、角エルボの上面に抑え棒
を立設してその折曲部をリールの直上部に臨ませるの
で、通水時におけるジャケット保形ホース先端の放水筒
の飛び出しを防止できるとともに、ホースの引き出しを
中止した場合に、垂下するジャケット保形ホースにより
作動板の一端の受け棒を押圧させ、他端のブレーキ材を
一方のリールの外周縁に圧接させて直ちにリールの回転
を停止させることができるもので、寸秒を争う火災発生
時における消火活動の円滑性、迅速性に大きく貢献でき
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置を設置した消火栓箱の正面図、第２図
はこの装着の斜面図、第３図はブレーキ機構の要部の斜
面図、第４図は作動状態の説明図である。 １…消火栓箱、４…支持筒体、 ５…フレーム、７…角エルボ、 ８…リール、９…アーム、 10…軸、11…作動板、 12…ブレーキ材、13…受け棒、 14…縮性バネ、15…抑え棒、 15a…折曲部、 ｈ…ジャケット保形ホース、 ｍ…放水筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】消火栓の箱内に支持筒体が回動可能に装着
   され、これに固着したフレームの先端部に角エルボが固
   定され、その通水可能な突出軸にジャケット保形ホース
   の巻取りリールが回転自在に枢着された消火栓におい
   て、前記フレームに斜め下方へのアームを固着してその
   下端に作動板を枢着し、作動板のホース引き出し側にお
   ける一端には一方のリールの外周縁に当接する位置にブ
   レーキ材を、他端にはリール間に突出する受け棒を設け
   るとともに、フレームと作動板間に縮性バネを張設して
   常時は受け棒をリール側に牽引させ、前記角エルボの上
   面に抑え棒を立設してその折曲部をリールの直上部に臨
   ませたことを特徴とする消火用ホースの巻取りリール装
   置。